2017-08

『響鬼』の製作体制変更に関してのまとめ

『響鬼』の製作体制変更に関してのまとめ

 OP(ED)も変わったことだし、『響鬼』の二十九之巻までと三十之巻からへの移り変わりに関してまとめておきたい。
 
 『響鬼』の人気低迷を考察する でも書いたように、2005年4月の時点でのバンダイの調査によると、『響鬼』の人気は平成ライダーとしては最低を記録している(より正確に表現すると、「最低記録を更新した」)。この人気の低さから、玩具の売れ行きが悪かったことが推測できる。ここでは、『響鬼』の製作体制変更の理由を「人気が低く、玩具の売れ行きが悪かったため」と仮定して話を進める。

 「人気が低く、玩具の売れ行きが悪い」と、どうなるか。
 番組の製作費(の一定部分)はスポンサーから提供されているだろう。玩具の売れ行きが悪ければ、番組の製作費が削られる可能性がある。ここでは「番組の製作費が削られた」と仮定する。
 製作費が削減される以上、今までと同じ作品作りが物理的に出来なくなる。山中でロケしたくても、予算がないから都市を舞台にした撮影になる。高価で高度なCGを使いたいが、予算がないので安価で雑なCGを使う、などといったことが生じる。
 更に、「今までのやり方では人気が低かったのだから、これから人気が出るように番組の作品的内容を変えていこう」という動きが出る可能性がある。客観的に考えると、『響鬼』の製作体制変更に関する疑問 に書いたように、『響鬼』のケースではそういう手法は事態を改善することには繋がらない可能性が高いという結論に達する。
 しかし、当事者としては「今のままではダメだ」・「現状を変えなければ事態は好転しない」という考えに傾倒するのがむしろ自然だろう。

 その場合、どういった変更点が考え出されるのだろうか。
 誰でも考えるのが「主人公に強敵(強力なライバル)が登場」というパターンである。
 『響鬼』の場合、明日夢に対するライバルとして桐矢京介が登場し、鬼たちに対してはスーパー童子&姫が登場したというわけだ。
 もう一つは、「『響鬼』より人気のある、他の番組の手法を真似る」というパターンだ。『響鬼』は子供向け番組(発売されている玩具は子供向け)であるから、他の子供向け番組を参考にすることになる。ただし、『響鬼』にポケモンやアンパンマンを登場させるというわけにはいかない。結果的には、作品の内容に「子供により分かりやすい表現、子供により喜ばれるような表現」を盛り込み、それに合わせてキャラクターの性格をアレンジしたりシフトするなどの調整が行われることになる。

 2005年4月の時点で、『響鬼』の人気が高くて玩具の売れ行きも良ければ、『響鬼』の製作体制の変更はなかったのではないだろうか。例え番組製作費が予定をオーバーしていても、それを補える程に玩具が売れていれば、スポンサーは製作体制の現状維持を許すだろう。
 あるいは、子供を対象にした人気は低くても、大人に人気があり、彼らが子供の代わりに玩具を購入していれば、『響鬼』の製作体制の変更はなかったのではないだろうか。作品を支えたかったら、最初から行動をするべきだったのだ。(『ネクサス』の打ち切り(の予告)が何を意味するか、想像するのは容易いことである。また玩具店も、購入者の年齢やタイプを把握してメーカーにフィードバックをかけているだろう)

 あるいは、玩具の売り上げが悪くても、『響鬼』が『電車男』並みに視聴率を稼いでいれば、『響鬼』の製作体制の変更はなかったのではないだろうか。スポンサーにとって、今後新しい層の顧客を得る絶好のチャンスとなれば、目先の赤字には眼を瞑るだろう。
 しかし、『響鬼』の製作体制は変更され、作品の内容的にも、いわゆるテコ入れが行われた。
 その決定がなされた時点では、『響鬼』は子供からも大人からも、当初見積もられていた人気を得られなかった番組であったということだ。

 桐矢京介のモデルはブロガー(アンチ新体制派)だ! でも書いたが、「『響鬼』は、いずれ俺たち大人の望むものになる」という思いは、桐矢京介の「ヒビキは、いずれ俺のものになる」という台詞と同程度のリアリティしかないのが現状である。大人の『響鬼』ファンは、社会的にマイノリティであると同時に、『響鬼』そのものにおいてもマイノリティなのだ。
 支えているのは我々ではない。少なくとも、今は。
 将来に向けての建設的な話は、もしも『響鬼』が有料番組になったら、金を払ってでも見るか? に書いたし、『響鬼』の商業的失敗の原因を解明する! でも触れた。PRIDEのファンと同じレベルで、特撮ファンが存在してくれれば…。そう切に思う。
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コメント

