2017-06

『ガンダムAGE』が賛否両論なのはいいけど、けなしている人は一体何のガンダムと比較しているのだろうか?

『ガンダムAGE』が賛否両論なのはいいけど、けなしている人は一体何のガンダムと比較しているのだろうか?

 『ガンダムAGE』のブルーレイを予約した際、レビューで“星1つ”の評価(5段階評価で1)が多かったことには驚いた。
 そのとき1番上にあったレビュー(“星1つ”の評価)では、コロニーからコアを離脱させることが
「コロニーを戦艦で引っ張って動かす」
と記されていて、よくもこんな間違いを書けるものだと呆れた(現時点では「一部」とか書き加えられているが、私が見た時点では単に「コロニーを戦艦で引っ張って動かす」だった)。
 そのレビューの下にあるレビュー(“星1つ”の評価)も読んだが、類は類を呼ぶと言うか、たまたまレベルの低い視聴者が集まってしまったのかと思った。

 ちなみに、コロニーのコアは自身の推進力でコロニーから離脱を開始しており、戦艦はコアの姿勢を安定させつつ牽引している。つまり、コア自身のエンジンがメインエンジンで、戦艦は姿勢制御エンジンのようなものである。
 私は、『ガンダムAGE』が3話までに
「コロニーが損傷を受けたことにより、一気にではなく、回転を続けたままジワジワと崩壊していく」
「コロニーのコアを脱出装置として使う」
という二つの描写をしたことで、「SFアニメとして、ファーストガンダムに肩を並べた」と評価している。つまり、上記二つの描写は「コロニー落とし」に匹敵するSFマインドを有しているということだ。

 私は中学2年生のとき、ファーストガンダムの本放送をリアルタイムで観ている。
 第1話を観たとき、「コロニー落とし」という描写を観て「ロボットアニメなのに…SFだ!」と驚嘆したものだが、同時に「オニール型のコロニーをああいうふうに“落とし”て、ほぼ原形を留めたまま地表に到達する筈が無い」とも思った。SF小説として、そういう描写をしたら明らかにリアリティの欠如となる。
 しかし、アニメは絵だ。「コロニー落とし」というアイディアをアニメで表現する場合は、あれで良い…そう思ってニヤリとしたことを覚えている。勿論、第1話を見る前から、オニール型コロニーの知識はあったし、「SFは絵だねぇ」という大元帥の言葉も多分知っていたと思う。確か、『スタジオぬえ』のイラスト集を持っていて、トレース(模写)とかしていたし…

 中1の時点で、私は既に「SFファン(SF小説ファン)」を自覚しており、同時に「ロボットアニメや特撮ヒーローの黄金期のリアルタイムコア層」だったという自覚もあった。リアル(現実)とリアリティ(現実らしさ)の違い、小説のリアリティとアニメ・特撮のリアリティの違いを、親に解説したりしていた(親はすぐに「あんなのウソや」と貶すから)。例えば、
「ロケットパンチが戻って来るときは、伸ばした指先から逆噴射しながら戻って来るのが、絵としては“正しい”」
という解説など。だから、ファーストガンダムで
「ザクがライフルを撃つと、ドラム缶みたいな薬莢が地面に落ちて来て転がる」
「ザクを狙って、有線ミサイルが発射される」
「ガンダムの頭部バルカン砲が、すぐに弾切れになる」
という描写を観て、
「俺たちの“ロボットアニメ”が、遂に“SFアニメ”のレベルに来てくれた!」
と胸を熱くしたものだ。

 そして46才になった今、『ガンダムAGE』で
「コロニーが損傷を受けたことにより、一気にではなく、回転を続けたままジワジワと崩壊していく」
という描写を観て、
「そうだよなぁ、経済的に巨大コロニーを造ったら、“想定外の強風を受けたときフニャフニャ振動する吊り橋”みたいな感じの構造物になるよなぁ。“金属製の茶筒みたいな、大穴が空いても崩壊しないような頑丈な巨大コロニー”なんて、経済的には有り得ないよなぁ」
と相槌を打ったり、
「コロニーのコアを脱出装置として使う」
という描写を観て、
「コロニー市民なら、一人一着のノーマルスーツ(宇宙服)を、家(またはバイクや車)に常備しているのが当然」
「コロニーのコアの内部に、最低限の強度を持たせて軽量化した脱出用のコアを入れておき(ノーマルスーツを着た市民が指定されたシャフト経由で避難する)、いざという時はアポロ宇宙船の先端に付いている脱出ロケットの親分みたいなユニットで、コロニーから引き抜く」
というのも現実に有り得るのではないかと想像したり…。

