2006-02

WBC世界Sフライ級タイトルマッチ 徳山昌守 VS ホセ・ナバーロ

WBC世界Sフライ級タイトルマッチ
徳山昌守 VS ホセ・ナバーロ


 徳山がナバーロの追い上げを辛くも振り切った。
 ユナニマス・デシジョンではあったが、117-113が1名、116-113が2名という、比較的接近したスコア。試合を見終わった印象では、スコアの数字以上に接戦だったと感じた。
 ちなみに私の採点では、115-114。試合全体の印象通りの、正に薄氷を踏む防衛だった。終わってみて気付いたのだが、私の採点だと「最終ラウンドを取った方が勝ち」であった。
徳山vsナバーロのスコア

 ジャッジのスコアと自分のスコアを比較すると、7ラウンドの私の採点が誤りであることが分かる。それ以外は、まあまあ当たっていると思う。ヨーロッパのジャッジなので、割と10-10が付けられているのが特徴か。私も、9ラウンドのみ、10-10を付けた。

 大方の予想通り、徳山が7ラウンド以降、明らかに失速。6ラウンドから既に動きに精彩を欠いていたのだが、その段階では流しているようにも見えた。しかし、7ラウンド以降は誤魔化しきれなくなった。こうなると、見ている方はもうハラハラしっ放しである。
 確かに徳山は試合の前半、右ストレートを何度もクリーンヒットさせるなどして、試合の流れをほぼ支配していた。けれども、ダウンはもちろん、ナバーロを大きくグラつかせるなど、明確なダメージを与えたシーンは一度も無かった。

 スタミナに難のある徳山が勝つには、「先行逃げ切り」が最も堅実な策であることは明白だった。もちろん中盤までに倒してしまうのが一番良いのだが、もし倒し切れなかったら、立場は完全に逆転してしまう。無理をしてでも倒しに行くというのは、リスクが大きい。試合後に明かされたように、徳山が交通事故に遭ってコンディションを崩していたのなら、尚更である。
 だから、徳山の勝利のポイントは「中盤までに、相手にどれでけダメージを与えることが出来るか」だった筈だ。しかし実際には、相手に充分なダメージを与える前に、徳山のスタミナ切れが起きてしまった。最悪のパターンではないにしろ、かなり危険な状態だったことは確かだ。

 ナバーロの左ストレートは何度も徳山のボディを捉え、ジワジワとダメージを与え続けた。徳山の苦戦の原因は、これに尽きる。
 対照的に、徳山は全くと言って良いほど、左フックでナバーロのレバーを打たなかった。
 この試合を見る限り、徳山はヘッドハンターの傾向が強い。パーラが、サウスポーに構えたアスロウムに決めて見せたようなレバーブローを使えていれば、ナバーロの左ボディストレートここまで苦戦することはなかっただろう。

 挑戦者・ナバーロの敗北の原因は、本来の武器である「右アッパーから左ストレートを顔面に入れる」というコンビネーションをほぼ完封されたことだろう。これは、試合前半に徳山から右ストレートを再三顔面に貰ってしまったことが効いていたに違いない。ああも「いきなりの右」を当てられたら、どうしてもそのイメージが身体に残る。そうなると、右アッパーは出しづらくなるし、出しても思い切りの良いものではなくなる。

 それにしても、8ラウンド以降は、本当に見ていてハラハラした。ウィービング中に上体を支えきれなくなり、前のめりになって相手にしがみつくなど、もういっぱいいっぱいなのが見え見え。
 打ってはくっつくという得意のクリンチワークにも、全然余裕が感じられない。11ラウンド後半には手数がほとんどなくなってしまい、ボディを効かされているのが表情からも伝わってきた。

 次のラウンド、果たして徳山は最後まで立っていることが出来るのか?! そんな不安を抱いて迎えた最終ラウンドで、徳山は底力を見せてくれた。
 体を入れ替えた直後に放った徳山の右フックは、ナックルが正確に当たってはいなかった。それでも、カウンターでナバーロのテンプルを捉えたその一撃は、最後のアタックを仕掛けていた挑戦者をグラつかせた。川嶋の強打が頭部に直撃してもグラつかなかったナバーロが、明らかに体勢を崩したのである。
 最終ラウンド残り30秒間、相手よりもより生きたパンチと、よりキレのあるステップワークを見せたのは、腹を叩かれスタミナを消耗しきっている筈のチャンピオンの方だった。


 防衛を果たした徳山は、そのリングの上で同王座の返上を宣言した。
 でも、私は観たい。
 階級を上げて、「失速しなくなった」ボクサー、徳山昌守の姿を。
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私なら、こうしたかったよ『ガメラ3』

私なら、こうしたかったよ『ガメラ3』

※注…この記事は、『ガメラ3』を観た当時に書いたものに、後日文章を書き足したものです。
 新作『ガメラ』がGW(ゴールデンウィーク、そしてガメラウィーク)に公開されるので、ささやかな反響として引っ張り出しました※



 『ガメラ3』は前2作とは異なり、失敗作だと思います。
 もちろん、駄作という意味ではありません。後期平成ゴジラシリーズと比べれば、遙かに高いレベルにあるものの、それでも失敗作だという意味です。
 では、失敗作ではない『ガメラ3』とはどういった作品なのか、自分なりに考えてみました。

 一般的な観客の視点で観れば、山咲さんと手塚さんは、作品の中で浮きまくっていた。しかもこの2人、決してチョイ役ではないのだ。一つ目の失敗である。
 山咲さんに関しては、この作品の中では、TPOを完全に外している。政府の高官が、政府の建物の中に集合しているというのに、バーのママみたいな女性が堂々と現れて、それが「権力の根っこに関わっている」とくるのだ。
 Vシネマだったらあれでも許されるのであろうが、自衛隊の出動にいちいち法的な手続きを踏むような作品の中では、余りにも嘘っぽい。
(断っておくが、金子監督のミニスカート好き自体には、私も大賛成である)
 『ガメラ3』に山咲さんをあのキャラクターで出したいのなら、官僚が接待に使う料亭やクラブの女性という設定が適当だろう。それが表の顔で、実は巫女の一族だというなら、作品の空気にもすんなりと溶け込める。
 巨大生物対策の会議も、兜町界隈の料亭で、非公式に行われている方が、むしろリアリティがある。想像してみて欲しい。会議というより接待のような雰囲気の中、居心地が悪そうな様子の中山さんを、山咲さんが店の外に連れ出すシーンなどが、ごく自然に浮かんでくる。

 手塚さんの演じるキャラクターに関しては、登場しなくても物語が成り立つ。要所で、唐突に説明的な台詞を喋らされており、とても不自然だ。(手塚さんが気の毒でしょうがない)

 「マナ」の設定自体も、失敗としか言いようがない。(二つ目の失敗)
 『2』でのウルティメイト・プラズマの説明など、それこそ狭義の怪獣ファンがネタにすればいいことであって、この作品に引きずるような性質のものではない。ギャオス大量発生の理由は、環境ホルモン、ダイオキシン、平均気温や二酸化炭素濃度の上昇、オゾン層の破壊による紫外線の増加など、何でも良いのだ。
 ギャオスの卵が、これらの環境の悪化を検知して孵化しているとすれば、ギャオスもまた、地球の環境を守るために創られたのかも知れないということになり、テーマの掘り下げにもなる。ギャオスの成体が人間を補食するだけでなく、実は温暖化物質や環境汚染物質を大量に体内に取り込んでいる、という設定も良いだろう。
 もちろん、これは安易に台詞で説明されるのではなく、中山さんが劇中でギャオスを必死に調べ回って辿り着く結論として描くのだ。

 また、大迫というキャラクターも、手塚さんのキャラクター以上に存在意義がなく、物語的にはこの映画に全く必要ない。大迫というキャラクターに時間を割いた結果、本来大いに機能しなければならない少年・龍成がほとんど描き込まれておらず、影が薄いことこの上ない。
 息抜き的に、ワンポイントで良い芝居をするキャラクターは必要であるが、そういったキャラは新たに作ってもいいし、斉藤審議官が影ながらサポートしていたわけだから、彼をそういった役でもっと使ってもよかった。
 長峰が登場したから、関係するキャラクターも…などと芋づる式に1作目のキャラクターを登場させたら、あくまで3作目であるこの映画のキャラクター構成が破綻するのは当然である。

 三つ目の失敗は、3作目にして突然オカルトに走ってしまったこと。
巫女の件はともかく、降って沸いたようなマナの設定と、やはり取って付けたような歴史ミステリーは全くリンクしておらず、ナンセンスであるとしか言いようがない。
 このオカルトもどきが、社会科学を主軸にしたシリーズの理論的一貫性を崩し、世界観そのものをガタガタにしてしまった。
 1作目ではアトランティスとかオリハルコンとかのトンデモ系の小ネタを上手くリアリテイの中に納め込み、2作目ではガメラ復活とウルティメイト・プラズマのシーンをハード色の強い作品の中に強引に押し込めた。
 しかし、3作目では、巫女とマナと歴史ミステリーという3つのオカルトもどきを無理矢理詰め込んだことにより、虚構という構築物が支えることの出来る嘘の重さの限界を超え、作品のリアリティが崩壊してしまったのである。

