2017-10

『グランドホテル』

『グランドホテル』
  2006年(4月29日~)のDVDまたはビデオで観た映画:2本目
  映画を観た日:2006年8月12日(土)

 1932年製作、アカデミー賞作品賞受賞作品。
 “グランドホテル形式”という呼び方は、この映画からきている。小説では以前から存在していた手法だとは思うが、映画においてこのスタイルを明確に打ち出したのは初めてだったのだろう。

 グランドホテルで、それまで全く無関係だった人物同士によって、いきなりドラマが発生する。この映画におけるグランドホテルは、ドラマ作りの“舞台”というよりは、その機能を持った“装置”に近い。
 偶然によって様々な人間模様が織り成されるうちに、遂には殺人事件にまで行き着いてしまう。
 殺された男性と「グランドホテル内だけでの親密」を構築していた男女が、二人して泣きながら電話でパリ行きの切符を予約をする場面は、この映画のクライマックスである。殺人の場面ではなく、「二人で泣きながらホテルを去ることを決める」シーンがクライマックスなのだ。殺人のシーンで、死体が全く映されないのも、そういった流れを強調するための効果的な演出である。

 死を忘れるためにホテルを去る二人と、新婚の夫婦がホテルの入り口付近ですれ違うシーンも象徴的だ。生と死さえ交錯する場所、グランドホテル。生と死が行き交った後、回転扉が空っぽのまま回り続けていたのも印象的。「何事でも起こり、何事も残らない」グランドホテルの本性の暗喩だろうか。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。