 『ガンダムAGE』の第1話における、「MS(MSタイプのUE)がコロニーの外壁に“着地”する」カットは、ファースト第1話における同カットの誤りを修正したものとなっている。正に、“進化したガンダム”だ。そこには「『ガンダムAGE』はファーストガンダムの正当な後継者」という自負と、ファーストへのリスペクトを感じさせる。
 その他の点に関しては記事を変えて書くつもりだが、『ガンダムAGE』は、少なくともファーストガンダムのファンには受けが良いはずである。
 低年齢層にフレンドリーな作風は、Gガンダム世代に受けが良いと思われる。

 『ガンダムAGE』をけなしている人は、一体何のガンダムと比較しているのだろうか?
 ファーストガンダムを観たことがないくせに、「俺がガンダムだ!」とか言っている人達か?
 『ガンダムSEED』が、ある意味でファーストガンダムの焼き直しだということを知らない人達か?
 …と書いたものの、そういう人達自体は正直どうでもいいし、興味が無い。『ガンダムAGE』のイベント会場で会ったりするわけじゃないから、何ら実害は無い。そういう人達自体はどうでもいいけれど、アポロ捏造論と同様、そういう考えに至った背景をアレコレ考えるのが面白いのだ。
 まぁ、思い当たるフシはあるので…
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コメント

今までガンダムAGEをみて
今一だったと思った点は一つ
ほかのガンダムと比べてではなく
パーツの換装シーンがカッコよくない
コレでは商品を買う子供に受けるのかと
いう疑問であった
せっかくパーツ換装という
売れるアイテムを作りながら
見せ方が今のところ今ひとつ
やっぱりカッコよくしてほしかった

 換装に関して私が気になったのは、CMしている玩具(ゲイジングビルダー)で、換装のやり方がアニメとは少し違うことです。まぁ、ゲイジング目的で買うモデルだから、再現性には余りこだわりがないということなのでしょうけれど…
 ロボット魂は近日中に手に入れるつもりですが、さて、どうなっているでしょうか。

別に過去ガンダムとの比較だけで批判されているわけでもない

 僕の場合、あえて比較するなら、同じような客層(小学生あたり)新規開拓を目指していたGガンダム、ガンダムW、ガンダムX。
 ただし、実際に比較対照として頭においているのは、最近のスーパー戦隊(シンケンジャー、ゴセイジャー、ゴーカイジャー)や仮面ライダー(W、オーズ、フォーゼ)。それと、遊戯王ZEAL。

 あと、同じ日野氏企画・脚本原案のイナズマイレブンやダンボール戦機と比較して、批判している人も多い。僕も、ダンボールも見ていて、あちらと比べてもAGEはあまりにつまらない。

 僕や、僕に近い比較基準を持っている人たちに多く見られる感想が、「子供向けヒーロー/ロボットアニメとして、最近の同種の他作品と比べて、あまりにつまらない」「かといって、高年齢、マニア向け視点で見てもつまらない」「結局、どの方向性で見てもひどくつまらない」

 僕自身や周囲が挙げている問題としては、これらの作品と比べても、登場人物に魅力がない、物語が陳腐で冗長、脚本が乱雑、メカがほとんどまともに活躍しない・強さや恐ろしさがまるで描けていない等々。
 このあたりは、「小学生がメイン客層」という企画方針を聞いて
 イナズマやダンボールも、日野氏による脚本の乱雑さという問題はAGEと共通ですけど、ヒーローやメカの毎回の活躍シチュエーションやシーンはちゃんとできているのに、今のところAGEはそうしたことすら、驚くほどできていない。
 導入話での主人公やメインキャラクターの印象付けや、主役メカ(ヒーロー)の活躍などの見せ方なんて、仮面ライダーフォーゼの導入2話と比べれば、雲泥の差。
 作中で唯一格好よく活躍したGエグゼスが、ガンダムを差し置いて、プラモがよく売れたという現状を見ると、いかにメカの活躍の見せ方が下手かわかる。

 とりあえず「過去のガンダムと比較して批判されている」以外にも、「ほかの年少者向けヒーロー/ロボット物として、あまりにつまらなく、問題が多すぎる」という批判も多いのも、認識した方がいいと思います。

若い方のようですが…

>同じような客層(小学生あたり)新規開拓を目指していたGガンダム、ガンダムW、ガンダムX

 ガンダムはファーストの劇場版1作目の頃には、既に小学生にも人気がありました。劇場版1作目の客には、小学生(親子連れ)も結構多かったです。私の隣の席には小学生3年生くらいの男子(鑑賞マナーはとても良く、自分の母親が「あれがガンダムなの?」とか喋りかけるのを嗜めていた)が座っていたことを覚えています。ということは、ファーストは再放送の時点で、小学生にもそれなりに人気があったということになります。ガンプラブームの主役も小学生だという印象です。
 『ガンダムW』は『サムライトルーパー』のガンダム版という印象で、『サムライトルーパー』で獲得した女性客を逃がさないようにする意図が強かったのではないかと思います。