 四つ目の失敗、それは、ガメラに対する復讐劇を演じるキャラクターの設定ミスである。
 物語の根幹に関わる部分の失敗であり、『ガメラ3』最大の失敗だと思う。
 素直に考えて欲しい。
 ガメラに復讐するのは、山咲さんの方が相応しい。そして、前田愛ちゃんは、感応力を失った文子ちゃんに代わって、ガメラの側に付くのが本来のポジションなのだ。
 この方が、遙かに自然かつ明快で、観客に余計な疑問を抱かせることもない。
 ガメラとギャオスの戦いのとばっちりを受けて家族を失い、ガメラを恨むと言うところまでは、愛ちゃんのキャラクターでも問題はない。しかし、いくら復讐のためとはいえ、怪獣とガメラを戦わせれば、更にそのとばっちりを受けて、また自分のように家族を失うものが出てしまうということぐらい、愛ちゃんの年齢なら、すぐに気づくはずだ。
 そういう点を途中まで誤魔化しておいて、なおかつ土壇場になってから持ち出すものだから、ひどく不自然なのである。
 愛ちゃんが復讐心に燃える余り気が狂ってしまい、最後になって正気に戻った、というわけでもない。
 いずれにせよ、復讐というどす黒い情念を燃やす女性を、まだまだピュアな部分を残した少女に割り振ったこと自体に無理がある。意図的にミスマッチを狙ったのだろうが、何故そんなリスクのあることをやる必要があるのか。

 イリスは、最初から最後まで、山咲さんが関わるべきだったのだ。
 1作目の文子ちゃん(浅黄)のネガ像としては、山咲さん(朝倉)は最高のキャラクターである。
 怨念で怪獣と繋がる女(女になってしまった少女)、純心を全てどす黒い怨念に転化させ、その手を血で汚してしまった巫女。

 ガメラには、最初から最後まで、愛ちゃんが関わるべきだったのだ。
 1作目の文子ちゃん(浅黄)のを引き継ぐポジ像としては、愛ちゃんは最高のキャラクターである。
 純心で怪獣と繋がる、汚れなき乙女のままでいる少女、聖なる巫女。

 イリスVSガメラの戦いは、「怨念VS純心」の戦いであるべきだったのだ。

 山咲さんが「愛する男の仇をとるべくガメラを殺す」そんな情念からくる復讐心を燃やし、何の迷いもなくイリスと同化して戦えば、真新しい勾玉を身に付け、ガメラを信じ、ガメラと感応して戦う愛ちゃんとの対比がハッキリして、物語の求心力となったはず。
 文子ちゃんは、ガメラと感応する力を失っており、もちろんイリスとも感応できない。聖なる力を失ってしまった巫女、翼を無くした天使として、山咲さんと愛ちゃんの間を行ったり来たりする(揺れ動く)。
 この文子ちゃんの地に足をつけた動き(怪獣と感応できない普通の人の立場)で、「怨念VS純心」が現実から浮き上がることを防ぎ、山咲さんと愛ちゃんの戦いのリズムが単調にならないように調整するわけだ。

 実際の『ガメラ3』では、愛ちゃんが情念なのか純心なのかハッキリせず、中途半端だった。
 中途半端は弱い。愛ちゃんが弱いため、対立関係にあるはずの文子ちゃんも弱い。
 そこへ、さらに何がやりたいんだかハッキリしない山咲さんと手塚さんが絡んでくるから、ますます分かりにくくなってしまった。結果、求心力のない、散漫なドラマになってしまったのである。
 ちなみに、ハイレグなシルエットを持ち、触手を武器にするイリスは、その容姿からしても、山咲さんとの相性がよいと思われる(鞭を振るう女王様…)。

 それでは、この辺で具体的にはどんな『ガメラ3』にすれば良かったのか、簡単にストーリーとしてまとめてみましょう。他の方々の意見や、いろいろな作品のネタを取り入れてあります。

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 海外でギャオスの調査をしている中山さん。
 別の場所で、ガメラに関係があると思われる古代遺跡を調査中の研究家、手塚さん(ガメラの墓場はまだ出てこない)。
 中山さんと手さんの2人は、政府が非公式に開いた巨大生物対策会議に呼ばれる。場所は兜町界隈の料亭で、会議と言うより接待のような、政治家独特の雰囲気。学者である中山さんと手塚さんは、自分達にとって場違いな空気に戸惑う。
 接待に現れた女性の一人、山咲さんは、偶然にも手塚さんの知人だった。山咲さんの夫だった男性(故人)は、手塚さんと大学の同期で、親友だったのだ。山咲さんは巫女の家系に生まれた女性で、こんな世俗に汚れた場所にいる女性ではなかったはずなのだが…と、手塚さんは驚く。
 山咲さん、手塚さん、そして中山さんの3人は、料亭の部屋を一時離れて個人的な話を始める。
 山咲さんの夫は、ガメラとギャオスの闘いに巻き込まれて死んでいた。
「彼と、この子はガメラに殺されたのよ」
供養のお守り?を掌で包む山咲さん。夫をガメラに殺されたショックで、彼女は初めての子供を流産していたのだ。
「私の身の上なんかより…さっき話に出ていた卵胎生って、どういうことなのかしら?」
 山咲さんはギャオスに対して関心が強く、会議で中山さんが報告した「ギャオスが卵胎生に変化している可能性」について詳しい説明を聞きたがる。
 何だか良く分からないうちに巨大生物対策会議はひとまずお開きとなり、山咲さんと手塚さんは複雑な心境でその場を離れるのだった。

 数日後、ガメラとギャオスが新宿に飛来。ガメラの攻撃で地上に墜落したギャオスは、瀕死になりながらも下腹部から幼体を次々と産み落とす。中山さんの推察通り、卵胎生能力を有するようになっていたのだ。
ギャオスを追って地上に降りたガメラは、産み落とされた幼体ギャオス達が飛び立つ前に、至近距離からのプラズマ火球で焼き尽くす。しかし、それにより、周囲の避難の済んでいない多くの人々が巻き添えになる。
 避難する大勢の人の流れに逆行して、一人の女性がガメラを目指して走っていた。
 山咲さんである。懐には、供養のお守りと、神剣が。何とかして、ガメラに一矢報いたいという狂気の成せる行動だ。その思いは果たせなかったが、山咲さんは、唯一無傷で残っていたそのギャオスの未成熟卵(ラクビーボール程度の大きさ)を現場から持ち帰ることに成功する。
「彼の敵を討つわ…たとえ日本を火の海にしても」

 一方、文子ちゃんは、ガメラ関係の書籍を探して本屋を散策中、砕け散った勾玉(お守り袋に入れてある)が発熱するのを感じていた。振り返ると、そこにはガメラの形をしたデイバックを背負っている愛ちゃんが。初代と2代目のガメラ感応者の、運命的な出会いである。
 愛ちゃんには、海上保安庁勤務の歳の離れた兄がいたのだが、数年前、ヘリコプターを使った人命救助中に殉職。海と空を活動の場としていた体の大きな兄を、ガメラに重ね合わせて、愛ちゃんはガメラのファン?になっているのだった。ガメラのマスコットを自作して身につけており、背中に背負っているガメラの形をしたデイバックも自作品。
 文子ちゃんが勾玉の復活を感じて周囲を見回すと、愛ちゃんの背負っているガメラ・デイパックが目にとまり、愛ちゃんも何かを感じて振り向いたのだ。
 ガメラの暴走?に心を痛めている文子ちゃんは、愛ちゃんに
「私に代わって、ガメラと心を通じ合わせて欲しい」
と、2代目?となるように頼む。愛ちゃんは、この先どんな苦労があるかも知らず、文子ちゃんがガメラと心を通じ合わせた伝説の少女であることを知って感激し、引き受けてしまう。
 以後2人はケータイ(メール含む)で連絡を取り合い(「あっ、文子先輩からだ!」みたいなリアクション)、どんどん事件の核心に近付いていき、中山さん、手塚さん、山咲さんとも関わっていく。(愛ちゃんは今回、いわゆる、巻き込まれ型ヒロインとなる)

 山咲さんは、巨大生物対策会議のメンバーに近寄ってその力を利用し、自宅(マンションの一室)でギャオスの未成熟卵からギャオスの変異体を孵化させることに成功。イリスと名付ける。成長したイリスは、人を食料として狩り始めるが、山咲さんは動じない。
「私を食べてもいいのよ、ガメラを倒してくれさえすれば」
 そんな山咲さんに、イリスは子供のようになつく?のだった。

 中山さんはギャオスとイリスを追っているうちに、山咲さんと再会する。山咲さんは、イリスに関してシラをきり通すが、実はイリスを“餌場”へ誘導するなど、既に完全に一線を超えた行動に出ていた。

 そして、ガメラとイリスの第一ラウンド。
 まだ成長しきっていないイリスはガメラに対して不利となるが、イリスが複数のギャオスを操って?闘いは痛み分けに終わる。
 ガメラの暴走を抑えるために現場近くにいた文子ちゃんと愛ちゃんは、山咲さんと遭遇。
「邪魔をしていたのは、あなた達ね」
 山咲さんが、文子ちゃんと愛ちゃんに迫る。口論の末、山咲さん、神剣を取り出す。
「私はガメラを許さない」
 そこへ中山さんがやって来る。中山さんは、山咲さんに味方する男性が、巨大生物対策会議のメンバーの一人であることに気付いて愕然とする。

 そして、クライマックスシーン。
 ガメラが、イリスの腹部から山咲さんを救い出す。山咲さんは
「どうして助けるの…殺しなさいよッ、彼を殺したように、アタシも殺しなさいよォーッ」
と絶叫し、ガメラの掌に神器の剣をザクザクと突き刺す。それでもガメラは、山咲さんを優しく地面に降ろすのだった…。
 しかし、ガメラはイリスに手を串刺しにされてピンチ。愛ちゃんが叫ぶ。
「負けないで、ガメラ! そいつをやっつけて!」
 自分の腕をプラズマで焼き斬り、すんでの所でピンチを脱するガメラ。愛ちゃん絶叫、腕からも鮮血が迸る。それでも愛ちゃんは叫ぶ。
「やっつけて、ガメラ、やっつけて~ッ」
 ガメラはバーニング・フィストでイリスを建物の外へ突き出す。
狭い京都駅を抜け出し、闘いは京都の街という広い空間=ファイナル・ステージへ。

 ダメージの大きいイリスは触手の大半を食いちぎられ、空へ逃げる。
追って飛び上がったガメラは、空中でバーニング・フィストを作動。その輝きは全身に広がり、甲羅のスリットからもプラズマが吹き出す。
そのままイリスに急接近、特攻か?と思われたが、ガメラは急旋回、ガメラサイズのプラズマだけがイリスに激突。
 空中でイリスの全身は燃え上がり、まるで伝説の火の鳥のようになる。そして大きく輪を描きながら京都のお寺を目指すように降下していき、五重塔みたいな塔の向こう側に墜落、大きな火柱と美しい炎を巻き上げて、自らの最期を彩る。ガメラの勝利だ。その最期の炎の照り返しを受けて、泣き崩れる山咲さん…。

 しかし、上空には、イリスが呼び寄せたのか、ギャオスの群が接近しつつあった。
 愛ちゃんの持つ勾玉の光が消え、腕の傷が見る見る塞がっていく。
「ガメラ…!」
 その頃、手塚さん率いる遺跡調査グルーブは、海底に“ガメラの墓場”を見つけていた。
 京都の上空に迫り来るギャオスの群。
 ガメラは死んでしまうのか? それとも…?

