2017-08

『ハウルの動く城』

『ハウルの動く城』
  2005年の映画館で観た映画:1本目
  映画を観た日:2005年1月22日(土)

 ハウルの城が動くシーン、損傷した軍艦が港に入ってくるシーン。この二つのシーンをスクリーンで観たことで、1300円の元は取れたと思う。
 しかし、それ以外は特にこれといって語るべき点はない。何故なら、まだ中年である私は、この映画の主たる対象年齢から外れているからである。

 『ハウルの動く城』は、老人をコアターゲットにした映画だ。
 老人は今、日本で一番時間に余裕があり、お金を持っていて、人口に占める割合も大きい。今後、老人はほぼ現在をピークにして徐々に裕福ではなくなっていくが、同時に徐々に人口に占める割合を増やしていく。少子化が叫ばれて久しい日本では、子供を対象にしたマーケットよりも、老人を対象にしたマーケットの方が遥かに有望だ。
 60歳以上になると映画の料金が1000円となるが、老人はリピーターになりやすい性質を持っている。二回来てもらえれば2000円である。
 日本の医療費が膨れ上がっているのは、老人が足繁に病院に通っていることが要因の一つである。老人にとって、通うことは苦痛ではない。行く場所がない、自分たちが楽しめる場所がないことが苦痛なのだ。『ハウルの動く城』は、それを与えた。病院と、ゲートボールのできる公園以外の場所を。
 
 老人が楽しめる映画。そこに、ジェットコースターのような目まぐるしい展開は必要ない。観覧車や、メリーゴーランドで充分だ。
 老人が活躍する映画。そこに、戦時中のつらい記憶を蘇えらせるような、直接的な描写は必要ない。今の老人にとって、戦争とは、娯楽の対象として扱われるほど遠い存在ではないのだ。彼らに戦争を伝える場合は、間接的な描写だけで充分に伝わる。

 私も時が経てば老人になる。
 老人に必要なのは医療だけではない。娯楽も必要なのだ。
 老人医療が商業として成立しているように、“シニア映画”も商業として成り立つはずである。
 私が老人になった頃には、“シニア映画”が映画の1ジャンルとして確立していて欲しい。勿論そのためには、今の時点から老人向けの映画がどんどん作られていなければならないのである。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。