2005-04

『仮面ライダー響鬼』 十三之巻

『仮面ライダー響鬼』 十三之巻

【 観る前に思ったこと 】

 今回で1クールが終了。新しい展開に向けた動きが始まりそうだ。敵が本質的にパワーアップするのか、複数化するのか、組織化するのか? 番組のシンボールマークにちなんで、三つ巴の様相を呈するとか? 
 ダブルライダーに対抗してダブル魔化魍が登場して欲しいと以前書いたが、複数種類同時登場の場合は、童子と姫の役者さんが大変そう(もう一組、別の役者さんに演じてもらうというのも勿論ありだが)。
 鎧化した童子たちの再登場はないのだろうか? 威吹鬼が、鎧化した童子たちを相手にした時、どうなるのかとかも見てみたい。強化された童子たちに音撃を喰らわすという戦いも面白そう。
 「猛士は魔化魍の数を調整するために“間引き”をしているだけで、その実態は“魔化魍保護団体”である」という設定ではなさそうだ。それなら、猛士が魔化魍退治の抜本策を考えているというところを出すべき。野生の熊や猿といった“害獣駆除”でも、抜本策の検討は(それがすぐに可能かどうかは別にして)なされている筈である。お父さん世代の視聴者としては、そういうリアリティを大切にして欲しいと思う。
 十ニ之巻ではけっこうハッピーだった明日夢だが、次回は急病という災難に。運び込まれた病院で、何か運命的な出来事が? バケガニ戦で負傷した怪我を治療・リハビリ中の斬鬼と出会ったりしないかな? あと、明日夢の父親の話って、まだほとんど出てきてない。これも一寸気になるところではある。

【十三之巻の感想 】

 今回は予想が当たったり外れたりで、個人的には観ていてウハウハな回でした。
 まず、威吹鬼と武者童子(鎧化した童子)の顔合わせが実現。ただし、武者童子は乱れ童子へと早々にモードチェンジして共食いを始めてしまったので、武者童子としての対決は無し。
「共食いするなら、とりあえずやらせとこう」と傍観を決めていた威吹鬼が、そのまま乱れ童子を取り逃がしてしまうのは“お約束通り”か。
 続いて、3人目の鬼が登場。こちらは予想が外れて弾鬼。カラーリングは威吹鬼で、ボディのデザインは響鬼な感じ。前回の鬼ファイルでは、確かイメージカラー(隈取カラー)が黄色だったような気がするのだが。音撃棒は、響鬼のものとはディティールが異なっているようだ。
 声やアクションが、響鬼や威吹鬼よりも昭和ライダーっぽいというか、宇宙刑事っぽい。響鬼を見慣れている今となっては、むしろ弾鬼の東映ヒーローっぽさに違和感を感じてしまう。
 そして、「強化された童子たちに音撃を喰らわすという戦い」も実現。威吹鬼の音撃は、硬い外殻を持つ相手には効果が出難いらしく、乱れ童子に致命傷を与えることが出来ない。格闘能力において響鬼に劣ると思われる威吹鬼、これでは勝ち目はない! かと思いきや、ウブメの乱れ童子は空を飛べる代わりにパワーは普通の童子並で、格闘戦では威吹鬼と互角。
 それでも威吹鬼の背後を取った乱れ童子が、必殺技の噛み付き。他の童子たちを噛み殺したときと噛み付く個所が違うのはお約束だけど、とにかく威吹鬼ピーンチ!
 他にも、
・関東支部の鬼のシフト表の上から数えて3番目の鬼と7番目の鬼は同じ音撃の使い手であるらしいこと(シフトの入れ替わり方から推測)。「3、4、8、11番目」と「4、7、8、11番目」の組み合わせで、「太鼓、ラッパ、弦」の使い手が揃っていること。斬鬼は少なくとも4月一杯はお休み。
・「今日は、少年に頼みがあってさ」と言うヒビキを見て、「私も私も私にも」ビームを両目から出しまくっているモッチー。
・鬼よりも手際良く童子たちや魔化魍を退治していく乱れ童子を見て、立場がなさそうな弾鬼。
・白い上着を着て「エンディミオ~ン」な感じのイブキ。でも、変身の際に一瞬ヌードにならなくなったのはいかがなものか。
・意外に巨乳な感じの姫。今度は前を向いたまま変身して欲しい。
など、見所の多い回だった。
 あと、明日夢の腹痛の原因が、実は音角をいじった影響とかだったらいいのになと思った。