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 後出しジャンケンで申し訳ないのですが、基本的には劇場で『ガメラ3』を見終わった直後に思い付いたものです。こんな『ガメラ3』が見たかったのです、私は。
(愛ちゃんを新たな感応者として登場させた理由は、愛ちゃんぐらいピュアな人がガメラと感応していないと、ガメラは平気で山咲さんを殺してしまうのが自然、という感じになってしまうので、そういう殺伐とした展開にならない「触媒」みたいな役目で出てもらっています)

私もジャッジだ(“お茶の間ジャッジ”だ)

私もジャッジだ(“お茶の間ジャッジ”だ)

    WBC世界Sフライ級タイトルマッチ
              徳山昌守 VS ホセ・ナバーロ
                      に向けて、採点基準を再確認する!


 私はボクシングファンだが、普段のTV観戦時は特に採点はしていない。
 しかし、徳山昌守 VS ホセ・ナバーロ のWBC世界Sフライ級タイトルマッチは、自分なりにキッチリ採点しようと思っている。何故なら、ナバーロが前回日本で試合を行ったとき、自分の印象とは大きく異なる採点結果が出ていたからである。

 ナバーロが前回日本で行った試合とは、2005年1月に行われたWBC世界Sフライ級タイトルマッチ。相手は当時チャンピオンだった川嶋勝重、ナバーロは今回同様挑戦者だった。この試合をTV観戦していた私は、判定結果がアナウンスされる直前まで、ナバーロの勝利を確信していた。どんなにホームタウン・デシジョンが作用したとしても、ナバーロの勝ちは動かないだろうと思った。しかし実際の判定結果は、2-1のスプリットながら川嶋の勝利となった。
 これは、絶対におかしい。そう憤ったものの、スコアを付けずに観戦していた私の判定は、単なる印象でしかない。スコアを付けていなかった私は、川嶋を支持したジャッジの採点のどの部分が「おかしい」のか、具体的に指摘することが出来なかった。

 ボクシングファン、特に地上波で放映される世界戦しか観戦しない“にわかボクシングファン”の中には、スコアも付けないくせにジャッジの採点を批判する人がいる。当然ながら、こういう批判には根拠がない。同レベルの2人の走者が別々に何回か走った100m走の合計タイムを、ストップウォッチも使わずに比較するようなものだ。「全体の印象」は、「独立した部分全ての算術合計」と、必ずしも一致しない。そしてボクシングの判定とは、「独立した部分全ての算術合計」に他ならないのだ。
 根拠もないのに批判するのは無責任である。例え小さな発言でも、発言には責任が伴う。大きな発言には大きな責任が伴うように、小さな発言には小さな発言が伴うのだ。ジャッジの採点を批判する者は、“お茶の間ジャッジ”としてスコアカードを記入する責任があるというのが、私の考えである。
 だから私は今回、自分なりにスコアカードを作った。
スコアカード

 スコアシートではなく、わざわざスコアカードにしたのにも、ちゃんと理由がある。
 ボクシングの採点は、ラウンドごとに完全に独立したものでなければならない。スコアシートに1ラウンドずつ書き足していく方法の“お茶の間採点”だと、以前のラウンドの採点がパッと目に入ってしまう。このことにより、「以前のラウンドを含めた今までの印象」が作用してしまい、「ラウンドごとに完全に独立した採点」を妨げる危険性がある。この危険性を排除するためには、やはりスコアカードにする必要があると思う。「ジャッジは、試合中に以前のラウンドを振り返ってはならない」のだ。

 また、“お茶の間ジャッジ”になるからには、当然ながら採点基準を理解していなければならない。
 徳山昌守 VS ホセ・ナバーロ は、WBCの世界戦である。WBCの採点基準に関しては、トム・カズマレック氏が著し、ジョー小泉氏が訳した良書『あなたもジャッジだ』があるので、これを読めば「知識としての」WBCの採点基準は、ボクシングファンなら誰でも大体頭に入る。
 ただ、残念なことにトム・カズマレック氏は「ガードの上にヒットしたパンチ(クリーンヒット以外も含めた、俗に言う“手数”)」に関しては、ごく僅かしか語っていない。よって、この点に関しては、ジョー小泉氏が記したあとがきを参考にする。ただし、採点項目の優先順位に関して、トム・カズマレック氏は「リング・ジェネラルシップ」を「防御」より上位に据えているので、この考えを採用する。
 個人的に肝に銘じておきたいポイントを列挙すると、以下のようになる。

【1】採点項目の優先順位は、「クリーンヒット」、「手数」、「リング・ジェネラルシップ」、「防御」の順である(「ク・テ・リン・ボウ」と覚える)。上位の項目で差があった場合は、下位の項目に関しては考慮しなくても良い。(これは厳密に言うとトム・カズマレック氏の記述と矛盾する部分があるが、こうしないと採点基準が不明確な部分が出てきてしまう。拡大解釈ということで納得するしかないと思う)

【2】クリーンヒットの有効度(質)は、第一に相手に表れたダメージで判断する。最大のダメージの表れ方は、ノックダウンである。
 相手に明確なダメージが表れない「パワーパンチ」のクリーンヒットよりも、相手に明確なダメージが表れた「一見手打ちの軽いパンチ」のクリーンヒットの方を、より高く評価する。
 第二に、急所にヒットした際の「正確さ(ヒットした位置、角度)」と「強さ」で有効度を判断する。

【3】「ガードの上(急所以外の部位)にヒットしたパンチ」であっても、受けた相手にダメージが表れた場合には、「有効な攻勢」として採点に反映させる(「クリーンヒット」に準ずるものとして、単なる「手数」よりも高く評価する)。それ以外の場合は、「手数」のうち一つとしてカウントするに留める。

【4】「クリーンヒット」の項目は、総合的には、クリーンヒットの「質」×「量」で評価する。

【5】空振りは、「手数」に含まない。ただし、「リング・ジェネラルシップ」の一部として評価の対象となる場合もある。「空振りのパンチの迫力」で相手に警戒心を抱かせることによって、試合を有利に進める場合もあるからである。

【6】最高の防御は「空振りさせること」である。ただし、【2】のリング・ジェネラルシップが認められた場合、採点の優先順位としてそちらの方が高くなる。

【7】「両選手に、それぞれダウンが1回ずつあったから、相殺して10-10」と、機械的に採点してはならない。ダウン以外の部分での差を採点することを忘れてはならない。

【8】「クリーンヒット」が互いに無いか同等で、「手数」にも差がなく、「リング・ジェネラルシップ」、「防御」ともに優劣が認められない場合は、10-10を付けても構わない。

【9】パンチによる出血や顔の腫れを、直接的に採点に反映させてはならない。パンチによる出血や顔の腫れは、リングドクターが試合の続行の是非を判断する際の材料にはなるが、ジャッジの採点項目には含まれていない。

【10】採点は、必ず「running score」方式で行うこと。(個人的には、実際に2色色鉛筆などを用いて行う)

 また、今のところ日本で行われる世界戦は、全米統一ルールではなく、WBCルール(WBAとWBCの統一ルール)が運用されている。全米統一ルールと違っている点もあるので注意が必要だ。

    《 WBA・WBC世界戦統一ルールのポイント 》

【1】3ノックダウンルールを採用する。
【2】偶然のバッティングで一方のみが出血した場合、無条件に(どちらに落ち度があったかは問わない)出血しなかった方から1点減点する。(故意の場合は、故意を有する方から2点減点)
【3】バッティングによる負傷で試合続行不可能となった場合、4ラウンドまでならドロー。5ラウンド以降の場合、それまでのラウンド(ラウンド途中で合続行不可能となった場合、そのラウンドも含める)の採点で勝敗を決める。
【4】ダウンがあった場合、最終ラウンドのみゴングで救われる。

 最後に、おまけ的に「ポイント差のイメージ図」を張っておこう。

ポイント差イメージ

 4ポイント差というのは僅差の部類のような気もするが、全ラウンドが10-9であった場合、実際には「8ラウンド対4ラウンド」のダブルスコアなのだ。

亀田興毅 第7・8・9戦

亀田興毅 第7・8・9戦

 CSのTBSチャンネルで、亀田興毅の第7・8・9戦を観た。
 WOWOWにおける亀田興毅のインタビュー映像を見たことはあったが、リング上の姿をちゃんと観たのはこれが初めてである。
 第一印象は、「何て上半身の薄いボクサーなんだろう」である。特に、ボディの薄さが目を引く。減量苦が伝えられる同階級のブライム・アスロウムよりも、更に細く見えた。亀田興毅はフライ級にしては背が高いが、それでもアスロウムと比較すると2cmほど高いだけである。
 以前、辰吉丈一郎がシリモンコンを下した際に「ボディが薄いボクサーは、ボディが打たれ弱い」と語っていたような記憶がある。今、亀田興毅に関して一番気になっているのは、この点である。
 印象に関してはこのくらいにして、亀田興毅の試合を初めてTV観戦した感想を、簡単に書き進めて行こう。

