2017-10

『どろろ』

『どろろ』
  2007年の映画館で観た映画:2本目
  映画を観た日:2007年2月2日(金)

 駄作とまでは言わないが、わざわざチケットを買ってまで観るような映画ではなかった。
 妻夫木聡が演じる百鬼丸はそれなりに良かったが、まず、どろろ役の柴咲コウはミスキャストだ。原作とは全く違うキャラにしてくると思ったら、原作をほぼ踏襲した少年キャラだったのには唖然とした。普通のシーンでは、柴咲コウ演ずるどろろの方が妻夫木聡が演じる百鬼丸よりも年上に見えてしまうのに、柴咲コウが少年を演じているのは観ていて本当に苦しいものがあった。

 よりによって、なぜ明らかに老け顔の柴咲コウをどろろ役にしたのだろうか。聞くところによると、妻夫木と柴咲は共演する機会が多く、その仲が噂になったりもしているとのこと。それで今回も話題性を考慮して共演させたのではないかというのだが、そんなモン知らない者にとっては何の意味もない。

 私は特に原作のファンというわけではないのだが、原作の『どろろ』は、もっと深い作品なのではないか。この映画は余りにも浅く、表面的な描写に終始していた。
 虐げられる者の身に染みる悲哀、もっと端的に言えば生活感が感じられない。それが深い部分で描かれていないから、伝わってこないのである。

 マイマイオンバの件では、生活苦のために自分の子供を捨てるような農民が、真っ白で大きな握り飯を供え物にするシーンがあった。どう見ても、白米の握り飯にしか見えない。第二次世界大戦終戦後の貧しい一時期、白米は銀シャリと呼ばれる貴重品だった。赤貧にあえぐ農民が、あんな大きな銀シャリの握り飯を出せるなんて、パッと見て不自然ではないか。
 ひえや粟で握り飯を作ったらどんな握り飯になるのかは知らないが、少なくともあんな立派な握り飯を出せる夫婦が、生活苦のために自分の子供を捨てるほど追い詰められているとは思えなかった。(最近になってゆとりが出来たのなら、子供を返してもらっている筈)

 百鬼丸の出生を知ったどろろが、彼の心臓を背後から刀で貫いてしまうのも不自然だった。あそこは、やろうとしてギリギリで思い留まるべきだ。
 途中から、中ボスを倒す単なる活劇になってしまったのもいただけない。悪い意味で、まるで子供向けのアクション映画だった。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。