2017-07

意外な人が『仮面ライダーW』を観ていたのでビックリ!

意外な人が『仮面ライダーW』を観ていたのでビックリ!

 映画『サロゲート』を観た後、時間調整のために東京交通会館の三省堂書店に入った時のことである。

 私が東京交通会館の三省堂書店でチェックするコーナーは順序も含めて大体決まっていて、スポーツ(立ち読みだけでなく買うことも多し)、写真集(稀に買うこと有り)、韓流、特撮・コスプレ。そして、買うと決めた本があれば、そこへ戻る。
 その日は特に買う本もなく、特撮誌やコスプレ誌をチェックした後まだ少しだけ時間があったので、同じコーナーにあった『スゴイぞ!海の生物』みたいなノリの本を何となく立ち読みしていた。

 事件は、そのとき起こった。

 青山テルマの髪の毛を真っ黄ィ黄ィにして一回り小柄にしたような感じの若い女性二人組が、私の隣のスペースにスルリと納まったのだ。
(何だ?! この派手なネーチャンたちは?)
 有楽町界隈を歩いていても、なかなか目にすることのないタイプのネーチャンたちである。(確か服も真っピンクだったと思う)
 また書店内の場所としても、反対側のコーナーはスポーツ誌(サッカーや格闘技など)のコーナーであり、周囲にいるのは男性ばかり。オタクっぽい女性であっても、気軽に立ち止まれるような場所ではない。増してやド派手な格好をした若いネーチャンが(以下略)。

 私は視線を『スゴイぞ!海の生物』みたいなノリの本に向けつつも、その実、全神経をこの派手なネーチャンたちの動向に集中せざるを得なかった。そのときの私にとっては、『スゴイぞ!海の生物』ではなく、『スゴイぞ!“街”の生物』という状況だったのだ。

 視界の端で、私から遠い方のネーチャンに動きがあり、私に近い方(要するにすぐ隣)のネーチャンが言葉を発した。
「とくさつにゅーたいぷ?」

 何ぃ?! 青山テルマの髪の毛を真っ黄ィ黄ィにして一回り小柄にしたような感じの若いネーチャンが、『特撮ニュータイプ』を手に取ったと言うのか?!
 まさか特撮ファン? いや有り得ん、何か別の雑誌と間違えたか、それとも単なる興味本位か?…

「あ、仮面ライダーアクセルが載ってるぅ~」
 耳をそばだてなくとも、半径1.5m以内に十分聞こえる声で、私から遠い方のネーチャンが言った。
 そして、しばしの沈黙。
 紙面を食い入るように見詰めるネーチャンのオーラが、すぐ隣のネーチャンの肩越しに、私の方まで伝わってくる。
「…終わらないの?」
 私のすぐ隣のネーチャンが、『特撮ニュータイプ』を手に取ったネーチャンに声をかける。
「終わらないよ?」
 素っ気ない返事だけして、視線は紙面から逸らしていない。そのことが、声を聞いただけで私にも分かった。

 こっ、このネーチャン、こんな所で『特撮ニュータイプ』をマジ読みしているぅぅ!(しかも相方を半ば放置)

 私のすぐ隣にいる派手なネーチャンは、高い確率で特撮ファンではない。相方の派手なネーチャンが『特撮ニュータイプ』をマジ読みし始めたことに、少し戸惑っている様子だ。おそらく、ちょっとチェックするだけだと思っていたのだろう。それでも、相方が開いている『特撮ニュータイプ』を覗き込み、
「あっ、この人カッコイイ!」
とか言っている。
 それに対して、『特撮ニュータイプ』を手にしている派手なネーチャンが
「こっちの人の方が、もっとカッコイイよ?」
と落ち着いた声で紹介すると、
「カッコイイ、カッコイイ!!」
と、ハイテンションでそれに食いついている。そこへ、
「でもね、この人、死んじゃったんだ…」
 冷静にコメントを寄せるか如く、『特撮ニュータイプ』を手にしている派手なネーチャンの声が続く。

 その一言で、ネーチャンたちが見ているページに載っているイケメンキャラが、霧彦だということが私にも分かった。
 同時に、『特撮ニュータイプ』をマジ読みしている派手なネーチャンは、少なくとも『W』に関してはガチで観ていることも。

 更に、ページを捲っているうちに『ゴセイジャー』の記事になったらしく、
「ゴセイジャー? 弱そう~」
という声まで聞こえてきた。

「カッコイイ」
ではなく、
「かわいい」
でもなく(件のネーチャンはゴセイジャーの俳優よりも年上っぽかった)、
「かわいくない」
でもなく、
「弱そう」
と言ったのだ。

 この発言の裏には「ヒーローはもっと強く見えるべき」という、ヒーローに対する基本的価値観があるように思える。
 この派手なネーチャンは、“ヒーロー云々はどうでも良くて、単にイケメン俳優目当てでキャアキャア騒いでいるミーハー”とは、どうも一線を画しているようだ…

 時計を見ると、立ち去るべき時刻となっていたので、私は手にしていた本を棚に戻してその場を離れた。
 もし、コートのポケットにガイアメモリが入っていたら、絶対に鳴らしながら背を向けていたと思う。ケータイが鳴ったようなフリをして、誤魔化しながら。
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震電

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 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。