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2005-08

「平成仮面ライダーシリーズが『ガイバー』を元ネタにしている」ことに関して

「平成仮面ライダーシリーズが『ガイバー』を元ネタにしている」ことに関して

(遅れ馳せながら)祝! 『強殖装甲ガイバー』、WOWOWでTVアニメ放映開始!

 8月6日(土)から、WOWOWにて『強殖装甲ガイバー』のTVアニメ放映が開始された。連載開始時からの読者(当時は私もまだ二十歳、ピチピチの学生でした)としては嬉しい限りだ。
 単行本を学校に持って行き、クラスメートに読ませたら評判が良かったことを今でも鮮明に覚えている。

 最初に断っておくことがある。私は “悪の側と由来が同じ”ヒーロー、“巻き込まれ型”ヒーロー という記事で「ワンセブン、ガイバー、クウガは、“悪の側と由来が同じ”&“巻き込まれ型”ヒーローであり、日本のヒーローものの王道を行っている?と言えます」と書いたが、このタイプのヒーローは日本が元祖というわけではない。
 私はリアルタイムでは観ていないのだが、日本では1968年に『キャプテン・スカーレット』が放映されている(イギリスでは1967年放映)。この作品は地球を守る組織の隊員が色分けされており、主人公は“悪の側と由来が同じ”なのだ。
 この『キャプテン・スカーレット』が、『ゴレンジャー』と『仮面ライダー』の部分的な元ネタになっていることは想像に難くない。ちなみに、『仮面ライダー』の漫画版において、一文字号ライダーは洗脳済みの悪の手先(ショッカーライダー)として送り込まれ、戦闘時(事故)のショックによって自我を取り戻している。これは、キャプテン・スカーレットの設定そのまんまである。(ついでに言えば、漫画版の本郷は怒りが昂ぶると顔に手術痕が浮かび上がるが、これは『虎よ!虎よ!』が元ネタと思われる)

 さて、本題に入ろう。
 私は以前から「平成仮面ライダーシリーズは『ガイバー』を元ネタにしている」と感じていたが、それを具体的に挙げてみる。

 まずは、『クウガ』から。
(1)変身アイテムが遺跡から発見された物体であり、現在の人類によって造られた物ではない。
(2)最初に装着した際、アイテムが装着者の体の内部に入っていく。
(3)変身アイテムは、当初は独立したユニットとして登場するが、主人公が装着後は、主人公と分離することが不可能となる。
(4)変身時、生体装甲(生体甲冑)が形成される。
(5)生体兵器(生物兵器)という概念。
(6)物語の途中でヒーローが死亡、その後復活する。
(7)物語の途中で、追加装甲というコンセプトの強化アイテムが登場する。
(8)ヒーローの最強の攻撃技は威力が強すぎて、市街地で使うと大きな被害が発生してしまう。

 これらは全て『ガイバー』で展開された要素であるが、その後に放映された『クウガ』にも同様の要素が入っている。『クウガ』の場合、『ガイバー』のパクリという部分はないものの、かなり元ネタとして使っているというのが実感である。

 次に、『アギト』。
(1)ギルスのデザイン。余りにもガイバーに似ている。『ガイバー』側の許可を得ていないなら、パクリと言える。
(2)変身する度に肉体が消耗するキャラクター。
(3)人類の創造主という概念。
(4)主役ヒーローと属性を同じくする、ダークサイドのヒーロー(洗脳されているわけではなく、自分の意思でダークな行動をとる)。

 『アギト』の場合は、ギルスに尽きると言ってもいい。刃物が肘ではなく踵に付いているところも、パクリのイメージを増加させている。『ガイバー』側の許可を得てるんでしょうね?と突っ込まずにはいられない。

 続いて、『龍騎』。
(1)変身アイテムが、最初から複数個(一定数)存在する。
(2)変身アイテムは、誰でも使える(変身アイテムを手に入れたら、誰でも変身することが出来る)。
(3)変身アイテムは、変身する者に合わせてカスタマイズされるが、外部からの影響によって初期化することも可能。
(4)ボスキャラのデザインとイメージ(オーディンは、アルカンフェルに似ている)
(5)変身中に○○が壊れると、変身している人間は△△に喰われてしまう。

