2017-08

~昭和歌謡シアター『時の流れに身をまかせ』~

劇団「シニアグラフィティ」第2回公演
   ~昭和歌謡シアター『時の流れに身をまかせ』~
                劇を観た日:2006年9月9日(土)


 今回は、カオリンこと飯田圭織を見るために劇場へ足を運んだが、小劇場系の芝居を観るのはこれが初めてではない。今回で4回目である。
 過去3回は、出演者目当てではなく、純粋に劇そのものを観る目的で足を運んだ。ストリップ観劇を続けていた当時、ふと普通の芝居の舞台を観たくなったのだ。半年ほどの間に3回観劇し、ある種の満足感を得て、それっきりになっていた。

 だから、かおりん目当てで芝居を観に行くことに対し「邪道だな」という一種の負い目があった。
 しかし、公演内容に対して客が否定的な先入観を持っても仕方のないことだ。そう思って、新宿【スペース107】の階段を降りて行った。
 相田翔子さん宛ての花輪が、他の出演者のそれを圧倒していることに驚く。
「相田翔子さんって、そんなに大物だったっけ?」
「Wink時代には、たった2人でモー娘。並みのヒットを飛ばしていたのかな?」
「単に主役だから沢山お祝いが来てるのかな?」
などと思っているうちにテケツに着く。同じような規模の小屋でも、テケツの雰囲気からしてストリップ劇場とは違うな…と感じる。

 テケツを抜けると、グッズ売り場になっていた。
 パンフレットの販売案内があったが、
「かおりんは脇役だろうから、せいぜい2ページぐらいしか載っていないだろう」
と思うと、1300円払ってまで買う気にならない。ここら辺が、かおヲタとの違いだと自覚する。ここで「せいぜい2ページ」に1300円を出さないということが、かおファン止まりである証拠なのだ。

 芝居が始まると、思った通り、かおりんは脇役だった。
 役柄の所為もあると思うが、ののの方が生き生きして見えたのが、かおファンとしてはちょっと残念だ。

 役柄以外にも、かおりんがののに負けていた理由がある。
 第一に、ののは、体型が舞台映えする。約6頭身で、比較的顔が大きい。(ちなみに今回、ののは明らかにオーバーウェイトで腰周りに余計なお肉がついていたが、それでもなお普通にクビレていたことに驚かされた。モー娘。時代に太ったときは、普通にドラム缶体型だったのに)
 これに対し、かおりんは9頭身に近く、その分顔が小さく見える。体格差から考えて、ののとかおりんの顔の大きさに大差はないと思うが、舞台の上の印象では、かおりんの方が明らかに小さく(要するに目立たないと)感じられた。

 もう一つは、衣装の差。
 ののは四肢が完全に露出し、上半身と下半身にメリハリが付いた衣装を着ていた。全身のバランスが非常に良かった。
 これに対し、かおりんの衣装は単色のロングドレスであり、脚がほとんど見えない。
 かおりんは衣装によって胸から下が一体化してしまい、平面的な印象を受けた。同時にロングドレスによって下半身にボリューム感が出てしまうため、小さい顔が余計小さく見える。これは、舞台演劇ではマイナスでしかない。

 かおりんは、モー娘。時代、舞台ではパンツをはいている事が多かったように思う。あれが、脚の長いかおりんを、最も舞台映えさせるパターンなのだ。特に、白地に赤のラインが上下に入ったパンツをはいていたときは、腰のくびれと相まって、日本人離れした美しさを強烈に放射していた。
 もちろん、プリプリピンクのような、超ミニスカートでも良い。細身で顔も小さいのだから、脚の長さを強調し、全身のシルエット、即ち“ボリューム”ではなく“切れ”で勝負すれば良いのだ。
 今回でハッキリしたことは、スラッとした女性がスラッとした普通のドレスを着ても、舞台では基本的に見栄えがしないということ。かおりんは胸を寄せて少し谷間を作っていたようだが、あの程度のボリュームでは、せいぜい前から5列目までしかアピールしない。

 今回、かおりんのビジュアルで良かった点は、背中の露出だろう。色が白い上、適度な筋肉が着いているので、照明の当たり具合によってキレイな陰影が浮かび上がり、目を引いた。やはり、かおりんは生きている芸術品である。

