2017-08

『ゴジラ災害ファミリー』

              『ゴジラ災害ファミリー』

             【2000年01月29日(土)頃に書いたもの】

 タイトル通り、ゴジラによって被災した、ごく普通の家族の視点から構成された映画です。
 その意味では以前書き込んだ “84の私流リメイク版(主な登場人物が次々と死んでいく壮絶なストーリー)” と同じですが、この『ゴジラ災害ファミリー』はそこまで凄惨ではありません。ゴジラによって被災した一家(を含む被災地域)の悲惨さや大変さを描きつつも、涙あり、笑顔ありの、どちらかといえばむしろ前向きで陽性の物語です。
 では、簡単にあらすじを説明します。

 ある年の年末、ある地方の沿岸都市の新興住宅地。そこへ向かう自動車。運転しているのは父、乗っているのは家族。ちなみに家族構成は以下の通り。

 父 … 45歳。サラリーマン。職業はローカルTV局のカメラマンチームのチーフ。
 母 … 42歳。主婦。近所のスーパーでパートで働いている。元、夫が勤めるローカルTV局の美人アナウンサー。
 長女 … 18歳。高校3年生、美人で成績も良く国立大学を受験予定。同じ大学を目指す彼氏がいる。
 次女 … 16歳。高校1年生、長女より成績はやや劣るが、スポーツは得意で中学時代から全国大会レベル。美人だが性格がキツイ為か、まだ彼氏がいない。
 長男 … 14歳。中学2年生、成績は悪い方で、スポーツもダメ。性格も暗めで二人の姉に頭が上がらない。

 家族は、建てたばかりの一戸建ての我が家に到着。引っ越し荷物を積んだ運送屋も到着し、荷物の運び入れが始まる。慌ただしいながらも、喜び一色の家族。

 その1ヶ月後。父は仕事、子供達は学校。母はパートの仕事や町内会の集まり(新興住宅地なので、引っ越し早々の新年、いきなり町内会長になってしまった)と、それぞれ新居と自分たちの活躍の場との行き来を日々の営みとしていた。
 しかしそんなある日、一人で海に遊びに行っていた長男は、巨大な生物の体の一部らしきものを目撃。しかし、彼は自分の眼の錯覚だと自身に言い聞かせて、誰にも話さない。翌日、気になって海へ行くが、変わった様子はない。やはり自分の錯覚だったと安心して帰る長男の背後で、巨大な生物の体の一部らしきものが…。

 翌日の夕方、長男の見た巨大な生物=ゴジラが出現する。
 ゴジラは新興住宅地を破壊しながら横切り、(家族の)母がパートで働いているスーパーを破壊して突き進んでいく。大地震に遭遇したような状況下で、母はスーパーから何とか脱出に成功する。
 ゴジラはそのまま長男がいる小高い丘の上の中学校へと接近。ゴジラ出現の情報が上手く伝達されていないため、学校には何の連絡も入ってきていない。校舎の4階の窓からゴジラが見えたとき、その姿は既に生徒達がパニックを起こすのに十分なほど大きかった。
 逃げ遅れた生徒や職員のいる学校を破壊しながら、ゴジラは何かを目指すかのように突き進んでいく。長男は、その様子を校庭の隅から見上げて腰を抜かしていた。

 ゴジラは街へと進入し、高校から電車に乗って帰ってくる途中の次女が、ゴジラと遭遇する。ゴジラが歩くことによって起きる振動によって次女の乗った電車は自動停止し、そこへゴジラがやって来る。
 次女の乗った車両は潰されこそしなかったが横転し、その際、次女は利き腕に重傷を負ってしまう。
 長女は、その様子を比較的近くから見ていたが、自分が逃げることで精一杯で、まさか横転した車両の中で妹が重傷を負っているとは思いもよらない。

 母と長男は、自宅のあった場所へとどうにか戻って来るが、そこは瓦礫の山と化していた。ゴジラ進行の直撃を受けたのだ。長女もやや遅れて戻って来る。
「そんな…まだ建てて2ヶ月しか経ってないのに…まだローンが20年も残っているのに」
 泣き崩れる母、呆然と立ちつくす長男。そしてその上空を飛ぶTV局のヘリコプターの中には、うずくまるようにして頭を抱える父の姿があった。
 ゴジラは海へと去り、行方不明となる。
 火災等は収まり、危機的状況は去った。次女は被災現場から病院へ直行、そこへ残りの家族が合流して全員助かったことを確かめるも、自宅が潰れた事実が家族に重くのしかかる。