 『龍騎』の「あのシーン」を観て、『ガイバー』のパクリだと思わなかったガイバーファンはいないだろう。あれは衝撃的なパクリであった。
 あと、変身アイテムが単なる装置で、使用する人間を選ばず(訓練等を行っていない素人でも使用可能)、しかも最初から複数存在するというのは『ガイバー』独自のアイディアだったのではないだろうか。ただし『龍騎』では、使用者が死亡した場合、変身アイテムを他人が使用できるようになる。この点は、『ガイバー』のガイバーユニットの設定とは異なっていると思われる(『ガイバー』においては、殖装していない状態のガイバー使用者が死亡したケースがまだない)。

 『555』では、巨大企業が実は悪の組織というパターンや作品の雰囲気が『ガイバー』を連想させることもあった。しかし、その部分は『ガイバー』を引き合いに出すよりも、『メタルダー』を引き合いに出すべきとも言える。
 個人的には、『555』に『ガイバー』を元ネタにした部分があるとは思っていない。(ぶっちゃけ、『555』は好きではなかったので、印象に残っていない)

 次の『剣』では、明らかに『ガイバー』を元ネタにしている部分があった。
(1)敵の中に、他とは全くタイプの異なるものが存在する。
(2)その敵は、相手の情報を読み込み、その相手の姿と能力をコピーすることが出来る。(相手の情報を入手したら、「それ」に変身することが出来る)
(3)その敵が、主人公の仲間になる。

 要するに、『剣』のジョーカーは明らかに『ガイバー』のアプトムを元ネタにしている、ということ。ジョーカーの造形を初めて見たとき、アプトムの「カブラール・バージョン」に似ていると思ったのだが、改めて見直すとそれ程でもない。設定が似ていると、デザインも似ているように感じてしまうということか。

※サンドマンさんのご指摘により8月20日に追記(ここから)
(4)変身時、衝撃波によって付近のものを弾き飛ばす。

 これを忘れていました。ブレイドの変身シーンでこれを見た瞬間、「あ、『ガイバー』の“殖装衝撃波”のパクリだ!」と思ったものです。
 ライダーは変身時には隙が出来るというのがお約束だったのに、それをこういう形で破るとは、良い意味で大胆だなぁと感心しました。『ガンダム』におけるライトセーバーのパクリと同じくらい大胆です。
※サンドマンさんのご指摘により8月20日に追記(ここまで)

 そして、『響鬼』。
(1)斬鬼、轟鬼の顔のデザインが、ガイバーIに似ている。
(2)カッパの武器と使用時の描写は、獣化兵(損種実験体)・ソムルムのパクリ。

 斬鬼、轟鬼の顔のデザインは、他の鬼とは明らかに異なっている。このことから、この件はパクリというよりオマージュあるいは「『ガイバー』さんには、お世話になってます!」といったメッセージのように感じられる。
 実際、カッパのアレは、ソムルムの明らかなパクリ。ちなみに、描写としては元ネタであるソムルムの方がシリアスである。

※サンドマンさんのご指摘により8月20日に追記(ここから)
(3)変身時、360度無敵状態になる。変身時、一定距離内にいるものは変身の際に発生するエフェクトによってダメージを受ける。

 ガイバーを殖装する際、殖装者の体表付近から衝撃波が発生し、周囲のものを吹き飛ばす。変身時、360度無敵状態になると同時に、変身すること自体が周囲に対する攻撃になるのだ。「ヒーローが変身するときは隙だらけなのに、そこを狙って敵が攻撃しないのはおかしい」という指摘に対する完全な回答である『ガイバー』における変身方法は、コロンブスの卵というべきオリジナル・アイディアだ。
 『剣』同様、『響鬼』の変身シーンも『ガイバー』を元ネタにしていると言って然るべきだろう。
 ライダーが変身時に一瞬無防備になるというのは、ハラハラさせるという要素から魅力の一つ(効果的な弱点)になると思うので、次回作では『ガイバー』方式の変身から脱却して欲しいと思う。
※サンドマンさんのご指摘により8月20日に追記(ここまで)

 単行本が最新刊一冊しか手元にない状態でも、これだけの実例を挙げることが出来た。
このように、『ガイバー』が平成仮面ライダーシリーズの元ネタになっている(されている)ということは、『ガイバー』がマイナーな存在ながらも優れた作品であることの証明に他ならない。今回WOWOWでTVアニメ化されたことを機会に、特撮ファンの間にもっと広く認識されるようになってもらえたら…と思う。
 TVアニメ化に合わせて、新装丁の単行本が発売されているのも嬉しい限り。ファンとしては、もちろん両方ともチェックしていくつもりだ。
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震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。