2017-10

『魔弾戦記リュウケンドー』の感想

『魔弾戦記リュウケンドー』の感想


 『リュウケンドー』が終了してからまだ2ヶ月も経っていないということに、今ちょっと驚いている。
 あの後、『カブト』が終了して翌週には『電王』が始まり、『ボウケンジャー』が終了した次の週から『ゲキレンジャー』が始まっている。ライダーや戦隊はシリーズ物なので、一つの作品が終了すると次の新しいライダーや戦隊が“自動的に”始まる。
 このような“特撮番組の連続体”の中にあって、単発の特撮番組である『リュウケンドー』は番組終了後に何も残すことなく、あっという間に丸ごと過去へと押し流されていってしまった…そんな印象である。

 私の住む関東圏では、日曜の朝7時からの放送だった『リュウケンドー』。
 この放送枠は、事実上の深夜枠である。私も、オンタイムで視聴したことは、ほとんどない。
 『リュウケンドー』のターゲットである「未就学児のいる家庭」でも、日曜日は朝7時頃に起きるという家庭が多いのではないだろうか。その場合、何だかんだで、TVに向かうのは7時30分頃になる。これはつまり、スーパー戦隊シリーズが始まる時間だ。
 『リュウケンドー』の視聴率は1%程度であり、スーパー戦隊シリーズやライダーシリーズと比較すると比べ物にならないぐらい低かったが、それにはこうした理由があったのだと思う。

 ドラマとしての『リュウケンドー』は、なかなか良く出来ていた。特筆すべき点はないが、全体として「普通に良かった」と思う。下町を舞台にしたマッタリとした物語が、最初から最後まで一貫した雰囲気で描かれており、世界観にブレがなかった。
 『響鬼』のプロデューサー交代(更迭)のよる路線変更に対して、いつまでも文句を垂れていた人達は、『リュウケンドー』を観るべきだ。今からでも遅くないので、DVDを全巻買って観ることをお勧めする。

 私にとって、ヒーロー番組としての『リュウケンドー』は、端的に言って“『龍騎』のパクリ”であった。
 『龍騎』のカードバトルにも勿論カードゲームという元ネタがあるのだが、特撮ヒーロー番組にそれを取り入れたのは『龍騎』が最初である。『リュウケンドー』の魔弾キーを用いたバトルは、基本的には『龍騎』のカードを単にキーに置き換えただけだった。
 ただ、『リュウケンドー』にとって不幸だったのは、放送開始時期が当初の予定よりもずれ込んだため、

・倒した敵から魔弾キーを得る
という設定までもが『剣(ブレイド)』のパクリであるように映り、
・顔のないヒーロー
を『響鬼』が先に放映してしまったため、そのデザインに斬新さが全く感じられなかったことだ。また、
・一人のヒーローが、陸・海・空のサポートメカを使う
という設定も、『響鬼』が先に放映してしまっている。

 私は『リュウケンドー』の玩具は一つも買わなかった。その理由は2つ。近所のデパートの玩具売り場では一切扱われていなかったことと、『リュウケンドー』にヒーローとしての魅力が不足していたことである。
 『リュウケンドー』に何が足りなかったかを、思いつくまま列挙してみよう。

(1)変身シーケンスが、通常の魔弾キー発動シーケンスと基本的には同一。
 『龍騎』のような、変身するカッコ良さが、『リュウケンドー』にはなかった(変身ポーズも特になかった)。

(2)魔弾キーの使いどころや機能が決まりきっており、面白味がない。
 『龍騎』のカードような、相手のシュートベントに対してガードベントを使うといった攻防の流れにそった展開や、トリックベントやコンファインベントのような特殊なバリエーションがない。

(3)魔弾キーが、どれも同じに見えて、代わり映えしない。
 『龍騎』のカードように、「カードの図柄を見て楽しむ」という楽しみ方が出来ない。キーごとに一応の意匠はあるが、単なる記号の域を出ていない。

(4) 魔弾キーを発動させるシーケンスに快感がない。
 鍵の操作は、ロックを解除するとか、エンジンを起動するといったアクションを引き起こすから快感があるのだ。魔弾キーの発動には、それがない。ただ、小さな部品を填め込んでいるだけとしか感じられない。あれでは、カードをセットすることとほとんど同じであり、鍵としての特徴が活かされていない。
 魔弾キーをアイテムに差し込んでカチッと回すと「ブロロォオン!」とエンジン音が鳴り響くとか、「ガチャッ!」とロックが解除される音がしてアイテムの一部が開くといったギミックがあれば、相当楽しかったと思う。『リュウケンドー』では、キーを差し込んだ後“カチッと鳴るまで回す”といったアクションさえなかったような気がする。

