2017-10

『ゴジラになる日』

 『ゴジラになる日』

    (1999年11月18日頃に書いたもの)

 ちょっと毛色の違った(でも、ゴジラコミックとかではありがちかも? 『ウルトラマンティガ』でも似たのがあった)日本版ゴジラ映画のオリジナルアイディアを思い付いたので、書いてみます。
(※2006年4月12日記入…そう言えば、『ウルトラマンマックス』にもあったなぁ)
 一応、既成概念から外れたゴジラ映画のつもりです。とりあえず子供の観客は無視?しています。それでは、設定を交えつつ、あらすじを説明します。


 大学を卒業したものの、就職先が見つからない23歳の青年・青木はフリーターをしていた。ある日青木は、バイト先で居眠りをしてしまう。その際、青木は自分が巨大な怪獣になって、自分の卒業した大学付近を歩き、壊す気もなく壊してしまう夢を見る。(怪獣になった自分に長い尻尾があることを確認するシーンあり)
 しかし、それはただの夢ではなかった。翌日、ニュースでは自分が夢で壊した大学付近が、本当に破壊されていることが報道されていた。そして、居眠りしていたときに着ていた服のポケットからは、大学の門のレンガの破片が…。
 大学付近の破壊に関しては、目撃者によって証言がバラバラで、「光を見た」、「影を見た」、「竜巻みたいなものを見た」、そして「巨大な恐竜のような怪獣を見た」…。とりあえず、原因は謎のまま。

 バイト先の二度目の居眠りをし、夢の中で再び怪獣になった青木は、ビルのガラスに映った自分の姿を見る。直立し、長い尾と背鰭を有する恐竜のような怪獣だ(この映画の世界では、ゴジラは虚構・現実ともに存在していないので、登場人物はゴジラを知らない。ちなみにゴジラになったときの青木は、初代ゴジ風のゴジラ)。
 この瞬間、青木は目覚める。
「あ、起きたの、青木さん」 同じ部署でバイトしている現役女子大生・あゆみが声をかける。
「あっ、ゴメン、俺、居眠りしちゃった?」
「寝言まで言ってたわよ」
「えっ、何て言ってた?」 「ゴジラ、ゴジラって」
「ゴジラ? ゴジラって…何?」 「知らないわよ、そんなこと」

 バイトが終わって部屋に帰ると、案の定、ニュースではビル街が原因不明の破壊現象を起こしたことを報道していた。そして、事件を偶然録画したVTRの映像の中、ビルのガラスに一瞬映っていた怪獣の姿は、紛れもなく夢の中で見た自分の姿であった。
「やっぱり俺なのか?」 ポケットの中には、分厚い窓ガラスの破片らしきものが…。

 翌日は、居眠りすることなく無事にバイト終了。しかし、ニュースでは、またしても起こったビル街の破壊現象が報じられている。事件を録画したVTRの映像には、ハッキリと巨大な怪獣の姿が映し出されている。夢の中の自分の姿に似ているが、顔つき、背鰭の形状などが明らかに異なる(このゴジラはビオゴジ風)。直感的に、自分ではないことを確信する青木。
 そして不思議なことに、TVのキャスターには、VTRにハッキリと映っている怪獣の姿が全く見えていないらしい。
「どういうことなんだ、これは…」

 翌日、バイトの帰りにコンビニによった青木は、商品棚の向こうから、例の怪獣の、等身大サイズの尻尾がチョロチョロ見え隠れしているのに気付いてギョッとする。幻覚か? それとも? 意を決してコーナーの先へと見に行く青木。そこには、35歳くらいの、美人の水商売風の女性がいるだけだった。
 やはり幻覚だったのか? しかし、きびすを返そうとした瞬間、その女性の全身に、あの怪獣の姿がオーバーラップする。思わず声を上げる青木。怪訝な表情で青木を見る女性。しかし、その女性も、一瞬間をおいて思わず叫び声を上げるのだった。
 二人は、その足で深夜喫茶へ。女性は彩子といい、バーの雇われママとして働いているという。彩子ももまた、昨日は夢の中で怪獣になって暴れたと言う。
 満席に近い深夜喫茶の中の一席で向かい合っていても、お互いに時々チラチラと等身大の怪獣の姿がオーバーラップしてしまう二人。青木の提案で、二人は、怪獣をゴジラという符丁で呼ぶことにする。どうやら、ゴジラになった者は、ゴジラになった者が自然に分かってしまう(見えてしまう)らしい…。

 その深夜、おのおの部屋に戻る二人。その日は二人ともゴジラになった覚えはないのに、今度は郊外で謎の破壊現象が今正に起こっているという臨時ニュースが伝えている。驚く青木。同時刻、驚く彩子。
「三人目の、ゴジラ?…」
 ニュースではない、実際の現場の映像。ミレゴジ風のゴジラが暴れ、あまつさえ、逃げまどう人々を追いかけて踏みつぶしている。

