2017-10

『スピード レーサー』

『スピード レーサー』
                     2008年の映画館で観た映画:16本目
                     映画を観た日:2008年7月12日(土)


 今年観た映画の中で、現時点のナンバーワン。映画館を出た後、「もう一度、映画館で観たい」と思ったのは久し振りである。正直、こんなに素晴らしい出来だとは予想していなかった。もっと早く、封切初日にでも観に行っておけば良かった。

 『マッハGoGoGo』に少しでも思い入れのある人なら、絶対に観に行くべきだ。
 そして、『マッハGoGoGo』を全く知らなくても、レーシングカーが好きな人は、極力観に行くべきだ。

 そして、ミニ四駆に夢中になった経験を持つ人は、無条件で観に行くべきだ。
 最初のミニ四駆ブームの担い手たちは既に30代になり、第二次ブームの世代も20代になっていると思われるが、この映画を観て一番熱くなれるのは彼らなのではないか? 何故なら、レースの映像が、良い意味で非常に“ミニ四駆”っぽいのだ。

 子供の頃に再放送で『マッハGoGoGo』を観た世代として、自信を持って語れるのは、マッハ号のデザイン、効果音、そして音楽の素晴らしさだ。
 効果音と音楽は、原作のイメージに忠実である。オートジャッキが作動するときの「ピキュンピュンピュン…」という効果音は、ほとんど原作通りで嬉しい限り。てっきり「バシュッ」「ガシャンッ」といった低音系の機械作動音に差し替えられると思っていたのだが、流石ウォシャウスキー兄弟である。

 主題歌『Go Speed Racer Go』は、曲はオリジナルと同じで、歌詞は英語だがノリは日本語と同じ。曲の終わりの部分
「Go Speed Racer(ゴゥスピレッサ)Go Speed Racer(ゴゥスピレッサ)Go Speed Racer Go(ゴゥスピレッサーゴゥオー)」
は、思わず口遊んでしまいたくなるノリの良さ。
 BGMにもこの部分のメロディラインが随所で生かされており、心地良い。作品に凄く馴染んでいる。

 マッハ号は、この映画に基本的には3種類のデザインで登場するが、その登場のさせ方が絶妙である。
 最初に登場するタイプは、外見が原作に最も近い。逆に言えば、最も非現実的で、やや玩具っぽい。ただし、ギミックはオートジャッキのみ(この機能はマッハ号以外のマシンも有しており、この映画の中では標準装備的なもの)となっている。
 ここでは、主人公の兄が駆る“赤いマッハ号”も登場する。これが、かなりカッコイイのだ。

 次に登場するマッハ号は、ボディ先端の三叉の切れ込みが浅くなっており、より現実的な外見になっている。その代わり、機能は原作と同レベルのフル装備。原作通りの機能もあれば、映画独自の機能、原作からより強化された機能もあって面白い。

 最後に登場するマッハ号は、最もF1マシン的な外見になっており、ギミックはオートジャッキのみである。ある意味一番リアルであり、原作からは最もかけ離れている。それでも、マッハ号としてのイメージは健在だ。ボディ先端の三叉のデザイン処理が秀逸で、そこに「マッハ号としての記号的デザイン」が「M」のマークとともに文字通り刻み込まれているからだ。

 このように、マッハ号の外見と機能を、物語の進行に合わせて上手く変化させており、最後に完全な「映画版のマッハ号」を登場させている。
 原作通りでは「工夫がない(あるいは古臭い)」、原作から大きく変えると「原作のイメージを損なっている」、中間を取れば「中途半端」と非難されてしまうのが常なのだが、3種類のデザインを適切な順序で登場させることにより、原作ファンもそうでない者も満足させることに成功していると思う。(私は、3種類とも気に入っている)

 ストーリーは、主にレース一家の家族愛を描いた、心温まるもの。物語の面からは、明らかにファミリームービーであり、普遍的な作りになっている。
 特筆すべきは、場面転換の滑らかさである。まるで、手品のようにいつの間にか場面が切り替わってしまう。ここまで滑らかな切り替えは、今まで観た記憶がない。ウォシャウスキー兄弟は、斬新な手法を編み出したと言っても良いのではないか。
 最初のレースで、過去と現在がシンクロする描写は、斬新ではないが見事だった。物語の前半に1つのピークを作ることに成功していた。

 映画のクライマックスも素晴らしかった。
 もうただ車が疾走しているだけなのに、感動してしまうのだ。
 全ての邪念から解き放たれ、ひたすらゴールを目指して舞うように駆け抜けるマッハ号、そしてそれを操る純粋なドライバーの姿に、目頭が熱くなった。

 劇場で鑑賞して、本当に良かった。
 正直、予告編がイマイチ、いや今二つだったので、迷っていたのだ(主人公が貧乏揺すりしている映像を、日本人向けの予告編として使うなんて、宣伝部の人間は馬鹿か?)。
 ウォシャウスキー兄弟を信じて良かった。またこういう映画を頼むぞ、ウォシャウスキー兄弟。DVDは一番高価なもの(ただし上限2万円ね)を買うことを約束するぞ!(ちなみに、『Go Speed Racer Go』と映画のサントラのCDは発注済みである)
 劇場で販売されていたグッズに関しては、リストバンドをペアで購入。しょこたんのコンサートに行くとき、はめて行きます。
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