(5)殺陣などのアクションシーンに特に見るべきものがなかった。
 特に悪くもないのだが、ライダーや戦隊との差別化が全く感じられない。『セイザーX』の殺陣が、キレが良くハイテンポなリズムとルチャ(メキシカン・プロレス)風の動きを融合させて独特のカラーを出していことと比べると、明らかに見劣りした。

 これらの欠点は、ヒーロー目当てで特撮ヒーロー番組を観ている者にとっては、どれも結構大きなマイナス要因である。
 私はヒーロー作品(特撮に限らない)のファンとしては、生涯現役を貫く意志をもっている。例え70歳を過ぎても、ヒーローのカッコイイ決めポーズを真似して楽しむことを止めるつもりはない。
 その私が、『リュウケンドー』放映中にヒーローに関する“ごっこ遊び”をすることは、遂に一度もなかった。『リュウケンドー』には、真似したくなるようなカッコ良さが無かったのだ。

 私にとって『リュウケンドー』は、本当に「何となく見る」という番組だった。HDRに録画したものを丸一週間観ないまま放置しておいて、次の回の話が自動的に上書き録画されてしまったことも2回ほどあった。
 それでも、1年間に渡ってほぼ全話を放映6日以内に観続けたのは、自分でも不思議な感じがする。
 「何となく観続ける、不思議な番組」。それが『リュウケンドー』だった。

 『リュウケンドー』放映中に、ヒーローに関する“ごっこ遊び”をすることは一度もなかったということは、既に述べた。
 しかし、『リュウケンドー』終了後、2ヶ月近くが経った今でもやっている『リュウケンドー』“ごっこ遊び”が、一つだけある。
 それは、シチューやカレー等の鍋を使った料理を作っているとき、鍋の中身をお玉でかき混ぜながら
「ベレケ~、ベ~レケ~~」
と唱えるという遊びだ。
 昨日、カレーを作ったときも、この遊びをやった。
 まず間違いなく、この遊びは一生続けるだろう。(いや、鍋の中身をお玉でかき混ぜるときは唱えないではいられないのだ、ベレケ~、ベ~レケ~~)
 調理に遊びを取り入れるという点に関して、『リュウケンドー』は『カブト』を凌駕してしまったのである。
 『リュウケンドー』は、思えば本当に不思議な番組だった。
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コメント

リュウケンドーの視聴率が低かったのは、もっと簡単な理由です。関東や関西の裏番組の「かいけつゾロリ」が強すぎたからです。
実際、視聴率は常にリュウケンドーの2~3倍はありました。リュウケンドーの視聴率はほとんど1%台で、2回だけ2%を超えた回がありましたが、それはゴルフ中継でゾロリが休んだ時でした。
現在もゾロリの後番組の「恐竜キング」が大人気放送中なので、朝7時に起きてる子供も多くいますが、そのほとんどはテレビ朝日を見てる訳です。
何でこんな強力な裏番組がある時間帯で、放送したのか・・・。



 『かいけつゾロリ』の視聴率が『リュウケンドー』の2~3倍だとしても、『ボウケンジャー』の視聴率は更にその2~3倍だったわけですから、時間帯というのが最大のネックだったと思います。
  『リュウケンドー』と『ボウケンジャー』が、同じ日に同じ時間帯でヨーイドン!で始まっていたら、どうなっていたのか…。
 あとは、前の番組が何だったとか。例えば、『リュウケンドー』が『響鬼』の後番組だったら、29話以前の支持者には人気が出たんじゃないでしょうか。

時間帯に関して言えば、ゾロリ>戦隊>ライダーというコンボも影響あるな
戦隊はゾロリの視聴者から幾分か引き込きこめるしライダーも戦隊の(以下略)
リュウケンドーの視聴率が低いのは、時間帯のこともあるけどその魅力を(存在さえ)知るものが、少なかったのではなかろうか?

  『おはスタ』で番宣しているのを見たことはありますが、放送当時にはとっくに撮影が終わってましたから、その辺も弱かったかもしれません。東京ドームシティですか?あの辺でイベントが出来る番組は言うまでもありませんが、『セイザーX』だってプロレスとコラボしていましたし。  
 児童誌での展開はどうだったんでしょうね。ネタばれ嫌いの私はチェックしてませんが。

 ちなみに、私は今でも玄関の施錠をするときに
「ゲンカンキー、発動!」
とか、時々やってます。

追記

リュウケンドーのスーツの重さにJEAの人が驚いたというお話はご存知ですか?
ご主張はわかりますが、色々事情があるのは察していただきたいところです。

Re:追記

>色々事情があるのは察していただきたいところです。

 情けないの一言に尽きます。

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。