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2006-01

『仮面ライダー響鬼』の最終的な総括 …「異色作」を越えて「失敗作」に成ることが出来た僥倖な作品だったのかも

        『仮面ライダー響鬼』の最終的な総括
「異色作」を越えて「失敗作」に成ることが出来た僥倖な作品だったのかも

 私はオッサンであるが、子供向け番組が全体的に好きだし、1作目の『仮面ライダー』直撃世代なので、仮面ライダーと冠されたヒーロー作品は、とりあえずチェックしたくなる。
 平成ライダーシリーズは『クウガ』からずっと観続けていたので、その流れで『響鬼』も第1話から観た。ヒーロー作品としては余り面白くなかったのだが、始めたばかりのブログに感想を連載していたこともあって、観続けた。

 【三十之巻の感想 】で、
「今回は、『響鬼』っぽくない印象で、むしろ『アギト』のようだった。これがいわゆる「番組の製作方針変更」とか、「スポンサーからのテコ入れ」だったら嫌だなぁ。」
と書いた。後で知ったが、この回から本当に製作体制が新しくなっていた。

 【三十一之巻の感想】を書いて、自分が何故、ヒーロー作品としては余り面白くなかった『響鬼』を観続けていたかのか、その理由が分かった。
 役者の演技が「高め安定」であることと、「魔化魍を退治する際のシーケンス」が好きあることが、最大の理由であった。
 新キャラ・桐矢京介の登場に抵抗を感じたのは、役者の演技力(台詞)の未熟さと、「明日夢、モッチー、あきらの友情物語」という高校生ドラマの進展が乱されることへの苛立ちからであった。
 この時点の私にとって、『響鬼』のテーマである(らしい)「ヒビキと明日夢の師弟物語」など、全く取るに足らない、どうでも良いことだったのだ。
 私にとって『響鬼』のドラマとは「明日夢、モッチー、あきらの友情物語」であり、ヒーロー作品としての魅力はヒーローそのものではなく、「ヒーローが登場するまでのシーケンス」という形式にあったのだ。(いずれも総体論であり、少数の例外はある)

 『響鬼』に関する違和感を明文化するため、ちょっと調べてみたら驚いた。
 バンダイの『お子さまの好きなキャラクターは何ですか?』の人気ランキング(男子総合)で、『響鬼』が平成ライダーとして初めてベスト10落ちしてしまっていた。それだけではない。
 『剣』の人気ランキングは過去のライダー作品よりも上であるのに、 『響鬼』は過去のライダー作品よりも低くランキングされてしまったのだ。現役のライダーが過去のライダー作品よりも人気が劣っているという事態は、おそらく前代未聞だろう。バンダイの担当者の顔が引きつったことは想像に難くない。

 29話でプロデューサーが交代した理由は明らかになっていないようだが、少なくとも健康上の理由等で自ら降板したとか、他の番組編成等が絡んだ人事異動でないのなら、仕事内容に問題があったということになる。
 30話以降の『響鬼』を観ると、予算やスケジュールを切り詰めて製作されていることが普通に伝わってくるので、やはり前プロデューサーは予算やスケジュールを「許容できないレベルで」超過したことによって降ろされたと考えるべきだろう。

 いずれにせよ、「前プロデューサーのやり方ではダメ」ということで呼ばれた新プロデューサーが、前プロデューサーの撒いた問題点を除去しなければならないのは当然である。一部の設定がリセットされ、後付けの設定が導入され、新キャラが登場した。
 さすがに暫くは違和感を引きずっていたが、そのうち私も新しい作風に馴染んできた。
 44話の時点で、29話までの『響鬼』と30話からの『響鬼』を採点比較してみたら 30話以降の方が明らかに高い評価が出たのには自分でもビックリした。

 そんな私でも、終盤のバタバタした展開には疑問を感じた。
 しかし、視聴率における『剣』の落ち込みと『響鬼』の踏ん張りを比較すると、『響鬼』終盤の選択は正しかった と結論せざるを得ない。
 『響鬼』を1話から完全にリセット(『響鬼』自身の完全新生!)することが出来るなら、こんな展開も有り得た かも知れないが、30話からのリセットでは、時間的な制限もあって、選択肢は少なかったということだろう。少なくとも、『龍騎』や『剣』と同じ局面になってしまった以上、見た目を違ったものに仕上げる必要があったことは理解できる。

 玩具が『剣』よりも売れておらず(平成シリーズ最悪の成績)、予算や納期の問題からプロデューサーを更迭しなければならないような状況にあったのなら、『響鬼』は29話で番組打ち切りにするべきだったと今でも思う。しかしその場合、『響鬼』は単なる「異色作」という印象だけを残し、私の記憶からは早々に消えていったような気がする。
 何しろ、25話(カッパの回)から28話までは、本当に内容が薄くて印象に残らない話(もっと端的に言うと、あってもなくてもどうでもいいような話)が続いていたのだ。今思えば「ぬるま湯に浸かったような」展開だった。
 30話以降、新しいプロデューサーが『響鬼』を手掛けたからこそ、それまで/そこからの『響鬼』の問題点が鮮明に浮き彫りにされ、作品を再評価する動きが起こったことは間違いない。あれがなかったら、『響鬼』は「気付いたら、何となく終わっていた」作品に過ぎなかったのかも知れない。
 プロデューサーが途中で変わったことによって、『響鬼』は「何となく物足りない異色作」から、「印象に残る失敗作」に成り上がった。そう私は思う。

 何度も書いてきたことだが、『仮面ライダー響鬼』は子供向け番組である。
 「5歳児がエロビデオを観て、その内容に関して文句を垂れる」ことは、例え法律がそれを許していたとしても、筋違いである。
 「中学生以上がスーパーヒーロータイムを観て、その内容(主に娯楽性)に関して文句を垂れる」ことも、同様に筋違いである。(親が自分の子供に対して監督義務を課せられている件に関しては割愛)
 思えば私も自分のブログ内であるとは言え、随分筋違いなことを書いてきた。私は「DX音撃棒セット」を始め様々な番組玩具を購入してはいるものの、作品から対象外とされている層に属する者であることに変わりはない。

 それでも、主力商品を買いもせずに、文句だけ言っていた人に比べれば、まだマシである。
 特撮番組のスポンサーになろうとしている企業の人間が読んだら、
「特撮番組には、こんな非常識な、クレーマーになりそうな、アブナイ視聴者がいるのか」
と思われる文章は書かなかったという自負もある。
 不必要ではあるが、有害ではない。今後も、この自分の在り方を守っていきたい。
 1年間『響鬼』を観続けて、そう強く思った。
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震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。