2017-06

宇宙鼠はニュータイプの夢を見るか?

宇宙鼠はニュータイプの夢を見るか?


 最初は前記事のサブタイトルを「宇宙鼠はニュータイプの夢を見るか?」にしようと思っていた。
 単なるパロディや言葉遊びではなく、私にとってはSF文庫本の表紙画のようなイメージが浮かぶ一文だったからだ。SF作品としての『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のイメージを強調したかったのかも知れない。
 でも、amazonやDMMのレビューとして投稿した際、ふざけているとか、気取っているとか勘違いされたら不本意なので、「ヒューマンデブリが、もしもニュータイプであったなら…」というサブタイトルに変更した。
 ま、そういうこと。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第11話から第13話までの感想  ~ ヒューマンデブリが、もしもニュータイプであったなら… ~

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第11話から第13話までの感想
  ~ ヒューマンデブリが、もしもニュータイプであったなら… ~

 長い間生き別れになっていた兄弟が、その絆を取り戻すには、余りにも条件が悪すぎた。
 敵味方に分かれた兄弟が、互いにモビルスーツに乗り込んで戦場に出て、その冷たい装甲に覆われたコクピット越しに会話を交わすだけでは、引き裂かれた絆を元に戻すことは出来なかった。

 兄である昭弘・アルトランドも、弟である昌弘・アルトランドも、アラヤシキ・システムをその肉体に宿した、一種の“強化人間”である。
 アラヤシキ・システムとは、「ナノマシンによって脳に空間認識を司る器官を擬似的に形成し、それを通じて操縦対象(モビルスーツ等)の情報を直接脳で処理できるようにするシステム」である。高性能の強化現実インターフェースを生身自体に実装しているわけだが、脳に空間認識を司る器官が擬似的に形成されるため、その人間の空間認識能力や処理能力も向上する。モビルスーツの操縦の場合、瞬間的に最適の空間機動を行えることになるわけだ。

 「神業的な空間機動と高い反応速度」といえば、“ニュータイプ”やそれを人工的に生み出そうとした擬似ニュータイプとも言える“強化人間”を思い出す。しかし、モビルスーツ・パイロットとしての能力は、本来ニュータイプの一面にしか過ぎない。
 むしろニュータイプとは「そもそも、戦争などしなくても済む人間」のことなのだ。「宇宙空間に適応したことにより認識能力が拡大され、他者との誤解無き意思疎通が可能となった人間」をニュータイプと呼ぶのなら、確かに戦争などしなくても済みそうである。

 だが、アルトランド兄弟がアラヤシキによって得た能力は、悲しいかな「拡張された空間認識能力」だけであった。アラヤシキは、心までは拡張してくれないのだ。二人の兄弟はニュータイプではなく、単なるアラヤシキ使いであり、そしてヒューマンデブリだった。

 兄である昭弘が未来への希望として語った「家族」という言葉は、弟である昌弘にとっては過去の絶望の記憶としてしか響かなかった。いや、ほんの少し前までは昭弘もまた、「家族」という言葉に対し、昌弘と同じように絶望を抱いていたのだ。もしも昭弘が家族という概念に絶望したまま昌弘と再会していたら、お互いにもっと良く理解しあえたのではないかと思うと、何ともやりきれない。

 更に皮肉なことは、全くの赤の他人同士である、ガンダムバルバトスのパイロットとガンダムグシオンのパイロットの方が、むしろ戦いの中でお互いのコアの部分を理解しつつあったということだ。互いに純然たる敵として命を奪い合っているにも関わらず、である。
 一方が「お前は人殺しを楽しんでいる」と見抜けば、
 もう一方が「お前は死んでも構わないやつだ」と見抜く。
 互いに互いの本質的な部分を理解しつつも、何の共感も分かち合うことなく、一方の死を以って意思の疎通が終わる。互いの機体は同じガンダムフレームの“兄弟機”。「殺し合う機械の兄弟」という図式も含め、どこまでも冷え切った相互理解の形であった。

