2017-06

『機動戦士ガンダムUC』 episode 1 「ユニコーンの日」の感想

『機動戦士ガンダムUC』 episode 1 「ユニコーンの日」の感想

 いよいよアニメとしても始まった『機動戦士ガンダムUC』。
 読破済みの小説版の感想をまだ書いていないうちにアニメ版の感想を書くのは気が引けるのだが、小説版を再読するためのメモとして、簡単に書き記しておこう。

 腐女子に媚びることの無いキャラクター設定と、宇宙世紀の世界を描いたことで“正統派ガンダム”と言える『機動戦士ガンダムUC』。
 そのアニメ版の第1話、それもまだ1回しか観ていないのだが、第一印象は「小説のダイジェスト版」である。


                   【 以下、ネタばれあり 】


 『機動戦士ガンダムUC』は、私にとって“推し”の作品であり、あまり批判はしたくない。しかし、このアニメ版episode 1に関しては「小説のダイジェスト版」でしかなく、独立したアニメ作品には成り得ていないというのが、小説版を既に読み終えている私の正直な感想だ。
 もし小説版を読まずに、いきなりこのアニメ版episode 1を観ていたとしたら、リアルタイムでファーストガンダム(『機動戦士ガンダム』)を観ていた私でも、非常に分かりづらく感じたと思う。

 本作品は58分。58分と言えば、TVアニメの約3話分に相当する。ファーストガンダムで例えるなら、

 『ガンダム大地に立つ!!』
 『ガンダム破壊命令』
 『敵の補給艦を叩け!』

の3話分、すなわち、ホワイトベースが反撃に転じてパプワ補給艦を撃沈するところまでである。
 これと比べると、『機動戦士ガンダムUC』episode 1 は、明らかに分かりづらい。基本的には三つ巴の展開なのだが、ロンドベル側の説明というか台詞がほとんど無いことが、本作の大きな欠点となっている。

 それ以上に、話が細切れの連続で、流れに欠けるのが、本作の一番の欠点である。1シーン1シーンをチマチマと削り過ぎているので、観ていて何だか息苦しさを感じてしまう。
 ジェットコースタームービーのようなハイテンポで勢いがあるというのとは、ちょっと違う。話の展開は確かに早くて中だるみとかはないのだが、シーンとシーンの間で上手く息継ぎが出来ていないから、話がカクカクしたまま進んでいる感じなのだ。だから、ほとんどのシーンにおいて、感情移入がし辛い。物語の流れと自分の感情が同調できないのだ。

 私だったら、バナージの独白をナレーションとして使い、物語の世界観やバナージの感情を分かりやすく伝える。
 小説版『機動戦士ガンダムUC』を読破して思ったことは、この作品の肝は端的に言えば

 “Boy meets girl”
 “Boy meets Gundam”
 “Boy meets world”

だということだ。
 特に“Boy meets girl”に関しては、ファーストガンダムでは物語終盤になって“遅すぎた出会い”として描かれていた少年と少女の出会いが、この作品では最初から最後まで描き貫かれており、大きな特徴となっている。だから私はアニメ化に際して、主題歌はtrfの『BOY MEETS GIRL』にしたら良いと真剣に思った程だ。

 本来、この作品は非常にシンプルで分かり易い易く、伝わり易い作品だと思う。アニメ版episode 1では、そのシンプルさが全く出ていない。これが非常に残念だ。
 また、カーディアスの重要な台詞である「為すべきと思ったことを、為せ」が削られていたのも残念である。「為すべきことを為せ」ではなく「為すべきと思ったことを、為せ」であったことに意義のある名台詞だと思っていたので、本当に残念である。

 文句ばかり書いてしまったが、作品自体は気に入っている。当然、アニメ版第2巻以降も買うつもりだ。冒頭で書いたように、この作品は、ファーストガンダムリアルタイム世代である私が待ち望んでいた、正統派ガンダム作品なのだから。
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コメント

個人的にUCは七巻当たりから一気に面白くなってきたので、
第一話から美味いこと見せるなって思っています、特にスペースコロニーの描写とか。

 第一話から美味いこと見せないと、第二話は売れにくいですよ。

 平成ライダーでも、第一話で出し惜しみしたような『響鬼』と『カブト』は第2話の視聴率が落ちていますが、美味しいところを見せた(見せまくった)『ディケイド』は第2話の視聴率が上がっていました。

 ファーストガンダムだって第一話から美味しいところ見せまくりだったし(それでも視聴率は決して良くなかった)、そもそもガンダムは美味しいところばかりなのだから、出し惜しみしている余裕なんかないでしょう。

確かにインパクトは重視するのも大切ですが、見る人も習慣のように見ることも大切なんですわ、どんな作品でも積み重ねがありますし。
UCは大人向けのガンダムと言っていますが、実はジュナイブルとしてのガンダムを重視していて、種や00と違い実在の政治的イデオロギーに近い物を扱わないのがナイス。
サンライズ作品だとSDガンダムフォース、マシンロボレスキュー、ゼーガペイン、
はジュナイブルというか、子どもたちや若者の活躍をピュアに描いていて◯。
コードギアスも政治的要因もありますが、ルルーシュが体当たりで社会に向き合っていく作品。
他のスタジオの作品もあげるといちいちキリがないので省略します。

 小説版が建設途中のスペースコロニーを舞台にしており、良いシーンを多く描写していたのだから、出し惜しみせず、ガンガン絵にするべきだということです。それが強力なリアリティとなり、物語の世界に視聴者を引き込んでいくのですから。それを角度を変えて描き続けることこそが積み重ねでしょう。ファーストはそれをやっていました。

 “Boy meets girl”
 “Boy meets Gundam”
 “Boy meets world”

と本文中に書いた通り、『UC』はジュブナイル(juvenile)でもあり、それはファーストや『SEED』、そして『00』にすら言えることです。

 ファーストは、「戦争ドラマとロボットアニメとジュブナイルの理想的な融合」というベクトルを生み出しており、それを引き継ぐものが『ガンダム』であるというのが、少なくともファーストからのファンの共通認識だと思います。

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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。