始めまして。

申し訳ないんですが、、、全国放送の番組を見ていて「特撮番組の維持される仕組みも知らないのか」と騒動以前に言われたら、本当に失礼とは思うのですが電波さんだと判断させていただいたかと思います。
特殊放送なら、そりゃ、意味もわかるんですが;

もう少し、現実的なレベルで留めておいていただけませんか?
今の状況が自業自得、という結論でしたら、それはまあ同感なんですが。。。

非オモチャ購入者の意見

こんにちは!←震電さんにセイザーX初回見て欲しかったです・・・。
私は子供がいない上にまったくフィギュア類・玩具類に興味がないので玩具事情にはうとい方ですが、それでも特撮番組を見て、2ちゃんの特撮板や色んなブログを見ていれば「玩具あっての枠」ということは薄々勘付いていましたよ。
突然乗り込んできて「電波」とか言うのはいかになんでも失礼な気がしたので、無礼を承知でコメントしました。あと「特殊放送」ってなんでしょう…某国の宣伝放送とか?

>紅玉石さん

 紅玉石さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
 このブログを書いている私は、社会人のオッサンです。特に断りを入れている場合を除き、全て自分自身および自分と同様の趣向を持つ社会人を対象にして書いています。
 ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、ブログとは基本的にそういうものだと思っています。
 別に、「学生さんは読んじゃダメ」というわけではありませんが、少なくとも「『響鬼』が始まった時点でTV番組とスポンサーに関する基礎知識がなかった」という方は、このブログの対象外です。
 当ブログは「初心者向けの解説書」の類ではありませんので、その旨ご了承ください。

Re:非オモチャ購入者の意見

 aさん、コメントありがとうございます。『セイザーX』初回は、本当に迂闊でした。特撮番組の初回を見逃したなんて、一体いつ以来なのか、ちょっと思い出せないですよ。
 その『セイザーX』の大先輩?である『ガイファード』は、玩具とはほぼ無縁の番組でした。確か、放映中はフィギュアさえ発売されなかったはずです。ゲーム会社がメインスポンサーで、番組とは関係ないゲームのCMが流れていたことを憶えています。

はじめまして。すごく冷静な内容に感激したので、書き込ませていただきます。
仮面ライダーはあくまでも「子どもが対象の商業プロジェクトである」という大前提から、客観的な分析と、「子供向け番組だけど、それでも好きなんだー」的な、ご自身の感想を、淡々と述べておられる。
ネットを徘徊して、毒気に当てられてきたので(笑 ほっとしました。こういうのを読みたかったのです。(作品の雰囲気が変わったのが、生死に関わるのか?)
おれは20代半ばの男なので、アームドセイバーよりは音撃棒のほうが、逆にスタイリッシュだと感じますが、自分が5歳児だったときを思い返せば、きっと大歓迎だったろうな、と思えます。そういう想像力を忘れずに、これからも『響鬼』を観てゆきたいです。
これからもちょくちょくお邪魔させていただきます。更新、たのしみにしています。

>まこさん

 まこさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
 日本のTV特撮は、子供向け番組を中心に発展してきたのが事実です。現在『響鬼』を批判している大人(私を含む)も、子供の頃にそうした番組に親しんできたからこそ、今があるのだと思います。
 一昔前は、「特撮番組は、子供向けということで不当に低く評価されている!」というコンプレックスや、「特撮(ファン)に市民権を!」といった、マイノリティ意識からの発想がメインでしたが、最近は様子が違ってきているようです。
 私は「子供心に特撮を楽しむ」と同時に、大人の視線で「子供向け番組という枠の中でどこまでやれるのか、可能性に挑戦して欲しい」といった点にも注目しています。

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【仮面ライダー響鬼】三十四之巻「恋する鰹」

ようやく見ました〓。 で、出遅れましたが、レビューなどを。 ??な点については、他のブログさんの記事などで、さんざん目にされている方が多いと思うので、イイ!と思った点を見つけて、書きたいと思います。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。