2017-08

『怪獣大戦争デラックス』

              『怪獣大戦争デラックス』

         【以下の文章は、2000年03月20日(月)頃に書いたものです】

 以前から、X星人をリメイクして、金髪の外国人女優さんに演じてもらいたい、と思っていました。
 でも、パツキンの美人が「X星から参りましたの」と言っても、現代ではギャグにしかなりようがないような気もします。

 それなら、無理にシリアスにせず、思いきってB級ギャグテイストのゴジラ映画ならどうだろう?!
 それも、日本独自のセンスを生かしたB級。スピリットは「バトルヒーター」のような真っ向勝負のB級で、もう、自己突っ込み全開!みたいなノリ。怪獣映画としての映像的クオリティは、平成ガメラ3クラスのA級。

 こんなミスマッチ、おバカで真剣な怪獣映画も一作ぐらいはあってもいいんじゃないでしょうか?
 東宝とトライスターで合作を創るとしたら、こういったコメディ路線の方が、むしろ上手くいくような気さえします。ゴジラその他の怪獣やUFOに関しては、デザインは東宝による日本式とし、映像化はトライスター担当のフルCGという分担にすれば、面白い映像になると思います。
 それでは、まずは主役格4人の登場人物の説明です(カッコ内はキャステイング)。


ナミカーワ(ユマ・サーマン)… 金髪碧眼、スタイル抜群のX星人美女。パートナーのグレンととも
                に、Z星から逃亡した犯罪者を地球まで追ってきた、いうなれば宇宙刑事。ガン捌きは格好良く決まるが、命中精度はゼロに等しい。その代わり、剣術に関しては達人。言動は一見貴婦人風だが、実際の性格はクールでエグい。しかし、基本的には正義と平和を愛する善人である。
 変装アイテムを装着しているため、着物姿を含め七変化を見せる。
 等身大のサポートロボットであるロボラドンを携帯電話の中にセーブしている。

グレン(空手家の、ニコラス・ペタス)… ナミカーワのパートナーで、一緒に地球にやってきたX星
                    人の宇宙刑事。金髪碧眼の二枚目で、適度にマッチョなナイスガイ。射撃の腕前は一流だが、ガン捌きが下手くそで、抜くときか撃ち終わって戻すとき、必ずと言っていいほど銃を落っことす。
 何故かブルース・リーに心酔しており、ジークンドー拳法を使いこなす。アクションは、ブルース・リーそのもの。性格は真面目・純情・正義漢。しかし、行動はドジでおっちょこちょい。協力者となった日本の女刑事、ヒカルに惚れてしまう。
 等身大のサポートロボットであるロボゴジラを携帯電話の中にセーブしている。

ヒカル(宇多田ヒカル or 藤谷文子)… 日本の女性刑事。成り行きで、地球側を代表して宇宙刑
                       事達に協力することになる。英語はペラペラ。注意深く慎重な性格と大胆な行動力を兼ね備え、刑事として理想的な人物だが、真面目すぎる性格が災いして上司とぶつかることもしばしば。剣道と合気道の高段者。

佐藤(唐沢寿明or 織田裕司)… 日本の男性刑事。もと暴走族のリーダーという変わり種。ヒカ
                    ル同様、成り行きで、地球側を代表して宇宙刑事達に協力することに。普段はおちゃらけたお調子者だが、正義感は強く、勝負所には強い。格闘技マニアで、数多くの格闘技を少しずつかじっている。ケンカに関しては強いと言うよりも上手いタイプで、乱戦においてその真価を発揮する。


 さて、物語は国会の代表質問のシーンから始まります。

 総理大臣と野党議員の答弁が行われている最中、国会議事堂の上空に2機の円盤が飛来し、国会会議室の真上にて空中静止。
 総理大臣と野党議員の答弁が行われている、その国会会議室の中央に、光のチューブとともにナミカーワとグレンの二人のX星人が堂々と降臨してきます。二人ともギンギンにラメの入った、もの凄い派手で体にフィットした衣装を着ています。