第7戦 亀田興毅 VS サマン・ソーチャトロン

 サマンは元WBC世界Lフライ級王者とのアナウンスがなされるが、身体を見ると丸みを帯びていて、フライ級に仕上げてきたようには見えない。
 ゴングが鳴ると、亀田はアップライトながらも背中を丸めた姿勢を取る。懐を深くしている感じだ。脇を閉めず、ハの字に開いた構えなので、そこだけ見るとキックボクサーのようにも見える。懐は深いが、ボディのガード自体はガラ空きである。
 パーラ戦の時のアスロウムもガードが高かったが、脇を閉めていたので、ボディのガードが開いているという印象は受けなかった。これは、両者のリーチの差も関係しているのだろう。
 亀田のストレート系パンチが、脇をハの字に開いた構えのまま繰り出されるのが面白い。もちろん、いちいち脇を閉めてからジャブを出していてはテレフォンパンチになってしまうから当然と言えば当然なのだが、ボクサーでこういう打ち方をするのは珍しい。
 ボクサーが、レバーやストマックでなく、ボディの左側を打たれてダウンするのも初めて見た気がする。サマンは、ボクサーとして既に壊れていたのではないか。

第8戦 ワンミーチョック・シンワンチャー VS 亀田興毅 【東洋太平洋フライ級タイトルマッチ】

 最初のダウンを奪った亀田のパンチは、カウンターの左ショート(打ち下ろし)。「拳を使った頭突き」と表現したくなるような、体ごと突っ込んでいくパンチだった。パンチの軌道自体はコンパクトだが、パンチ力を生み出している体の前進は大きい。
 亀田のパンチは、基本的には体が前に進む力を拳に乗せた、一種の体当たりである。ただし、その踏み込みには、マニー・パッキャオほどの鋭さはない。あるいは、マニー・パッキャオほどの距離を必要としないということなのかも知れない。
 いずれにせよ、ファイターではあるが中間距離で戦うタイプである。接近してガチャガチャの乱打戦になると、その真価を発揮することは出来ないだろう。
 前回気になったハの字の構えが、今回は一種のフェイントになっているように感じられた。ガードの真ん中を狙ったパンチが来ると、亀田は開いていたガードを閉じてブロックするので、相手からするとガードを閉じている状態からは打ってこないように見えるのではないか。最初のダウンを奪った左のカウンターも、脇を締めてガードを閉じた状態から放っている。
 インターバルでコーナーに戻っているとき、セコンドが顔のワセリンをタオルでほとんど拭き取ってしまっているように見えたので、ちょっと驚いた。あれほど頭から突っ込むタイプなのに、顔のワセリンは少ししか塗られていない。皮膚が切れにくいのなら、ボクサーとして有利である。

第9戦 亀田興毅 VS ノエル・アランブレット

 亀田は、連打の回転が遅い。第8戦でもそうだったが、世界前哨戦のように扱われたこの一戦で、改めて思ってしまった。特に、5ラウンド終盤にあった真っ向からの打ち合いで、アランブレッドに打ち勝てなかった(打ち負けてもいなかったが)のは、世界に向けての大きな不安材料と言えるだろう。
 やはり、ファイターではあるが、余力を残した相手と足を止めての打ち合うという展開には向かないタイプのようだ。常に前進し、パンチで相手を前に弾き飛ばしながら一定の距離を保つ展開なら、強さを発揮する。アランブレッドをロープ際に追い込み、後に退がって距離を調節した上で左ボディストレートをストマックにクリーンヒットさせたシーンは、正に亀田の勝ちパターンを見た思いがした。
 始めに連打の回転が遅いと書いたが、元々ハンドスピードが平凡であるので、それほど気にすることでもないのかも知れない。亀田はジャブの差し合いで勝負するようなタイプでもないし、接近して連打の回転の速さで勝負するタイプでもない。ガードを固めて常に前に出て相手にプレッシャーを与えつつ自分の距離をキープし、その流れの中で有利なポジションを取れたときに手数をまとめるタイプだ。強いて言えば、ミゲール・コットのスタイルに似ているのではないか。


 さて、亀田興毅は年内に世界タイトルを獲ることが出来るだろうか?
 亀田はハードパンチャーと呼べるほどのナチュラルな強打力は持ち合わせていないが、踏み込んで体重を乗せた拳には一撃で相手をダウンさせる力が宿っている。また、キラー・インティクト(打倒本能)に関しても申し分ない。試合運びも冷静で、逃げ続けるアランブレッドに対しても雑に攻め込む場面がなかったのは高く評価すべきだ。
 ただ、亀田がパーラに勝てるかと訊かれたら、今の段階では難しいと思う。アスロウムもアランブレッドからダウンを奪っての判定勝ちを収めている。それが、パーラにはほとんど完封されてしまった。亀田は強力なボディブローを持っているが、相手を追い詰めるフットワークは決して鋭くない。リングを自在にサークリングするパーラは、そう簡単には腹を打たせてくれないだろう。
 また、最初に書いたように、亀田のボディの打たれ強さに不安を感じる。ボディ打ちを得意とするボクサーは、逆にボディを打たれると脆いという場合もある。ガッティのライバルだったミッキー・ウォードも、決してボディが打たれ強いボクサーではなかった。ボディを効かされたら前に出られなくなるので、亀田の場合、攻撃力は限りなくゼロに近づくだろう。
 それに、亀田のガードは高いが、真ん中とボディは空いている。ジャブの得意な選手にガードの真ん中を打ち抜かれ、ポイントを持っていかれるのではないかという不安もある。パーラに関しては、フック主体の選手なので、この点に関しては大丈夫だとは思うが。

 亀田興毅の第7・8・9戦を観る限り、彼はすこぶる正統派のボクサーであり、試合終了後のリングでの受け答えは、むしろ優等生的ですらある。いや、優等生と言うより、一人の素直な青年と言うべきだろう。彼には、大いに期待している。
 サマンやアランブレッドといった、下の階級のオールドネームとの対戦だけでは、亀田興毅の実力は見えてこない。10戦目も、当初はランカーとは言え下の階級の選手だったので落胆していたのだが、ここへ来てWBC世界フライ級13位カルロス・ボウチャンに変更となった。ファンが亀田の対戦相手として望んでいるのは、こういう選手である。
 ボウチャンはメキシカンで、元国内フライ級王者。メキシカンのボディブローをあのハの字ガードで守りきれるのか、ボディを打たれたときの耐久力はどの程度なのか。亀田興毅の真価が問われる一戦になる。
 相手がフライ級のランカーに変更されると分かっていれば、チケットを買っていたんだけどな~。TBSが生中継するらしいので、TVの前でリアルタイム観戦するつもりだ。

原発に関して、意外に知られていない(かも知れない)こと 【その2】

原発に関して、意外に知られていない(かも知れない)こと 【その2】

      東京に原発を造るバカはいない
                    それでも気になる原発の安全性の実情

 この記事は、原発に関して、意外に知られてない(かも知れない)こと の続きである。

 一昔以上前、広瀬隆という人が『東京に原発を!』という本を書いている。私は読んだことはないのだが、「アホかいな!」というツッコミを前提にした「お笑い系」の本ではなく、いわゆるトンデモ本のようだ。
 こういう本を書く人は、きっと人前で「原子炉圧力容器内の水は100度で沸騰している」と平気で言ってしまうような無知な人なのだろう。それでも、この手の本を読んで冗談抜きで感心している人もいるようなので、世の中は恐ろしい。
 映画『東京原発』も、内容的にはツッコミ所満載の「お笑い映画」なのだが、やはりそう思わない人もいるようなので、世の中は本当に恐ろしいものだとシミジミ感じる。

 さて、確かに東京には原発がない。
 しかし、東京にないのは、何も原発だけではない。東京には、黒部川第四発電所クラスの水力発電所もないのだ。(ついでに言えば、東京にはディズニーランドもディズニーシーもない)

 何故、東京には原発も、黒部川第四発電所クラスの水力発電所もないのだろうか?
 それは、両方とも現状の技術では、東京(都市部)に造るには効率が悪い発電所だからだ。
 原発は、土地効率(立地条件)の観点から、地価の高い都市部には不向き。あえて極端な例を出したが、東京に原発がない理由は、東京に黒部川第四発電所クラスの水力発電所がない理由と基本的には同じである。
 東京湾に面する広大な用地を確保し、その地盤を徹底的に改良すれば、東京に原発を造ることも不可能ではないだろう(原子炉等規制法にある「十分に公衆から離れている等の適切な立地条件を有していること」という項目に関しては、ここでは触れない)。
 しかし、そこまでして原発にこだわる理由などない。言ってみれば「東京に黒部川第四発電所クラスの水力発電所を造ろう!」という思想に正当な根拠がないのと同じである。

 何事も、適材適所だ。
 実際に、東京には原発はないが、火力発電所がある。
 中でも品川火力発電所は、都市ガスを燃やして発電するという、まさに都市型の発電所。敷地面積約10万m2で、114万kWを生み出す。敷地1万m2辺り、約11万kWであり、単位面積当りの発電出力が高い。

 これを原発と比較すると、品川火力同様に東京電力の発電所である福島第二原発は、150万m2で440万kWで、1万m2辺り、約2.9万kW。同じく柏崎刈羽原発は、420万m2で1290万kWで、1万m2辺り、約3.1万kW。
 ちなみに関西電力の美浜原発は、52万m2で166万kWと、1万m2辺り、約3.2万kW。四国電力の伊方原発は、86万m2で202万kWと、1万m2辺り、約2.3万kW。

