2017-08

『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』

『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』
  2006年の映画館で観た映画:28本目
  映画を観た日:2006年10月18日(水)


 松浦亜弥は、特撮やアクションものに向いていると、ずっと思っていた。何故なら、彼女は高い所でもヘッチャラで、ワイヤーで高所に吊られることも楽しめてしまう性分であることを、最初のPV集のメイキングで自ら語っていたからだ。
 デビューして暫くすると、華奢だった体型も健康的な太さを得て、バランスの取れたものになった。ケレン味たっぷりの楽曲を堂々と歌うあややに、「女性ヒーロー」を求めてしまうのは特撮ファンの性(さが)である。
 『あずみ』が映画化されたときは、松浦亜弥ではなく上戸彩がキャスティングされたことに落胆した。“あや”違いも甚だしい。上戸も決して悪くはないが、フトモモを露にして活躍するヒロインという点では、明らかに松浦に軍配が上がる。

 『あずみ』から何年経ったのだろう?(3年ほど)
 漸く、松浦亜弥がアクション映画にやって来た。
 『スケバン刑事』ということで、年齢的にセーラー服はどうなんだろうと少し心配したが、特に問題はなかったと思う。流石は長期に渡って一人勝ち状態を続けていたアイドルだけのことはある。
 でも、もっとスゴイのはマサオこと大谷雅恵だった。あややよりも遥かに年上なのに、制服姿が結構普通に見えたことには驚かされた。

 マサオは導入部に登場する説明用のキャラで、いわゆる「出た見た死んだ」のパターンだったが、非常に上手く機能していた。この導入部を見て、私は「現時点の“麻宮サキ”が爆死した!」と思い、かなりの衝撃を受けた。
 実際には、ヨーヨーは特命刑事なら誰でも所持する標準装備に過ぎず、爆死したのは“麻宮サキ”ではなく、「特命刑事のうち1人」でしかなかった。“麻宮サキ”というコードネームは、特命刑事の中でも唯一無二的な存在の者だけ与えられる、特別なコードネームなのだ…
 ここまでの、「特命刑事・“麻宮サキ”」を説明する流れが、この映画で一番優れた点と言っても良いだろう。この流れで、観客は「“麻宮サキ”のいる世界」に入ることが出来るのだ。

 この映画の予算は、Vシネマと同程度だろう。
 しかし、「“麻宮サキ”のいる世界」に観客を誘う導入シーケンスと、「片目だけが赤い」という記号的な処理を施された美少女キャラクターの映像が、この作品をVシネマでなく映画にしている。この作品は、映画の文法に則って創られているのだ。
 薄暗い世界で、松浦が赤い方の目から赤い涙を流すシーンも非常に映画的である。日本の映画では珍しい、バランスの取れた映画的な絵だった。

 この絵は映像的な美しさを狙った「一発芸」ではない。組織に属そうとしない「野獣」が血涙を流すことによって赤目を白目に戻し、組織に属する「麻宮サキ」に成るという表現描写の一環でもある。「白目と赤目」で左右非対称というのは、バランスの崩れた「壊れた人間」であることや、組織に属さない「規格外品」であることの象徴である。母親を想う心が涙となって、そういった「壊れた部分」を体の外へと洗い流していく。その結果、「非対称な野獣」から「左右対称の人間」に戻った少女は、「麻宮サキ」となって戦うのだ。

 特撮部分は、ヨーヨーのCGのクオリティが十分なレベルにある一方、爆発の映像処理は甘かった。
 アクションは、全体としての統一感に欠ける。戦士としての麻宮サキの強さ(弱さ)が、ビシッとした形で伝わってこないのだ。麻宮サキの最後の技に「必殺技」感・「決め技(切り札)」感が乏しかったのも残念である。
 しかし、「戦士としての麻宮サキ」を描くことには不成功に終わっていたと思うが、最終決戦の最後の最後に敵の命を救おうとしていたことで「女としての麻宮サキ」を描き切っていたとも思う。
 また、「特命刑事vs特命刑事」の戦いとなったセミファイナルのバトルシーンは、燃える展開だった。石川梨華のハードボイルドキャラも素晴らしい。この女性は、こういう役(悪役であるか否かに関わらず)を演らせると本当にハマる。かなり以前の写真集でも、銃を携えた女スパイか狙撃手かといったコスチュームをしていたものが非常に似合っていた。今回は銃はなかったが、ハードボイルドなキャラで動いているチャーミーを見ることが出来たので、かなり嬉しかった。

 松浦亜弥主演のアクション映画第1弾は、低予算作品であった。それでも、作品全体としては成功していたと言える。もう「スケバン」は無理かも知れないが、松浦亜弥主演のアクション映画第2弾を期待している。日本に、これほどケレンの似合う女優は、そうそういないのだから。
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スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ DVD

1980年代にフジテレビ系列で放映された和田慎二のコミックが原作の 「スケバン刑事」シリーズ劇場版第3作。 人気アイドルたちがセーラー服姿で登場し、 ヨーヨー片手に悪の組織と対決する学園アクションドラマです。 斉藤由貴、南野陽子、浅香唯に続きデビュー5周年を迎え

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。