2017-07

『仮面ライダーW FOREVER A to Z/運命のガイアメモリ』

『仮面ライダーW FOREVER A to Z/運命のガイアメモリ』
    2010年の映画館で観た映画:6本目
    映画を観た日:2010年8月14日(土)

 平成ライダーは、最終(最強)フォームが出るとバトルアクションが面白くなくなる傾向があるが、『W』はその最たる例と言っても良いかも知れない。毎回異なるパターンでフォームチェンジすることを最大の魅力としているWが、エクストリーム登場以降、サイクロンジョーカーからエクストリームというパターンにほぼ固定されてしまったからだ。

 この映画では、そういったTV放送分を補うかの如くWが多彩なフォームチェンジを見せるが、クライマックスシーンでは不自然な箇所も幾つかあった。理由も無くフォームチェンジをしているように見えたのだ。
 映画はライブである。TVのように、その場で巻き戻して観直すことは出来ない。見る者の気持ちをテンポ良く高揚させなければならないバトルシーンに、一瞬でも疑念を抱かせるような絵があってはならない。否定的な疑問は、映像的疾走感とのシンクロを妨げるブレーキとなる。

「動きが速過ぎて、何がどうなっているのか追いきれない!」
という不可解さは、
「速過ぎて分からないから凄い!」
という肯定的な驚嘆を生む。しかし、
「何故、今ああいう動きをしたのか、その理由が分からない」
という不可解さは、それが実際には合理的な動きであったとしても、その瞬間は、説得力の欠如というマイナス要因にしかならないのだ。


                【 これ以降、ネタばれ有り 】



 バイクアクションと格闘アクションを融合させたシーンは、仮面ライダーならではの素晴らしさがあったが、1箇所不自然なカットがあったために、その部分が印象に残ってしまった。バイクでジャンプ中のマスカレード・ドーパントにトリガーマグナム弾が連続で命中しているにも関わらず、バイクとマスカレード・ドーパントには何のリアクションも無いというカットがそれだ。ああいう絵を見せられると、「後から爆発のエフェクトを合成で被せているだけ」ということが否応なしに感じられ、一瞬で白けてしまう。

 画龍点睛を欠くとまではいかないが、全体的にクオリティが高かっただけに、こういった欠点が目立ち、鑑賞後の印象に残ってしまった。言い換えれば、そういった数少ない欠点が目立つほど、全体的なクオリティは高かった。

 ただし、ルナ・ドーパントを次期番組のライダーが倒してしまうのは、ファンサービスと言うよりも過剰な番宣だと映った。仮に『W』と『OOO』の世界観に繋がりがあるとしても、あれはやるべきではなかった。
 何故なら、今回の『W』は、過去の夏休み映画のような“ライダーの新フォームの先行お披露目映画”ではないからだ。TV版は正に物語のクライマックスを迎えている時期であり、何でもありのお祭りムードとは程遠い。今夏の劇場版『W』は、『W』としての純度を限界まで高めるべきだったと思う。
 また、園咲家の面々が最初から最後まで蚊帳の外で、メモリが使用可能になっても何ら動きを見せなかったのは残念であった。予算の問題で不可能であるのなら、「結果的にではあるが、ミュージアムが仮面ライダーに救われた」ことに関して何かを語らせるなどの芝居で、単なる傍観者以外の印象を残す工夫をすべきだった。

 最後に言っておくが、2Dか3Dかを選択する余地がある場合は、2Dをお勧めする。300円の追加料金を払った3Dという付加価値は、ハッキリ言ってショボイの一言。2Dの方が映像がクリアになる分、むしろ立体感が得られるのではないかと思えた。
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コメント

どうもお久しぶりです、フウトです、一年は早いものでもうWも終盤ですね

最強フォームは特撮作品の性質上仕方ないとは言え、
一気にバトルをつまらなくしてしまいますね、近年ではキバでは
エンペラーフォームが登場してからは基本であるキバフォームさえ登場回数が著しく減りましたし
ディケイドもコンプリートフォームが登場してからは
「他の最強フォームライダーを召還する」という能力のせいで
「他のライダーに変身し、その能力を使う」という初期ディケイドの魅力も失われましたし
CJXはそれに輪をかけて、劇中での使い方もお世辞にも褒められたものではなく、
玩具の売れ具合もあまり良いほうではないような気がします

