2017-08

『トム・ヤン・クン!』

『トム・ヤン・クン!』
  2006年の映画館で観た映画:12本目
  映画を観た日:2006年5月6日(土)


 『マッハ!』と同じく、トニー・ジャーが、奪われたものを取り返すために単身敵地に乗り込んで暴れまくる、アクション・ストーリー。
 確かにスゴイが、詰め込み過ぎ。『マッハ!』でもそうだったが、それに更に輪がかかってしまった。まるで、ベルトコンベア式にアクションシーンが運ばれてくる感じで、観ていて飽きてしまうというか、麻痺してくるのだ。

 これも『マッハ!』でも感じたことだが、トニー・ジャーのアクションはムエタイ味が薄い。彼のアクションは、基本的にはカンフー映画のアクションである。現代ムエタイでは派手な回転技や飛び技はほとんど使われないし、古式ムエタイとなれば尚更だろう。
 ちなみに、現代ムエタイに僅かに存在する回転技の代表技は、回転式肘打ち(バックブローの肘打ち版)。あと、私は観たことは無いが、ミドルキックからそのまま後回し蹴りに繋ぐ技も存在しているようだ。飛び技系では、相手の大腿部を踏み台にして放つハイキックや膝蹴りといったものが、技としては伝えられている。

 現代ムエタイの最大の奥義であり、おそらく古式ムエタイでもそうだったと思われる首相撲からの膝蹴りや崩し、あるいはパンチから肘へ切れ目無く繋ぐ2段攻撃を、トニー・ジャーは見せてくれない。現代ムエタイでは高いポイントが与えられる、「ミドルキックをガードした脚で(着地させずに)即、反撃のミドルキックを当てる」という技も、多分出していない。大体、ガードの仕方がムエタイ式でないことが多いのだが。
 トニー・ジャーのプロポーションが、ムエタイ選手っぽくないのも気になる。腰周りが太めなのだ。もうちょっと絞って、ムエタイ的な、鋭角的なボディラインにすべきだと思う。

 この映画は、たまにムエタイっぽい動きが出るカンフー映画になってしまっている。
 カンフー映画としては面白いが、ムエタイの動きを期待して観ると、ガッカリすることになると思う。
 古式柔道と言うべき日本の古い柔術の動きを日本人が知らないのと同様、タイ人も古式ムエタイの動きを知らないのではないか。もしそうであるなら、もっと現代ムエタイの動きを取り入れて、ムエタイっぽくして欲しいところだ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。