2017-10

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 長谷川穂積 VS ウィラポン・ナコンルアンプロモーション

WBC世界バンタム級タイトルマッチ
  長谷川穂積 VS
    ウィラポン・ナコンルアンプロモーション


 あれが、逆ワンツーでなくて良かった――。
 スロー再生を見て、ボクシングファンなら、誰でもそう思ったのではないだろうか。

 ウィラポンをKOしたコンビネーションは、サウスポースタイルから放つ左ジャブ(前に出した拳ではなく、後に構えた拳から放つジャブ)から右フックというコンビネーションだった。
 あれがもし、左ジャブから右ストレートという、いわゆる逆ワンツーだった場合、KOされていたのは長谷川の方だったかも知れない。
 上から映した映像では、それがより一層良く分かる。
 勝負を決めたパンチの交錯の際、両者のポジショニングは互角である。長谷川がカウンターを決めることが出来たのは、決して有利なポジションを占位したいたからではない。
 結果的に空を切ったウィラポンの右ストレートは、長谷川が左ジャブを放った際に頭があった位置を、正確に貫いている。
 あの場面で、長谷川が左ジャブから右ストレートに繋いでいたら、ウィラポンの右ストレートがカウンターとなって長谷川の顔面を直撃していた可能性があるのだ。
 ウィラポンが、長谷川が逆ワンツーで来ると読んでカウンターを取りに行ったのか、それとも単にジャブの戻り際にストレートを捻じ込もうとしたのかは、分からないが。

 8ラウンドまでのポイントは、6回までは長谷川のフルマーク(私は、あえて2ラウンドはイーブンと採点)、7、8ラウンドはウィラポンが取ったとするのが大方の見方だろう。
 6ラウンドでウィラポンを大きくグラつかせた長谷川が、集中打を繰り出して明らかに倒しにいったにも関わらず、7ラウンドでは逆に劣勢に立たされた。前のラウンドのラッシュでスタミナを切らしたのか? それとも初回からパンチを貰い続けているボディが効いてきてしまったのか?
 8ラウンド、長谷川は足を使う戦法に切り替えたが、ウィラポンを捌ききれず、執拗なボディ攻めに合う。有効打は両者互角、戦いの主導権を支配しているのはウィラポンだ。

 8ラウンドが終了した時点で、長谷川の防衛に黄信号が灯ったように感じたのは、私だけではあるまい。先手先手と攻め立ててきた長谷川が、後手に回るようになった。明らかに流れが変わってきている。
 7ラウンドの長谷川は、ダメージの残っている筈のウィラポンに接近戦を挑み、押されていた。接近して足を止めての打ち合いでは、やはりウィラポンに分がある。
 そして8ラウンドでは一転してアウトボクシングを行ったものの、優位に立つことが出来なかった。
 接近戦では不利、離れても優位に立てないのなら、一体どうすればいいのか?

 9ラウンドが始まると、長谷川はポンポンと軽い右ジャブを続けて繰り出す。
 とりあえずジャブを突き、先手を取って自分のリズムを取り戻そうというのか…そう思った数秒後、唐突に試合は終わった。

「運が良かった」
 長谷川は、勝利者インタビューで繰り返しそう言った。本音だと思う。
 しかし、あのウィラポンを、完全に打ち倒してのTKOという形で退けたのだ。
 この日、ウィラポンの時代が終わり、長谷川の時代が始まったのだろうか?
 “時代”と呼ぶには、5年以上の継続的な期間が必要だろう。長谷川に、それを期待したい。
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サウスポーの左アッパー・左フック

 尾張さん、コメントありがとうございます。
 おっしゃるとおり、ウィラポン相手だと、序盤フルマークでリードしていても安心できません。ボディのダメージが蓄積して足が止まったら、ウィラポンのコンパクトな連打の嵐が待っていると思うと、なかなか長谷川の勝利の形をイメージできませんでした。

 昨日のWOWOWで、ミニマム級で最もテクニックがあると浜田さんが太鼓判を押すサウスポーの技巧派チャンピオン、イバン・カルデロンの防衛戦が放送されました。小泉さんは、
「このカルデロンでも、左アッパーから左フック(または左フックから左アッパー)という左のダブルを打つことはできない。長谷川選手はそれができるから凄い。そういうサウスポーは特異な存在だ」
と解説されていました。
 なるほどなぁ、と思いました。オーソドックスの選手が左アッパーから左フックに繋げるのは良く見ますが、サウスポーの場合は同じコンビネーションでも、利き腕を振るっているわけですから。

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。