 品川火力発電所は、原発の3~4倍も土地効率が高いのだ。
 しかも、ガス火力であるため、改良型コンバインドサイクル発電(ACC発電)という発電方式の実現が可能となっている。熱効率は発電所としては世界最高水準の50%で、これは原発の熱効率の30数%を大きく上回る。熱効率の面から見ても、品川火力発電所は既存の原発よりも優れているのだ。

 電力を大量に消費する東京などの都市部に発電所を建設することは、送電設備の建設を減らし、送電ロスを防ぐ意味で有意義である。同時に、そういった発電所は1万kWでも出力が大きく、1%でも熱効率が高いものにするべきである。
 ゆえに、東京に造る発電所は、原発ではなくACC発電、またはそれを更に改良したMACC発電方式を採用すべきなのだ。
 そういった観点からすると、東京に原発を造るなど、愚か者の発想でしかない。

 なお、既存の原発の土地効率や熱効率が火力発電所に劣っているのは、必ずしも原発という発電方式そのものが劣っていることを意味しない。
 原発は、あらゆる面で安全基準が火力発電所よりも厳しいため、熱効率を上げられないのだ。一番足を引っ張られているのは、蒸気条件(温度、圧力)の上限設定だろう。

  【 原子力情報なび「原子力発電の熱効率を知りたい」 】
  【 資源エネルギー庁ホームページ「南アフリカが開発を進める高温ガス炉とはどのようなものですか。」 】

 火力発電なら、熱交換系の配管の太さ一つとっても、肉厚をギリギリまで薄くして熱効率を高めることが出来る。極端な話、もし薄くし過ぎて蒸気漏れが発生した場合でも「じゃあ、もうちょっと厚めの配管にしよう」で済む。こうした事故が発生したとしても、死傷者が出ない限り、マスコミで大きく扱われることもないだろう。
 原発だと、そうはいかない。「漏れた」となれば、例え一次系でなくても大問題になる。当然マスコミも世間も大騒ぎだ。
 ちなみに、品川火力同様、ACC発電を採用している川越火力(中部電力)では、タービン付近で火災を起こしたりタービンの翼が折損したりと事故を起こしている。事故当時、マスコミや世間は、どの程度騒いだのだろうか。

  【 中部電力 川越火力発電所4号系列における火災について 】
  【 中部電力 川越火力発電所4-2号機の運転再開について 】


 それでは、日本各地の比較的僻地に造られている原発の安全性に、問題はないのだろうか。
 原発が火力発電よりも厳しい(つまり、余裕をより大きく取った)基準で造られている以上、原子力発電所は火力発電所よりもむしろ安全と言える。もちろん、放射線による構造物の劣化という火力にはないマイナス要素もあるが、当然ながらその分も見込んだ上での基準になっている筈だ。
 そういった基準を守った上で、設計・施工・運転・保守が行われていれば、原発の安全性に問題はない。

 事故想定を含む基準の話は次回に行うとして、ここでは私の経験上、少し気になっていることを述べておきたい。
 私は5年ほど前まで、電気系の保全技師として工場で働いていた。その時期に、職長研修として、社外で安全教育を受けたことがある。私自身、職場で最高レベルの安全教育を受けていたという自負があったので、社外の安全教育など不要だと思ったが、決まりごとだったのでしぶしぶ受けに行った。実際、所詮現場のプロではない講師の話など既にどこかで聞いたようなものばかりだったのだが、それ以外の意外なところで得るものがあった。
 研修は、社外の安全ナントカ協会が主催するものであるから、当然ながら全く別々の会社の人間が集まってくる。集まった人数が多いので、幾つかのグループに分けられての研修となった。別の会社とは言え、大半が同じ職種(主にエンジニア)・職階(主に職長)である。雰囲気は、ざっくばらんとしており、少なくとも私がいたグループは休憩時間に普通に雑談をしていた。
 そして、私のグループには、原発の建設を担当したエンジニアがいたのである。末端のメーカーではなく、中学生でも知っているような有名メーカーのエンジニアだった。その彼が苦笑いしながら話していた内容が印象的だった。
「原発建設の下請け・孫受け業者が連れて来る作業者の中には、派手に紋々(刺青)を入れた人がけっこういるんですよ。そんな人に、ちゃんとヘルメット被って作業しろとか、とても言えないですよ」
 私は「それを言うのがアンタの仕事でしょ」と心の中で突っ込んでいたが、研修所で他所の会社の人を説教しても仕方ないので適当に相槌を打っていた。しかし、こんな現場感覚の乏しい人が現場監督をやっていたのでは、原発の施工精度は高くないだろうなぁと、少々不安になってしまった。
 ちなみに、紋々(刺青)を入れた人が現場作業員として扱いにくいかというと、私は必ずしもそうではないと思う。私だったら普通に接するし、普通に注意する。別に頭ごなしに怒鳴る必要などない。自分も相手も仕事で現場に来ているのだから、普通に接すればいいのだ。
 これは単に、コワモテのオッサンに慣れているか否かというだけのことだと思う。私は工場の製品搬出設備を担当していたので、社外の物流の人やトラックの運ちゃんと接する機会もそれなりにあった。税関で絶対にチェックされるだろうなと思える風体の人もいたが、現場で仕事をしている分には、何の問題もなかった。たまに、トラックの運ちゃんがドアを開けたままトロトロ走っていて設備にぶつけちゃったとかのトラブルはあったけど。

 原発の建設現場の監督状況以外にも、気になることがある。それは、原発の電気設備の保全性だ。
 私の勤務していた工場の場合、設備の設計施工および試運転と、試運転が終了して稼動に入った後の修理・保守は、原則として「同じ社内の別々の部署」が担当していた。つまり、社内に設計担当の部署と保全担当の部署が、別々に存在していたのだ。私はずっと保守担当の部署にいたが、保守にいた人間が設計の部署に異動になったり、その逆の異動もあった。
 えてして、設計担当の人間は設計・施工がラクな設備を造りたがるが、そういう設備は十中八九、保守がやりづらい。保守担当の人間は、当然ながら保守するのがラクな設備を求めるが、そういう設備を設計するのはラクではない。よって、設計担当と保守担当の間では、限られた空間と予算と時間内に設備を造るにあたって、時には対立するのだ。
「こんなところにモーターを据え付けられたら、交換するのが大変だからダメ」
「いや、ここにしか据え付けスペースがないから、どうしようもない」
「軸を延長してコッチ側に出せばいいだろ」

 こういうところをキッチリ議論しておかないと、とんでもない設備が出来上がってしまうことになる。
 私が見て酷かったものに、グリースニップル(潤滑油給油口)がズラッと並んでいるのに、周囲に隙間がないので全くグリースアップ(圧力を用いた給油)できないという設備があった。グリースニップルにはグリースガンという専用具を用いないと給油できないのだが、それにはある程度の空間(距離)が不可欠なのだ。銃身がフレキジブルなタイプのグリースガンを持ってきても、銃身の曲率半径による限界があるので、一定の距離がないと注せない。
 保全担当としては、グリースアップのために設備をいちいち分解するような暇はないので、そういう設備はグリース切れして故障するまで放置されることになる。それが許されない場合は、保守担当が独自に予算を取って、その設備を改造してしまう。

 例外はあるが、一般的には保守業務を経験したことのない(または保守業務経験の浅い)人間が設計すると、保全性の悪い設備が出来上がる傾向が強い。
 原発を設計施工している人間が、原発の保守業務を担当することがあるのだろうか? おそらくないだろう。
 それどころか、設計施工を担当する会社と、保守を行う会社自体が異なる会社なのではないだろうか。(シュラウドの交換のような大規模な保守ではなく、工場でいう月例点検的な保守)
 ポンプがあればモーターもある筈だ。こういった機器は、定格運転させた状態での点検を行わないと、異常を見落としやすい(ベアリング部に温度シールを貼っておくなどの点検手段もあるが、やはり触診・聴診よりは不確実だろう)。モーターの場合、電流や絶縁の値が正常であっても、ベアリングに異常(劣化)が生じている場合が往々にしてある。最悪の場合、ある日突然ステーターとローターが接触してモーターとしては致命的な故障に至ることもあるのだ。
 点検・保守がしづらい設備の場合、そういった故障が生じやすくなる。

 モーターが動かなければ、ポンプは動かない。
 ポンプが一台止まったぐらいでは重大な事故には発展しないとは思うが、かつて工場の現場で電気設備の保守業務を行っていた者としては、原発の設備の保全性がどの程度の状態にあるか、やはり気になる。

 さて次回は、私が学生時代に原子力実験設備でアルバイトしたときの経験談を中心に書こうと思っている。

バードウォッチング(その1)

バードウォッチング(その1)

日時:2006年2月14日 7時30頃
場所:アパート前

 出勤のためアパートを出たら、聴き慣れない鳴声がするので、辺りを見回すと、すぐ近くの木の枝にシジュウカラを2羽発見! 図鑑では「市街地でも普通に見られる」と書いてあるが、私が観たのは本当に久し振り。ヒヨドリやハクセキレイは毎日見かけるのだが。
 頬が白くて、体が小さくて可愛い。いつか、デジカメで写真を撮りたい。

2005年・劇場で観た映画ベスト3&ワースト3

2005年・劇場で観た映画ベスト3&ワースト3


 まことに遅れ馳せながら、2005年に劇場で観た映画の総括。
 2005年は、劇場で30本を鑑賞。年24本という目標を6本も上回ることが出来た。その30本の中からベスト3とワースト3を挙げて、2005年の総括としたい。
先ずは、ベストの方から。

1位 … 『バットマン ビギンズ』
 「ゼロから始まるヒーロー」が新鮮だった。「なぜヒーローになろうとするのか」を描き、観ている自分もヒーローと向かい合っているような気持ちになった。こういう真っ向勝負のヒーロー映画を創れる、ハリウッド映画の底力に感心した。報復を明確に否定している点も素直に賞賛したい。

