2008-11

『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)の感想 〜 ついでに『ガンダム00』も 〜

『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)の感想
 〜 ついでに『ガンダム00』も 〜

ファーストガンダム一式

 『ガンダム00』に対する苦言ばかり呈していても楽しくないので、『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)を毎週DVDで見直して、その素晴らしさと問題点、当時の懐かしい記憶などを語っていこうと思う。また、そうすることで、ファーストガンダムから27年経って作られた『ガンダム00』の素晴らしさや問題点が浮き彫りになれば、とも思う。

 私は現在43才。中学生のときに、名古屋TVで放映されていた『機動戦士ガンダム』を毎週観ていた、いわゆるファーストガンダムリアルタイム世代である。

 ちなみに、『機動戦士ガンダム』の再放送も中学生のときに間違いなく観ている。そして再々放送も、中学生のうちに観たような気がする。多分、名古屋TVは1979年から約3年間連続で『機動戦士ガンダム』を放送したのではなかろうか。


              第1話  ガンダム大地に立つ!!

 約25年振りに第1話を見直して最も印象に残ったことは、“アムロは決して現場の素人ではない”ということだ。

 リアルタイムで観ていたにもかかわらず、約25年も二次情報だけに晒されていると、記憶が変形してしまっていることに驚かされた。
 雑誌でたまに目にする“アムロは内向的な少年で…”といったステレオタイプの説明から、アムロが今で言う“インターネットばかりやっていて現場を知らないオタクタイプ”だったような、そんな間違ったイメージが自分の中に作られていた。

「この振動の伝わり方は…爆発だ!」
とアムロが正確に感じ取れたのは、彼が過去に父親の仕事場(即ち軍事施設)を訪問した際、実験か何かで爆発の振動を肌身で感じた経験があるからだろう。そして直ぐに「こんな退避カプセルではもたない」と判断し、外に出て父親と連絡を取ろうとした。
 感覚・判断・行動力、どれを取っても素人ではない。
 有線ミサイルの誤爆を受けた際も、とっさに地面に伏せることで命拾いしている。

 アムロは軍人の息子であり、素人とは違うのだ。
 頭でっかちの単なるコンピュータマニアではなく、現場の感覚と行動力を身に着けているのだ。
 だから、フラウの家族の死に直面したアムロが、ガンダムに乗り込む決意をするという展開にも説得力が感じられる。

 もちろん、事前にガンダムのマニュアルをある程度読んでいるという伏線がある。
 その際、アムロがマニュアルを開いて最初に目にしたのは、ガンダムの側面図である。
 そして、アムロが初めて実物のガンダムを目にしたのも、ガンダムの側面(横顔)なのだ。
 マニュアルで見た絵と同じ構図が、そこに現実として在る。
 視聴者としては、
「アムロがさっき読んでいたマニュアルは、このモビルスーツのマニュアルなんだ!」
と、ピンと来る。
 この演出の上手さには唸らされた。

 これ以外にも、上手いと思わされる点は多い。
 ザクマシンガンを撃つとドラム缶大の薬莢が排出されるシーン。これはアムロが車に向かって走っていく背後にガランガランと薬莢が転がっていくカットが有名だけど、ジーンのザクが最初の1発目を撃ったときにも、ちゃんと薬莢が飛んでいる。2発目は、より分かり易い。

 有線ミサイルも何気に描かれている。
 第一、27年前にオニール型のスペースコロニーが物語の舞台になっていること自体が凄い。
 「コロニー落とし」を映像化したのは、ガンダムが世界初じゃないのか?
 冒頭のナレーションは完全にSFだし、ホントも凄いわ。

 この回、アムロはガンダムをトレーラーから起き上がらせることには苦労したが、ジャンプして逃げるザクを追いかけてビームサーベルで一刀両断し、更には突進して来るザクのコクピットを正確にビームサーベルで貫くという芸当を成し遂げる。

 リアルタイムで見ていた当時、クラスメートの男子の中には「起き上がるのに苦労した直後に、あんなに上手く動けるのはおかしい」という者もいたが、後の回でこの説明が出来ることが分かる。ただし、実はこの回にも一言だけだが、その説明がなされているのだ。
「コンピュータ管理で操縦が出来る…教育型コンピュータ…」

 アムロが乗り込んだガンダムは、コクピットが解放されており、すぐに乗り込めるようになっていた。実弾も装填され、「5倍のエネルギーゲイン」があり、いわば暖気運転状態になっていた。この機体が、既にテストである程度使われていたものだと考えても不自然ではない。
 アムロが操縦するガンダムがビームサーベルで2機のザクを倒せたのは、この機体がテスト運用時に既にそういう動きのパターンを“教育”されていたからなのだ。

