2017-10

しょこたんこと中川翔子に関して

しょこたんこと中川翔子に関して


 しょこたんは、今でこそ私にとって(全ての歌手の中で)2推しの存在となっているが、最初はあまり良い印象を抱いていなかった。
 端的に言って「オタクをギミックにしている(オタクを装っている)アイドル」だと思っていた。言うなれば「偽装おたく」だと疑っていた。

 ちゃんと根拠もある。確かスカパーの『夢レジ』で、しょこたんが『龍騎』について語ったときのこと。「ドラグバイザー」のことを「ドラグレッダー」と言い間違えるし、「ベントイン」と言うべきところを「アドベント」と言ってしまう。このレベルでは、ハッキリ言ってイケメン俳優目当てで『龍騎』を見ている普通のお母さんと大して変わらない。とてもじゃないが、こだわりを持った特撮ファンだとは思えなかった。

 後で気付いたことだが、しょこたんはリラックスしている状態(共演者がおらず、自分1人で喋っているときなど)では、「特撮オタク」という表現をあまり使わない。その代わり、「戦隊モノのファン」という、より限定された表現を用いる。比較的最近の『夢レジ』では、「特撮は戦隊モノしか観ないつもりでいたんだけど、ウルトラセブンを観てしまった」と語っており、平成ライダーも積極的に観るつもりはないようである。

 このように、しょこたんは「特撮全般のファン」ではなく「原則として戦隊モノ限定の特撮ファン」であること自ら明言している。おそらく、「戦隊モノを中心とした特撮ファン」と言っても相手が理解し辛いと思われる場合や、単に説明するのが面倒な場合に、「特撮オタク」というある種ステレオタイプ的な単語を使って済ませているのだろう。

 このように、特撮全体という観点からすると、しょこたんのレベルは大したことはない。しかし本人が言うように戦隊モノに限定すれば、そのこだわりは一定のレベルに達しており、特にビデオソフトがあまり出回っていない昭和の戦隊に関する欲求は単なるファンの域を逸脱、もとい凌駕している。
 “特撮検定”だったか、そんな雑誌の企画を話題にしたとき、しょこたんは
「この検定で最高点を取った人、メール下さい。友達になりましょう」
と画面に向かって語りかけ、更に
「最高点を取れるってことは、昔の(戦隊の)ビデオを持ってるんでしょ? 貸して」
と続け、下心丸出しの目付きになって怪しい微笑を浮かべていた。この時のしょこたんは、かなり素敵だった。

 もっとも、こうした戦隊に関することは、しょこたんを2推しにしていることとは余り関係がない。増してや、マミタスに至っては、私にとっては単なる太った猫であり、全くと言って良いほど関心がない。
 漫画に関しては、幾つもの画風を描き分けるところなどは感心する。漫画のセンスに関しては、その辺の同人作家よりも遥かに上だと思う。しかしこの点に関しても、私がしょこたんのファンになっている大きな理由には挙げられない。

 では、しょこたんのファンになった直接の理由とは?
 しょこたんが、『夢レジ』のエンディングで松田聖子の歌を(カラオケで)歌ったからである。
 それを初めて観た(聴いた)とき、私は歌い始めから10秒ほどの間、「これは松田聖子本人が歌っている音声に、何らかの加工を施したものが流されている」のだと勘違いしてしまった。つまり、しょこたんがクチパクをやっていると錯覚したのだ。
 10秒ほどが過ぎて、私はこれがクチパクではなく、本当にしょこたん本人がカラオケで歌っていることに気が付いた。これには本当に驚いた。その時の衝撃は、今でも忘れられない。

 私は“松田聖子直撃世代”だ。私が中学生のときは、クラスに1人か2人は“聖子ちゃんカット”の女子生徒がいたものである。松田聖子は、今のアイドル歌手など比較にならない、真に国民的な“スター歌手”だったのだ。
 そして松田聖子は、当時の若手歌手の誰よりも歌が上手かった。人気相応の実力を、歌手デビュー当初から備えていたのだ。歌手デビュー半年も経たないうちに爆発的な人気が出て、1年程度で喉を痛めてしまったようだが、「青い珊瑚礁」が『ザ・ベストテン』にランクインした当時の声は本当に素晴らしかった。身体は細かったが、声は太くて張りがあり、高音の伸びの良さもあった。

 歌唱様式も、「松田聖子唱法」と呼ぶべき個性があり、彼女の歌には他の歌手には真似できない独特の魅力があった。
 あの「松田聖子唱法」は彼女一代限りの歌唱スタイルであり、他の誰にもコピーされないまま終わる…。私はいつしか、そう思い込むようになっていた。

 その「松田聖子唱法」を、しょこたんはかなり高いレベルで自分のものにしている。松田聖子直撃世代の私には、その完成度の高さが直感的に分かるのだ。しょこたんは、「松田聖子唱法」を現時点でほぼマスターしていると言っても過言ではないだろう。
 松田聖子が歌手デビューした後、「松田聖子唱法」をマスターした歌手は、本人を除けば20年以上存在していなかった。その意味で、しょこたんこと中川翔子は、文字通り「20年に1人の逸材」である。私にとっては、「2人目の聖子」なのかも知れないのだ。

 かと言って、しょこたんに松田聖子をコピーしてもらうことを全面的に望んでいるわけではない。しょこたんの言うところの「聖子さんリスペクト」を、本人がやりたいようにやってくれれば良い。当り前のことだが、しょこたんにはしょこたんの個性があるし、しょこたんの歌があるのだ。
 アニソンや特撮ソングに関しても同様だ。飽く迄も、本人の心の欲するままにやってくれれば良い。
 「聖子さんリスペクト」もアニソンも特撮ソングもそれ以外も、何もかも含めて中川翔子という1人の歌手なのだ。私は、そんなしょこたんのファンである。
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コメント

「松田聖子唱法」

他の継承者として,森口博子を上げても良いのではなかろうか.

確かに!

 Free Manさん、コメントありがとうございます。
 言われてみれば、森口博子も「松田聖子唱法」の流れを汲む歌い手であると思えます。TVで『Zガンダム』の新OPテーマを初めて聴いたとき(ルックス知らない=先入観なし)そう気付かなかったのは、彼女の声が“ミルキーボイス”系ではなかったから…でしょうね。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。