 目の前で起きた突然の出来事に、あっけにとられている国会議員の面々を無視し、二人は総理大臣に英語で話しかけます。
「(英語で)あなたが、日本の代表者ですね。お願いがあって、X星より参りました」
 英語の分からない総理大臣は、オロオロして周囲に助けを求める。英語の出来る女性議員が恐る恐る歩み出て、ナミカーワに英語で話しかける。
「あなたはX星から来たと言われましたね。地球人ではないということですか? なぜ、英語で喋るのですか?」
 ナミカーワは怪訝な表情で答える。
「私も、グレンも、X星から来た、X星人です。地球人は、みんなこの言葉を喋るものだと思っていたのですが、違うのですか?」

 水を打ったように静まり返っていた国会会議室内が、ざわめき始める。
「この宇宙人、英語喋ってるぞ」
「ガイジンじゃないのか、この宇宙人?」 
「なんで宇宙人が英語喋っているんだ?」 
「なんだ、あの派手な格好は?」 
「ガイジンはやっぱり、脚、長いなー」
 ざわめきを気にしている感じの二人のX星人、英語の出来る女性議員に話しかける。
「(英語で)時間がなかったので余り詳しく地球のことを調べていないのですが、私たち、どこか変ですか? 一応、宇宙人らしくしてきたつもりなのですが」
 あいまいな笑顔で、英語で何やら答える女性議員…。

 5分経過。
 あらたまって、答弁の席に立っているナミカーワとグレン。グレンが、流暢な日本語で喋り始める。
「我々は、Z星から逃亡した犯罪者グループを追っています。この犯罪者グループを逮捕するため、日本にいる怪物01および怪物02、つまり、ゴジラとラドンを、お借りしたいのです」
「ゴジラとラドンを?」驚く総理大臣。
「そうです」唱和するように答えるナミカーワとグレン。(ナミカーワは、相変わらず英語)
 ざわめく国会会議室内。しかし、すぐに静まる。
「しかし、ゴジラもラドンも、あー、30年ほど前に日本に一度現れたきり、姿を見せていないので、貸してくれと言われても…」
「ゴジラは浜名湖の底で眠っています」と、ナミカーワ。
「(通訳を介してナミカーワの発言を理解し)あそこは確か今、ボートレースが開催中の筈ですな」
 再びざわめく国会会議室内。
「そりゃ困る、俺あそこのレースに賭けてるんだ!」などのヤジが飛ぶ。
「静粛に!」議長が叫び、ざわめきは静まる。
「ラドンは阿蘇です」とグレン。
「あっそう」と総理大臣。寒すぎるギャグに、国会会議室内にピュ~ッと北風が走り抜け、書類が舞う。

「あ~、ま、とにかく、日本にいるゴジラとラドンを貸して欲しいと、まぁそういうことですな」
 自分のギャグが滑ったことに気付き、総理大臣は話を先へ進める。
「しかし、理由は何ですか? 日本固有の財産であるゴジラとラドンをお貸しするからには、Z星の犯罪者とやらを捕まえるために、どうしてゴジラとラドンが必要なのか、国民が納得する理由を…」
「Z星人の犯罪者たちは、現在金星に潜伏中です。連中は、金星で眠っている怪物0を復活させて、地球進行を狙っています」
「怪物ゼロ? それは一体何なのですか?」と総理大臣。
「怪物0に関しては、私たちも、それが強大な宇宙怪獣であるということ以外、分かっていません。これは、金星に飛ばした偵察ロボットから送られてきた映像です」
 不鮮明ながらも、いかにも悪の秘密基地らしい建造物と、タコともイカともカニともつかぬ奇怪な怪物の立体映像が現れる(立体映像の周囲で、何故か「映像は開発中のものです」という文字が点滅している)。

 どよめく国会会議室内。
「ありゃあタコだ!」「いやイカだ!」「金星だったらカニじゃないのか?!」
「静粛に!」議長が叫び、どよめきは静まる。
「Z星人の犯罪者たちが、逃亡先で怪物0を入手するこというケースは、我々も予想していませんでした。目には目を、歯には歯を、怪獣には怪獣を! ということで、敵の宇宙怪獣に対抗するため、我々も怪獣を現地調達しておきたいのです」
 しかし、総理大臣は国会答弁そのままの「関係各省庁と協議の上、前向きに検討する所存でございます」的な言語明瞭意味不明な発言を繰り返す。