【小学一年生の心で学び直したこと】

 腹痛と風邪には気をつけましょう。

【 次回予告を観て思ったこと 】

 明日夢の点滴棒?を支えてくれた男性は何者?
 明日夢の母が病院で会った緑の人は、モッチーのお兄さん?
 ダブルライダー、早くも再登場。できれば、響鬼と弾鬼の“ダブルドンドコ”の方が嬉しいのだが。

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 『響鬼』に関して以下のコラムを書きましたので、こちらも読んでいただけたら幸いです。

4/18 up 『仮面ライダー響鬼』3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える その2
4/13 up 新しいディスクアニマルを、ネタばれ無しで考える
4/10 up 『仮面ライダー響鬼』3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える
4/3 up 『仮面ライダー響鬼』ハリウッド映画化計画! を考える
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ミゲール・コット VS デマーカス・コーリー 他1試合

  WOWOW『Excite Mach』 
               2005年4月18日 20:00~ 放送分


     マーティン・カスティーリョ VS エリック・モレル

 試合前、フライ級から上がってきたモレルの方が、チャンピオンのカスティーリョよりも体格的に勝っていることが紹介される。リング上でも、確かにモレルの方が大きく見える。1ラウンドは、そのモレルがリーチ差を確認するかのように左ジャブを当てる。
 しかし、2ラウンドの後半辺りから、カスティーリョの手数が出始める。一発で倒すようなパワーはないが、数と技術がそれを補う。
 4ラウンド、カスティーリョはモレルに右腕をホールド気味に抑えられている状態から、左のみのコンビネーションで突き放してしまうという芸当も見せた。モレルも単発では良いパンチを入れるのだが、いかんせん数が少ない。
 12ラウンドが終わってみれば、ジャッジが3人揃って119-109というフルマーク寸前のスコアを付けてチャンピオンを支持。これぞ正しくユナニマス(全員が同意見、満場一致)・デシジョンといったところ。
 現在、全階級を通して最も層が厚いと言われているのはS・ライト級であるが、S・フライ級も粒が揃っている。前回の放送で登場したフェルナンド・モンティエル、イバン・エルナンデス、そして今回のマーティン・カスティーリョとエリック・モレル。日本の川嶋や徳山が、今彼らと互角のレベルにあるのか、直接対決で観せてもらいたい。


     ミゲール・コット VS デマーカス・コーリー

 2001年の後半から『Excite Mach』を観始めた私にとって、コットは最も感情移入の出来る選手だ。この試合も、どうしてもコットに肩入れして観てしまう。
 試合前の予想は、スピードならコーリー、パワーならコット。コーリーがヒットアンドアウェイで攻勢点を稼ぎ僅差でポイントアウトするか、それをコットが途中で捕まえて倒すかのどちらかではないか? しかし、地元開催、しかも超満員の会場というセッティングを見て、それがコットにどういう影響を与えるのか、一抹の不安が頭をよぎる。
 リングに上がったコットは、普段はポーカーフェースを被せている顔に、強い厳しさを貼り付けていた。それは厳しさを通り越して、むしろ怒りと言った方が良いかもしれない。いつものコットとは、様子が異なる。

 1ラウンドが始まると、スピードでもリーチでも勝るコーリーに対し、コットは自分から積極的に仕掛けていく。結果的に開始早々にフラッシュダウンを奪ったことでラウンドをものにしたが、力んで攻防共に雑になっている感は否めない。ゴング終了後、レフリーの体越しに一発見舞うところなどは、いつものコットではないことを如実に物語っている。

 2ラウンド、コットのパンチがローブローとなって1点減点。試合再開後、両者ともグローブを合わせる挨拶をしようとしない。
 コットが分りやすい前進を続けているため、コーリーは特に自分から足を使わない。相手を呼び込み、ハンドスピード差・リーチ差を生かしたカウンターを常に狙っている。そして実際に、サウスポーから放つ右フックが、1ラウンドから再三コットの顔面を捉えているのだ。ハンドスピードが速くてナックルの返りが間に合わないのか、コーリーのカウンターはオープン気味。コットはそれに助けられているとも言える。
 この回には、コットが不十分なポジションから強引にコンビネーションを繰り出してミスブローした間隙を突いて、コーリーが左フックがカウンターでクリーンヒットさせた。

