2017-04

『機動戦士ガンダムAGE』第23話から第26話の感想(その4)

『機動戦士ガンダムAGE』第23話から第26話の感想(その4)

 第26話『地球 それはエデン』

 前回の感想で、ウルフのことを「ソロモンで戦死しなかったスレッガー」と表現したら、今回、そのウルフが戦死してしまった。それも、スレッガーのように「敵軍の切り札と事実上刺し違える(身を挺する形でIフィールド内にガンダムを届けた時点で勝負はほぼ決していた)」という華々しい最期ではなく、戦闘の一局面の流れの中で致命傷を受け、散ってしまった。
 アセムの窮地を救い、その代償として戦死した形ではあるものの、一瞬の隙を突かれて墜されてしまうという最期は、本当に普通のパイロットのそれである。その呆気ない墜され方が、逆に衝撃的だった。

 振り返ってみれば、ウルフはアセム編における人間ドラマの中では、核をなしていなかった。アセムのサポート役に徹しており、デシルのように対立の構図の一角となってはいなかった。

 デシルは、敵であるフリットとの対立、味方であるはずのゼハートとの対立という二重の特別な対立の中にあり、アセムとは普通に敵同士として対立関係にあった。
 しかし前回、パイロットとしてモビルスーツ同士での対決に拘っていたデシルを、フリットは指揮官として戦艦を運用することで、キッチリと撃退している。これは単にこの一局面での勝敗を描いただけではなく、飽く迄も一パイロットに過ぎない立場のデシルを、指揮官という立場に登りつめたフリットが退けたことで、両者に格の違いがあることを見せつけていた。デシルとフリットの対決は、この「モビルスーツ対戦艦」の戦いによって決着が付き、その時点で二人の対立自体に終止符が打たれたのだ。

 だから今回、アセムがデシルを倒すという流れは正しい。正しいと言うか、自然に映る。既にフリットとの勝敗が決してしまっていることに気付かないデシルに、アセムが引導を渡す。しかもそのアセムは、ウルフから“スーパーパイロット”を引き継いだアセムなのだ。
 そして、デシルと特別な対立関係にあったゼハートは、彼を見殺しにすることでその対立を終わらせる。ここでも、アセムがデシルを倒すという流れの自然さが見える。何故なら、ゼハートとアセムは、デシルと対立しているという点に関しては同じ側に立っていたからだ。ゼハートからすれば、自分が実の兄に手を下す代わりにアセムが倒してくれたという思いも無くは無かったのではないか。

 精神的に成長しないまま、「ただ強いだけの子供」として死んでいったデシル。
 後輩であるアセムの成長を見守り助け続け「強い大人」として死んでいったウルフ。
 対照的な二つの死が描かれた回だった。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。