2017-07

『機動戦士ガンダムAGE』第15話から第18話の感想(その1)

『機動戦士ガンダムAGE』第15話から第18話の感想(その1)

 『機動戦士ガンダムAGE』ブルーレイ(DVD)ディスクの第5巻に収録されると思われる、第15話から第18話までの感想を書いてみる。先ず各話ごとの感想を書いて、4話分書き上げた後にまとめることにする。

 第15話『その涙、宇宙に落ちて』

 フリット編の最終話。遂にUEの正体が明かされる。
 …と言っても、UEが少なくとも人間そっくりの姿をしていることは既に明かされているので、それが前提の“正体”となる。
 私が予想していたUEの正体は、「地球連邦の一部と裏で結び付いた武器商人結社(厳密には、そのうちの一組織)」である。単なる武器商人組織ではなく、ある思想を持って人類に再び戦争を行わせようとする秘密結社、それがUEを操っている組織の正体ではないかと思ったのだ。
 つまり、UEとは地球連邦の一部と武器商人結社が共同で作り出した、言わば「自作自演の“人類共通の敵”」。人類がモビルスーツを筆頭とした「銀の杯条約締結以前の軍事力」を再び手にし、戦争を始める準備をするために最低限必要な脅威として生み出された秘匿部隊であり、その正体は地球圏人類そのもの。

「人類が進化して、宇宙へ更なる進出を果たすためには戦争(裏で制御された戦争)が必要不可欠」
という思想の元、人類を再び戦争の時代へ突入させるための第一段階は、既に完了した。何故なら、それが「UEの出現と、それによる地球連邦の軍拡」に他ならないからだ。
 地球連邦が存在する限りUEもまた存在し続けるという図式が明らかになり、それを知ったディーバのクルーが『Ζガンダム』におけるエゥーゴのような“反地球連邦組織”を造りだすことを決意したところでフリット編が終了するのでは…と予想していた。

 実際には、UEは火星移民者が生き残るために造り上げたコロニー国家“ベイガン”であった。そして彼らによる戦争行為の目的は、地球連邦から見捨てられたことに対する単なる報復ではないと言う。
 ここまで明かされた時点で、TVの前の視聴者のほとんどが
「UE(ベイガン)がノーラを襲撃した際、何故コロニーを一気に破壊しなかった(エネルギープラントを狙わなかった)のか? また、コロニーコアを使用した住民の脱出を阻止しなかったのは何故か」
という謎を思い出したことだろう。そして、その内の多くは
「フリットが“天使の落日”が起きた年に生まれているのは単なる偶然ではないのでは?」
という、“フリットの出生に関する疑念”を抱いたのではないだろうか。

 スパロー、タイタスという強化ウェアを立て続けに失い、“ただのガンダム”であるAGE-1ノーマルで要塞に突入するフリット。しかも、ヤーク・ドレの罠にかかり、閉ざされた空間で複数の敵と戦わざるを得なくなってしまう。それでも、鬼のような形相となったフリットの駆るAGE-1ノーマルは圧倒的な強さを見せ、初戦では完敗しているバクトすら鎧袖一触で撃破してしまう(バクトのパイロットの技量が同レベルであったかは不明だが)。
 私はそんなフリットを見て、思わず
「強くなったな、フリット! だが、それは本当にお前が望んでいた強さか?」
と問いかけてしまった。フリットが口にしていた“救世主”とは、“ひたすら強力な戦闘マシーン”のことだったのか?
 もちろん強くなければ敵を倒すことは出来ず、大切な人を守ることが出来ないという事実はある。しかし、単なる戦力として強さがあれば、大切な人を絶対に守ることが出来るのかといえば、そうではない。もっとも、フリットがそのことを理解するには状況が悪すぎ、フリット自身が若すぎたことは否めないのだが。

 ヤーク・ドレを射殺したのがフリットではなくグルーデックだったことが“正解”だったのか、私には分からない。
 もしあのとき、ヤーク・ドレ自らの手によって彼の額に向けられた銃の引き金を、フリットが引いていたとしたら。そうすることで復讐を果たしたフリットが、憎しみから解放されたとしたら。
 グルーデックがヤーク・ドレの息子に対して言い放った
「復讐という亡霊に取り憑かれて、悲劇的な人生を歩め」
という台詞が、まるでフリットに向けられたかのような皮肉な結果となったことを思うと、フリットが自分自身の手で直接復讐を果たすことなく終わったことが、本当に正しい選択だったのか分からなくなるのだ。
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コメント

私も雑誌等の情報は収集していないため
後半の話の詰め込みすぎで
呆気にとられてしまいましたよ
いろいろ突っ込みたくなりました
現状ではフリットとグルーデック
の行動には賛同できませんが
負の連鎖が続くのを強く印象づけるには
必要だったともいけますので
感想は最終回まで見てからだと
思っています。

 戦後から開戦へと時代が移っていったとき、既に負の連鎖が始まっているという描写は評価できると思います。
 ファーストガンダムでは、
「人間が生み出した戦争というシステムが暴走してコントロール出来なくなり、大量破壊兵器の撃ち合いになる」
という“負の連鎖システム”としての戦争が描かれ、『SEED』もそれをなぞりました。
 『AGE』が、どんな戦争と終戦を描くのか、興味深いです。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。