 3ラウンドもコットは前進を続ける。
 今日のコットはポジショニングが悪いだけではない。いつもはコンパクトなパンチの軌道が、やや大振りになっている。そのため、右フックに右フックを合わせられるというパターンを何度もあった。
 そしてこの回、コットが遂に強烈な一撃を当てられてしまう。コットが、全く有効ではないポジションからワン・ツーを繰り出すという大きなミスを犯したためだ。コーリーが、コットのワン(左ジャブ)を僅かな移動で捌くと同時に右フックを放つと、これがカウンターとなってコットの左テンプルを直撃。コットのツー(右ストレート)は、誰もいない空間へと流れていく。
 コットはこの一撃であわやダウンかと思われたが、何とかコーリーの体にしがみ付く。しかし、ブレイクで仕切りなおしになった時点で、残り時間は2分以上も残っている。コット危うし!
 ここで、コーリーは一気に行かない。コットは、前回の初防衛戦でカウンターを決めてダウンを奪っている。そういったことを警戒しているのか、強引なラッシュを仕掛けない。相手のガードの隙間を狙って1発また1発と丁寧にパンチを打ち込む。慎重になっているとも、余裕を見せているとも取れる攻め方だ。
 何とかダウンを逃れたコットだが、さすがに前進する力はない。ひたすら退がり、コーリーのジワジワした攻めを耐え忍ぶ。3分間ほぼ全般に渡って攻め込まれ続けたものの、コットはこのラウンドを凌ぎ切った。

 4ラウンド、1分間のインターバルでかなりのところまで回復したコットは、再び前進に転じる。ただし、3ラウンドまでのような強引な攻めには出ない。ガードを固め、自分の距離(または自分のポジション)に入るまでは手を出さない。相手の距離にいるときに、ガードの上をうるさく連打されても、その場所からは手を出さないのだ。
 「コットの距離」とは、コーリーにとっては近すぎて右フックを奔らせることの出来ない距離である。逆の見方をすれば、コットはガードを固めたまま「コーリーの距離」を突破してしまうのだ。このため、コーリーの右フックがコットのガードにブロックされたり、コットの肩の後ろに廻り込んでしまうことが目立ってきた。
 コーリーが突然カウンターを取り難い状況になったことと、彼があからさまなローブローを放ったことは、無関係ではないだろう。

 5ラウンドに入ると、コットは完全に本来の自分を取り戻す。
 ガードを固めたコットは、コーリーがリーチとハンドスピードを生かすことが出来なくなる距離まで接近すると、その距離でコンパクトなパンチを上下に打ち分ける。コーリーも反撃するが、ナックルパートを強く命中させることが出来ない。後退しながら放つパンチは、そのほとんどがガードの上を叩くだけで終わる。
 コーリーが嫌がっているのが伝わってくる。メイウェザー戦では、根性を剥き出しにして12ラウンドを戦い抜いたコーリーが、今は5ラウンド目にして嫌々試合を続けているように見える。ロープを背にして上体を起こされてしまったコーリーが、上下のコンビネーションを喰らってしゃがみ込むようにダウンしたとき、事実上この試合は終わっていたのかもしれない。
 このラウンド2度目のダウン直後にTKOを宣告されたコーリーは、リング上で憤懣やるかたないといった表情を見せた。しかし、その眼には、既に闘志は宿っていなかった。コーリーの心にわだかまっていた怒りは、判定を下したレフリーや対戦相手のコットに向けられたものではなく、決定的な一打を受けていないのにロープの上に座り込むところまで戦意を失っていた自分自身に向けられたものだったのではないだろうか。口を真一文字に結び、やり場のない眼差しを彷徨わせているコーリーの様子は、見ているこちら側も切ない気持ちにさせられた。

 結果論ではあるが、3ラウンドに2分以上を残していながら詰めきれなかったコーリーと、5ラウンド残り30秒から詰めきったコットの差が出た形となった。
 また、サウスポーのコーリーが右フックでコットのボディの左側を打つことが多かったことに対し、コットは左フックでコーリーのレバーを叩いてダウンに繋いだ。このボディブローの差も、勝敗を分ける一因だったと思う。
 勝ったコットも、表情は厳しかった。この苦戦を制したことで、プエルトリコの若武者がまた一つ成長したことは間違いない。しかし、減量苦が伝えられるコットは、果たしていつまでこの階級にとどまっていることが出来るのだろうか? 彼は、黄金期を迎えているS・ライト級の真の頂点へと登りつめることが出来るのだろうか?