2位 … 『ローレライ』
 いわゆる特撮映画の中で、「日本文化の強みで勝負する」という、当たり前だが過去ほんの数例しか実現できていなかったことに、久し振りに成功した作品。
 ヒロインを演じた香椎由宇のエキゾチックな美しさも特筆に価する。私はいわゆる“濃い顔”は苦手なのだが、彼女だけは例外。

3位 … 『いぬのえいが』
 いやぁ、泣いた泣いた。犬好き、それも柴犬好きにはたまらない映画。それだけでなく、特に犬好きでない人でも楽しめる映画になっていることも評価して、ベスト3入り。


 次に、怒りのワースト3。

ワースト1 … 『妖怪大戦争』
 期待外れの意味も込めて、ワースト1。水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきの4人には、今後10年間は妖怪映画のプロデュースには関わって欲しくない。原作者となる場合も、原作を差し出す意外は何もするべきではない。
 栗山千明が半ケツ出しているにも関わらず、DVDを買う気が起こらないのだから、私の怒りは本物である。

ワースト2 … 『戦国自衛隊1549』
 自衛隊が全面協力しているにも関わらず、全然盛り上がらない。それとも、自衛隊が全面協力しているからこそ、駄作になったのか? 原作を読んでいないので詳しくは分からないが、自衛隊と戦国時代の武士団がまともに戦わずして、何が『戦国自衛隊』か? 看板に偽りあり、である。

ワースト3 … 『マスク2』
 それなりに面白かったのでワーストに挙げるのはチョット可哀想な気もするが、1作目との比較という意味で、あえてワースト3に。

番外ワースト … 『仮面ライダー THE FIRST』 Vシネマ作品を、劇場で公開するな!

『キング・コング』

『キング・コング』
  2005年の映画館で観た映画:30本目
  映画を観た日:2005年12月17日(土)


 2005年、劇場で最後に見た映画である。
 観ている最中に「(上映時間が)長い」と思った、私にしては珍しい映画でもある。実際、上映時間は3時間8分。同系統の映画『ジュラシックパークIII』(1時間33分)の、約2本分の長さなのだ。

 コングを、純然たる“巨大なゴリラ”として描いたのは正解だと思う。中途半端な巨大モンスターとしてのコングよりも、かえって新鮮で良かった。こういう思い切りの良さが、ハリウッド映画の長所である。そう言えば、同じくハリウッド映画の『GODZILLA』にも、そういった思い切りの良さがあった。

 コングの映像に関しては、文句の付け所がない。どう見てもコングである。中に人が入った着ぐるみにも見えないし、CGにも見えない。
 芝居も良かった。印象に残っているのは、やはり夕陽のシーン。アンが、コングの意図に気付かずに曲芸を繰り返していると、コングが「そうじゃないんだ」と表情で語って、夕陽を見るようにアンを促す。この最初の夕陽のシーンが、クライマックス前の“2回目の夕陽のシーン”に見事に繋がっていく。アンとコング、二人の種を越えた友情(情愛)が、こちらの胸にもジーンと響いてきた。

 ティラノ風の恐竜・バスタトサウルスは、ワニっぽい皮膚表現が面白く、映像のクオリティも高かった。しかし、首長竜の映像クオリティは低く、特に地面が崩れるシーンは全体的にCGであることがバレバレで、興醒めした。あの辺は派手さを押さえ、もっとリアルな映像として見せて欲しかった。

 ナオミ・ワッツの主演作を劇場で観たのは『ザ・リング2』に続いて、これが2作目。『マルホランド・ドライブ』で見せた演技力だけではなく、飛んだり跳ねたり走ったりと、フィジカルなところもキッチリ見せられる女優だということが分かった。キーラ・ナイトリィほどではないが、ちょっと気になる女優である。

原発に関して、意外に知られてない(かも知れない)こと

原発に関して、意外に知られてない(かも知れない)こと

      ピークカットしても原発は減らない
                        東京に原発を造るバカはいない


 原発に反対している人がいる。
 もし原発なしでも何の問題も生じないなら、ない方が良いに決まっている。
 しかし、現実はそうではない。現状のまま原発を全部止めたら、当然ながら電力が不足する。原発を止める・なくすためには、その問題解決策を、セットで考える必要がある。

 一部の人は、ピークカット(電力需要のピークを減らす)をするだけで原発が不要になると考えているようだが、それはとんでもない誤解である。
 ちょっと調べれば分かることなのだが、原発はベース電源として運用されている。ピーク時の電力が減ったからといって、原発を止めるということにはならない。それが、日本の電源運用の基本的な考え方なのだ。これは、図を見れば一目瞭然である。

  【東京電力のホームページの「1日の時間帯別発電の組み合わせ」】

 ピークカットを行っても、不要になるのは石油火力発電であって、原子力発電ではない(揚水式発電所は、夜間の電力を貯蔵する役目があるので、不要となるのは石油火力発電の方だろう)。
 もちろん、停電を予防するためにもピークカットは行った方が良いに決まっているが、それと原発廃止は全く話が別なのである。

 それでは、日本の原発を止める・なくすには、どうしたら良いのか?
 日本政府の「原発をベース電源として運用する」という基本方針を変えさせる、即ち「原発以外の発電方式をベース電源として運用する」という基本方針を採らせれば良いのだ。

 その前に、なぜ現状で日本政府が「原発をベース電源として運用する」ことを基本方針とし、電力会社もそれに従っているのかを確認しておこう。
 想像力の無い人は、すぐに「原発を建てれば建設業者や政治家が潤う」という癒着とか談合の類を言い出すが、そんなことは火力発電所でも出来ることである。原発には、原発特有のメリットがあることを忘れてはならない。

 原発のメリットとは何か?
 それは一言で言えば、「安定性」である。
 原子力発電は、いろんな意味で「安定性」を有しているのだ。

 まず、日本政府から見たメリットとして挙げられるのが、輸入における安定性。

  【資源エネルギー庁のホームページの「日本のウラン調達の現状」】

 これを、

  【資源エネルギー庁ホームページの「エネルギー資源の確認可採埋蔵量」】

と比較するだけでも、とりあえず原発をベース電源にしておきたい気持ちになってくる。石油だけでなく、天然ガスもかなりの割合が中東に握られているのだ。(石炭に関しては後述)
 一般人の感覚からすると、ガソリンスタンドは日本中どこでもあるし、ガソリンはいつでも手に入ると錯覚しがちだ。
 しかし、想像して欲しい。もしも日本国内には、広島にしかガソリンスタンドが存在しなかったとしたら? そしてその広島は治安が悪く、一般市民も平気で巻き込む大規模な暴力団抗争がいつ始まるかも分からないような状態だったとしたら?
 そんなところでしか手に入らないガソリンに対しては、少しでも依存度を減らしていきたいと考えるのが当然だろう。

 また、原発の燃料であるウランは供給元が安定しているだけではなく、容量的にコンパクトであるというメリットがある。

  【資源エネルギー庁ホームページの「100万キロワットの発電所を1年間運転するために必要な燃料」】

 これを見ると、ウランは他の燃料と比較すると、桁違いどころか1万分の1のレベルである。このコンパクトさは、輸送と備蓄の両面で大きく寄与する。

 ウランは危険だというイメージがあるが、貯蔵という観点からすると、石油や天然ガスの方が余程危険だというのが私の持論だ。ウラン貯蔵なら、テロリストが外から対戦車ロケット砲を撃ち込もうが、数発程度だったら安全を確保する構造にすることが経済的に可能だ。実際、原発はそういう構造に(結果的に)なっている。

  【資源エネルギー庁ホームページの「原子力発電所がミサイル攻撃を受けたらどうなりますか。」】

 しかし、石油や天然ガスの貯蔵施設の場合、規模が大きすぎるので、全体を堅牢な構造にすることは事実上不可能である。
 石油や天然ガスの貯蔵施設がテロリストに狙われた場合、例え対戦車ロケット砲を数発撃ち込まれただけでも、凄惨な被害が発生する可能性が高い。
 もし私が「死ね死ね団」のような日本を憎むテロリストだっとしたら、ウラン貯蔵施設ではなく、石油タンクやガスタンクを狙うだろう。
 燃料貯蔵施設の隣に住めるものなのかどうかは知らないが、もし住むのなら石油タンクやガスタンクの隣よりも、ウラン貯蔵施設の隣に住みたいものである。

 電力会社にとっての原子力発電のメリットもまた、安定性である。
 何と言っても、燃料交換しないで約1年間連続運転することが出来るというのは大きな魅力だ。
 これも、想像してみて欲しい。世の中に、暖房設備が石油ストーブと原子力ストーブの2種類しかなかったとする。更に、石油ストーブは毎日毎日燃料を給油する必要があるけれど、原子力ストーブは一度燃料をセットすれば一冬の間もつとしたらどうだろう。おまけに原子力ストーブは酸素を消費しないから、換気の必要もないのだ。
 私だったら、原子力ストーブを選ぶような気がする。

 最後に付け加えておかなければならないのは、「原子力発電は準国産エネルギー」という日本政府の願望だ。「もんじゅ」の事故の後、政府の核燃料サイクル計画がどうなったのかについてはここでは触れないが、資源に乏しい日本が、電力エネルギーに関して高い自給率を持つようになることを望むこと自体は、何も間違っていない。
 私が思うに、原発推進を決めた政府の年寄り連中の中には、戦争中に物資の補給を絶たれて苦労した経験を持つ者がいるのではないか。輸入を絶たれた日本がどんなに脆弱か、補給を絶たれた戦場がどんなに悲惨か。それが身に染みている(トラウマになっている)からこそ、核燃料サイクルによる電気エネルギーの自給率向上を計画したのではないだろうか。

 さて、それでも原発は危険だから、「原発を廃止し、原発以外の発電方式をベース電源として運用する」としよう。
 現在、原発は日本の発電設備容量の約5分の1を占めている(発電電力量としては約4分の1)。