 煮え切らない総理大臣の答弁に対して、ナミカーワはキレてしまう。
「私たちは、独自でZ星犯罪者グループ逮捕に向けて活動を始めますわ! もし、日本政府がゴジラとラドンを貸す気になったら、ここに連絡しなさい!」
 『銀河連邦警察 第7支部』の緊急呼び出しチャンネルを表示すると、ナミカーワとグレンは国会議員達が止める間もなく光のチューブで円盤に戻り、いずこかへ飛び去ってしまう。呆気にとられて窓から外を眺める国会議員や大臣の面々。

 しかし、この模様はNHKの国会中継で全国に放映されていたために国民に知れ渡り、特に地元の阿蘇や浜名湖周辺では大変な騒ぎに。
 新聞の輪転機が、回って回って回りまくり、号外が街にばらまかれる。

“ゴジラとラドンは日本にいる!? 政府による浜名湖と阿蘇山の徹底調査が決定!”
“浜名湖ボート、中止! 納得いかない客が暴動!”
“ゴジラの足の指は3本か4本か?! 専門家の間でも意見が分かれる”
“銘菓「ラドン焼き」、本家と分家で骨肉の争い!”
“ナイスバディ! これがX星人美女ナミカーワの3サイズだ!”
“ゴジラ松井、ドサクサに紛れて中日ドラゴンズに電撃移籍?!”

 そんな号外を読みつつ街中を歩いている刑事(佐藤)は、異様な車が、白昼堂々違法駐車されていることを発見する。その車は「スーパージェッターの流星号に、ワニのような口がついている」という代物で、タイヤはなく、地面から30cmほど浮かんで静止している。車体には「龍勢号」の文字が。
 佐藤は、所持していた特殊警棒を伸ばして、浮いている「龍勢号」の下面と地面の隙間に差し込み、左右に振って何もないことを確認。さらに、「龍勢号」の上の部分も、見えない糸で吊ったりしていないことを警棒で確認。どう見ても、何の支えもなく地面から30cmほど浮かんで静止している「龍勢号」を目の前にして、腕を組み首を傾げる佐藤。

 その時、近くの不動産屋から何やら叫び声が。警察手帳を提示しながら不動産屋の中にはいると、X星人コンビが、不動産屋と揉めている。
「あっ、警察の方ですか? ちょっとお願いしますよ、このガイジンさんたち、見たこともないキャッシュカード一枚で部屋を貸せって強引に」
「ガイジンじゃない、X星人だってば!」
「このカードは、銀河系内ならどこでも使える“ぎららグルーブ”のマルチカードなのよ! 早く“銀河マルチサービスネット”に繋ぎなさい!(ナミカーワは相変わらず英語のまま)」
 佐藤は手にしている号外の写真と、目の前のやたら派手なガイジン風の男女二人を何度も見比べると、何か決心したような表情になる。
「あの、X星人の方ですよね? この星はまだ“ぎららグルーブ”や“銀河マルチサービスネット”には未加入なんですけど」
 ガーン!と大ショック状態のX星人コンビ。

 とりあえず、二人を「同じ刑事だから」警察の独身寮に連れていくことにする佐藤。
 グレンは早々に佐藤の部屋に居候することが決定。
 ナミカーワは相変わらず何故か英語しか喋れない(日本語はカタコト程度)ので、女子寮の中で英語が一番出来る女性刑事・ヒカルの部屋に居候することになる。

