2017-08

『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』

『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』
  2006年の映画館で観た映画:25本目
  映画を観た日:2006年8月16日(水)


 面白くなかった。平成のライダー劇場版は『555』以外は全て観ているが、その中では最低の出来だった。
 考証の誤りは、子供向け映画であるから許される。ストーリーや、TV版との整合性という大筋に関しては問題ない。過去のライダー劇場版が、「所詮ライダーの新フォームのお披露目映画」に見えてしまう雑な造りであったことと比較すると、明らかに一つ上のレベルを狙った作品であったとも思う。
 しかし、肝心要の「ヒーロー・アクション映画」としては、もう全然ダメなのだ。

 とにかく、作品の雰囲気が暗すぎる(画面そのものも暗めだった)。
 そして、カッコ良さがない。だから、爽快感もない。
 こういう映画を造るのなら、ライダーじゃなくて他所でやって欲しいと思う。

                  (以下、ネタばれ有り)  劇場版カブトを観に来る客の中で、「軌道エレベータが見たい」などと思っている者が果たしているだろうか? 客の想像を越えるものを見せるということは、客のニーズから外れたものを見せるということではない。

 また、軌道エレベータは映像化されているものの、「舞台」としてはほとんど機能していない。軌道エレベータではなければ造れなかった映像というものが全く無い。あれなら普通の工場内でも実現できた…というより、普通の工場の方が遥に見栄えのする映像が造れただろう。(例えば、ボルトやナットなどの部品が空中に散らばった中でクロックアップバトルを繰り広げるとか)

 劇中では、軌道エレベータを地上と宇宙ステーションを行き来するための方便と言うか記号として使っていた。しかし、軌道エレベータはエレベータだけあって閉鎖された設備であり、移動の様子が全くと言って良いほど絵にならない。方便としての「装置」であるにしろ、選択を誤っていた。
 私だったら、宇宙船用のカタパルトを、「ライダーバイクをクロックアップ」させた状態で駆け上って飛び立ち、あとは補助ブースターの力を使ってステーションまで辿り着くという絵を選択する。(もっとも、宇宙ステーションという舞台自体を設定したくはないが)

 軌道エレベータ関連に予算を食われたのか、主役であるライダーたちがパッとしない。
 劇場版ライダーはキャストオフせず、文字通り魅力半減であるうえ、オリジナルの必殺技さえ見せないまま。
 TV版のライダーも、必殺技を出したのはカブトだけだったか? とにかく、ライダーの活躍が余りにも少な過ぎ、印象に残らなさ過ぎる。ドレイクに至っては、クロックアップすることなくゼクトルーパー部隊に倒される為体だ。

 ライダーの劇場版は、TV版ライダーの豪華版で良いのだ。
 軌道エレベータなんか出す必要はない。出さなくて済む話にするべきなのだ。
 劇場版ライダーは一人で良いから、ちゃんとキャストオフして、オリジナルの必殺技を披露する。それが、劇場に来た観客に対する、最低限のサービスだと私は思う。

 例えば、コーカサスのマスクドフォームは、色と右肩以外はカブトと同じで、類似した印象。それがキャストオフしてホーンが顔面に被さることにより、カブトとは全く印象の異なる“別人”となる。そういう映像を見せれば「おお~!」となるのではないか。
 そして、必殺技もカブトとは全く異なるショルダータックル。それもショルダーブレードで相手の胴体を突き刺し、そのまま空中に放り投げて爆発四散させるという派手な技(カブトムシが相手を角で引っくり返して樹から落とすイメージ)

 余談だが、ハイパーフォームになったカブトが巨大隕石の地球衝突を防ぐ件は、『ガイバー』が元ネタになっていると思う。平成ライダーシリーズは、伝統的に『強殖装甲ガイバー』を元ネタにしてきている(参考記事は こちら )が、『カブト』は劇場版でその伝統を守った格好だ。ちなみに、ハイパーフォームのデザインも、巨大隕石が地球に衝突することを防いだアルカンフェルの意匠を感じさせるものになっている。
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今年のライダー&戦隊劇場版

今更って感じもしますが、公開期間も延長されたらしいので「劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」と「轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス」を観てきました。幾つかのブログの観劇評では絶賛のボウケンジャーと酷評のカブトという好対照な評価をされて

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。