 次女を除く家族は仮設テントでの避難生活に入る。被災者の数が多いため、人口密度は高く、生活は不便。受験を控えた長女は、環境のあまりの酷さにいらだちを隠せない。母は家を失ったショックと将来への不安に落ち込んでいるところへ、さらに町内会長として被災した町内のもろもろの雑用を受け持つことになり、精神的に参ってしまう。
 そこへマスコミが詰めかけ、報道合戦が始まる。プロとして自らも報道の仕事に参加していた父だが、余所から来たあまりにも無神経な取材班と衝突する。ケンカになりかけたところを、地元の警察官が駆けつけ、その場を収める。

 マスコミ陣が家族のいる仮設テントを引き上げてしばらくした後、震度2程度の地震が発生。地震はすぐに収まるが、被災者達の間には、不安な空気が充満する。そこへ、
「怪獣が、また来たぞ! こっちに向かって来る、早く逃げろーっ」という叫び声が。
 被災者達は浮き足立ち、無統率に逃げ始める。パニックになり、人が押し倒されたりして怪我人が出る。
 ゴジラがどこから来るのか分からず、錯覚・誤認から矛盾した情報が飛び交い、バラバラに逃げまどう被災者達。
 母・長女・長男は必死になって、父達のTV局クルーのいる隣のエリアの仮設テントのところまで逃げてきた。話を聞いた父が上空を飛ぶヘリコプターに問い合わせたが、ゴジラの影も形もない。デマだったのだ。
 父達のTV局クルーは、怪獣再来がデマであることをアナウンスしながら、家族と一緒に自分たちの仮設テントに戻る。既に、今回の騒ぎで怪我人が出た家族など、何組かが戻って来ていた。そこで父は、物陰に隠れてカメラを構えている取材班を発見。気付かれぬように近付くと、
「こんなに上手くいくとは思わなかった。おかげで良い絵がたくさん撮れた」
と話しているではないか。激高した父は彼らに詰め寄り、あくまででシラを切り通そうとする連中を殴りつけ、ボコボコのケンカになってしまう。社に戻った父に宣せられたのは、3日間の謹慎処分だった。

 学校が破壊されてしまった長男は、行くところがなく、あてもなく被災地をさまよう。
 次女の怪我は、後遺症が出るかも知れないという程の重傷だった。全国大会の夢が破れ、自分のアイデンティティ=スポーツマンとしての挫折に、次女はふさぎ込む。
 メインとなる交通網がゴジラによって寸断されてしまっているため、補給物資の流通も上手くいかず、被災地のあちこちで物資を巡るいさかいが起こり、
「怪獣が貯水池を襲っていたため、水道水には放射能が混ざっている」
「水道水を飲んだ者の髪の毛が抜け、肌に異常が出た」
といった類のデマが、何度も流れる。そのたびに、町内会長である母・受験を控えた長女、を含む被災者達は神経をすり減らす。
 しかし、ゴジラがほぼ海岸沿いに西へと移動し、本州を離れて四国に接近しつつあることが判明すると、被災地にボランティアが集まりだした。被災地をふらついていた長男は、他県から来たボランティアグループから協力を求められ、彼らと行動を共にする。長男は、はじめは消極的だったが、徐々に積極的になり、ボランティア活動に自分の居場所を見いだす。

 同じ頃、海外からやって来たNGOの医師団が、次女の入院している病院にやってくる。英語が得意な次女は、カタコトの日本語を話す外国人の青年(医大生)から通訳を頼まれる。利き腕の怪我以外は大したことはないので、成り行き上、病院内を医師団について回ることになる。
 仮設テントでは、母と長女ともに精神的に不安定な状態が続いていた。長女の受験の日も近いのに、このままでは一体どうなってしまうのか。
「家が壊れてしまったのは、もうどうしようもない。でも、自分の希望や、家族の絆までも壊してしまってはダメだ」
と話す父だが、今すぐ打開策を取れない無力感と、謹慎中のいらだちは隠せない。
 しかし、ようやく始まった自衛隊の本格活動により、仮設テントから仮設プレハブへと移ることが出来ることになった。自衛隊の隊員達の本格的な協力により、物資の配分などの母の仕事ははかどり、どうにか一息つくことが出来るのだった。