 一方、日本政府は大勢のマスコミが注目する中、浜名湖の湖底の調査を開始しようとしていた。マニピュレーター付きの特殊潜水挺が、浜名湖の水面下へ潜行していく…。

 さらにもう一方、こちらは金星。
 その金星に潜伏中の、Z星人犯罪者グループ。調整カプセルから出てきた彼らの姿は、どこから見ても地球人西洋人、要するにガイジンそのもの。彼らのド派手なコスチュームは、まるでビジュアル系のロックバンドのようである。
「(英語で)さて、これで準備は完了」
「(英語で)あとは、地球のどこを侵略の拠点にするか、だ」
 地球儀大の地球の立体映像を前にして、Z星人犯罪者グループのボスらしい男が腕組みしている。と、突然、後ろを向いて、
「(日本語で)ポコペンポコペンだーれが突つーいた!」
と言うなり振り向き、顔を背けたまま地球の立体映像に人差し指を突き立てた。
「(英語で)ボス、なんの真似ですか、それは」
「(英語で)ふふ、なかなか面白いだろう。これは地球に棲む少数民族の習慣でな、迷ったときはこうやって指で突いて行き先を決めるらしい。さて…」
 ボスの人差し指が突いたところは、日本。
「(英語で)こじんまりとした島国ですね。その割には人口も多いし、手始めに侵略するにはうってつけです」
「(英語で)ようし、決定だな。それでは早速出発するぞ!」 「オーイエー!」
 こうして、Z星人犯罪者グループによる日本侵略が決定、彼らは金星を出発するのだった!

 場面戻って、地球。浜名湖湖底でゴジラ調査を行っている特殊潜水挺。
 湖底の岩山の穴から放射能反応が検出されたため、潜水挺のマニピュレーターで、その穴の中を探っている。すると、その穴周辺の岩が、いや、その穴のある岩山全体がムズムズと動き出した。驚く潜水艇の乗組員(科学者、軍人)達。
 しかし、時既に遅し。その岩穴はゴジラの鼻の穴だったのだ。ゴジラは盛大なくしゃみを一発かますと、目を覚ました。這々の体で浮上する潜水艇。
 緊急浮上した潜水艇から出てきた科学者達に群がるマスコミ。「た、大変だ、ゴ、ゴ、」
 その背後で、湖面を突き破って、豪快に出現するゴジラ。
「ゴジラ~~~~~~~~~!!」
「うわわわああああ~~~~~~!!」
 逃げまどうマスコミ、政府関係者。
 小規模な軍隊も来ていたが「てっ、撤退~~~~~~!」

 TVのニュースでゴジラ出現を知ったナミカーワ、グレン、佐藤、ヒカルの四人は、ゴジラとラドンを借りるべく、改めて日本政府と交渉に望むべく行動を開始する。
 ゴジラは浜松駅に向かって進行、周辺市民は避難。防衛軍は自治体の要請を受けて、ゴジラ攻撃のため緊急出動する。

 防衛軍の取ったゴジラ攻撃作戦は、戦闘機の空対地ミサイルを使った、約40km離れた距離からのミサイル攻撃である。
「近代戦闘に於いては、遠距離からの誘導ミサイル攻撃が常識。ゴジラの放射火焔など、その射程は長くてもせいぜい1km。こちらは40km先の安全圏内から、一方的に叩かせてもらう」
 戦う前から勝ち誇った表情の防衛軍司令官。
 その隣には、何故か白衣姿の博士らしい男(胸に、「ゴジラ博士」という大きな名札が付いている)が立っている。

 ゴジラが、かろうじて点として見る遠距離(スクリーン上では、「ゴジラはこの辺り」というスーパーインポーズと矢印が出ている)から、戦闘機がミサイルを発射。

「ミサイルは、ゴジラの遥か上空を飛ぶ偵察機からのレーダー誘導に従ってゴジラに接近し、ある程度接近したところで、ミサイルに取り付けられたTVカメラの映像を見ながら戦闘機のパイロットが映像的に目標をロックオン、後はミサイルが自動的に追尾してゴジラ命中するというわけです。狙いはやっぱり、頭部でしょう。目などの感覚器官や脳がありますからね」
 ゴジラ博士が解説する。
 その隣の防衛軍司令官、(コイツ、誰に対して喋ってるんだ?)という表情で博士を見る。

 横一列に並んだミサイルが、遥か彼方からほぼ一直線にゴジラに接近。
 ゴジラ、ミサイルの飛んでくる方向を向いて、じっと立っている。
 ミサイルが接近し、そのままゴジラに命中するかと思われたとき、ゴジラは突然素早く上体を左右に振りながら後方へ反らして頭の位置を低くし、ミサイルを全部避けてしまう。(『マトリックス』のパロディ)
 ミサイルは、背後のビルなどに命中、大爆発が起こる。