確かに今回の映画は高水準でしたけど、思い返すと「あれ?」と思う場面が多かったのも事実ですね
個人的にはロストドライバー入手の経緯が幻と思われるスカルに渡される、というのが残念でした
そもそもジョーカーメモリを入手する際の経緯は「人とメモリは引き寄せあう」という
見方によってはかなりご都合主義な展開と取られても仕方ない流れでしたが、
それと同時に「そんな数多の偶然が重なって翔太郎の元に反撃の切り札がやって来る」というカタルシスもあったと思います
しかし肝心の変身する為のロストドライバーを渡しに来たスカルに至っては
それこそ「ディケイドが関与しているのか?」とでも思わない限り不自然に感じてしまい、
仮面ライダージョーカーの変身はイマイチ乗り切れませんでした

 フウトさん、お久しぶりです。

 最強(最終)フォームで比較的成功しているのは『龍騎』だと思っています。基本的な特徴(魅力)は損なわずにパワーアップしていますので。その上を行こうとして失敗(空回りというか上滑り)してしまったのが『剣』。『剣』に比べて一工夫したけれど、もう一工夫が足りなかったのが『カブト』。
 『W』は残念ながら『剣』のパターン。ビッカーシールドでしたっけ、あれを『カブト』のパーフェクトゼクターのような万能武器にして、なおかつ「メタル」と「トリガー」の同時差しで「メタルバレットトリガー」という貫通力に優れたエネルギー弾を打ち出す銃として使用するとかなどの、Wの特徴を生かしたバトルを展開してくれたら良かったのにと思います。
 「ヒート」と「ルナ」の同時差しで、「ヒートイリュージョンホイップ」という高熱化した鞭が出るとか、“Wの制約を越えたW”を期待した子供もいたのでは?

 そうそう、映画なんだから、アクセルがWのメモリを借りて映画限定のマキシマムドライブを決めるとかも見たかったですね。

 おやっさんの件は、説明的映像を省略してテンポを維持するためとはいえ、あのような思い切りに欠ける表現にしてしまったのは私も残念に思います。私だったら、「変身不能!」というイベントを強調するため、次のような流れにします。

 …レイカとの戦いでピンチに陥り、メモリが無いにも関わらず、思わずWドライバーを装着してしまう翔太郎。
 それを見て嘲笑しながら、ヒート・ドーパントに変身するレイカ。
 ブチ投げられて壁に叩き付けられ、「もう、ダメかも知れねぇ…」と諦めかける翔太郎。そんな翔太郎の脳裏に、在りし日のおやっさんの姿が蘇る。気力を奮い起こして立ち上がろうとした翔太郎の目の前に、1本のメモリが落ちてくる。見上げると、天井を貫通しかけて引っ掛かっていたジョーカーメモリが、今まさに翔太郎の元に落ちてきたということが分かる。
(俺のメモリだ… でも、1本だけじゃぁ…)
 翔太郎の心を見透かしたように、ヒート・ドーパントが言う。
「それが最後の1本よ。その1本だけでは変身できないでしょう、半人前のお前には」
 そのとき、翔太郎の脳裏に、スカルメモリ1本で変身するおやっさんのイメージがフラッシュバックする。
「いいや、やってみなけりゃ分かんねぇ!」
 翔太郎がWドライバーにジョーカーメモリを差し込んだ瞬間、Wドライバーはロストドライバーへと変貌した! 翔太郎は、仮面ライダージョーカーへと変身する!

 …同じ御都合主義でも、こういう勢いのある流れの中でやってしまった方が、まだ強引ながらも説得力が生まれるのではないでしょうか。まぁ、単に好みの問題かも知れませんけども。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。