2017-09

『機動戦士ガンダムAGE』第23話から第26話の感想(その2)

『機動戦士ガンダムAGE』第23話から第26話の感想(その2)

 第24話『Xラウンダー』

 独房入りから解かれたアセムは、当て所もなく街へ出る。
 道端でふざけ合う学生達を見て、ゼハート達と過ごした自分の学生時代を思い出し、溜息をつく。
 流されるようにして歩き着いた川辺で、アセムはゼハートと再会する。

 仮面を外して直にアセムと向き合ってもなお、ゼハートは「私」という一人称を使う。
 コクピット越しに初めて「私」と言われたときは憤っていたアセムも、それを聞き流す。
 この時点で、二人の間にはコクピットと同様の壁が存在していることを感じた。

 ゼハートはゼイドラでアセムのAGE-2と戦った際、アセムに対して初めて「私」という一人称を使った。それを聞いたアセムは「“私”って何だよ?! そんな言い方!」と怒りを露にした。それでもゼハートは「私」という一人称を使い続けた。
 アセムのAGE-2を戦闘不能にし、ビームサーベルでコクピットを狙って見せた後、ゼハートは「二度と俺の前に現れるな」と言い残して去った。最後の最後に「私」ではなく「俺」と言ったのだ。
 今度現れたら、「私」ではなく「俺」がお前を殺す。そのときは、そういう意味に聞こえた。ヴェイガンの司令としての「私」ではなく、かつて友達だった「俺」としてお前を殺すのだと。

 ビッグリング攻防戦で再びアセムのAGE-2と戦った後、既に交信が出来なくなった状態で、ゼハートは「アセム、次に合うときはお前を殺す。私が私でいるためにもな…」と呟いた。
 アセムを殺すのは、「私」なのか「俺」なのか。
 本当のゼハートは「私」なのか「俺」なのか。
 普通に考えれば、「私」が本当のゼハートだろう。アセムに出会う前のゼハートは、ずっと「私」として生きてきたのだから。
 だが、それなら何故、アセムを殺さないと「私が私でいられなくなる」のか。もし、ゼハートが本質的に「私」であるならば、アセムを殺せなくても「私」でいられる筈だ。そもそも、アセムを殺すことを躊躇する筈がないではないか。
 そして、もしも「私が私でいられなくなった」としたら、ゼハートは何になるのか。それこそが真のゼハートではないのか。

 アセムの自我にも、ゼハートと同じような矛盾が見られる。
 ビッグリング攻防戦の最中、ゼハートから
「父に追いつくために、自分のために戦っている」と指摘されたアセムは、
「違う、自分のためなんかじゃない! 俺はヴェイガンから皆を、地球を守るために戦っているんだ」と力強く反論する。
 ところが、ヴェイガンが撤退して戦いが終了すると
「俺は…皆のために…自分のためなんかじゃない…」と、コクピットで自分に言い聞かせているアセムがいた。
 そして今回、生身で向き合ったゼハートから、“戦わない道”を選択するよう説得されると、アセムは前回とは真逆の反論を展開する。
「俺には何も無いんだ。戦って結果を出さなきゃ、誰も俺を認めてくれないんだ」
 常に父と比較され続け、父からも期待され続けてきたアセムの悲痛な叫び。しかし、「戦って結果を出し、皆から認められる」ことを、アセムは本心から望んでいるのだろうか。ゼハートの言う通り「優しい、私が好きだった友達のアセム」こそ、本当のアセムなのではないのか。

 ゼハートは、優しいアセムが地球連邦軍のパイロットになるとは思っておらず、自分がヴェイガンに戻ってもアセムと戦場で直接相見えることはないと信じていたのだろう。アセムはゼハートに一方的に裏切られたと感じているようだが、ゼハートからすれば、先に裏切ったのはむしろアセムの方なのだ。 
 
 AGE-2の新しいウェア、ダブルバレットにも言及しておかなければならない。
 ネタばれ無し(原則としてTV放送以外からは情報を入手しない)で視聴していた私には、ダブルバレットのインパクトは大きかった。オープニングやCMの映像を観て、てっきり中~長距離における砲撃戦に特化した大火力型のウェア思っていたら、敵の接近に応じて砲身部分をパージし、大型のビームサーベルアームに早変わり。
 ヴェイガンのXラウンダー達は、AGE-2に接近して大型砲身の死角に入ってしまえば問題ないと思い込んでいたのだろう。左右からビームサーベルによる斬撃戦を仕掛けたが、ダブルバレットの二刀流モードには完全に意表を突かれた形になり、二人ともほぼ同時に撃破されてしまった。

 更に襲いかかって来るXラウンダーの機体に対し、アセムはダブルバレットの二刀流モードを解除すると、今度はミサイルを一斉発射。
 ダブルバレットが、大口径ビーム砲、大型ビームサーベル、ミサイルランチャーという三つの異なる攻撃能力を立て続けに見せたことには意外性があった。

 ダブルバレットは機能てんこ盛りの割にはシルエットがスッキリしており、元々シャープなプロポーションを持つAGE-2に良く似合っている。
 なお、ビームサーベルの二刀流はアセムの個性であり、ダブルバレットの二刀流モードにも違和感は無い。両手のビームサーベルとダブルバレットのビームサーベルを合わせれば四刀流となる。しかも、両手のビームサーベルとダブルバレットのビームサーベルにはリーチ差があるので、単なる四刀流とは異なる攻防のバリエーションを見せて欲しいところだ。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。