 ゴジラが四国に上陸することが確実視され、避難活動や自衛隊の作戦行動が展開される。謹慎のとけた父は、現場へ向かう。
 瀬戸大橋を使った避難の様子を父の取材チームが撮影中、海底から怪獣が出現する。ゴジラとは別の怪獣である。
 怪獣は大勢の避難民を載せた瀬戸大橋を破壊し、四国へと向かう。怪獣は四つ足で上陸するとすぐに、子供を2頭産み落とす。卵胎生らしい。産まれた子供怪獣はそれでも10m近くあり、すぐに四つ足で行動し始め、逃げ惑う人々を追いかけては補食していく。
 ゴジラ迎撃を想定して布陣を進めていた自衛隊は、その半数が急遽移動し、この四つ足怪獣と戦うことになる。四つ足怪獣の親はゴジラ並の戦闘能力を持ち、自衛隊は圧倒される。

 ゴジラもまた予想よりも早く現れ、戦力の半数を別の怪獣に割かれてしまっている自衛隊の迎撃網を易々と突破する。
 ゴジラは、まるでそれが四国上陸の目的であるかのように、四つ足怪獣の子供を探し出すと放射火炎で焼き殺す。親の元へと逃げる残りの一匹も焼き殺すと、怒り狂う親怪獣と対決。
 両者はもつれ合ったまま海へと転落。大損害を被った自衛隊は、怪獣が南下していく途中で追跡に失敗、見失なってしまう。

 一方、ゴジラ上陸による最初の被災地では、仮設プレハブの設置が進み、ようやくそれなりの落ち着きを取り戻していた。
 長女の通う高校は、自宅を失った受験生をサポートする目的で、希望者には全国の系列校の寮に臨時に入寮させることを決定。長女とその彼氏は、東京の大学を受験するため、同じ系列校の寮に臨時入寮することを決める。
 次女は、利き腕が全く動かせないことから病院内での生活を続けながらも、通訳その他、自分に出来る範囲内でのボランティアを続ける。そのきっかけとなった医大生の外国人青年とも、個人的に親しくなっていく。長女の上京見送りを兼ねて見舞いに来た家族は、そのことを知り、明るさを取り戻した次女を見てホッとするのだった。
 被災地でボランティア活動を続ける長男は、被災地を訪れた外国人女性学者とそのチームが、父の撮ったTV映像のことを詳しく知りたがっていることを知り、父を紹介する。

 父の所属する取材チームは外国人女性学者とそのチームに協力することになり、取材許可が下りたばかりの四国の被災現場へ飛ぶ。
 外国人女性学者とそのチームは古生物研究グループであり、ゴジラをも、古生物の末裔の変異体として研究対象としていた。彼女たちが、四つ足怪獣の子供の焼死体から採取した細胞を調べた結果、驚くべきことが判明する。四つ足怪獣は、通称バラゴンと呼ばれる、太古の爬虫類型哺乳類の特徴を持っており、地中生活をしている可能性が高いというのだ。その言葉から、記憶をたぐる父。
「そういえば、親怪獣は瀬戸大橋付近の海中から突然現れた…あれは海中から現れたというよりも、むしろ海底の地中から出現して、そのまま浮上したということなのか? だとしたら、あの怪獣…バラゴンは今、海ではなく、地中に潜んでいるかも知れない…」
 また、バラゴンの単為生殖が有り得ない以上、雄のバラゴンが生存し、日本の近くに来ている可能性が高いという。
「子供を失った雌バラゴンが、繁殖のため、雄バラゴンを呼び寄せるなんてことは…」
 更に外国人女性学者は、バラゴンとゴジラは、太古の同じ時代に生きており、同じ地域に共存・競合していた種同士なのではないかと推測する。