 演技に関しては、今回は特に言うべきことはない。久し振りの舞台だったし、慣らし運転といったところだろう。

 問題は、歌である。
 アッちゃんと比較すると、歌手としてのレベルの差は、残酷なまでに歴然としていた。
 第二部で歌った『Papillon』は、それなりに歌い込んでいることは伝わってきたが、逆にその分、かおりんの歌手としての基本性能の限界が見えてしまった。
 ののは、真剣に歌に取り組めば、アッちゃんのレベルには達することができるように思う。しかし、かおりんには、歌手としての伸びしろがほとんど見出せなかった。

 今回の主役を務めた相田翔子さんは、歌手としてはかおりんと同レベルかそれ以下だ。だから、かおりんがこれからも主に歌手として活動していくことも、出来なくはないだろう。
 かおりんが「歌が大好きで、歌っているときが一番幸せ」なのは分かる。
 しかし、それでは宝の持ち腐れとなる可能性が大きい。
 周囲の人のアドバイスと、本人の英断に期待したい。

 最後に、会場内のハロプロファンに関して。
 会場入りする前から、観客のある程度を占めるであろうハロプロメンバーのファンが、芝居小屋という場所に相応しくない服装や振る舞いをしなかということが気掛かりだった。そして、嫌な予感は的中した。

 芝居が始まる数分前、私の前のブロックにいる観客が、自分の席でTシャツを着替えた。要するにその馬鹿は、観客席で一時的に上半身裸になったのである。観客席は既にほぼ全席埋まっている。雛壇になっている後方の席からは丸見えだし、照明等のスタッフの席からも見えただろう。
 幾らアップフロントが製作しているとは言え、この場はハロプロのコンサート会場ではないのだ(ハロプロのコンサート会場であっても、TPOをわきまえるべき行為である)。自分の隣の席の客がそんなことをやり始めたら、私は絶対に注意してやめさせていたと思う。

 ガッタスのレプリカユニフォームを着ていた辻ファンにも、嫌な気分にさせられた。真っ黄っ黄で目立つその服は、客のマナーから外れるものだったと思う。
 何故なら、この公演の主役は相田翔子さんであって、ハローのメンバーではない。準主役の父親役を演じている役者も、もちろんハローのメンバーではない。この公演の芝居においては、ののを含むハロプロのメンバーは全員脇役なのだ。見る側も、それをわきまえるべきだと私は思う。
(以前、サッカーの試合会場でガッタスが前座試合を務めた際、コンサート用の特攻服を着て客席に陣取った非常識なファンがいたそうだ。他人に直接迷惑をかけているわけではないし、もしかしたら主催者側の許可を取っているのかもしれないが、本来自粛すべき行為である)

 逆に、ちょっと小粋に思えたのは、「辻希美」と書かれた提灯を持ち込んでいた辻ファンである。会場内にはセットとして多数の提灯が取り付けられていたので、その場の雰囲気と調和しており、客席からの一種の演出のようにも感じられた。色も地味というか普通で、目障りではない。ただ、サイズが大きいので、端の席で扱わないと周囲の客の迷惑になるだろう。その辺がどうだったのかは、ちょっと覚えていない。

 客席全体としての雰囲気は良く、舞台は第一部(芝居)、第二部(ミニコンサート)ともに滞りなく進行し、良い公演だった。
 ただし、たった3度とはいえ、似たような空間で純粋な芝居を観た経験のある者としては、アイドル系の歌手が役者に混じって舞台に立ったり、芝居の後にミニコンサートがあることに対しては複雑な思いを抱かざるを得なかった。芝居の内容が「小さくとも純粋な劇団の頑張り」を描いていたものだっただけに、尚更である。
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コメント

 うーん……。
 いいらさんは自主的に頑張っているだろう、なんて甘い考えを持っていましたが、甘かったか。一頃の「髪の手入れに関しての念の入れよう」を聞くにつけ、自分を高める努力は怠らないだろうと思ってたんですけどね……。なんか今度ダンスやるみたいだし、大丈夫なのかな。

 まぁ、個人的には
>ちなみに今回、ののは明らかにオーバーウェイトで腰周りに余計なお肉がついていたが
 これが一番問題なんですが……orz

 かおりんは努力は怠っていないと思うのです。ただ、歌に関しては、もう努力しても伸びないところまで来てしまっている…というのが私の偽らざる印象です。

 ののは、オーバーウェイトとは言っても普通にクビレていましたから、まだ問題となるところまではいってないと思います。個人的には、今の「ぷにっ」とした感じも捨て難いです。客観的には、今年のキャプテン公演の時がベストですが。
 とにかく今回、ののはホントに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。念のためDVDのURLを貼っておきますね↓
http://www.gekidan-online.com/goods_Listp.php?Goods_No=015

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。