2017-04

機動戦士ガンダムAGE』第31話から第34話の感想(その2)

『機動戦士ガンダムAGE』第31話から第34話の感想(その2)

 第32話『裏切り者』

 人の因果。
 何ともやるせない。砂を噛むような現実を淡々と描写し続けた一話である。
 働く人は、生きていくために働く。
 大人の世界では、人は働かないと生きていけないからだ。
 戦う人は、誰かを守るために戦う。
 戦時下の世界では、戦う人がいないと誰かを守ることが出来ないからだ。

 シャナルワは、地球連邦の軍人として勤務するだけでは妹を生かすだけの収入を得ることが出来ず、やむなくヴェイガンのスパイとして働いた。シャナルワにとって、家族を守るとはそういうことだった。
 ファーストガンダムにおけるミハルのエピソードを思い出さないわけにはいかない。ミハルも、地球連邦に属する人間でありながら、妹たちを養うためにジオンのスパイとして働いていた。また、シャナルワとミハルは、「完全に敵側に寝返って連邦側の人間を殺傷するという意思がない」点に関しても共通している。
 決定的に異なっているのは、シャナルワは軍人、ミハルは民間人であるという点だ。正規の軍人であるシャナルワは、スパイであることが露見すれば情状の余地無く死刑が確定する。シャナルワは、モビルスーツでディーヴァから無許可発進した時点で、「モビルスーツに乗った死刑囚」だったのだ。

 モビルスーツで外に出ても、ヴェイガンは自分を殺そうと襲ってくるし、連邦軍に戻っても死刑となる。
 正に逃げ場なし。
 「妹の命を守るためには、自分が生き続けなければならない」と、どんなに強く想っても、自分が殺される以外に選択肢が無いという現実。
 シャナルワが選択できたのは、自分の死に方だけだった。

 想像するに、シャナルワの妹は余命幾許も無いことが明らかになっていたのではないか。会話を交わすことも出来ないほど衰弱しており、後は死を待つのみだけだったのではないか。最後の最後で、まるで自分の死に場所を得たかのような行動を取ったシャナルワを見て、そう思った。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。