 では何故、ガンダムをトレーラーから起き上がらせることには苦労したのか?
 それは、この機体が「トレーラーから起き上がること」は初めてだったからに違いない。
 実際、ガンダムがトレーラーから起き上がったのは、おそらく第1話だけである。ガンダムに限らず、モビルスーツが起動する際は、最初から立ち姿勢であることが圧倒的に多い。この機体も、テスト運用時はずっと立った状態で起動されていたのだろう。つまり、「トレーラーから起き上がる動作」の“教育”を受けていなかったのだ。

 あと、細かいことだけど、ジーンが
「へッ、怯えてやがるぜ、このモビルスーツ」
と言ってガンダムに肉薄している際、実はジーン本人もビビッていて顔面汗びっしょりになっているのが、凄いリアル。
 アニメなんだけど、アニメであることを忘れるというか、実話がアニメで再現されているような感覚に陥る。
 ガンダムのバルカン砲も、連射しているとすぐに弾切れを起こすし…。

 『ガンダム00』では、こういうリアリティのある描写がない。
 あるいはあったかも知れないが、印象に残っていない。


****************************************

 おまけ 『ガンダム00』 #6 傷痕

 どうしてこうも個人個人の話を乱発するんだ?
 どうしてそれを全部同時に進行させようとするんだ?
 下手なテッポも数撃ちゃ当たるってか?
 よっぽど一つ一つの話に自信がないんだな、だから乱発しないと不安になる。
 こうなると、話の中心も何もあったもんじゃない。
 世界観もドラマもなく、あるのは個人個人のエピソードだけ。
 幹が無いのに、枝葉ばかりが多い。
 「戦争を根絶させるための武力介入」は、そんなことでは描き出せないだろうに。
 せっかく沙慈に戦争をいうドラマを背負わせられる感じになってきているんだから、そこを中心にして世界を描くべき。それと直接繋がらない他のエピソードは、全部後回しで良い。
 少しはファーストガンダムを見習えっちゅうの!(あ、言っちゃった!)

『ガンダム00』第2期(セカンドシーズン)が始まっているのだけれど

『ガンダム00』第2期(セカンドシーズン)が始まっているのだけれど


 第1期の最終話は、腐女子(定義は → こちら )への迎合が露骨に見受けられたので、『ガンダム00』も最早これまでかと思った。

 しかし、最近のガンダムの主題歌にハズレなし。第2期の主題歌(およびオープニング映像)だけはチェックしておく必要があったので、第2期の初回を観た。
 やはり、主題歌(およびオープニング映像)は良かった。しかも、CDはTVサイズ版を収めたものまで発売される。このCDは、もう買うしかあるまい。

 そして肝心の本編であるが、第1期で鼻についた腐女子仕様というかBL(ボーイズラブ)要素が、今のところは感じられない。これは、正直言うと本編の内容そのものではなく、第1期のオープニングが終了した直後の止め絵やエンディング映像などの、ノーマルな男性から見て「ホモアニメか、これは?」と生理的に気持ち悪くなる映像がなくなっていることが一番大きく効いていると思う。

 ただし、それ以外にも理由はある。
 ビジュアル的には、ソレスタルビーイングのメンバーが制服をするようになったことも大きい。この制服が、特撮っぽくて私の好みなのだ。
 ボレロ(ジャケット)の下に着ているシャツの胸部のデザインは、まるでウルトラマン(最新のウルトラマンであるウルトラマンメビウスのカラータイマーは菱形)である。また、制服のカラーリングが基本的にはメンバーごとに異なっている点は、戦隊ヒーローを思わせる。

 単純にカッコイイが、それだけではない。
 ソレスタルビーイングの制服の上着は、通常のジャケットではなく、ボレロに近い形状をしている。ボレロは、元々は闘牛士の衣装である。巨大な闘牛に単身で立ち向かう闘牛士の姿を、巨大な連邦組織(戦争を引き起こす構造体)に立ち向かう小さな組織であるソレスタルビーイングに投影しているように感じられるのだ。闘牛士の持つ唯一の武器である剣が、ソレスタルビーイングのガンダムというわけだ。
 こういう健全な視覚的イメージが、腐女子仕様という先入観を払拭しているのかも知れない。