 それでも鉄華団とダービンズは、死んでいった仲間を弔い、祈りを捧げる。
 今はその小さな世界の中だけでも、心が通じ合うことを良しとしなければならない。
 その理解の輪が少しずつ大きくなって、少しでも多くの人間が理解し合える世界が広がっていくことになるのだろうか? それとも…
 鉄華団の旅がこの先どうなっていくか、観続けないわけにはいかないだろう。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイ VOL.01(特装限定版)を買ったよ!   ~ 遅れ馳せながら、ファンであることを証明! ~

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイ VOL.01(特装限定版)を買ったよ!
       ~ 遅れ馳せながら、ファンであることを証明! ~


 今日、予約していた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイ VOL.01(特装限定版)が届きました。ちなみに購入先はDMM。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイVOL.01_1

 過去、DVDの類はAmazonで買うことが多かったのですが、Amazonは日本に税金を納めていないらしいので、DMMでも売っている物は出来るだけDMMで買うように最近はしています。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイVOL.01_2

 私は狭い意味でのガンプラをほとんど買わない(ガンダム関連のROBOT魂は結構買っている)ので、『鉄血のオルフェンズ』に対してお金を払ったのは、今回が初めて。これで私も漸くファンを名乗る資格を得ることが出来たというわけだ。
 ガンプラ等の公式ライセンス商品を買って、早い段階で『鉄血のオルフェンズ』を支えてきていた同志達よ、ありがとう! これからは私も一緒に『鉄血のオルフェンズ』を支えるぞ!

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ブルーレイVOL.01_3

 ブルーレイの予約は既に全巻済ませている。特典で何か面白いものがあったら紹介するつもりだ。
 1月にはバンダイファションネットから発売される公式ライセンス商品が届く予定なので、コスプレっぽく着て写真を撮ってみたい。既に、組み合わせるズボンとかアンダーウェアも発注してあるのだ!

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のいろいろな感想 ~ なぜ私にとって鉄血のオルフェンズが面白いのか自己分析してみた(1)~

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のいろいろな感想
~ なぜ私にとって鉄血のオルフェンズが面白いのか自己分析してみた(1) ~

 以前書いた記事の、私にとって『鉄血のオルフェンズ』が面白い理由の

(1)ボトムズやダグラムを思い出させると同時に、ちょっとサイバーパンクな要素が入っているところ。

について少し詳しく書いてみる。
 そもそもガンダムシリーズは、ファーストガンダムで
「ジオン独立戦争を、連邦側(反独立側)に主人公を置いて描いた作品」
として始まった。ちなみに私はその1979年の初回放送をリアルタイムで14才のとき(アムロとほぼ同年齢)に観て、ガンダム(シリーズ)のファンになった。

 “ポスト・ガンダム”として注目された『イデオン』は、
「独立側も連邦側も無く、対等な立場の異なる文明同士の衝突としての戦争」
が描かれた。ファーストガンダムとは、同じ戦争アニメでも構造が違った。

 『ダグラム』は、
「デロイア独立戦争を、デロイア側(反連邦側)に主人公を置いて描いた作品」
であり、ファーストガンダムとは構造は同じでも構図が真逆になっている。

 『ボトムズ』では、
「銀河を二分する二大勢力が、100年もの間戦争を続けていることにより、疲弊した社会」
という世界観が展開された。その「いつまでたっても戦争が終わらない」デストピア的な構造に飲み込まれていた主人公が、いつしかその核心へと近付いていくという構図だった。

 『ガンダムAGE』は、『ボトムズ』同様100年戦争という状況を提示しながらも、
「100年戦争を三世代に渡る大河ドラマとして描く」
ことをコンセプトとし、主人公とその乗機であるガンダムの世代が戦争の切り口として(あるいは世代が戦争を繋いでいく単位として)描かれていた。

