2017-08

『あずみ2』

『あずみ2』
  2005年の映画館で観た映画:2本目
  映画を観た日:2005年3月26日(土)

 金子監督が『あずみ2』を撮ったということを知り、劇場に足を運んだのだが、これが全くの期待外れ。早くも“今年観た最低映画”に有力候補がリストアップされてしまった。
 思いっきりの駄作というわけではないが、とにかく盛り上がりに欠ける映画だった。

 まず、脚本が駄目。
 この映画の中盤のピークは、ながらがこずえに殺されて、あずみが最後の仲間を失ってしまう場面のはずである。しかし、この大事な場面で、あずみはその場にいないのである。後になって、こずえから「私が殺った」と聞かされるのだが、何の証拠も提示されない。ながらの遺品のような物でも見せ付けられたら少しは説得力が出るのだが、それもない。あずみに感情移入しながら見ていると「ながらが殺されたなんて、全然信じられない」のである。マイナスの感情という“ブレーキ”を踏みながら、プラスの感情という“アクセル”を踏んでいるようなものだ。感情が爆発しないのである。感情が爆発しなければ、カタルシスは生じないのだ。

 全般に渡ってこんな調子で、まるで湿気た花火のような映画だった。
 線香花火に例えると、中途半端にチリチリパッパと燃え続け、一度もパパパパパッと派手に火花を咲かせることなく火玉がポロッと落ちてしまったという状態。一つ一つのイベントがベルトコンベア式に処理されていく出来事の羅列を見ているようで、ジェットコースター感覚とは程遠かった。

 絵的にも、チャンバラシーンに爽快感がなく、前作よりも劣っていたと思う。
 酷かったのは、最後の戦闘シーンにおける空如の衣装。何とピンク色なのである。場違いも甚だしい。絵的に浮きまくっていた。
 テーマ的にも「使命とは」・「戦さを止めるということとは」を浮き彫りにするには程遠く、何とも淡白で印象の薄い作品だった。
 
 『あずみ2』は、前日まで日比谷映画で公開されていたのだが、この日から収容人数が半分以下のシャンテ・シネに移されていた。逆に、それまでシャンテ・シネで公開されていた『オペラ座の怪人』は日比谷映画に移された。これは『オペラ座の怪人』の客入りが多くてキャパシティの小さいシャンテ・シネでは「混雑する」ため。要するに『あずみ2』は客入りが悪く格下げ、『オペラ座の怪人』の客入りが良かったので格上げということだ。公開時期が同時期だとすれば、2作品の差は公開後の評判の差か、リピーターの差ということなのではないか。

 根本的な問題は、東宝という会社にあるように思う。
 1作目の『あずみ』を撮った北村監督を『ゴジラ FINAL WARS』に起用して、興行的には大敗(内容的にも酷かったと私は思う)。
 かつてゴジラ映画を撮って興行的には成功(内容的にも比較的良かったと私は思う)した金子監督を、『あずみ2』に起用して、この出来。
 逆ではないのか。『あずみ2』を北村監督に、『ゴジラ FINAL WARS』を金子監督に撮らせていたら、両作品ともまともな映画になっていたのにと思うと残念でならない。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。