  【資源エネルギー庁ホームページの「二次エネルギーの動向」】

 原発を廃止した場合、それに代わるベース電源は何になるのか。
 水力は、現状でほぼ限界なので発電電力量的に無理。
 風力や太陽光は、現状では発電規模が問題外(風力は、将来的にも問題外)だし、安定供給という観点からもベース電源に向かない。
 石油と天然ガスは、燃料の安定供給に問題がある。
 消去法の結果、残るのは石炭火力となる。
 石炭は、確認可採埋蔵量と可採年数ではダントツでトップだし、供給元もウランと同じように多様で安定している。ただし、前出の「100万キロワットの発電所を1年間運転するために必要な燃料」という点では最も劣っている。
 更に、石炭火力には、CO2排出量が最も多いという欠点もある。

  【原燃のホームページの「原子力発電は環境保全に役立つのですか?」】

 しかし、原発を廃止するとなると、石炭火力しか選択肢がないというのが現状である。
 そういうわけで、このコラムでは、「原発廃止」とは「石炭火力推進」とセットで論じなければならないという結論に達した。

 お腹が減ってきた。夕飯の時間である。原発の安全性や、「東京に原発を造るバカはいない」という話は、また来週にでも…。

ロレンソ・パーラ VS ブライム・アスロウム

WOWOW『Excite Mach』
                          2005年1月30日 20:00~ 放送分

ロレンソ・パーラ VS ブライム・アスロウム (WBA世界フライ級タイトルマッチ)


 仮にアスロウムが勝ったとしても、番狂わせとは思わなかっただろう。
 パーラに関しては、日本で行われたタイトルマッチを流して観た程度だが、「強い」というイメージがない。そして、『Excite Mach』で観てきたアスロウムに関しても、実は同様である。
 アスロウムは『ボクシング・マガジン』のインタビュー記事で「まずは防御を固め、攻めあぐねた相手がミスしたところを、逆に攻める」という旨のことを語っていた。この発言から、ボクシングのスタイルに対しても、両者は似たタイプなのではないかと思えた。

 パーラとアスロウムの試合は、互に手数の少ないディフェンシブな展開が続き、僅差のスプリット・デシジョンで勝敗が決まるような気がした。ホプキンス VS テイラー の第2戦ような地味な試合になるのではないか、と。
 それが、実際にはダウンを含む一方的な試合内容となった。試合で何が起こったのか、振り返ってみたい。

 パーラは27歳と意外に若く、KO率も65%と、この階級にしてはかなり高い。数字の上では、私の抱いていたイメージとは異なっている。
 一方のアスロウムは、26歳とパーラと一つしか違わない。KO率は37%、これはまぁ普通だろう。
 数字の上で、両者の体格差はほとんどない。試合開始のゴングが鳴り、実際にリングの上で対峙した両者を見比べても、その印象は変わらなかった。

 1ラウンド、アスロウムがいきなりサウスポースタイル。右利きのアスロウムがサウスポーで戦うことは今までもあったが、最初からというのは始めて見た。アスロウムが、インタビュー記事で「自分は、サウスポーの方がバランスが良くなるんだ」と語っていたことを思い出す。
 右利きがサウスポーで戦う場合、利き腕で放つ右ジャブは威力が大きいが、左ストレートはさほど強くなく、KOパンチにはなり難いというのが普通だ。一般的なワン・ツー(右・左)ではなく、右ジャブから右フック、あるいは逆ワン・ツー(左・右)を狙っているのだろうか。
 しかし、1ラウンドはアスロウムはほとんど手を出さず、パーラがガードの上とは言え好きなようにポンポン打ち続ける展開になった。

 2ラウンド、さすがにセコンドから言われたのか、アスロウムが前に出てパーラを追う動きで始まる。しかし、前に出した右足の運びがギクシャクしている。膝にバネがないのだ。追われているパーラの方が、明らかにフットワークが滑らかである。
 ロープを背にしたパーラだが、右回りにサークリングしてリング中央へ。それを追ってアスロウム間合いを詰めてくるところを、待ち構えていたかのように、パーラがいきなりの右を繰り出す。アスロウムも一瞬遅れて右を出したが、これで結果的にパーラの右がカウンターの形となった。
 アスロウムの下アゴをこするように当たったパーラの右拳は、そのままアスロウムの喉元を捉え、返しの左フックがテンプルのやや上を打ち抜く。アスロウムは、もんどりうつようにしてダウン。

 カウンターで連打を喰ったとはいえ、アスロウムの倒れ方がやけに派手だったのが気になってスローで確認したら、パーラは右拳を繰り出しながら左足でアスロウムの右足を踏んでいた。しかも、パーラは左フックをフォローすると同時に小さくステップバックをして、アスロウムの右足の上から自分の左足をどかしている。意図的にやったとしたら、とんでもない名人芸だ。

 このあと、パーラは連打で一気に攻め立てる。しかし、そのほとんどが頭部を狙った左右のフックなので、アスロウムのガードに阻まれてクリーンヒットしない。その連打の合間を縫ってアスロウム放った一発の右フックがカウンターでパーラの顔面を掠めたその瞬間、試合の流れが逆転するかと思われたが、これは当たりが浅かった。と言うより、アスロウムの腕が伸びていなかった、縮こまっていたと言うべきだろう(より正確には、ナックルが返っていなかった)。
 一度ラッシュした後、パーラは無理に倒しには行かない。アスロウムも守りを固めたままで、2ラウンド目終了のゴングが鳴った。

 3ラウンド、アスロウムは足を使うわけでもなく、クリンチに行くわけでもなく、ただパーラの正面に立ってガードの上を打たれ続ける。そのほとんどはブロックできているものの、時折交えるパーラのボディブローは、危険な角度を見せている。パーラが、アスロウムの両ブロックの更に奥、耳の辺りを狙った一発をクリーンヒットさせる場面もあった。

 4ラウンドから、アスロウムは前進を再開するが、後退しているパーラの方が手数が多い。そして、前進していたアスロウムが、いつの間にかガードの上からとは言えパーラの連打を受けて後退するという展開が繰り返される。
 5ラウンドはアスロウムが右フックを強振する場面もあったが、クリーンヒットの数ではパーラが上回る。
 6ラウンド目に入っても流れは変わらず、パーラが自分の距離、自分のリズムで試合を支配し続ける。

 本来、リーチもタイプも同じである両者は、戦う距離も同じ筈である。にもかかわらず、クリーンヒットは少ないものの、パンチをより強力に、より多く相手にコネクトさせているのは明らかにパーラの方なのだ。これは、パーラが距離は同じでも占位において勝っている、すなわちリング内で相手より有利な場所を確保し続けているからに他ならない。
 アスロウムはガードを固め、相手が連打の中でミスブローしても後に退がるだけ。それに対し、パーラは相手が右を強振するところをダッキングでかわし、相手の右側に回り込む。右を振ったアスロウムの右サイドは、パーラにとっては安全地帯、アスロウムにとっては死角である。パーラはそこを占位した瞬間、お返しとばかりに左フックを見舞う。
 このパーラの反撃が仮にクリーンヒットしなかったとしても、また仮に両者の手数が同じだったとしても、ジャッジに与える印象はパーラのほうが良いに決まっている。それが、リング・ジェネラルシップ(主導権支配)というものだ。

 7ラウンドは、アスロウムが初めて手数で上回ったラウンドとなった。ジャッジがアスロウムにポイントを与えてもおかしくはない。しかし、両者ともクリーンヒットはほとんどなく、ラウンド後半、ガードの上からより強いパンチを打ち込んでいたのはパーラの方だった。

 8ラウンド開始早々、パーラの放ったボディブローの連打のうち一発が、アスロウムのレバーを捉えた。真っ直ぐに後退したアスロウムは、このラウンド、ほとんど前に出られなくなる。
 9ラウンド、打たれたレバーを相手から遠ざけるためか、アスロウムがこの試合初めて本来のオーソドックスに構える。アスロウムは前に出て手数を出すが、フットワークがぎこちない。スルスルとサークリングを交えて後退するパーラを捉えることが出来ず、逆にガードの上から強い連打を受ける。
 1分以上を残したところで、アスロウムはサウスポースタイルに戻し、その後また短時間ではあるがオーソドックススタイルを取った。これは相手を惑わすというよりも、アスロウム自身が戸惑っているように見えた。
 アスロウムは積極的に手を出しているものの空振りが目立ち、文字通り空回りしているという印象だ。一方のパーラは、手数は少ないものの、クリーンヒットの数では上回っていた。

 10ラウンド、無意味とも思えるスイッチを繰り返すアスロウム。パーラは、そんな迷いを見せるアスロウムに対し、ベルトラインぎりぎりのボディブローを打ち込んだり、後退しながらのアッパーでアゴを撥ね上げたり、要所要所でクリーンヒットを決める。
 パーラはラウンド終盤ではヒットアンドアウェイの動きに切り替え、ゴングが鳴ってコーナーに戻る際には笑顔を見せて余裕をアピールした。

 11ラウンドに入ると、スタミナを充分に残しているパーラは足を使ってヒットアンドウェイを行う。アスロウムも懸命に追うが、空振りしたところを完全に後ろに回られるなど、翻弄されるという表現を使いたくなるような展開となる。
 パーラのジャブがガードの間を縫ってアスロウムの顔面を小突き、アスロウムが反撃の拳を振るったときには既にパーラは射程圏外に出ているというパターンが繰り返された。

 最終ラウンドが始まると、パーラは当然のように逃げ切り態勢に入る。自分よりも余力を残している相手が逃げに回った場合、それをロープなりコーナーなりに追い込むと言うのは不可能に近い。アスロウムも諦めずに追い続けたが、奇跡は起こらなかった。