 内容的には、ガンダムマイスター達が、自分自身またはマイスター同士といった内側を向いているのではなく、ソレスタルビーイング外部、即ち外側を向いているのが良い。
 第1期は、ガンダムマイスター達が自分自身またはマイスター同士といった内輪でゴチャゴチャやっている印象が強かった。この内向きなドラマが物語の世界観に繋がっていくならともかく、単に個人の設定の説明の域を出ないものだったので、見ていて面白くなかったのだ。
 また、第1期では非常に効率(コストパフォーマンス)の悪い「説明くん」キャラだった沙慈が、第2期では有効に機能しそうな予感がしている。

 視聴率に関しては、『ガンダム00』は日曜の朝の特撮番組に負けている。
 朝8時始まりの『仮面ライダーキバ』どころか、朝7時30分始まりの『ゴーオンジャー』にさえ負けているのだ。

 『仮面ライダーキバ』38話までの平均6.29%
 『ゴーオンジャー』37話までの平均5.11%
 『ガンダム00』25話まで(第1期)の平均4.85%
 『ガンダム00』第2期 第1話4.5%、第2話4.4%

 以前から言い続けているが、「ガンダムは腐女子が観るもの」というイメージが定着してしまったら、ガンダムはお終いである。ガンプラを買ってくれる少年層が寄り付かなくなるからだ。
 モーニング娘。の人気暴落の原因の一つには、「モー娘。のファンは、気持ちの悪いオタクが多い」という悪いイメージが定着してしまったことも挙げられる。ガンダムがこの二の舞を演じてはならない。

 私が中学生の頃、ガンダムという作品の存在によって“アニメ新世紀宣言”が謳い上げられ、アニメは社会に認知されるジャンルへとそのステイタスを上げた。それから27年が経った今になって、ガンダムという作品が腐女子に迎合し、陽の当たらない地下へと沈没することなったら、余りにも哀しすぎる。
 『ガンダム00』第2期が、“ガンダムという作品”本来が持つ内容の力で、本来のガンダムファンである少年少女層のファンを増やしていくことに期待せずにはいられない。

腐女子の定義 〜 蔑称の意味を込めて腐女子と呼ぶ 〜

                  腐女子の定義 
         〜 蔑称の意味を込めて腐女子と呼ぶ 〜


 中野腐女子シスターズのせいなのか、「腐女子」という呼称が単に「オタクである女性」という意味でも使われているようである。

 「オタク」という言葉も、使われ始めた当時はひらがなの「おたく」であり、その意味も「マニアックなサブカルチャーファンのうち、ロリコンの嗜好性を強く有するもの」という極めて限定的なものだった。だから、一般的な「ガンダムファン」のことを「ガンダムおたく」などと呼ぶことは絶対になかった。
 それが今では、マニア層どころかライト層のガンダムファンでさえ「ガンオタ」と呼ばれている(ファンという言葉を単にオタという言葉に置換している)ようだ。

 その「おたく」という言葉と同様に「腐女子」という言葉も、変質拡散(最小公倍数化)が進行したのだろう。しかも、その拡散する速度が、より速くなっているように感じられる。
 これらは、昔からある「マニア」という言葉の持つ意味やイメージが、不変かつ普遍であることとは実に対照的である。

 実は私も、最初は腐女子を「物語の本筋そっちのけで、特定のキャラに夢中になっているミーハーなファン」という意味だと勘違いしていた。しかし、今は違う。

 私は腐女子という言葉を、
「BL(ボーイズラブ)をテーマにしていない対象を、勝手にBLに仕立て上げて楽しんでいる人」
という限定された意味で使う(これに当てはまる場合、男性であっても腐女子と呼ぶ)。

 私は腐女子を、
「“セーラームーンが妖魔に集団レイプされている話”を勝手に仕立て上げて楽しんでいる人」
と同様に、蔑視する。

 ただし、単に
「最初からBL(ボーイズラブ)をテーマにしている対象を愛好している人」
は、腐女子とは呼ばないし、蔑視もしない。それは、男性がアダルトビデオ(エロビデオ)を観て楽しむことと、基本的には同じことだと思えるからだ。
 おそらく、純然たるアダルトビデオ(エロビデオ)と同様、純然たるBL(ボーイズラブ)も一般作品とは隔離された状況に置かれている筈だ。だから、それが嫌な人は、近寄らなければ良い。

 腐女子は、BL(ボーイズラブ)を引きずって普通の作品に近寄って来る、迷惑千万な存在である。
 私は、蔑称の意味を込めて腐女子と呼ぶ。


※注※
 この記事はコメントOFFにしてあります。ご意見のある方は、トラックバックにてお願いします。また、そのトラックバックされる記事には、現在放送中(公開中)または放送前(公開前)の作品に関するネタばれを含まないようにして下さい。
 また、この記事に関するコメントを、別の記事のコメント欄に書き込まないで下さい。

«  | HOME |  »

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。