2017-11

『機動戦士ガンダムAGE』第47話から第49話の感想(その2)

『機動戦士ガンダムAGE』第47話から第49話の感想(その2)

 第48話『絶望の煌き』

 以前、エデンプロジェクトの真相を明かすイゼルカントを見て、「理想とは、美しく磨かれた執念なのかも知れない」と思った。
 今回、エデンプロジェクトを実現させようとするゼハートを見て、「理想とは、現実を斬り裂くために研ぎ澄まされた、鋭利な真心なのか」と思った。そして、その鋭利な刃と化した真心が、ゼハート自身という現実を、内側から斬り裂いてしまったのだ。

 理想と現実の板挟み。
 理想と、それを現実にするための過程との板挟み。
 イゼルカントの理想を受け継いだ若き指揮官であるゼハートが、その理想と現実の狭間で揺れ動き、苦しむ。
 味方を、自分を慕ってくれる部下までも犠牲にして敵の進撃を阻止するという選択をする際にも、「理想を実現するためには、その過程におけるどんな犠牲も厭わない」と、理屈では考えていた。しかし、いくら理屈では納得できても、人としての心がそれを拒むのだ。

 自分の命令で多くの味方を犠牲にしたにも関わらず、ガンダムを討ち漏らしていたことが明らかになったとき、ゼハートは我を失う。優しい心を内に秘めたまま禁断の命令を下してしまった彼は、それを単なる「作戦の一部失敗」として対処することが出来なかったのだ。自責の念に追い立てられるように、ゼハートはその身を戦場へと突入させてゆく。

「人が人であるためのエデンじゃなかったのか!」
 目的は手段を正当化できない。例えそれが、どんなに素晴らしい目的であったとしても。
 アセムの心の叫びを聞いて、ゼハートの動きが一瞬止まる。
 均衡が破れ、ゼハートのレギルスは一気に追い込まれる。
 勝負あり。アセムはダークハウンドの拳を寸前で止め、コクピットのハッチを開けてゼハートと対面する。かつてゼハートが、アセムに対してそうしてきたように。

「お前は、力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし本当は、俺もお前が羨ましかったんだ…」
 ゼハートが、“俺”という一人称を使った。
 ゼハートは仮面を外してからも、ずっと見えない仮面を付け続けていた。それが今、外れた。
「ゼハート、お前がいたからここまでやれたんだ」
 ゼハートの記憶は、アセムの記憶でもある。何故なら、二人は同じ時を過ごした仲間だったから。
 友達だったアセムとゼハートの、何度目かの別れ。そして、最期の別れ。

 死んだ方がいいと思っていた人も、死なないで欲しいと思っていた人も、分け隔てなく死んでいく。それが戦争…

 9月一杯、50話まであるとばかり思っていた『AGE』が、次回の49話で終了することが予告編で明らかになった。戦争開始からまだ70年しか経過していない筈だが、残りの30年が、たった1話で過ぎ去るのか?
 それとも、「100年戦争の終わりの30年は、劇場版で!」ということなのか?
 あるいは、“フリット青年編”のように、ゲームの世界で展開されるのか?
 はたまた、戦争は70年目で一旦終結し、残りの30年は、戦争とは別の形での戦いが続くということなのか?
 いずれにせよ、あと1話。あと1話で、TVシリーズとしての『AGE』の答えが全て出る。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。