2017-10

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『響鬼』の人気低迷を考察する

 『響鬼』は先週(第30話)から製作体制が変わったらしいという話が、他所のブログに書かれていた。これが本当だとすると、その理由は『響鬼』の人気低迷が続いたためだろう。
 『響鬼』のメインスポンサーである バンダイのHPの「子供アンケート」というコーナー には、親を経由して収集された子供に関するデータが公開されている。 
 ここで公開されているデータは、バンダイのデータの取り方・まとめ方が一定していないetcの理由で、第三者から見て正確な統計資料とは言い難い(何故こんな厳密さに欠けるやり方をするのかと思えるほどだ)。しかし、バンダイが「キャラクター人気をどう捉えているか」という、「バンダイの視点」を推測する分にはとても有効なデータである。

 そのデータを見ると、『響鬼』の人気の低さが分る。そして、単に『響鬼』の人気が低いだけではなく、平成ライダーシリーズの人気が『アギト』をピークに、下降を続けていることも分る。
 公開されているデータを引用し、グラフにしてみた。右が「お子さまの好きなキャラクターは何ですか?」というアンケートにおける得票率(%)、左が得票順位だ(年齢別のグラフは、『クウガ』が抜けていることに注意)。
 ちなみに、『響鬼』は男子全体のランキングでランク外(11位以下)になってしまっている。
Fig1

Fig2

Fig3

 順位だけ見ると『龍騎』がピークだが、これはその年の上位3位の得票数がほぼ同数で割れたため、たまたま1位になっただけである。
 少し見難くなるが、他のキャラクターとの比較もグラフにしてみた(年齢別のグラフは、2000年が抜けていることに注意)。平成ライダー単体の人気は、実質的には『アギト(2001年)』をピークに、下降を続けていることが分るだろう。
Fig4

Fig5

Fig6

 また、実は戦隊シリーズの人気も、『ガオレンジャー(2001年)』をピークに低下していることが分る。ただし、その順位は2005年も3位をキープしており、平成ライダーシリーズと比べればまだ事態は明るい。狭義のコアターゲット層である3~5才における人気が堅実なのが強みだろう。

 平成ライダーシリーズの人気の低下は、『アンパンマン』の根強い人気と、『ポケモン』の人気の復活にあるように見える。しかし、根本的な原因は、ライダー人気の構造的な部分にあると私は推測する。
 端的に言って、親の年齢層の移り変わりの問題なのだ。

 『アギト(2001年)』は、子供の頃ライダーブームを経験した世代が、ちょうど親になった時期に放映された。変身ベルトも、当時と同じ「光る、回る」である。自分が欲しかったものを、自分の子供に買い与えるというのは大いに有り得るパターンだ。
 『アギト』の勢いが、翌年の『龍騎』までは続いた。もちろん、そのタイミングでベルトを「光る、回る」から「カードタイプ」へと根本的にモデルチェンジしたことも、人気継続に大きく寄与しただろう。
 しかし、昭和のライダーブームは、意外に短かったのだ。1971年に始まった昭和ライダーも『アマゾン』、『ストロンガー』の頃にはブームの力も失せ、シリーズは1975年で一旦終わっている。
 1972に生まれた世代は『ストロンガー』の記憶も薄く、1979年『(スカイ)ライダー』、その翌年の『スーパー1』をスルーしている可能性がある。そもそも、『(スカイ)ライダー』、『スーパー1』と2作で終わったこの時期、ライダーの人気は1号~V3の頃のそれには遠く及ばなかった。また、1979年以前に生まれた世代は、『BLACK』が放送された当時既に8才以上になっており、翌年の『RX』と合わせてスルーしている可能性が高い。

 1972頃から1979年頃が「ライダー空白世代(失われた7年?)」だとすると、今後、ライダー人気の復活は難しいと言わざるを得ない。2005年、この時期に生まれた世代は33~26才になっている。仮面ライダーのコアターゲット層は、今後、「ライダーを見なかった世代」を親に持つということになるのだ。
 そろそろ、過去のブランド名に頼らないヒーローを生み出す時期に来ているのかもしれない。
 東宝は既に、『超星神シリーズ』と銘打ったヒーロー番組を送り出している…

 ここで言う“『響鬼』の人気”は、私や私が読んでいるブログの筆者のような層における人気とは、ほとんど関係がない。ブログに毎週『響鬼』のこと取り上げているような人は、ある程度年齢のいったファンかアンチのどちらかである。いずれにせよ特異な少数派(マイノリティ)であり、一般的な人気との相関は期待できない。
 例えば、Jリーグやプロ野球において最も人気が低迷しているチームでも、そのファンやアンチにはブログの題材にされているだろう。そういったブログが、チームの一般的な人気を計るサンプルになる筈がない。ブログとは、そういったものである。

