2017-08

『機動戦士ガンダム』第3話の感想 ~ ついでに『ガンダム00』も ~

『機動戦士ガンダム』第3話の感想
 ~ ついでに『ガンダム00』も ~


 『ガンダム00』における数少ないオッサンキャラである、セルゲイ・スミルノフ。昔、プライドという総合格闘技イベントに、セルゲイ・ハリトーノフとかいう軍人が選手として出場していたことを思い出させる名前だ。

 ところで、セルゲイ・スミルノフって完全に独身かと思っていたのだが、実の息子がアロウズにいる(ルイスと対面してポーッとしてた若いパイロットがそうらしい)んだね、全然気付かなかった。セルゲイ親子のエピソードが、何話でどんな描写がされていたのか、全く記憶に無い。
 ファーストシーズンもほぼ全話観たつもりなのだけれど、セルゲイ・スミルノフの家族の話とかあったのかな~? もうちょっと真面目に観ないとイカンわ。

 それにしても、戦争を描いている割には、『ガンダム00』にはオッサンキャラが少ない。超兵なんかより老兵の生き様が観たいんだけどな。
 そういった戦争のリアリティを、『機動戦士ガンダム』はさりげなく観せてくれる。


               第3話 敵の補給艦を叩け!

 逃げ続けていた2話までとは打って変わって、ホワイトベースから攻撃を仕掛けるという展開。
 今回見返して気付いたのだが、驚いたことに、この回は地味にブライトが主役を張っている。
 現在のブライトが置かれている状況、立場、他のキャラクターとの力関係位置関係、それらの微妙なところがこの1話で丁寧に描かれているのだ。

 エレベータの中でセイラと2人きりになったブライトが、プライベートな質問をして、逆に上手くあしらわれてしまう。
 フラウは、アムロと2人きりになったとき、ブライトのことを呼び捨てにしている。
 ミライは、ブリッジで他のクルーがいる前で、堂々とブライトに対して「こちらから攻撃を仕掛けるべき」だとの提案を行う。

 ブライトは、ホワイトベースのクルーから正式に認められた指揮官ではない。単に「負傷していない軍人の中では最も階級が高い」という立場上、指揮を代行しているだけなのだ。周囲のキャラクターの言動から、そんな彼の微妙なポジションが伝わってくる。
 極め付けは、艦内クルーに非常召集をかけての「多数決」である。戦場(戦艦内)で、仮にも指揮する立場にいる軍人が、民間人を含めたクルーの多数決で作戦を決めるなど、常識では有り得ない。しかし、この異常な状態こそが、ホワイトベースの現在の状況なのだ。

 そしてこの違和感を、戦闘終了後のシャアに言わせているのも上手い。
「しかし、一体どういうことなのだ…連中は戦法も未熟なら、戦い方もまるで素人だ…(溜息)…どういうことなのだ…」
 さすがのシャアも、敵の最新兵器部隊が本当に素人によって運用されているとは見抜けない。自分の抱いた疑問に答を出せないシャアが、強引な追撃を行わず、一旦体勢を立て直すことを選択することには納得してしまう。

 戦闘は、指揮官の命令によって行われる。ホワイトベースの指揮はブライトが代理で遂行しており、シャアの部隊の指揮官はシャアである。両軍の戦闘は、この2人の指揮官の瞬間瞬間の判断によって展開していく。
 また、命令を下すのは指揮官であるが、実際の戦闘局面でどう行動するのかを判断するのは、一人一人の兵士である。それはホワイトベース側もジオン軍側も同じだ。
 この構図は当たり前のことではあるが、見ていて非常に分かり易いし、それぞれの立場を理解した上での感情移入も出来る。
 こういう基本をしっかり押さえておくことは、本当に重要だと思う。

 この回は、最後までブライトを中心にして描かれていた。
 より正確に言うならば、ブライトとアムロの対立を、である。
 戦闘前、ろくに食事も摂らずにガンダムのコクピットに篭って作業を続けるアムロに、フラウは言っていた。
「ブライトを気にしてムキになることないのに」
 戦闘中、シャアの猛攻に曝されながらも、アムロは叫ぶ。
「ブライトと約束したんだ…僕がシャアを引き付けておくってな!」
 戦闘終了後、アムロはブライトの叱責に対し、挑発を込めたような敬礼で応じるが、ブライトは軽く一瞥しただけで何も言わず、そのまま背を向けてしまう。アムロの挑発を無視した格好だ。
 そんなブライトに何か言い返そうとするアムロをリュウが抑え、二人はブリッジから出て行くのだが、ちょっと歩いただけでアムロは本音をぶちまける。
「リュウさん、僕、本当にあの人を殴りたくなってきた…!」

 この2人の対立は前話から続いており、これからも続くであろう事が予想される。
 こういう明確な軸(対立軸)を持ったドラマは、観る者を惹きつける。

 そして今回は、メカの面でも盛り沢山だった。
 ハイパー・バズーカの初使用、ホワイトベースの初砲撃、ガンタンクの初陣、旧ザクの登場など。

 老兵ガデムの操る旧ザクは武器も持たずにガンダムに挑み、一度はガンダムのビームサーベルをかわして体当たりを決める。現役のベテランパイロットのデニムでさえ一撃でやられてしまった「ビームサーベルによる突き技」をかわすとは、見事である。
 ザクのヒートホークには、こういった「突き技」がない。だから、ジオンのパイロットはその対処法を訓練していない筈なのに、ガデムは対応できた。このことから、ヒートホークがザクに標準装備される以前、棒状の武器も含めて各種の武器が試行されていたことが推測できる。ガデムのような老兵は、ヒートホーク以外の武器を使ってザク(旧ザク)同士の模擬戦を行った経験があるのではないだろうか。

 老兵ではないが、ムサイの副官ドレンは、今回も良い味を出している。
 若き天才指揮官に、中年の有能なベテラン副官。
 バランスの良い配置だ。
 このムサイ側の「キャラクター位置関係のバランスの良さ」が、ホワイトベース側の「キャラクター位置関係のバランスの悪さ」と、好対照になっている。これもまた、ドラマを観る上での魅力である。

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 おまけ 『ガンダム00』 #8 無垢なる歪み

 この作品に、真面目に観るだけの価値があるのか? そんな気がした今回。
 「謎の組織が陰で世界を操っている」みたいな安直な設定の、どこにリアリティがあると言うのか?
 ホントにもー、嘘っぽいったらありゃしない。

 何故、こんな余計な設定を入れたのか? イノベイターがどうのこうのとかアホらしいことを持ち出さなくても、ソレスタルビーイングという組織自体が謎の多い存在なのだから、それだけで十分に「謎解き話」は組める筈だ。

 現時点の『ガンダム00』の致命的な欠陥は、視聴者が劇中の中東の情勢に感情移入できないこと。
 連邦政府による一方的な中東の再編計画を聞かされても、心から「酷い、許せない」と思った視聴者が一体どれ位いただろうか? それこそが、今のソレスタルビーイングが戦う理由であるというのに。
 結局、この作品は作り手側でさえ、主人公達に感情移入できていないんじゃないのか?
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。