2017-10

『ミリオンダラー・ベイビー』

『ミリオンダラー・ベイビー』
  2005年の映画館で観た映画:11本目
  映画を観た日:2005年6月18日(土)


 何故この映画がアカデミー賞を受賞したのか理解できない。
 もちろん佳作ではある。外連味みのないシンプルな物語を、最後まで描き切った直球勝負の映画だった。しかし、これが他を抜きん出た傑作であるかと言えば、疑問符が付く。
 例えば、最優秀助演男優賞を受賞したモーガン・フリーマンのこの作品における演技は、『ベティ・サイズモア』や『パルプ・フィクション』におけるそれと比較すると、むしろワンランク劣っていたと思う。
 最優秀主演女優賞を受賞したヒラリー・スワンクのボクサーらしさは、ボクシング・ファンである私の目にも納得のいく出来栄えだったけれども、それ以外の演技が『ザ・コア』におけるものよりも特別優れていたとは思えない。
 作品としても、ごく普通のものだと感じた。父親を失った31歳の女性ボクサーと、娘と疎遠になっている年老いたトレーナーという、欠けている部分を互に補完し得る二人のドラマ。それを、ジムの雑用係を務める元ボクサーが、一歩引いた位置から見守る。確かに良く出来てはいるが、映画としてはこの位は当たり前のレベルだとも言える。

 何故この映画がアカデミー賞を受賞したのだろうか?
 安易なアメリカン・ドリームものではなく、ハッピーエンドですらないストーリーが、希少価値として評価されたのか?
 超大作路線のハリウッドにおいて、大物であるクリント・イーストウッドが低予算に属する映画を手がけたことが、評価されたのか?
 20年以上も教会に通い続けるキリスト教信者が、悩んだ末にキリスト教のタブーを犯すことを描いたことが評価されたのか?

 本当に分からない。
 ハリウッド映画におけるコロンブスの卵とも言えるストーリー展開も、日本のTVドラマ『仮面ライダー龍騎』における“主人公を含むライダー全員死亡”を観ている私にとっては、特に強いインパクトとはならなかった。そんなこんなで、私にとっては、ごく普通の映画だった。
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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。