2017-05

『機動戦士ガンダムAGE』第47話から第50話の感想(その1)

『機動戦士ガンダムAGE』第47話から第50話の感想(その1)

 第47話『青い星 散りゆく命』

 ある意味、前回の裏返しのような回。
 ウェイガンから大量破壊兵器・ゼノン砲を撃ち込まれた連邦は、出力は及ばないもののやはり大量破壊兵器であるフォトンブラスターで反撃する。大量破壊兵器の撃ち合い、大量殺人の応酬である。
 本来は“外交の最終手段”である筈の戦争が、“破壊と殺戮を最高の効率で行うシステム”として加速してゆく。戦争は1つのベクトルで成り立っているわけではないからだ。自国が敵国に仕掛けている破壊と殺戮、敵国が自国に仕掛けている破壊と殺戮、この2つのベクトルを合わせたものが戦争であり、その行き着く先は「両国の全てを破壊する」なのだ。
 戦争が拡大したその先には「全ての文明を破壊するシステム」としての戦争遂行装置が待っている。それこそがバーサーカーであり、EXA-DBとシドはその萌芽なのだ。

 セリックの乗るモビルスーツが敵艦に擱坐してしまい、脱出は不可能。連邦がこの戦いに勝つには、セリックごと敵艦を撃つしかない。
 当然、ディーヴァのクルーは撃つことを躊躇う。勝利至上主義のフリットですら即時発射を命じず、救援を差し向けようとする。
 ここでディーヴァのクルーが躊躇っているのは、1人の仲間の命を奪うことである。
 1000人の敵兵の命を奪うことには何の躊躇いも見せないにも関わらず、1人の仲間の命を奪うことには躊躇うのだ。

 戦争だから… 否、それだけではない。
 どこかの他所の国で内戦が起こって、1000人の死者が出ても、日本では大きなニュースにはならず、注目もされない。しかし、外国の内戦で1000人の死者が出たとき、その中に1人でも日本人が混じっていると、日本でも大きなニュースとして報道され、関心が集まる。
 1000人の外国人の命と、1人の日本人の命の、どちらが大切なのか?
 1000人の他人の命と、1人の家族の命の、どちらが大切なのか?
 平和な日常の中にも、程度の差はあれ、本質的な点では同じ心理が存在している。

 そしてキオもまた、“裏返しの自分”と戦場で遭遇する。
「ヴェイガンの人も地球の人も救いたい…それが僕の戦いだ!」
そう決意していた筈なのに、自分の目の前でディーンを殺したザナルドに対しては
「お前は絶対に許さない!」と殺意を剥き出しにする。
 そのときキオは、裏返しになった自分の中に「ウェイガンは絶対に許さない」とする祖父・フリットを見たに違いない。それは共感と呼ぶには余りにも辛い感覚である。こんな形で祖父を理解することが出来ても、嬉しい筈がない。

 共感も理解も出来ない方が幸せなこともある。
 しかし、それでも共感し理解してしまったとしたら。
 それを否定することが出来ないキオは、この先、どう戦っていくのだろうか?

 ディーンの乗るモビルスーツが爆発四散した際、その細かい破片がキオの乗るAGE-FXを掠め、幾つかは機体に命中して小さな火花を散らす描写があった。
 まるで、ディーンの返り血をキオが浴びているかのように見えた。
 キオの怒りに反応してFXバーストモードの発動プロトコルが起動したような描写も併せ、実に“ガンダム的”な演出だった。
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コメント

怒りによる力の解放・・・本来ガンダムでは忌むべきこととして描写されてきました。
それを「ガンダム的演出」とは、あきれますね。
Gガンダムで主人公のドモンがシャイニングのスーパーモードを発動させるきっかけは確かに「怒り」でした。
ですが、「怒り」のスーパーモードはエネルギーの浪費が激しく、隙だらけな不完全なものでした。その後、キョウジの分身であるシュバルツの導きによって「明鏡止水」の境地を会得し、「真のスーパーモード」にいたるのはご存じですね?
ならば、過去作品において否とされたものを採用するのでしょう?
そこに過去作品をリスペクトする気持ちは無いのですか?
Zでは自分を導いてくれると信じたマウアーを撃墜されたジェリドが怨念に凝り固まりどのような最後を迎えたか知ってますね?
Seedでナチュラルへの憎しみの果てにパトリック・ザラが迎えた末路に何を感じましたか?
まさに同じ間違いをキオは辿ろうとしてますよ?
フリットに至っては「復讐の黒い感覚」に染まりきろうとしてます。
これもガンダムの正当なオマージュですか?


断じて違います。
あなたいい歳したオッサンなのにどこを見てるんですか?
何を感じてるんですか?
もっと大人として見なきゃダメでしょう。
MS同士のチャンバラや撃ち合いで喜んでるだけは卒業してください。

 『UC(ユニコーン)』のバナージも、そうですが…。
 繰り返しますが、実に“ガンダム的”な演出でした。

↑で馬鹿なコメント書いてる人いるけど、アニメをどう楽しもうなんてそれぞれの勝手だろって思います。それに、セリックをいの一番に助けようとしていたフリットを指して「復讐の黒い感覚」などとは……どちらが『ちゃんと見ていない』んでしょうね。

 『AGE』のテーマは、“人間の二面性”なのかも知れませんね…

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。