 これでもうリアルロボットアニメにおける戦争の描き方(戦争の構造と構図)は出尽くしたかなと思っていたとき、『鉄血のオルフェンズ』が登場した。
 既に書いた通り、
「独立運動を、火星側(反連邦側)に主人公を置いて描いた作品」
という側面に関しては、『ダグラム』と同じ構図である。
「搾取され続け、いつまでたっても消耗品扱いされる状態から抜け出せない」
という社会の底辺に主人公が置かれているという構図は、『ボトムズ』と同じである。
 しかし、『ダグラム』や『ボトムズ』と根本的に異なる構造が、『鉄血のオルフェンズ』にはあるのだ。それは、

「独立運動を、火星側(反連邦側)に主人公を置いて描いた作品」
でありながら、主人公を含む組織が独立運動の主体ではないという構造だ。
 鉄華団は、結果的にギャラルホルンを敵に回した形にはなっているが、決して反政府組織でも独立派ゲリラでもない。鉄華団は、飽く迄もクーデリアの地球行きを請け負っただけの、一企業である。クーデリアの件だけに限定して言えば、クーデリアの地球までの旅を請け負った旅行会社に過ぎないのだ。

 当然、鉄華団の設立目的は火星の独立では無い。鉄華団の設立目的は、自分たちが消耗品扱いされる状態から抜け出して、まともな人間として生きていくことが出来るようになることである。三日月やオルガには、火星全体がどうのこうのという大志などは無く、飽く迄も自分と仲間達で立ち上げた会社(自分たちの生きる場所)を守るという身の丈のことで精一杯なのである。

 企業という構造を持つ意味においては、過去のガンダムシリーズよりは『トライダーG7』に近いと言えるかも知れない。『トライダーG7』には収支に関する話題が度々出ていたし、『鉄血のオルフェンズ』でもそうである。ただし、両作品では戦闘に関する描写(『鉄血のオルフェンズ』の場合、戦闘があれば高い確率で死者が出る)が基本的に異なるため、作品の雰囲気は大きく違っている。

 “仲間”・“家族”という要素も、ガンダムシリーズのテーマの一つである。鉄華団は軍隊では無いため、このテーマはより強く描かれている。
 ファーストガンダムでは、ホワイトベースという小社会が「同一地域社会からの避難民の寄せ集め」から「正規の軍隊」となり、最終話で主人公であるアムロにとっての「帰るべき場所」として昇華される。
 これに対し、『鉄血のオルフェンズ』の鉄華団は最初から「死んじまった仲間の血と、これから俺らが流す血が混ざって、鉄みたいに固まってるから、離れられない、離れてはいけない仲間」=家族としての小社会である。

 独立運動からも戦争からも基本的には別のところにある、家族としての会社。
 この構造が、楽しくも悲しくて、悲しくも愛おしい。
 だから、私は『鉄血のオルフェンズ』のファンなのだ。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第8話から第10話までの感想

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第8話から第10話までの感想
~ 晴れてテイワズ傘下となった鉄華団、その因果の行く先は?~

 地球から搾取され続けてきた火星という植民地が、独立を求めて動き出す。
 それはファーストガンダムにおけるジオンや、『ダグラム』におけるデロイアのような独立戦争を仕掛けることではなく、地球権力による火星の鉱物資源の流通規制を解除させることで、経済的な豊かさを得ることを目的としていた。
 しかし、それは現状秩序の崩壊を意味する。それによって新たな利権を手に入れるための抗争を勃発させ、下手をすれば結局は戦争になってしまう危険性を孕んでいた。

 意図して「戦争を起こす」のではなく、意図せずして結果的に「戦争を起こしてしまう」という構図である。
 火星独立運動の旗手であるクーデリアは、巨大企業テイワズに対し、自身の地球までの航路の確保と引き換えに、規制解除後の火星鉱物資源の流通業者として指名するという“密約”を交わす。これは地球側は勿論、火星側にも何の根回しも行っていない、クーデリア個人の独断専行である。この“密約”は、テイワズのボスが言うように戦争を防ぐための大義名分として機能するのか、それとも利権を求める戦火を開く火種となってしまうのか?