 一般的な人気というのは、TVで言えば視聴率、玩具で言えば売れ行き。全ての人を相手にしたとき、商業ベースで結果がどう出ているかというシビアな数値のことである。
 ヒーロー番組は玩具メーカーが主スポンサーになっている場合が多いので、その玩具の売れ行きは番組の生命線である。番組を親子一緒に観ていたとしても、玩具を欲しがるのは圧倒的に子供の方なので、番組の生命線を握っているのはやはり子供である。当然のことながら、『響鬼』の“お客さん”における、圧倒的な多数派(マジョリティ)は、ブロガーではなく子供なのだ。
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コメント

「『響鬼』の“お客さん”における、圧倒的な多数派(マジョリティ)は、ブロガーではなく子供なのだ。 」その通りです。
でも、子供って親が好きなものを好きになるっている単純な面も持ち合わせていたり。「語り継がれる鬼」とか、笑。
まあ、響鬼もライダーでなくてもよかったのかもしれないけど、仮面ライダーにしないと、スポンサーが付かなかっただろうし。テレビ放送にしないと、この奇妙な同時代性も生まれなかったかと思います。私は運がよかったんだなぁと思います。

はじめまして。バンダイのデータと「親の年齢層」に着眼した分析、とても興味深く読みました。また、番組&マーチャンダイジングが考慮すべきターゲットがブロガ-や2ちゃんねらーでない、というのも同意です。
中長期的に考えれば、東映が特撮番組を作り続けるためには新たなスポンサーを見つける必要があるのかもしれません。「特撮=有望な輸出可能コンテンツ」といって政策投資銀行あたりを丸め込むとか(笑)また、少子化と6ポケット現象を考えると「どうやってジジババの財布の紐を緩ませるか」にターゲットを絞るとか…。しかし私が個人的に最も危惧しているのは東映内で特撮の位置づけが低いということです。細川さんは響鬼のオファーを受けるに際して東映の株を買ったそうですが…案外「特撮投資ファンド」とか募って株主として影響力を行使するというのも将来ありかも…

今回の体制変更については、個人的には視聴率/売上の不振というよりも、予算オーバー、制作の遅れなど「旧体制では製作続行が非常に困難になった」という東映の内部事情ではないかと考えています。実際、天候がより厳しくなる秋~冬にかけてどうやってロケ主体で番組を作りつづけるのか想像もつきません。(まとめ撮りが出来るほど事前に脚本のストックがあったわけでもないようですし。)いずれにせよ今後の動向が注目されますね←事なかれ主義の新聞社説の決り文句でしめてみました(笑)今後ともよろしくお願いします。

 としろうさん、コメントありがとうございます。

>子供って親が好きなものを好きになるっている単純な面も持ち合わせていたり。

 その親がライダーを好きじゃない世代になってきたらどうするのか、危惧しています。クリエイターが、親を利用するのは有りですが、頼るのはダメでしょうね。
 東宝が『超星神シリーズ』をリリースしたのは、そろそろ親の世代がライダー世代じゃなくなってきて、平成ライダーと勝負できると踏んだからかも知れません。


 aさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
 USAは、自動車の輸出額より映画の輸出額のほうが大きいそうで、国の産業として優遇されているとか。韓国も、補助金か何かで政府がバックアップしているようですね。それに引きかえ日本では、土地の担保がないと銀行が金を貸してくれないというレベルから脱していないような気がします。
 ファンドは、つい最近親会社が変わったにっかつ(だったと思う)が積極的にやるみたいです。
 ジジババに関しては、私も20年後はジジイなので、ジジイをコアターゲットにしたシルバー映画に期待しています。年寄り向けのヒーロー、これがホントの『“シルバー”仮面』とか。
 
>東映が特撮番組を作り続けるためには新たなスポンサーを見つける必要があるのかも

に関しては、新エントリー(ただし、このエントリーの次ではなく後ろにアップします)でも少し触れるので、よろしかったらご一読ください。

なるほど

データで見ると説得力ありますねぇ
1975年生まれの自分は「スーパー1」以外はまともに観た記憶がありません。
でも「V3」の歌はほぼ覚えているとこを考えると再放送でもしてたのかな?

自分が子供の頃に夢中だったのはウルトラマンですねぇ
タロウとかレオとか大好きでしたわ
つまりこれからはウルトラマンが伸びる!…のか?

Re:なるほど

 shin1さん、コメントありがとうございます。
 そう言えば、最近のTV番組は再放送される機会が少ないですね。その分、レンタルビデオが普及してきてはいますが、やはりTVで再放送があるのとないのでは後々大きな差が出てくると思います。

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