2017-10

『ナショナル・トレジャー』

『ナショナル・トレジャー』
  2005年の映画館で観た映画:4本目
  映画を観た日:2005年4月1日(金)

 この日は料金1000円の「映画の日」だったので、『ローレライ』とハシゴして観た。朝イチで『ローレライ』のチケットを購入した際に、13時30分からの『ナショナルトレジャー』のチケットも購入。仕事では抜かることがあっても、こういうところでは抜かりはない。

 この映画は推理小説系というか、RPG系というか、パズル系というか、とにかくそっち系の作品である。テーマとか人間ドラマとかは基本的にはどうでもよくて、とにかく一つ問題を解いて次のイベントへ進むこと自体が主題の、言うなればスゴロク映画。
 アクション映画は好きだが、こういう徒歩ラリー(オリエンテーリング)みたいな形式は好きではない。ただし役者は好みが揃っているし、映像のクオリティは申し分ないので、それなりに満足は出来た。『タイムライン』を観たときと似たような満足度である。
 ヒロインのダイアン・クルーガーは、「どっかで観たことのある美人だなぁ」と思っていたら、『トロイ』の王妃役を演じた女優だった。キーラ・ナイトリィと同様、バタ臭くないスッキリ系の美人で、今後も要チェックである。
 この映画で日本初登場となったライリー・プールも、イイ味を出していた。ハリウッド映画では、三枚目的なキャラは黒人俳優が演じることが多いような印象があるのだが、このライリー・プールがそのポジションにおけるホワイト・ホープとなるのかどうか。

 テーマ云々は関係ない映画だと書いたが、この作品を観て、アメリカ人は自国の歴史にコンプレックスを抱いているのだと感じた。
 アメリカには元々先住民(かつてインディアンと呼ばれていた民族)が住んでいたのにも関わらず、イギリスが植民地化を進め、彼らから土地を騙し取り、乗っ取ってしまった。
 だから、アメリカには大した歴史がない。歴史がないから遺産もない。この映画で主人公たちが苦労して見つけ出したお宝も、全部外国の文化遺産であった。まさに、略奪の積み重ねそのものである。文化遺産といえば自国のものが当たり前だという認識を持つ国の人間が見たら、嘲笑しつつ皮肉の一つも言いたくなるところだ。

 アメリカ人は、「自分の国には、何かスゴイ物が存在して欲しい」と思っている。
 アメリカ人は、「自分の国が誕生したことに、何かスゴイ歴史が絡んでいて欲しい」と思っている。
 アメリカ人は、「自分たちが侵略者の子孫ではなく、汚れのない開拓者の子孫だ」と思いたがっている。
 そんな気がしてならない。同時に、それらは全て、劣等感の裏返しであると。

 この映画では独立宣言書が非常に重要なアイテムとして描かれているが、日本にはそういったアイテムは存在しない。最初から独立している国には、独立宣言書など必要ないからだ。あるいは、独立しているという自覚さえ持っていないのかもしれない。
 日本人は、自分たちが先祖代々この土地に住んできたということを、体のどこかで覚えている。その“感覚”は、「独立宣言」という“概念”に勝る。考えるまでもなく、我々は「ここにいてよい」のだ。

 現在の日本人の遺伝子を調査した結果から、日本人は、極東の人種の混血集団だということが分っている。我々には、肌の色こそ同じだが種類の異なる幾つかの民族が、互いの存在を許して共存してきた長い歴史があるのだ。
 そんな自分のルーツを、ふと思い起こさせるような映画でもあった。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。