 唖然としている防衛軍司令官を横目に、ゴジラ博士が他人事のように言う。
「うーむ、ゴジラの動体視力と反射神経と上体の動きが、我々の想像よりも優れていましたねぇ」
 防衛軍司令官、我に返って反論する。
「し、しかし、誘導ミサイルだぞ、例え避けられても自動的に追尾して」
「ミサイルは基本的には高速で真っ直ぐ飛んで行きますからねぇ、止まっている標的が急に横や下に動いたら、どう頑張ったって追尾し切れませんよ」
「だっ、だったら胴体を狙えばいいんだ! ボクシングでも、頭は上下左右に動かせるが、胴体は動かせないからな! 目標をゴジラの胴体に変更して、ミサイル第二派攻撃だ!」

 しかしゴジラの胴体を狙ったその第二派攻撃も、命中寸前にゴジラが野球のヘッドスライディングのような動きで、ズシャアッと腹這いになったため、ミサイルは再び全弾誤爆。派手に吹っ飛ぶビル街。
「全身の反射神経も大したものですねぇ」と、ゴジラ博士は感心したように呟く。

 その頃、ナミカーワ、グレン、佐藤、ヒカルの四人は、ゴジラとラドンを借りるべく日本政府と再交渉しようとしていたが、政府首脳達は、在日米軍にゴジラを退治してもらうため、在日米軍司令や大使と交渉中とのこと。ナミカーワ一行は、X星人のアイテムを使用して、その交渉の現場に勝手に忍び込む。

(日本政府側)「ゴジラは、日本に対する明確な脅威です。日米安保条約に基づき、在日米軍の出動を要請します。(心の中の声…こういう時のために、基地とか思いやり予算とか、今までさんざん面倒見てやってるんだからな!)」
(在日米軍側)「ゴジラは軍事的な脅威ではなく、一種の自然災害であり、日米安保条約の対象にならないというのが我々の判断です。また、在日米軍が安易に軍事行動を起こせば、アジアの軍事的な緊張を高めることにもなり、国際世論からも非難を受けることになります。
(心の中の声…我々の基地が直接攻撃を受けたわけでもないのに、ゴジラなんかと戦うなんて冗談じゃない。我々は、アジア資本主義経済における米国の利益を守るために駐留しているのであって、日本を守るなんてつもりなんか最初からないよーだ!)」

 そんな交渉を見守っているとき、ナミカーワ、グレンの携帯電話が鳴る。それは彼らの円盤からの自動通報で、Z星人犯罪者の円盤が地球にやってきた(金星から地球へと一気にワープしてきた)ことを知らせるものだった。
 とりあえずゴジラとラドンの件は置いといて、Z星人犯罪者逮捕に向かうナミカーワたち。
 佐藤の運転する覆面パトカーにナミカーワとヒカルが乗り込み、グレンの運転する龍勢号がその後に続く。ナミカーワの携帯電話のナビゲーション画面(ナミカーワたちの円盤から情報が送られてきている)に従って、一行はZ星人犯罪者のいる現場へ急行する。

 その現場は、街中のデパートであった。龍勢号とはまた違った感じの、妖しげな浮上式の車が2台、コンビニの駐車場に浮かんでいる。ナミカーワが、携帯電話のスキャナーでデータを照合する。
「これ、盗難車よ。奴らに間違いないわ」
「よし、一網打尽にしてやる!」と突入しようとするグレンを、ナミカーワが押しとどめる。ヒソヒソと作戦を練った結果、まずは佐藤とヒカルが店内に入って行く。

 店内では、ビジュアル系のロックバンドのようなド派手なコスチュームに身を包んだ二人のガイジン風男性と二人のガイジン風女性から成るZ星人犯罪者グループが、レジで店員と何やら揉めている。
「ちょっと失礼、私はこういう者ですが」と警察手帳を提示した佐藤に、店員がすがり付く。
「ちょうど良かった! さっきからこのガイジンの人達が、変なカードで買い物させろって」
「(英語で)ガイジンじゃない、Z星人だってば!」
「(英語で)これは“がっぱグループ”の銀河共通お買い物カードなのよ! 店の責任者を連れてきなさい!」
 ヒカルが、英語でZ星人たちに話しかける。
「あの、Z星人の方ですよね? この星は、まだ“がっぱグループ”にも、それから“ぎららグルーブ”にも加入してないんですよ」
 ガーン!と大ショック状態のZ星人犯罪者グループ。