 アスロウムの敗因は序盤の手数の少なさと、手数を増した中盤以降もずっとポジショニングで劣位に立ち続けたことだろう。もちろん、2ラウンド目のダウンが響いていたことは言うまでもない。
 また、アスロウムはパーラと同じタイプのボクサーであったため、経験の差が出てしまったとも言える。アスロウムがパーラの足を止めるためにボディを狙わなかったのは、明らかに失策であった。


 果たして、日本期待の新星・亀田興毅は、パーラに勝つことが出来るのだろうか?
 煽り映像程度しか見たことがないので予想もままならないが、亀田(興)は左のボディ・ストレートでアランブレッドをTKOに追い込んでいる実績がある。しかし、今回のようなにリングの中を自在にサークリングするパーラのボディを捉えるのは、困難であるように思える。
 亀田(興)自身、WOWOWのインタビューにおいて、何人かの対戦予想選手の中ではパーラを最もやっかいな相手と認識している様子を見せている。
 アスロウムの敗戦により、亀田(興)のWBAランキングは4位に上がった(2005年12月21日付けのもの)。パーラが引退でもしようものなら、王座決定戦に選ばれる可能性もある順位だ。

 個人的には、亀田(興)には好不調の波が大きいパーラよりも、「アスロウムは話にならへん。アイツは絶対弱いで」とコキ下ろしていた、そのアスロウムと対戦して欲しい。パーラに惨敗したことで大きく株を落とした観のあるアスロウムだが、そのルックスと金メダリストという経歴がもたらすスター性は健在だ。日本で亀田(興) VS アスロウムが実現したら、ノンタイトルでも会場に脚を運ぶつもりである。

肩こり解消法

肩こり解消法

 半年振りくらいに僧帽筋のトレーニングを再開して、ふと思い出したことがある。
「あ、私はコレで肩こりから開放されたんだっけ」

 コレというのは、シュラッグ(ショルダー・シュラッグ)という筋力トレーニングのことである。
 30歳までの私は、1年中肩が凝っている人だった。しかし、筋力トレの一環としてシュラッグをやるようになってから、3ヶ月ぐらいで肩こりがすっかり消えてしまった。それ以降、肩こりとは無縁の生活を送っている。

 ここ半年間はシュラッグをサボっていたし、それ以前にも3ヶ月くらいのトレーニング空白期間を作ってしまったことが何度もあったけれど、肩こりが再発したことは一度もない。
 多分、3ヶ月間シュラッグを行なえば、後はラジオ体操程度の運動だけで、一生肩こりから開放されるんじゃないかと思う。

 シュラッグは、私が知る限り、最良の肩こり解消法である。
それは何故か?
 「肩こり」とは「僧帽筋の疲労が酷い状態」のことであり、シュラッグはその僧帽筋を強化するトレーニングだからである。
 僧帽筋が弱いから、僧帽筋が疲れて「肩こり」となる。僧帽筋が強くなれば、僧帽筋が余り疲れなくなり、肩が凝らなくなる。
 単純にして明快、文字通りの根本治療なのだ。

 おまけに僧帽筋は、比較的簡単に強化できる(私は半年もしないうちに、左右合わせると自分の体重と同じ重さとなるダンベルを持ってシュラッグを行なえるようになった)。それでも、普通にしていると外見上は僧帽筋が大きくなったようには見えないのがチョット残念ではあるが、女性にとってはむしろ好都合だろう。

 そんなわけで、肩こりに悩まされている人には、シュラッグをお勧めする。ただし、筋トレの基本を守らなければ逆効果になるので、最新の筋トレの本を1冊読むくらいの準備をするというのが大前提となる。
 フォームは何種類か提唱されているが、初心者は単純に「肩を耳に付けるつもりで挙げる」で良いと思う(そのとき、僧帽筋を後ろから他人に触ってもらうと、ちゃんと僧帽筋を使っているか確認できる)。ちなみに私は「僅かに前傾し、やや肘を後ろに引き気味にして肩を真上に挙げる」というフォームでやっている。

季刊 ハードゲイナー通信 故障からの復活号

『季刊 ハードゲイナー通信 故障からの復活号』
(通算第1.5号)

 ハードゲイナーとは、「ハードなゲイ」のことではなく、「体重が増えにくい(なかなか増やせない)人」のことを指す用語である。この反対語はイージーゲイナー、即ち「体重が増えやすい(容易に増やせる)人」だ。
 ハードゲイナーは脂肪も付きにくいが、筋肉も付きにくい。イージーゲイナーはその逆で、脂肪も付きやすいが筋肉も付きやすい。人間、生まれてくるならイージーゲイナーの方が絶対に得である。しかし残念なことに、私はハードゲイナーなのだ。
 この『季刊 ハードゲイナー通信』は、そんな私が体重を増やそうと悪戦苦闘、試行錯誤を続ける中での一里塚である。今回は、『故障からの復活号』ということで、写真は無し。次回は、ゴールデンウィーク明けを予定。

 2006年2月2日
 身長175cm 体重60.3kg 体脂肪率13%
 (最終目標 体重68.5kg 体脂肪率16%)
 状態:クレアチン摂取中止して3ヶ月経過

 体重が減っているが、これは当然。故障のため、約2ヶ月間、筋トレを休止していたのだ。
 去年の11月29日、ミリタリープレスをワンハンドでやっているときに、僧帽筋(下部)に痛みが走った。その時はそれ程でもなかった痛みが、時間の経過と共に酷くなっていく。以前ギックリ腰をやったときの感覚に似ていたので「これは駄目だな」と覚悟していたら、案の定翌朝目覚めたときには“背中がギックリ腰”状態になっていた。布団から出ようとして、仰向けの状態から腹ばいの体勢に移行するだけでも5分以上の時間を要するという有様だった。
 水曜・木曜と2日連続で会社を休み、土・日も安静にして過ごし、月曜以降は休まずに出勤した。しかし、とても筋トレを行なえる状態ではない。
 はぼ痛みがなくなったのが、クリスマスの頃。筋トレを休止したまま正月休みに入り、ごく軽いトレーニングを再開したのが1月10日。そして漸く今、筋肉の動きのイメージを取り戻しつつあるところだ。

 筋トレ休止中は間食も休止していたので体重が減るのは当然だが、約2ヶ月で2kg以上も減というのは、少し減り方が大きい。11月の時点での体重62.5kgのうち、1kg近くはクレアチンで身体が水分を溜め込んでいた分だった可能性がある。ゴールデンウィーク明けからクレアチン摂取を再開するので、その直前にデータを取ってクレアチンの影響を確認しようと思う。

 僧帽筋(下部)を痛めた原因は、ハッキリしている。
1.主な筋肉群のうち、僧帽筋だけトレーニングを行なっていなかった。
2.極端に左右非対称なフォームで、ワンハンドのミリタリープレスを行なった。
3.ワンハンドのミリタリープレスを行なう前の、ウォーミング・アップが不十分だった。

 普通のショルダープレスでは収縮感がイマイチなので、ミリタリープレス(最初から最後まで手のひらが内側を向いている)に取り組んでいたのだが、これを極端な半身の姿勢になってワンハンドで行なったのがいけなかった。学生時代にやっていたバスケのセットシュートの感覚でやったのだが、ウェイト・トレーニングでは危険なフォームだった。
 トレーニング再開後も、通常のワンハンド・ミリタリープレスを行なっていたが、今日からアーノルドプレスに変更した。収縮感は、ミリタリープレスと同程度だと思う。

 ベンチプレスは、一昨日の時点でMAX25kg(シャフト除く)×10である。冗談みたいだが、本当にこれだけしか挙がらない。冬期は全種目で重量が下がるし、クレアチンをOFFにしている影響もあると思うが、9月の時点でMAX40kg(シャフト除く)×7が出来ていたのと比べると、弱まり過ぎ。何とか2月中に9月の時点のレベルに戻したい。ただし、故障予防のためピラミッド法を用いることにしたので、MAX40kg(シャフト除く)×5といったところになるだろう。

 現時点で、最も意識しているのは、故障明けの僧帽筋である。僧帽筋は、ダンベル・シュラッグで片方30kg(シャフト除く)×12が出来るようになってから面倒くさくなってトレーニングをサボっていた。その一方でローイングやチンニングは続けていたため、背中の筋肉のバランスが崩れていたのだと思う。
 現時点では、ピラミッド法でMAX片方20kg(シャフト除く)×12という軽めのメニューでやっている。これでも、握力的にはけっこうギリギリである(僧帽筋的には余裕有り)。片手でも簡単にセットできるリストストラップを購入して、とりあえずピラミッド法でMAX片方25kg(シャフト除く)×10までもっていきたい。

 トレーニングの最大の目的は「体重を増やすこと」であるが、最大の注意事項として「故障しないこと」を改めて掲げる。
 今日、僧帽筋は「背中の日」に鍛えることが主流になっている。私も、トレーニングの効果を高めるためにはそうするべきだと思う。しかし、私はそうしない。
 私は三角筋を鍛えている最中に僧帽筋を故障してしまった。当分の間は、先ず僧帽筋を暖めて、次に三角筋を暖めるという手順でトレーニングを行なうことを基本にする。いわゆるスーパーセットとはまた違うが、出来るだけインターバルを置かずに僧帽筋→三角筋→僧帽筋→三角筋…というセットで行なう。1月の間に試してみて、自分にとってはこれが一番故障防止になるという感触を得たのだ。
 最後に、2006年の体重の目標を記す。

 3月…60.5kg
 4月…61.0kg
 5月…61.5kg
 6月…62.0kg
 7月…62.5kg
 8月…63.0kg
 9月…63.0kg(まだ一度もなったことがない体重なので、ここで停滞するはず)
 10月…63.0kg
 11月…63.5kg
 12月…63.0kg(冬期はどうしてもトレーニング強度が下がるため、維持は困難)

 クレアチンで身体が膨らむとしたら、6月以降はこれに1kgぐらいプラスされると思うのだが、さてどうなることやら。とにかく、故障だけは二度としないように、温めのトレーニングを継続したい。

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震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。