2017-10

『機動戦士ガンダム』第7話の感想 ~ ついでに『ガンダムOO』も ~

『機動戦士ガンダム』第7話の感想
 ~ ついでに『ガンダム00』も ~


 前回の記事では割愛してしまったが、『機動戦士ガンダム』第6話では、整備中のガンダムやコアファイターにバルカン砲の弾丸を装填する描写(ユニットを丸ごとセットする)があった。いわゆる弾薬の補給描写というものである。
 『ザンボット3』でもこの類の描写はあったかも知れないが、『機動戦士ガンダム』はモビルスーツをスーパーロボットではなく単なる兵器の一種として描いていたことと併せ、本当に画期的な作品だったのだと改めて思わされた。もっとも、第1話で有線ミサイルが登場したり、ガンダムのバルカン砲が弾切れを起こしたりと、当初からリアルな描写が連発されていた。

 そうそう、第6話では、映画的な描写もあった。
 シャアとドレンが会話しているシーンが、最初のカットはガウを外から見たロングショットで、ドレンが何か喋っていることは分かるのだけれども、その声は全く聞こえないのだ。その次のカットでは、シャアはそのドレンの“視聴者には聞こえなかった台詞”に対して答を返しているのだ。
 こういう描写は、もう描写の様式自体がカッコイイ。これも、ファーストガンダム以前には見られなかったと思う。

                第7話 コアファイター脱出せよ

 前回、「『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベースという艦が、それ自体一つの社会として強烈に描かれている」と書いたが、今回はその真骨頂。何と、ホワイトベースに乗っている避難民が、暴動を起こすのだ。暴動と言っても、カツ・レツ・キッカを人質にしてブライト達に要求を突きつけるといったものであるが、それでも大きな対立であることに違いはない。

 今回見直して気付いたことは、このホワイトベースの避難民達が起こした暴動は、地球連邦政府に対する反乱と同義であるということだ。
 暴動の首謀者となる老人は、他の避難民に言う。
「無理やり宇宙移民をさせられた我々が、二度と帰ることのないと思っとった地球へ帰れたのに、着陸も出来ずに終わったら死に切れんと言うものじゃ。そうは思わんか、皆さん」
 そして彼らは、まだ現在位置がジオンの勢力圏内であるにもかかわらず地上へ降ろしてくれと主張するだ。これはもう、地球連邦に対する、ごく小規模な反乱である。

 この反乱イベントには、ちゃんと伏線がある。第5話で、やはり老人の一人が、アムロに対して地球連邦政府の強制的な宇宙移民に対する不満と、地球に対する執着心をぶちまけているのだ。
 ある意味、地球連邦政府に反旗を翻している者は、ジオン公国だけではないということが、鮮明に描かれている。このように、地球連邦政府がかつて行った強権的なやり方の一端を見ると、サイド3がジオン公国を名乗り、連邦政府に対して独立戦争を挑んだことも必然だったのではないかと思えてくる。

 つまり今回描かれたホワイトベース内での対立は、この世界の対立、即ち地球連邦とジオンの戦争の縮図と言えなくも無い。ちゃんと繋がっているのである。一部分の描写と、全体像の描写が、繋がっているのである。部分を見れば世界が見えてくるし、世界を見れば部分が見えてくる。
 こうした描写の組み立て方が、作品全体に世界観というリアリティを生み出すのだ。

 対立していたアムロとカイが、老人達を前にすると、一転して同じ側の者同士であることが浮き彫りになるのも面白い。アムロがカイに対して怒っているのと、老人達に対して怒っているのとでは、怒りの質が違うのだ。
 アムロはカイに対してはどんなに皮肉られようとも「そんなに言うなら、じゃあ、止めますよ」と投げ出すようなことは言わなかった。もしろ、「口が裂けてもそれだけは言わない」というギリギリの自制心が感じられた。そのアムロが、老人達に対しては「僕は…もう止めますよ!」と、ある意味キレてしまっている。

 思えばアムロは、ほんの少し前までは、軍人の息子であるとは言え戦闘とは無縁の民間人であった。そして今は事の成り行きでガンダムのパイロットを任されているとは言え、まだ15才の少年に過ぎないのだ。
 戦闘に出ればいっぱいいっぱいだし、自分とは違いすぎる他人とのコミュニケーションにもいっぱいいっぱい。

 そんなアムロに、当時の中学生が感情移入出来たのも道理である。何故なら、中学生とは、人生で初めて先輩後輩という人間関係=強い縦社会を経験し、進学・受験という人生の初試練を経験する人種だからである。

 やはり、大人あっての少年ドラマ。登場人物の年齢層の厚さが生み出す、本当の意味での多様な人物層が、ちゃんとしたドラマには必要不可欠なのだなと実感する。

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 おまけ 『ガンダム00』 #12 宇宙で待ってる

 前回に続き、まとまった回になっていたので、ちょっとビックリ。
 やはり、ゴチャゴチャやらずに、ちゃんと的(キャラクター)を絞り込んで流れを作れば、観るに耐える話になる。
 もう今更“深い”話には期待できないので、イノベイターやメメントモリを使って、話を“面白く”盛り上げるしかあるまい。
 多分、メメントモリには、より強力な2号機“スーパーメメントモリ”みたいなモノがあるのでは? デススターの2号機みたいな感じで。

 ルイスやマネキンといった重要なキャラが、単細胞おバカに見えるのは、なんとかして欲しい。ルイスは、薬で頭がイッちゃっているように見えるが、それも何だかなぁ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。