2017-08

変身裸族

変身裸族


 『仮面ライダー響鬼』に登場するライダー(鬼)たちの特徴として、変身時に身に付けている衣類が焼失するなどして失われ、変身中はほぼ全裸の状態であることが挙げられる。変身を解除すると人間の姿に戻るが、焼失した衣類は戻ってこない。当然ながら、変身を解除した鬼は、ほぼ全裸の人間となる。
 さて、裸になるライダーが登場したのは『響鬼』が初めてかと言うと、そうではない。
 アマゾンは、変身する際どころか、日常的に裸だった。もちろん全裸ではないが、腰道具と“アマゾン模様”の短パン一丁という出で立ちは、変身後の「裸」の姿とほとんど違和感がなかった。変身前の俳優とスーツアクターの体型が良く似ていることも相まって、「アマゾンは、変身してもアマゾン」であった。
 『響鬼』の鬼たちも、変身前から腰道具を装着しており、変身前後で名前の読みが変わらない。やはり『響鬼』の鬼たちは、「裸のライダー」としてはアマゾンの後輩というところだろう。

 変身時に身に付けている衣類を喪失するため、着替えを持ち歩く、あるいは準備しているヒーローも、『響鬼』が初めてではない。漫画作品において前例があるのだ。『重機甲兵ゼノン』のゼノンである。
 サイボーグであるゼノンの全身は、特殊合金ゼノニクスで覆われている。戦闘形態に変身する際、このゼノニクスが膨張することで身体が一回り大きくなるため、衣類が破れてしまうのだ。『超人ハルク』と同じパターンである。
 また、ゼノンは脳改造を受ける前に脱走しているため、頭部には装甲が施されていない。このため、変身しても頭部は人間の姿のままである(後に、戦闘時にはヘルメットを着用するようになる)。
 これは、見かけ上『響鬼』の鬼たちの「頭部のみ変身解除」と同じである。着替えの件と言い、『響鬼』の元ネタになっているように思える。
 ちなみに、『北斗の拳』のケンシロウも戦闘モードに入ると上半身の筋肉がパンプアップして衣装を引き裂き、上半身裸になる。裸になるということは、それ自体が変身の一種なのかも知れない。(そう言えば私も、貧相な身体をしているくせに自分のブログで上半身裸になっている。これも変身願望の顕われだろうか)

 変身時に衣類を喪失するわけではないが、変身中は裸となるヒーロー(ヒロイン)といったら、けっこう仮面その人である。『響鬼』より遥かに以前に実写化もされている。私は未見(本当に見てません。ちなみに漫画もほとんど読んでません)なので、あれが変身と呼べるものなのか、単なる脱衣なのかは分からないが、正体を隠して別の存在になる以上、ここでは変身として扱っておく。

 変身時に一時的に裸になるヒーロー(ヒロイン)といったら、キューティーハニーだろう。エフェクトを伴って(一時的にではあるが)衣装を失う形は、まさに『響鬼』の鬼たちの原型といえる。
 日本のオヤジ族が、女性の鬼の変身シーンを心待ちにしていることは論を待たないが、実は一見純真に見える子供たちも、小学2年生にもなればこの辺りはオヤジと大差ないことを世の女性は知っておく必要があるだろう。『キューティーハニー』をリアルタイム世代で観た人間が言うのだから間違いない。経験者は語る、というところだ。

 『デビルマン』はアニメの印象が強いため、私個人は巨大変身ヒーローだと思っている。デビルマンも変身/巨大化の際に衣類を失い、変身した状態では素裸である。アニメでは変身後もパンツをはいているような絵になっていたが、原作漫画では完全な裸体として描かれていたように記憶している。
 永井豪の作品が三つ挙がったが、作品ごとに変身と裸が違ったパターンで関連付けられているのが面白い。ヒーロー(ヒロイン)には、スパイスとしてのエロスが必要だということか。

 変身時にイメージ的に裸になるヒーローとして、『七星闘神ガイファード』を挙げておこう。
 ガイファードに変身するシーンで、主人公はイメージシーンながら黒いブリーフ一丁になって全身を晒すのだ。本来は全裸のシーンにしたかったところなのだろう。モーフィングを用いた変身描写は、変身が肉体そのものの変化であることを表現していたように思えた。
 ちなみに、ガイファードは日本のTV特撮ヒーローにおける「最後の改造人間」である。悪の組織によって肉体改造された一般人という、初期の仮面ライダーの設定をそのまま引き継いだ最後の変身ヒーローなのだ。
 放映ネットの関係で特撮ファンでも観たことのない人が多いと思われるが、『重機甲兵ゼノン』同様、一見の価値はある作品と言える。

 スーパーマン、スパイダーマン、バットマンといったアメコミ系のヒーローと「裸」に関しては、また別の機会に考えてみたい。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。