2017-10

ゴジラの武器は“放射火焔”か“破壊光線”か?

ゴジラの武器は“放射火焔”か“破壊光線”か?

 昭和シリーズのゴジラの武器は“白熱光”と表記されることも多かったが、実際には光線そのものではなく「青白い光を放つ高温の火焔放射、または特殊なガスの噴射」であった。寒くなると人間の吐く息が白く可視化されることと(直接の原理は異なるものの)基本的なイメージ的は同じ。決して鏡で反射されるような性質のものではなかった。
 “放射火焔”は、「命中した対象物の内外を短時間で加熱し、可燃物なら発火、燃料等があれば爆発を起こさせる」といった効果を持つ。後に登場するキングギドラが吐く光線や、メカゴジラが発射するビームは、ゴジラとは種類の異なる飛び道具であった。

 これが『84』になると、ゴジラの“白熱光”は今までとは異なり、高層ビルをブチ抜く強力な貫通直進性(収束性)を持つようになる。一方で、シルバーメタリックなスーパーXをこんがりと焦がすなど、「ガスバーナーの炎であぶる」といったイメージもあった。劇中で“熱線”という表現が用いられたのも、微妙な感じである。

 VSシリーズでは、「命中すると何故かその物体が無条件に爆発四散する」・「鏡で反射できる」という純粋な“破壊光線”となった。ゴジラだけではなく、VSシリーズに登場した怪獣の放つ飛び道具は、その名称は違っていても、そのほとんどが“破壊光線”であった。とにかく、怪獣は光線を発射し、光線が当たった所は無条件で爆発が起こるのだ。

 VSシリーズのいわゆる「光線合戦」は、派手さにおいて怪獣バトルの一つの完成されたスタイルであるとは思う。『vsモスラ』の「キラキラ燐粉による光線反射フィールドでゴジラを包み、追い込む」といったシチュエーションは、その成功例として評価されるべきものだろう。
 しかし、ゴジラと対戦相手が単に“破壊光線”を出し合って延々と戦う映像は、「同質の強い刺激が繰り返される=単調なもの」であるため、感覚が麻痺して(慣れて)しまうのだ。要するに、派手ではあるがワンパターンで工夫が無く、すぐに飽きる。この辺りが、VSシリーズで子供観客の定着率が悪かった(シリーズが進んでも中学生の観客層が現れない)ことや、VSシリーズをリアルタイムで観た観客が『ミレニアム』にほとんど足を運ばなかった要因の一つになっているのではないだろうか。

 『GMK』で、怪獣の武器に差別化が見られたのは嬉しいことである。ゴジラの“熱線”は、射程距離が非常に長いうえに威力も大きく、他の怪獣とは異なる「ゴジラ特有の武器」という一種のステイタスが感じられた。また、バラゴンは空を飛べず光線も吐かないが、それ以外の特技や動きそのものによって魅力的に描かれていた。

 ゴジラを攻撃する人類側の武器は、血の通わない機械である場合が多い。ゴジラの武器は、機械と生物を対比させるという意味においても、「呼気・呼吸」を意識させる“放射火焔”である方が良いと思うのだが…
 今後の怪獣映画では、怪獣の技や能力の差別化・個性化を行って欲しい。

 (1)燃やす (2)凍らせる (3)溶かす (4)爆発させる
 (5)圧縮させる、小さくする (6)膨張させる、巨大化させる
 (7)崩す、分解する (8)くっつける、合体・融合させる (9)消滅させる
 (10)変質、変容させる (11)固める、拘束する、停止させる
 (12)ねじ曲げる、折る (13)向きや進路を変える (14)反射する (15)吸収する
 (16)切る、裂く (17)刺す、穿つ、貫通させる (18)抉る、千切る
 (19)同化する、侵食する (20)化ける、擬態する (21)不可視化
 (22)吹き飛ばす (23)浮き上がらせる (24)落とす、沈ませる、潜らせる
 (25)引き寄せる (26)瞬間移動・転送させる
 (27)痺れさせる、麻痺させる、眠らせる (28)夢を見させる、欺く、狂わせる、操る
 (29)寄生する (30)透視する、情報を読み取る

 悪名高き?メガロも、同じ「爆発させる」属性の飛び道具を2種類(光線と実体弾)持っていた。怪獣プロレスの件も含め、芸のある怪獣による、個性豊かな怪獣バトルが見たいと思う今日この頃である。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。