 そして、東京。
 長女が彼氏と一緒に寮の図書室で仲良く勉強していると、地震が発生、地中から立派な角を持つ雄バラゴンが出現した。彼氏と助け合い、長女は何とか脱出し、緊急発車する電車で東京を脱出するが、雄バラゴンの奇襲を受けた東京は大惨事となる。
 地中からの怪獣出現を全く予知していなかった自衛隊は完全に後手に回り、住民の避難が難航していることもあって、雄バラゴンに大して有効な迎撃をすることが出来ない。
 雄バラゴンは東へと移動し続け、それを迎撃するかのごとく、ゴジラが田子の浦から上陸。富士市でゴジラと雄バラゴンの闘いの火蓋が切って落とされる。それによってビルの倒壊や火災が発生、東海道を始め主要交通網も破壊されたため、自衛隊は、被災者の救出・消化活動に忙殺される。
 東京から脱出してきた長女と彼氏も、ゴジラと雄バラゴンの闘いのために新富士で足止めをくらい、火災から逃れながら、救出の機会を待つ。

 一方、最初にゴジラが現れた被災地では、地震とともに雌バラゴンが出現、家族がいる地域の周囲を破壊して孤立させ、その地域の中に人間(たまたま居合わせたマスコミなどを含む)を家畜のように閉じこめてしまう。巻き添えを食った格好になってしまった女性学者は言う。
「私たちは、やがて生まれてくるバラゴンの子供のエサとして、雌バラゴンの縄張りの中に閉じこめられてしまったんだわ」
 雌バラゴンの縄張りの中に閉じこめられた自衛隊の部隊が自ら囮となり、雌バラゴン包囲網からの被災者脱出作戦を行う。しかし、例の悪質な取材班がスクープを狙って勝手な行動をとったため、自衛隊の作戦は頓挫し、部隊は短時間でほぼ全滅。現場から逃げ遅れて、取材班も自分たち自身の死をスクープする格好になって全滅。雌バラゴンに対する陽動が不十分になったため、被災者の脱出は気付かれてしまい、失敗に終わる。

 希望を失った被災者達の一部が理性を失い、無秩序状態になりそうになるが、重傷を負いながらも被災者を説得する自衛隊員の姿に心を打たれた母(その自衛隊員と個人的に親しくなっていた要素も大きい)は、元アナウンサーの演説力?を発揮し、町内会長として被災者達を仕切るのだった。長男も、ボランティアグループとともに、母親をサポートし続ける。
 父の勤務するTV局は、そんな家族や被災者達を外側から援護、自衛隊と協力して、危険も省みず雌バラゴン包囲網内に着陸、物資の補給を行い、怪我人を病院へピストン輸送する。
 病院内では、医師、看護婦、ボランティア、NGOが一体となって怪我人の対処に当たる。その中には、次女の姿もあった。

 ゴジラと雄バラゴンの闘いは壮絶を極めるが、かろうじてゴジラの勝利に終わる。断末魔の雄叫びを上げて、息絶える雄バラゴン。
 その叫びが聞こえたのか、最初の被災地で縄張りを作って雄を待っていた雌バラゴンも、悲しげな叫び声を上げる。雌バラゴンは縄張りを放棄し、海へと帰っていく。
 それを知ってか知らずか、雄バラゴンとの闘いで大きなダメージを負ったゴジラも、巨体を引きずるようにして海へと帰っていくのだった。

 長女は家族の元へと合流し、次女も退院を果たす。家族全員の、被災地での生活が再開される。
 NGOの外国人青年や、女性学者グループは、家族との再会を誓い、被災地を一旦去っていく。
 TVでは、政府による被災地の復興対策が発表される。
 先は長そうだが、今度こそ復興の日々が始まったのは確実だった。
 

 さてさて、マニアにも一般人にも受け入れられるように、「怪獣の出現によって、日本人が被災者となる」ことを一家族の視点から描いたゴジラ映画にしたつもりなのです。どーですか、お客さん!
(タイトルの『ゴジラ災害ファミリー』は、大森さんの著書『震災ファミリー』から取っていますが、私はまだ読んでいません)

※この後、半年ぐらい経ってから、『震災ファミリー』を読みました。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。