 翌日、早めに仕事を切り上げた彩子は、帰りの電車の中で、偶然、小学生がゴジラであることを確認する。携帯電話で青木に連絡し、小学生には気付かれないように尾行する彩子(自分が怪獣とオーバーラップしていることを世間に知られたくないため。子供は電車の中でも何を言い出すか分からない)。
 合流した彩子と青木は、小学生を自宅と思われるマンションまで尾行し「落とし物を届けに来た」と偽って、中へ入る。
 部屋には、小学生しかいなかった。彼は小学5年生で、名前はマコト。「ゴジラ」な二人に気付くとパニックになり、部屋の中を逃げ回るが、ゴジラの夢のことを必死に説明され、同時にTVのニュースでマコトが壊した郊外の件が報じられているのを見て、納得、落ち着く。

 マコトは、有名中学進学を目指して現在塾通い中。
「ぼく、キレるタイプなんだ。普段は全然普通だと思うけど、キレると、自分でもワケわかんなくなっちゃう」
「やっぱり、受験勉強でストレスがたまるから?」
「それもあるけど…、ぼく、小さい頃から、蟻を踏みつぶして遊んだりしてたから…」

 そして翌日も別のゴジラが現れ、その翌日、今度はマコトが夜の町中で四人目の「ゴジラ」を発見する。
 四人目のゴジラは、38歳、サラリーマン、係長、妻子あり。工藤という男だった(ゴジラになったときはモスゴジ風)。

 ある日、四人のゴジラはファミレスに集まって話し合う。ゴジラによる被害が、日本を揺るがす大問題となってきたからだ。もし自分たちがゴジラであることが世間に発覚したら、法律では裁けなくても、社会的に抹殺、あるいは政府から本当に抹殺されるかも知れない。
 ストレスがゴジラになる原因だと主張する青木は、彩子や工藤に仕事を変えるよう提案する。
「あたしは今の仕事でしか食べていけないわよ。それとも、フリーターのアンタが、あたしを養ってくれるワケ?」
「私も、妻子を養っている以上、簡単に転職などできない。家のローンだってまだ…」
 そんな4人に、初老の男性が少し離れたところから声をかける。
「私は、ストレスがゴジラになる原因ではないと思う。現に青木くんには、強いストレスの兆候はないと思うが?」
 4人に緊張が走る。自分たちの秘密を知るこの男は、まさか、本当にゴジラ抹殺のために派遣された政府の人間か?
「何か勘違いをされているようだな。私は、ただ少しコントロールする術を知っているだけであって、あなた方と同様、“ゴジラ”ですよ…」
 男性の姿に、キンゴジ風の等身大ゴジラがオーバーラップする。彼は川端と名乗り、56歳で定年退職したばかりであること以外は、自分について語ろうとしない。しかし、話をしてみると医学にやたらと詳しい。

 川端の提唱する「ゴジラ理論」によると、各人のゴジラは、コントロール、封じ込め、切り離しという段階を経て消滅させることができるという。川端が、実際に4人に対しても等身大の「ゴジラ」を見えないようにするなど、ある程度コントロールに成功していることもあり、一応話に乗ってみることにする4人。しかし、青木は直感的に、あまりにも謎めいた川端に対して危険なものを感じていた…。

 そしてラストは、結局5人のゴジラは暴走してしまい、5人同時に実体化して暴れだし、それまで全く吐くことのなかった放射火炎(熱線)を一斉に吐き始め、ゴジラの周囲は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。
 同時に日本の各地で「ゴジラ」の共鳴現象が発生し、連鎖反応的に「ゴジラ」が覚醒・出現する。それはまるで、臨界を起こした核分裂反応のようでもあった。
 映像は、日本列島を捉えた衛星の映像に切り替わる。日本の各地で光が一つ、また一つと発生し、それが徐々に加速し、見る見るうちに日本列島全体が光に飲み込まれていく…。
 まるで燃え上がっているかのような日本列島の衛星映像に、エンドロールが被さっていく…。


 劇中のゴジラの映像に関しては、今までにない、「日常の中にゴジラという非日常が現れる」というシチュエーションを描けると思います。ゴジラは、人によって見えたり見えなかったりするという第三者の人の目から見た主観映像や、あくまでもゴジラは存在するという客観映像、ゴジラ本人からの主観映像を組み合わせます。個人的には、

 走行中の自動車の運転席からの映像で、ビル街のど真ん中、正面の大きな交差点をゴジラがいきなり横切っていく。
 天気がいいのに不意に日が陰ったので空を見上げると、ビルの更に上からゴジラがこちらを見おろしている。
 新幹線の前方にいきなりゴジラが出現、ゴジラの歩行による振動で新幹線は急停止、車輪から火花を上げながら制動をかけている新幹線(車内の人間の大半にはゴジラが見えていて、パニックになっている)とゴジラが何気なくすれ違う。

 …というようなシーンが観てみたいです。シュールではあってもリアリティは平成ガメラ3レベル、ビルが壊れるときは本当に壊れるし人々も逃げまどう(だけどゴジラが見えない人には何が起こっているのか分からない、そういう人もゴジラに踏みつぶされたり吹っ飛ばされたりする)、といった感じです。

 というわけで、今までにないゴジラ映画で、映像的にはそれなりに“怪獣映画”している『ゴジラになる日』。親子連れで楽しく観るというわけには行かないとは思いますが、どーですか、お客さぁん…。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。