2017-08

ハリウッド版『仮面ライダー』を考える その2

ハリウッド版『仮面ライダー』を考える その2

 ハリウッド版『仮面ライダー』を考える という記事のコメント欄に、きんさんから興味深い考察を書き込んで頂いた。ハリウッドのヒーロー映画の法則に関する、的を射た考察である。先ずはそれを読んで頂きたい。

 きんさんの提案するハリウッド版『快傑ズバット』は、確かに私も観てみたい。『快傑ズバット』にはハリウッドのヒーロー映画の条件が揃っており、万人向けの娯楽映画としての体裁が備わっているという指摘は正しいと思う。
 しかし、それ故、『快傑ズバット』はハリウッドでは映画化されにくいと私は考える。
 アメコミを映画化している米映画会社コミック・ブック・ムービーズ(CBM)は、既に『快傑ズバット』のような「典型的なコンテンツ」は入手済みであるように思えるのだ。CBMがわざわざ石ノ森章太郎作品に手を伸ばしてきた理由は、ハリウッドのヒーロー映画のパターンにはないものを求めているからなのではないだろうか。

 ハリウッドに進出した「ジャパニーズ・ホラー」と呼ばれる日本原作のホラー映画は、どんな作品であったのか。ここ暫くハリウッドで作られていたホラー映画の条件に適合していた作品だったのだろうか。そうではないだろう。最近のハリウッド製ホラー映画に欠けているものがあったからこそ、「ジャパニーズ・ホラー」が受け入れられたのである。
 確かにハリウッドのヒーロー映画には共通項があるが、それは「映画が受け入れられる法則(制約)」ではなく、「受け入れられている映画のパターン」と見るべきだと私は考えたい。これは飽くまでも、私の願望込みの捉え方である。

 仮面の考察 に書いたように、日本の変身ヒーローは、フルフェイスの仮面で顔または頭部全体を覆い隠しているケースが多い。きんさんも指摘されているように、ハリウッド映画のヒーローとは逆である。メジャー級の例外は、『スパイダーマン』くらいのものだろう。
 しかし、アメリカでは1993年に『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』の放映が始まっている。現在2005年は『パワーレンジャー・S.P.D.』が放映中らしい。一体どれ位の人気があるのかは分からないが、12年も続いているのは大したものである。
 言うまでもないが、『パワーレンジャー』シリーズは日本の戦隊シリーズのアメリカ版。私も映画版のDVDを買って観たのだが、基本的には日本の戦隊シリーズと同じである。フルフェイスの仮面で顔・頭部全体を覆い隠している、日本スタイルのヒーローなのだ。
 「日本スタイルのヒーロー」と聞いて、思い浮かぶ「アンチ・ヒーロー」が一人いる。
 ダース・ベイダーである。
 侍の兜にインスパイヤされたと思われるフルフェイスのヘルメットで素顔を完全に覆い隠したダース・ベイダーは、まさに「日本スタイルのアンチヒーロー」と言える。
 
 仮面のヒーロー・パワーレンジャーと、仮面のアンチヒーロー・ダースベイダー。
 5歳のときに『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』を観ていた子供も、2008年には20歳となる。
 石ノ森章太郎作品がハリウッドで映画化される際、どの年齢層を狙った作品になるのかは分からない。予算が50億~70億円という話から想像すると、ヒーロー映画の場合、ビッグネームは出演しない中規模の作品というところか。『ターミネーター』の1作目のように、予算の不足を創意工夫でカバーする作品になってくれればいいのだが。
 「変身」に関しては、『パワーレンジャー』シリーズにおける「一瞬で戦闘強化服を装着する」というコンセプトが通用する可能性がある。これを本格的に金をかけて描写した場合、一体どんな映像になるのか、観てみたい。

 「石ノ森章太郎作品が、ハリウッドで映画化」という一文を目にしたとき、最初にパッと浮かんだのは『龍騎』のハリウッド版リメイクである。マーチャンダイジングを絡めると、それがベストだとずっと思っていたからだ。
 次の機会にでも、このことを少し詳しく書いてみたい。
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コメント

きんです。お世話になります。
あのコメントは気がつくとあのような長文に・・。「読んでいただきたい」なんて
そんな、恥ずかしい(笑)。ところで龍騎ですか。すいません。一話、二話しか
見てません。
ただ、石森作品(か、類するもの)を海外向けに考えた場合は良い選択と
思います。キャラクターの意匠がアメリカに通用すると思うのです。
昔のSFでモンスターの呼び名でベムとありますが、略語とのことで、
Bug Eyed Monster (虫の目の怪物)か、Big Eyed Monster(大きな目の怪物)だそうです。これから考えると仮面ライダーの意匠は「わるもの」なんです
よね。よって、「虫の能力をもった人間」は許されても、「虫の体と顔を持つ人間」は
受け入れられないのではないかと思います。したがって服を着ることになるかと。
龍騎であれば、連想するのは「騎士」でしょうから、いけるかと思います。
あとは、明確にヘルメット(あるいはグラス)と認識できればいいかも知れないので、555か響鬼(の格好)くらいですかね。レンジャーものとあとズバット
(しつこい!!)。

 ジャパニーズホラーでは、「呪怨」が2週トップという快挙ですが、あのつくりは
いままで、日本のホラーにもなかったもので、たとえば、2階の物音がしてそれが
近づいてくる。お化けかな?お化けかな?ここで、猫とかもってくるんですよ。普通は。で安心したら後ろにお化け、というのが普通のホラーだったと思うんですよ。
でも、清水監督は「やっぱりお化け!!」という直球勝負で来ました。この潔さが
あのヒットにつながったと僕は思ってます。やばい、まただらだらと長文に・・。
それでは、こんなところで失礼します。

異形のヒーロー

 きんさん、コメントありがとうございます。
 BEMは、非常にクラシックなキャラクターコンセプトで、最近の作品にはほとんど登場していないと思います。広い意味では、UFOの搭乗者と称されるグレイなんかもそうだとは思いますが。ブレイドやギャレンのデザインでは、昆虫をモチーフにしているとは思われないんじゃないでしょうか。

 CBMは、ハリウッドに「異形のヒーロー」という新しいニッチェを創り出し、そこを独占しようと考えているような気がします。それでも最初は、『龍騎』のような受け入れ易いところから始めるとは思いますが。
 『サイボーグ009』も、『ズバット』と同じで微妙な感じがします。『X-MEN』と競合してしまう。観たいですけどね。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。