 しかし、すぐに立ち直ると、
「そうか、それならコイツはどうだ!」と、懐から光線銃を取り出して店員に突きつける。
「良く考えたら、アタシ達犯罪者なんだから、最初からこうすれば良かったんだわ」
 ヒカルと佐藤、素早く光線銃を構え、Z星人犯罪者グループに向ける(ナミカーワ、グレンの予備の光線銃を借りてきていたのだ)。
「警察だ! 銃刀法違反その他の現行犯で逮捕する! 武器を捨てて手を上げろ」
「き、キサマたち、一体何者だ?」
「それを捨てなさい! 死体にしてでも連行するわよ!(『ロボコップ』の台詞のパロディ)」
 顔を見合わせ、武器を捨てて両手を上げる4人。しかし、彼らは手を上げつつ、こっそり隣の仲間の手首にはめられている携帯電話のスイッチを操作していた。

 Z星人犯罪者グループの手首にはめられている携帯電話の中から、ロボガイガン(等身大のサポートロボット)が解凍・出現。佐藤は思わず光線銃を発砲、ロボガイガンやZ星人犯罪者グループも暴れ初める。グレンとナミカーワも店内に突入、彼らもサポートロボットのロボゴジラ、ロボラドンを携帯電話から呼び出す。
 デパートの中は、光線が飛び交うわ、等身大ロボゴジラとロボガイガンが鉛筆大のミサイルを撃ち合うわ、Z星人犯罪者グループと刑事達のカンフー映画的な格闘はあるはで、一般客を巻き込んでの「そりゃもう大騒ぎ」となる(しかし死人どころか怪我人すらでない)。

 結局、Z星人犯罪者グループは、現場に彼らの円盤を呼び寄せて脱出、そのまま逃げおおせることに成功する。ナミカーワたちも
「仕方ないわ、とりあえず私たちも引き上げましょう」と、メチャクチャになった現場を後にする。佐藤とヒカルは、成り行きとは言え自分たちがしでかしたことを後悔し、刑事としての自分の未来に絶望するのだった。「次の職を探した方が良さそうだな、とほほ」

 警察の寮に戻って、TVニュースその他で情報を収集しつつ、鍋を囲みながら(X星人のリクエスト)今後どうするかを検討しているナミカーワたち。しかし佐藤とヒカルは既にクビを覚悟して開き直っており、次第に「X星の地球訪問を歓迎して、ちょっと一杯」というムードになり、酒もガンガン入って完全に宴会となってしまう。

 翌朝早々、Z星人犯罪者グループの円盤は、怪物0ことキングギドラ(ちなみに、国会会議室でナミカーワたちが見せた映像とは似ても似つかない、正統派デザインのギドラ)と、怪物13ことガイガンを引き連れて東京に襲来。日本政府に全面降伏を要求する。

 防衛軍は「一応、出動」するものの、予想通り力の差は歴然としており、あっさり敗退。
 進退窮まった日本政府は、ナミカーワに教えられた『銀河連邦警察 第7支部』の緊急チャンネルに呼びかけることを決定、日本中のパラボラアンテナが指定された宇宙の一角に向けられ、指定された信号が最大出力で一斉に送信される。

 日本の運命が懸かったその電波は、光速で地球を飛び出し、月も金星も遥かに越えて宇宙の彼方に…と思ったら、金星の軌道で中継されて地球へUターン、日本のとある建物の一室に…。
 宴会場となった佐藤の部屋で雑魚寝状態の、4人の宇宙/地球の刑事たち。ナミカーワの携帯電話が鳴り出す。ナミカーワ、爆睡していて起きる気配なし。

「まだ『銀河連邦警察 第7支部』から応答はないのか?!」
 あせる総理大臣、警察庁長官たち。
 その隣に立っている白衣姿の博士らしい男(胸に、「宇宙博士」という大きな名札が付いている。しかし、以前登場した「ゴジラ博士」と、どう見ても同一人物)が、まるで他人事のように応える。
「まぁ、仮に『銀河連邦警察 第7支部』が冥王星軌道のすぐ外側にあるとするとしても、電波が行って帰ってくるだけでも約11時間かかりますからねぇ。もしαケンタウリだったら、片道4.3光年ですから、即答で返事が帰ってきても8.6年後ですよ」

