2017-06

『機動戦士ガンダムAGE』第35話から第38話の感想(その2)

『機動戦士ガンダムAGE』第35話から第38話の感想(その2)

 第36話『奪われるガンダム』

 『Ζガンダム』から始まった“奪われるガンダム”というイベント。もっとも、ファーストガンダムでもジオン側はガンダムの鹵獲を狙っており、セイラが無断で操縦し出撃したときのガンダムは実際に鹵獲の危機に直面した。
 そして『ガンダムAGE』第35話は、サブタイトルもズバリそのもの『奪われるガンダム』。ヴェイガン側の作戦にまんまと嵌り、ガンダムAGE-3が本当に奪われてしまうのだ。しかも、パイロットのキオも一緒に。だから今回は『奪われたキオ』でもあるわけだ。

 ガンダムAGE-3鹵獲を巡る攻防戦では、家族の絆で互いを思いやるキオとフリットの行動が裏目に出て失敗し、互いを思いやるどころか仲間割れ寸前だったザナルドとゼハートの行動が功を奏するという対照的な展開。
 目の前でキオを奪われたフリットは、ディーヴァに180度回頭しての砲撃を命じるが、前方の敵からの攻撃を受けている状態でのそれは、文字通りの自殺行為。
 戦闘が終わってみれば、キオとAGE-3は奪われ、AGE-1は大破に近い中破、他のモビルスーツやディーヴァにも少なからぬ損傷が出た。主人公サイドの、明らかな敗北である。

 敗北を喫した後の、ディーヴァ内の描写が良かった。
 先ず、激しい損傷をリアルに描き込まれたAGE-1が良い。激戦を無言で物語っている。
そんな状態のAGE-1を前にして、今すぐにでもキオを奪い返しに行きたいフリットは、メカニッククルーに無茶を言い、宥めに来た娘のユノアにも当り散らす。
 その様子を、少し離れた場所から黙って見つめるパイロット達。
 そこから視線を移した先には、AGE-1同様、損傷をリアルに描き込まれたディーヴァのモビルスーツと、それを修理するメカニッククルー達の姿が。
 この現場の“重い空気”を感じさせる描き方が良い。そして、そんな現場を救ったのが、屈託の無い子供達だったという流れも。つまり、ディーヴァという戦艦の中に一つの小さな社会が存在するという“空気”が、リアリティが感じられるのだ。

 その後、マッドーナ工房での点描もテンポが良い。
 ララパーリーとフリット、ララパーリーとロディという軽い流れから、フリットとアセムという重い流れ。そこから、ララパーリーが仲介する形で話がまとまり、ガンダムの換装パーツが引き渡されるという伏線まで張られている。

 それ以外にも、自分のダメ艦長振りを嘆くナトーラをセリックが慰めたり、ザナルドの件で納得がいかないフラムに対し、彼女の功績をさり気なく褒めるゼハートとか、細かい描写が効いていた。

 今回、後半はすっかり“居ない人”だったキオが、最後に囚われの身となった姿で登場。敵艦の中、ガンダムから降ろされて独房入りとなったキオは、怯えて震える1人の子供でしかない。これこそ、「君は、生き延びることが出来るか」という状況。「ガンダムさえ手に入れば、パイロットには用は無い」とか言われたら、それまでだもんなぁ…。そりゃ震えもするわ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。