 第8話から第10話までは、鉄華団がテイワズの傘下に入ると同時に、クーデリア個人もまたテイワズと手を結ぶことになったイベントを核としつつ、登場人物の内面を掘り下げる描写が続いた。
 オルフェンズとは孤児を意味し、両親のいない鉄華団のメンバーを指す。そして、両親が健在でありながら絶縁に近い状態となっているクーデリアもまた、オルフェンズの中に自分の居場所を見出し始める。

 テイワズの下部組織であるタービンズと兄弟分になったことで、タービンズのボス曰く、
「武闘派で名の通ったタービンズに喧嘩を仕掛けてくる命知らずがいるとも思えない」
筈だったのだが、地球への航路を取って早々に、ギャラルホルンとは明らかに異なる所属不明のモビルスーツが襲い掛かってくる。
 物語は静から動へ。既に2クールの話数的には中盤に差し掛かかるところに来ており、これからどう展開していくのか、もう観続ける以外に選択肢は無い。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』視聴者の健全度(腐女子が少ない=健全)が高いことを、コスプレを見て確認できたので嬉しい

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』視聴者の健全度(腐女子が少ない=健全)が高いことを、コスプレを見て確認できたので嬉しい

 【『ガンダムUC(ユニコーン)』と『ガンダムAGE』の視聴者の健全度(腐女子が少ないという意味)は、コスプレを見れば分かる】 という記事を書いてから、約3年9ヶ月が経った。
 大変喜ばしいことに、ガンダム新作に関しては、腐女子離れが継続している。コスプレイヤーの数が、十分に少ないレベルに収まっているのだ。先ほど、『コスプレイヤーズアーカイブ』で調べた結果は以下の通り。

機動戦士ガンダムSEED…2255 人
機動戦士ガンダムSEED DESTINY…2486 人
機動戦士ガンダム00…2212 人
機動戦士ガンダムUC…200 人
機動戦士ガンダムAGE…50 人
ガンダムビルドファイターズ…202 人
ガンダムビルドファイターズトライ…84 人
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ…32 人

 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は1クールらしいので、単純に比例増加するとしても『機動戦士ガンダムUC』以降のガンダムシリーズと同レベルの人数に収まることになる。
 ちなみに、現時点でコスプレ人気(腐女子人気)の高い作品と比べると、

刀剣乱舞…14347 人
ハイキュー!!…13758 人

となっており、『機動戦士ガンダム00』等のレベルと比べても6倍程度の人数になっている。
 つまり、腐女子全体は減っていないが、腐女子がガンダム新作に寄って来なくなったのだ。『機動戦士ガンダムUC』のDVDは2010年3月12日から全国一般発売されているので、そこから起算すると約5年9ヶ月もそれが継続していることになる。

 ガンダムというコンテンツに、腐女子は必要ない。
 健全なファンだけで、ガンダムという商業作品は十分に持続的発展が可能であることが証明され続けている。
 そして、それが今後も続くように、私は強く願っているし、出来る範囲で協力する。
 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のブルーレイは、既に全巻予約した。
 バンダイファッションネットから発売となる鉄華団の衣服も、既に予約した。
 ROBOT魂のバルバトスも既に予約した(発売予定日が2016年4月30日って遅すぎないか? アニメの放送は終わってるんじゃないの? それとも00みたいに2期があるってことなの?)。

 ファーストガンダムみたいに普通に作って、腐女子(少数)が勝手に来るのは仕方がない。要は、腐女子に媚びた作りになっていなければ良いのだ。
 『機動戦士ガンダムUC』以降のガンダムシリーズは、現在放送中の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を含め、ファーストガンダムと比べて特に不自然な印象は受けない、普通の(健全な)作品である。観ていて純粋に楽しい。

 ちなみに、前記事で「腐女子だろうとガンダムシリーズを支える層の一部でしょうに」とコメントをした方がいたので、私は「プリキュアシリーズをエロアニメとして楽しんでいる層の存在がメディアで大きく取り上げられたと仮定しましょう。それがプリキュアシリーズの繁栄に寄与するとでも?」と返しておいた。プリキュアシリーズもガンダムシリーズも、健全なファンだけで支えることが出来るならば、それに越したことはない(ブランドイメージを落とすリスクを抱え込む必要はない)のだ。

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震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。