2017-10

「特撮カンブリア紀」

「特撮カンブリア紀」

 1966年(『ウルトラQ』その他)から1977年(『快傑ズバット』その他)までの期間を、私は「特撮カンブリア紀」と呼んでいる。この僅か10年程の間に、ありとあらゆる種類の特撮作品が考え出され、それが実際に連続TV番組として放映された。
 これは正に、特撮作品(ヒーロー作品)における「カンブリア爆発」とも言うべき現象である。特撮作品(ヒーロー作品)が短期間で爆発的に多様化したのだ。この期間に特撮作品(ヒーロー作品)のパターンは全て登場し、その全てが市場で試されたと言っても過言ではない。
 日本で、TV特撮作品(TVヒーロー作品)のバリエーションが最も多かったのは、後にも先にもこの時期以外に無いだろう。日本どころか、おそらく全世界を見渡してもそうだと思う。そうに違いない。
(厳密に言えば、後になって『宇宙刑事シリーズ』など、ビジュアル的なインパクトにおいてはエポックメイキングと呼べる作品も登場しているのだが、分類上は所詮「強化服もの」「宇宙もの」「刑事もの」である)

 現在40歳の私は、この「特撮カンブリア紀」を体験している。当時は再放送が当たり前に存在していたため、『ウルトラQ』はリアルタイム感覚で5歳ごろに観た。実際の「特撮カンブリア紀」を、更に圧縮した状態で体験したのだ。私が今でも特撮番組を好んで観ているのは、子供の頃にそうした濃密な特撮環境に晒されていたことが最大の要因である。
 今の子供は、ピンの巨大ヒーローと言ったら『ウルトラマン』が唯一無二の存在なのではないか。しかし私の場合、『ウルトラマン』は、『マグマ大使』、『スペクトルマン』、『シルバー仮面ジャイアント』、『ミラーマン』、『サンダーマスク』、『ファイアーマン』、『流星人間ゾーン』といった巨大ヒーローのうち一つに過ぎない。また、『ジャンボーグA』、『レッドバロン』、『マッハバロン』、『大鉄人17』といった純然たる巨大ロボも、ピンの巨大ヒーローとして番組を成立させていた。感覚的には、彼らも巨大ヒーローである。

 「特撮カンブリア紀」の後、TV特撮作品(TVヒーロー作品)は4つのシリーズ(3つのパターン)へと収斂していき、それ以外のバリエーションは消滅した。
『ウルトラマンシリーズ』
『戦隊シリーズ』
『仮面ライダーシリーズ』
『メタルヒーローシリーズ』
 このうち、『仮面ライダーシリーズ』と『メタルヒーローシリーズ』はコインの裏表の関係にあり、両者は同時に存在し得ない。内容的にも似通ってきてそれぞれの独自性を失ってきており、パターンとしては両者を併せて『戦隊シリーズ以外の等身大ヒーロー』とするべきだろう。

 しかし近年、状況に変化が現れている。
 『サイバーコップ』や『ガイファード』と同様に単発もので終わるだろうと思われていた東宝の『グランセイザー』が、シリーズ化されて現在3作目の『セイザーX』が放映中である。次回作に関しては不明だが、少なくとも現時点では、『ウルトラ』・『戦隊』・『ライダー』に続く「第4の特撮」という地位を築くに至っている。
 これに加え、来年早々に『魔弾戦記リュウケンドー』という特撮ヒーロー番組が始まる。パッと見は、前時代的な「ジャージ地のヒーロー」なのだが、テレビ愛知が絡んでおり、単なる低予算ヒーロー番組ではなさそうだ。『ガンダム』も『実写版セーラームーン』も、愛知県から発信された番組なのである。
 ライダーが来年も製作されるとすると、来年のおそらく6月頃までは、週に5本の特撮ヒーロー番組が放映されることになる。少子化および子供の娯楽の多様化が進行した今日の状況を考えると、これはかなり凄いことなのではあるまいか。
 「特撮カンブリア紀」と比較すると、番組内容の多様性が乏しいのが特徴だ。収斂した状態での5作品なので、それも仕方ないと言ったところだろう。『戦隊シリーズ』と『超星神シリーズ』は現時点でも内容(基本フォーマットおよびマーチャンダイジング)的にバッティングしており、これに加えて『ライダー』と『リュウケンドー』がバッティングすることになりそうだ。果たして日曜の朝7時にコアターゲット層の子供が起きているのかという疑問を感じるが、『リュウケンドー』が始まったらリアルタイムで視聴したいと思っている。

 来年の月9には『西遊記』が控えており、これでもし深夜特撮が続いていたら、プチ「特撮カンブリア紀」である。人間、生きていれば良いことがあるものだ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。