2017-08

特撮バトル考4 必殺技の説得力

特撮バトル考4 必殺技の説得力

 【2003年4月3日(火)頃に書いたもの】

 必殺技。決まれば、相手に勝つことが出来る、切り札的な技。
しかし、それ故、必殺技には説得力が求められる。誰でも1度は、次のような指摘(ツッコミ)を耳にしたことがあるだろう。

「ウルトラマンは、何故最初からスペシウム光線を使わないのか?」
「ショッカーの怪人は、何故ライダーキックを避けようとしないのか?」

 必殺技を持っていながら、最初からそれを使わない理由は、以下の二つをセットにすると、説得力が出る。
(1)最初から使ったとしても、相手に防がれる。
(2)必殺技を防がれた場合、逆に自分がピンチに陥る。

 技の出すまでに比較的タイムラグの少ないスペシウム光線も、
腕を交差させる → 狙いを定める という二つの準備段階を経たあと、「自分の力を使って」発射している。人間の動作に例えれば、「(矢のセットされた)吹き矢を吹いて命中させる」ようなものであり、その“矢”がエネルギーの関係上、ほば1発しか撃てないとなれば、撃つ方も慎重になろうというものだ。
 ただし、スペシウム光線のような光線技の場合、射程距離は結構長そうなので、相手に気付かれないよう遠い距離から(しかも、背後から!)撃てば良いような気はする。

 だから私が、ウルトラマンの必殺技の中で最も説得力があると思うものは、ガイアのフォトンエッジである。
 (A)射程距離が比較的短い
 (B)技を出すまでに、一定のタイムラグが必要
 (C)技を出す過程で、無防備に近い大きな隙が生じる
という“飛び道具系必殺技の三条件”が揃っており、「こりゃあ、相手にダメージを与えて動きを鈍らせた後、ある程度近付いて決めるしかない」と納得させられるのだ。

 ゴジラの得意技は熱線であるが、必ずしも必殺技として機能しない。
それは、「ウルトラマンにおけるスペシウム光線が効かないケース」のような、特殊な例外という意味合いではない。ゴジラ場合は、熱線が“必殺技”ではなく、“痛め技”(または“つなぎ技”)として使われる場合も多いのだ。
 ウルトラマンでは、スペシウム光線が効かないというケースはあったものの、スペシウム光線が“痛め技”として使われることはなかった。設定上3分間しか闘わないウルトラマンにとって、スペシウム光線が「決まれば必ず相手を倒す技」であっても、充分に間が持ったということだろう。

 1戦闘毎の時間制限がなくなったためか、セブンは得意技として2種類の光線技を持っている。
 “痛め技”(または“つなぎ技”)としての光線技と、“必殺技”としての光線技の2種類を使い分けることが出来れば、“必殺技”を“痛め技”として使う必要などない。80(エイティ)が“痛め技”(または“つなぎ技”)としての光線技を駆使した後、“必殺技”バックルビームでとどめを刺すバトルシーケンスは、なかなか壮快だったように記憶している。

 VSシリーズのゴジラの熱線は“痛め技”どころか、間隔の短い間欠泉みたいにゴジラ本人の意思とは関係なく吹き出しているんじゃないかと思えるほど乱発されていたという印象がある。
 技として説得力があったのは、相手との距離が詰まった接近戦、いわゆるインファイトでも熱線を吐くという点だ。「スペシウム光線のゼロ距離発射」は見られなかったが、「熱線のゼロ距離発射」は見られたわけで、この点はそれなりにスリリングでもあった。
 ゴジラが(最初から)TVシリーズとして作られていたら、ゴジラの熱線は一貫して必殺技であっただろうか?

 平成モスラシリーズで、モスラは「怪獣の中で最も飛び道具の種類が多い」と思えるような怪獣となったが、ゴジラの飛び道具は今のところ熱線ただ1種のみ。『ミレニアム』以降、熱線を吐くまでのタイムラグ、いわゆる「溜め」の時間が長くなった分、威力は増し、『×メガギラス』、『GMK』では事実上の必殺技として描かれている。
 平成ガメラのプラズマ火球は、3作一貫して「決まれば(ほとんど)必殺」であった。『×メガギラス』の怪獣バトルの組み立てが、VSシリーズよりも平成ガメラと似たパターンになったのは、必然だったと言えるのだ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。