 鳴り続けるナミカーワの携帯電話。ヒカルが目を覚まし、寝ぼけたままでナミカーワの携帯を取る。
「(携帯電話のコンピュータの説明音声、英語)発信源が近いため、直接回線に切り替えますが、よろしいでしょうか?」
「(寝ぼけたまま、英語で)はい、どうぞ」
「(携帯電話のコンピュータの説明音声、英語)それでは回線を繋ぎます。(発信音)ピーッ」
 マイクを前にしてイライラしていた総理大臣、「ピーッ」という発信音を聞いて、反射的に喋り出す。
「あ、もしもし、えー、こちらは日本政府です。あっ、地球の日本です。そちらは『銀河連邦警察 第7支部』でしょうか、もしもし」
 ヒカル、一瞬反応が遅れるものの、寝ぼけ眼から一気に目が覚める。
「(英語で)只今担当者と代わりますので、そのまましばらくお待ち下さい」
 大慌ててナミカーワを叩き起こすヒカル。ナミカーワ、どうにか目を覚まして電話に出る。ヒカルは佐藤とグレンも叩き起こすと、TVのスイッチを入れる。

 TVは、どのチャンネルも「宇宙怪獣襲来! どうなる日本!『銀河連邦警察 第7支部』との交信現場から実況生中継!」というニュース番組。その番組を放映するTVから、自分のすぐ傍でナミカーワが寝ぼけて喋っている、
「(英語で)ニッポンの鍋料理は最高ですわ」
「(通訳を介して)は、はぁ? それで、ゴジラとラドンをお貸しするという件に関してですが」
みたいなチャランポランな会話が聞こえてくる。
 ヒカルはナミカーワから携帯電話をもぎ取ると、一気にまくし立てる。
「(英語で)『銀河連邦警察 第7支部』は、ゴジラとラドンを貸し出すという地球側の申し出を了解しました。只今より、我々が現地に派遣した宇宙刑事が、ゴジラとラドンを引き連れ、宇宙怪獣撃退およびZ星人犯罪者グループ逮捕に乗り出します! 日本政府は全面協力されたし、以上、交信終わり!」
 電話を切ったヒカルは、そろそろ目が覚めて状況を理解し始めた他の3人をせき立てる。
「もー、いつまでボーッとしてんのよ! 日本が大ピンチなのよ、さっさと支度して出発!」

 かくして、宇宙/地球刑事と彼らが率いるゴジラ&ラドンが、Z星人犯罪者グループと彼らが率いるキングギドラ&ガイガンと真っ向から対決するのであった!
 龍勢号やZ星人犯罪者グループが乗った「空飛ぶ自動車(屋根が吹っ飛んでオープンカー状態になったりする)」が、ゴジラやギドラの周りを飛び回っての「空中カーチェイス」を繰り広げる!
 ゴジラ&ラドン対キングギドラ&ガイガンの、光線合戦有り、プロレス有り(両者のチームプレイも有り)の、怪獣対決!

 クライマックスでは、Z星人犯罪者グループがロボガイガンを“装着”してガイガンマン、ガイガンウーマン(等身大、ロボコップみたいに顔出し式)になったり、それに対抗してグレンがゴジラマン、ナミカーワがラドンウーマンになったりもします。
 結果はもちろん、ピンチを切り抜けた後、宇宙/地球刑事と彼らが率いるゴジラ&ラドンが勝利!
 Z星人犯罪者グループは逮捕され、キングギドラ&ガイガンはカプセルに封印される。
 ゴジラ&ラドンも、元の場所で再び眠りにつかされます。
 X星人宇宙刑事のナミカーワとグレンは、佐藤とヒカルとの別れを惜しみつつ、宇宙へと去っていくのでした。

 そんなわけで、『怪獣大戦争』のお馬鹿バージョンリメイクと言って良いのかどうだか分かりませんが、『怪獣大戦争デラックス』! 特撮ネタてんこ盛り“超B級”なノリで、映像的にはAクラス!
 こんな怪獣映画も1作ぐらいは、どーですか、お客さん!
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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。