FC2ブログ

2006-03

『ナイト・オブ・ザ・スカイ』

『ナイト・オブ・ザ・スカイ』
  2006年の映画館で観た映画:5本目
  映画を観た日:2006年3月4日(土)


 『トップガン』のフランス版だと思って観に行ったが、あそこまで能天気でもなければ爽快でもない。
 映画のタイトルロゴが『トップガン』のパクリっぽい(日本版のタイトルロゴだけではなく、オリジナル版のものもそう。ただし、原作となったフランス漫画『Tanguy et Verdure』は『トップガン』公開の10年以上前に描かれたものとのことなので、あるいは『Tanguy et Verdure』のオリジナルロゴのアレンジなのかも知れない)し、監督が『TAXi』を監督した人なので、その線を期待していたのだが…。

 日本人には馴染みのないデルタ翼のミラージュ2000を、たっぷり見ることが出来る点は良い。
 CGに頼らず、実写撮影を主眼にしたことも評価できる。
 しかし、肝心のシチュエーションが盛り上がりに欠けるので、総体としての満足度は低い。
 何と言っても、まともな空中戦が最初の一回だけしかないというのが痛い。クライマックスに空中戦がないまま終わってしまったので、肩透かしを食らったような気分になった。メインディッシュが出てこないままディナーが終了するようなものである。

 『トップガン』も、この『ナイト・オブ・ザ・スカイ』も、作品途中で主人公が大きく落ち込むという点において、ストーリーに共通性がある。『トップガン』の場合は、クライマックスにおいて追い込まれた主人公が土壇場で逆襲に転じ、敵機をバカスカ撃ち落す(ちなみに小説版では1機しか撃墜していない)というバカ映画全開のハジケっぷりで、大いに楽しませてくれた。
 しかし、『ナイト・オブ・ザ・スカイ』では、パイロットが脱出した後のミラージュ2000を空中で爆破処理するだけというショボイ顛末に終わってしまう。これでは爽快感ゼロである。

 これは脚本の失敗と言うより、実写にこだわったことの弊害だと思う。フランス空軍は、F16はもちろん、それに似たシルエットの戦闘機を保有していないのだろう。『トップガン』では、ミグとは全く別の機体を強引にミグに見立ててトムキャットとの空中戦を描写したが、さすがにデルタ翼機をF16に見立てるわけにはいかない。
 もっとも、それならそれで、F16とコンペティションを行うという脚本にしなければ良かったとも言える。観客が、特に航空ファンであったのなら「ミラージュ2000とF16とのコンペティション」という話になっとき、「おお!? もしやミラージュ2000とF16のドックファイトが見られるのか?!」と期待に胸を膨らませてしまう。それがあんな展開で終わってしまうのだから、落胆は大きい。

 この映画で描かれた空中戦は、結局ミラージュ2000同士のものしかなかった。
 フランス空軍にもアグレッサー(仮想敵機部隊)は存在すると思うのだが、そこにはデルタ翼機以外の機体はないのだろうか?
スポンサーサイト



『ジャーヘッド』

『ジャーヘッド』
  2006年の映画館で観た映画:4本目
  映画を観た日:2006年3月3日(金)


 戦争映画に娯楽を求める人は、この映画を観るべきではない。
 何故なら、現実の戦争は娯楽ではないからだ――。
 『ジャーヘッド』は、そういう映画である。
 
 本国に侵入してきた敵を討つ。そういう当たり前の戦争を、アメリカは経験したことがない。
 アメリカ本国は、他国間戦争の戦場になったがことがないのだ。だから、アメリカにとっての戦争とは、は他の国に乗り込んで、そこを戦場にすることを意味する。
 アメリカ軍兵士にとっての戦場とは、常に異国なのだ。
 そんな矛盾を指摘しながら、ふと気付くことがある。これは、太平洋戦争末期の迎える以前の日本軍兵士と、同じ立場なのだと。

 いつの時代も、本国で背広を着て戦争を指図する者と、異国の現場で実際に戦争に従事する者の差は、余りにも大きい。
「準備が整うまで待機せよ」
 命令する側にとっては、たった3秒。しかし命令された側は、それによって何もすることがない175日間を異国の砂漠で過ごすことになる。
 そして、砂漠に来て176日目に始まった戦争は、たった4日間で終わってしまう。

 我々日本人が、お茶の間でTVを見ていた戦争は、さながら“空爆戦争”だった。しかし、実際には砂漠を歩いて移動する歩兵が地上にいた。そしてその歩兵たちは、境遇こそ正反対ではあるものの、立場的にはかつての日本兵と同じだった。
 それに気付かせてくれただけでも、この映画を観た値打ちがあったと思う。

«  | HOME |  »

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。