2017-08

バーナード・ホプキンス VS ハワード・イーストマン 他2試合

WOWOW『Excite Mach』
             2005年4月4日 20:00~ 放送分


    バーナード・ホプキンス VS ハワード・イーストマン

 4団体統一チャンピオン。
 それは、現在のプロボクシングにおける最高の地位。
 そして、「チャンピオンは(各階級に)1人だけ」という「最強の証明」本来の在り方の具現。
 主要統括団体(メジャータイトル認定団体)が4つ存在している現在、その階級における唯一人のチャンピオン、即ち真の王者であることを証明するためには、その4つベルトを全て束ねる必要がある。
 現時点でそれを実現しているのは、全階級を通して唯一人、ミドル級王者のバーナード・ホプキンスだけだ。
 圧倒的な地位。頂点が1つしかないという状態は実に分かり易い。
 しかし、今のホプキンスの強さが圧倒的かというと、そうではない。分かり易い強さかというと、そうではない。ホプキンスの強さは、分かり難い強さなのだ。少なくとも、デラホーヤをKOして4団体統一チャンピオンとなった前回の試合と、その王座を防衛した今回の試合に関してはそうである。

 ホプキンスの強さを端的に言うと「相手の不意を突く強打」である。
 その最たる例が、紹介映像で何度も使われていた「トリニダードを倒した右フック」なのかも知れない。左アッパーを派手にミスブローしたところに左フックを合わされ、普通だったら体勢を大きく崩してもおかしくないところなのに、ガードしていた右腕で即反撃の強打を打ち込んで倒してしまう。神技とはまでは言わないが、人間技を超えた“超人技”である。トリニダードも、まさかあの状態・タイミングで強打の反撃が飛んで来るとは思わなかっただろう。
 状況こそ違え、デラホーヤ戦も同様だ。解説の小泉さんも言っていたが、普通ならクリンチになる流れ・距離でのレバー打ち。前のめりに倒れたデラホーヤがリング上でのたうち回り始めて、観客はようやくボディブローが入っていたことを理解できたのだ。

 WBCの公式挑戦者であるハワード・イーストマン。高いKO率を誇り、ホプキンスの仕上がり具合によってはあるいは…と思われた。しかし、不惑を迎えたチャンピオンは、いつも通りに仕上げてリングに上がり、いつも以上に老獪に戦い抜いた。
 手数は少ないものの、相手から受ける有効打は、更に少ない。
 圧倒的な強さを見せることなく、12ラウンドのうち過半数を支配して試合を終え、結果として王座を守る。イーストマンは、ホプキンスのペースを崩すことが出来ず、キャリア2敗目を喫した。


    ジャーメイン・テイラー VS ダニエル・エデュアルド

 ホプキンスの牙城を崩せるのは誰か?
 期待されているのが、新鋭のジャーメイン・テイラーだ。シドニー五輪組ということで、やや遅咲きの感もあるが、正統派のボクサーファイターでKO率も高い。減量苦と背中合わせではあるが、体格・リーチに恵まれている点も大きい。
 この試合でも、エデュアルドとは階級が違うのではないかと思えるほどの体格差があった。1ラウンドはジャブの数が少なく、その体格差を有効に使えなかったが、2ラウンドに入ると本格的にエンジンがかかる。
 左ジャブの回転を上げてきたテイラーに対し、差し合いでは勝負にならないと判断したエデュアルドは、3ラウンドに入ると飛び込みざまの逆ワンツーなどを交えて打ち合いに持ち込む。しかし、テイラーは真っ直ぐだけではなくフックや左右のアッパーを織り交ぜた攻撃で対抗し、主導権を渡さない。
 事実上試合を決めたのは、エデュアルドのジャブの戻りに合わせたテイラーの左フック。
 このときエデュアルドは教科書通りに右のガードを上げていたのだが、ナックルが綺麗に返ったこれまた教科書通りのテイラーの左フックは、そのガードを弾き飛ばしてテンプルを打ち抜いた。
 強引な一打であったが、エデュアルドの体に本来の力が残っていないことを見抜いた上でのものであったのなら、大したものだ。この勢いで、ホプキンスに挑戦して欲しい。


    ジュニア・ウィッター VS ラブモア・ヌドゥ

 Sライト級に、また一人面白い選手が浮上して来た。変則的なファイター、ウィッターである。
 ユナニマス・デシジョンながらポイント差の小さい判定勝利ではあったが、試合後の両選手の表情は、そのポイント差以上に勝敗の明暗が浮かび上がっていた。
 5年前はディフェンシブなボクサーだったとのことだが、今なら主要4団体のどのチャンピオンと戦っても面白い試合になりそうだ。ウィッターには、くれぐれも欧州で取りこぼして挑戦権を失ったりすることのないよう、頑張ってもらいたい。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。