>ただし、実際に比較対照として頭においているのは、最近のスーパー戦隊(シンケンジャー、ゴセイジャー、ゴーカイジャー)や仮面ライダー(W、オーズ、フォーゼ)。それと、遊戯王ZEAL。

 ガンダムの比較対象に特撮を挙げる人を初めて見て、驚いています。
 私はガンダム、ライダー、戦隊シリーズともに第1作からリアルタイムで観ていますが、ガンダムとライダーを比較するなど完全に発想の外でしたし、今でも全くナンセンス(ファーストガンダムと『ゴレンジャー』を単純比較するなど無意味…特殊な分析なら意味がある)だと思います。
 リアルタイム(私が子供の頃)でも、友達同士でライダーとウルトラを比較するとかは無かったですし、ライダーと戦隊を比べることすらありませんでした。
 ライダーにはライダーの面白さがあるし、戦隊には戦隊の面白さがあるし、ウルトラにはウルトラの面白さがあるというのが、言わずもがなの共通認識だったと思います。勿論、ライダーとライダー、ウルトラとウルトラを比較することはありましたが。

 ut_kenさんと同じ思考タイプの人が、『ガンダムAGE』をけなしているなら納得がいきます。
 要するに、自分の中の「面白さ」が1種類しかない…とまではいかなくても、極めて少ない。
 以前、TV番組でアメリカ人が「サッカーなんか、1試合で1点ぐらいしか点が入らないじゃないか? そんなスポーツのどこが面白いんだ?(多分、アメフトやバスケと比較している)」と発言していることを思い出しました。

他人の見識を低く見積もるのはやめたほうがよろしい

>若い方のようですが…

初代ブームのときに小学生でしたよ。

>ガンプラブームの主役も小学生だという印象です。

はい、知ってますよ。消費者側の当事者でしたから。


> 『ガンダムW』は『サムライトルーパー』のガンダム版という印象で、
>『サムライトルーパー』で獲得した女性客を逃がさないようにする意図が
>強かったのではないかと思います

玩具、プラモ的には、小学生への売込みがメインでした。


>ガンダムの比較対象に特撮を挙げる人を初めて見て、驚いています。

 僕の周囲では、むしろ多数派です。20~30代で、ガンダムもよく見てるけど、ほかの方面もよく見るし、過去作だけでなく、最近のアニメやゲームもフォローしているという(高年齢層向けも、。年少者向けも)。
 よく聞かれるのが「仮面ライダーと比べて、ヒーローやアクションの見せ方、話への組み込み方、関連商品の販促などが、なんて下手なんだ」

 製作発表時からの反応も、「小学生がメイン対象は大いに歓迎」->「日野社長がメインで関わっている?(日野氏のゲームやアニメの主に脚本面での問題を身にしみて知っているから)」->「まあ、イナズマやダンボールのようにアクションや活劇がよければ…」->「そっちの方向でもさっぱり」

 あと、「プラモの売り上げが、ダンボールと比べて大きく劣っているのはどういうこと?本編でのアピールも明らかに下手だし」というのも、問題視されています。
 プラモ・玩具の売込みがメインの番組なのですから。


> ut_kenさんと同じ思考タイプの人が、『ガンダムAGE』をけなしているなら納得がいきます。
> 要するに、自分の中の「面白さ」が1種類しかない…とまではいかなくても、極めて少ない。
> 以前、TV番組でアメリカ人が「サッカーなんか、1試合で1点ぐらいしか点が入らないじゃないか?
> そんなスポーツのどこが面白いんだ?(多分、アメフトやバスケと比較している)」と
>発言していることを思い出しました。

 何か勘違いしているようですね。
 あなたの比喩を借りるなら、「サッカーも、アメフトも、バスケも、等しく楽しんでいて通じている人たちが、”このサッカーチームの監督の指揮や実績はあまりに問題ではないか?”」と指摘しているのですよ。

>玩具、プラモ的には、小学生への売込みがメインでした。

 繰り返しになりますが、ファーストのときもそうだったと思います。
 私が言っているのは、そういう意味です。 当事者とのことですので、ご存知だとは思いますが。

>「サッカーも、アメフトも、バスケも、等しく楽しんでいて通じている人たちが、”このサッカーチームの監督の指揮や実績はあまりに問題ではないか?”」と指摘しているのですよ。

 サッカーの楽しみ方に、アメフトを引き合いに出す時点でダメでしょ?と言っているのです。

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。