2017-09

『機動戦士ガンダムAGE』第19話から第22話の感想(その4)

『機動戦士ガンダムAGE』第19話から第22話の感想(その4)

 『機動戦士ガンダムAGE』ブルーレイ(DVD)ディスクの第6巻に収録されると思われる、第19話から第22話までの感想を書いてみる。今回は第6巻の最終話となる第22話で、アセム編としては第7話。全50話だとすると次の巻では半ばを過ぎる。早いな~。

 第22話『ビッグリング絶対防衛戦』

 アセム編第7話にして、大きな山場を迎えた。ネタばれ無し(ごく初期を除く)で『ガンダムAGE』を観続けていて、本当に良かったと実感した。

 先ず興味深かったのが、ベイガンの最高指導者であるイゼル・カントがXラウンダーであるという描写がなされたことと、彼自身のXラウンダーに関する評価である。イゼル・カントは自分自身がXラウンダーであるにも関わらず、「人類の進化ではなく、むしろ退化である」とゼハートに語ったという。
 『ガンダムAGE』では、これまで地球圏側の見解として、Xラウンダーを人類の進化とは無関係な単なる特殊能力者として描いてきた。これは、ファーストガンダムにおいて、ニュータイプが開戦以前から「宇宙に進出したことによって進化した人類」と提唱されていたこととは対照的である。今回、ベイガン側はそれより更に一歩進んで「Xラウンダーは、むしろ人類の退化である」と語り、一見するとニュータイプに対するアンチテーゼを示したように映る。

 しかし、これは見様によっては、レビル将軍が「ニュータイプとは、戦争などしなくて済む人間のことだ」と戦場におけるニュータイプを否定したことに符合する。シャアもララァに対し「ニュータイプは、戦争が生んだ悲しい奇形かも知れんのだ」と自己否定的な可能性を吐露している。
 また、今回の回想シーンでは、イゼル・カントはXラウンダーの能力を用いてゼハートに意識の直接伝達を行っている。Xラウンダーには、意識の直接共有による誤解なき相互理解を可能にする進化した人類としての一面もあるのだ。今後、アセムがXラウンダーとして覚醒すれば、相互理解を拒んでいるゼハートとの意識の共有も有り得るのだろうか? しかし、アムロとシャアG、ニュータイプ同士であるにも関わらず、結局最後までお互いを理解し合えなかったことを考えると…

 戦闘シーンは圧巻だった。
 今まで張り続けてきた伏線が、幾重にも重なる対立の構図として開花した。
 司令官としてのゼハートとフリットの対立。
 パイロットとしてのゼハートとアセムの対立。
 フリットとデシルの因縁の対立。
 アセムとゼハート、フリットとデシルという2世代ライバルが、同じ戦場でパイロットとして交錯する。当然、アセムとデシル、フリットとゼハートとの間でも交戦状態となる。
 そこでは物理的な戦いが展開されるだけではなく、コクピット越しの激論が世代を超えて立体交差するのだ!
 これぞガンダムの、いや『ガンダムAGE』の醍醐味である。

 更に、戦闘が終了した後には、フリットとアセムの間で親子の対立が待っていた。
 ゼハートという友達との対立。
 フリットという父親との対立。
 対立と対立の狭間で、自分を見失いそうになるアセム。
 しかし、葛藤し、苦悩しているのはゼハートも同様だ。
 アセムという友達との対立。
 フリットという司令官との対立。
 デシルという兄との対立。
「アセム、次に合うときはお前を殺す。私が私であるためにもな…」
 独白のときにまで“私”という一人称を使い、心にまで仮面を被ってしまったかのようなゼハート。自分を見失いそうになっているのは、アセムだけではないことが分かる。

 “フリットとの対立”では、アセムとゼハートが同じ側に立っていることも見逃せない。それは、戦争を始めた大人達と、生まれるまえから戦争が始まっていた(生まれたときから戦争を押し付けられた)青年達との世代対立という構図でもあるのだ。
 こういった男達のドラマに、ヒロインであろうロマリーが、いつ、どう絡んでくるかも注目である。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。