『ゴジラ200X 大地の聖獣』

   『ゴジラ200X 大地の聖獣』

  (2000年01月11日(火)頃に書いたものに、ごく一部加筆修正したもの)

 『三大怪獣』への自分なりのオマージュが、『ゴジラ200X 大怪獣大江戸決戦』。
 『ゴジ逆』への自分なりのオマージュが、『ゴジラ200X 対怪獣民間部隊、出動!』。
 今回の『ゴジラ200X 大地の聖獣』は、『モスラ対ゴジラ』への、自分なりのオマージュです。
 今回は、細かいことはあまり考えずに娯楽性を追求し、007風というか、アニメ風というか、ちょっとコミカルで「大人が童心に帰って楽しむ娯楽映画」というコンセプトでいきたいと思います。言うなれば、「ケレン味たっぷりの大胆な空想怪獣活劇」です。
 もちろん、『モスラ対ゴジラ』のオマージュなので、メルヘンのテイストも取り入れたいのですが、これが活劇と上手く融合させることができるのでしょうか…(自分でもチョット不安)。
 それではまず、主な登場人物の紹介から始めます。役名は決めていません。
 
木村拓哉 …
 普段は普通の?刑事だが、実は政府から特殊な権限を与えられている特命刑事。自信家で自分勝手なところもあるが、実力も伴っている。007ばりに、多種多様なアイテムを使いこなす。

藤原紀香 …
 キムタクと同様の特命刑事で、キムタクとコンビを組んでいる。射撃の腕前はキムタクよりも上。キムタクとはケンカ友達のようでもあり、恋人同士のようもある。

佐野史郎 …
 キムタクと紀香の二次上司(課長に相当)。あまり表だった行動はとらないが、影で重要な仕事をこなす。キムタクや紀香でさえ実体を掴みかねている謎の人物。

東ちづる …
 キムタクと紀香の一次上司(係長に相当)。佐野さんとは対照的に、よく現場にも出向く行動派。一見庶民的だが、やはり謎めいた人物。

野波麻帆 …
 茶髪の婦人警官。なぜか彼女だけ制服がミニスカート。本作のマスコットガール的存在だが、要所で仕事もこなす。

江角マキコ …
 「自分が美しいと思ったものは何であろうと手に入れる」という美人怪盗。殺しは決してやらないが、それ以外に関しては結構エグい手口も平気で使う。ルパン三世ばりに多種多様なアイテムを使いこなす。変装の名人。

稲垣吾郎 …
 マキコとコンビを組んでいる怪盗。ただし、天才ハッカー兼金庫破りといった感じで、金品そのものにはあまり興味がない。マキコの暴力的破壊的な手口に眉をひそめながらも、淡々と自分の仕事をこなす「システム破り」の達人。高度な誘導催眠術も使いこなす。

マダムぴーす(特別出演)…
 宝石とゴジラをこよなく愛する大富豪の婦人。普段は優美だが、TVカメラを向けられると時としてとんでもない発言をすることも。

 では、あらすじです。

 豪華な屋敷の部屋の中央に飾られている、宝石で出来たゴジラの像。胴体は紫水晶、背鰭はサファイア、両目はダイアモンド(ゴジラ像のプロポーションはビオゴジ)。
 その周囲には、数名の警察官と、刑事が二人。キムタクと紀香の特命刑事コンビである。
「このゴジラは、世界に一つしかない貴重なものですの。特に両目のダイアモンドは、“ゴジラの涙”と呼ばれる世界最高級のもので…」
 マダムぴーすがキムタクと紀香に解説する。キムタクと紀香は、そんなに貴重なものなら金庫に保管するか、せめて周囲に防犯センサーを取り付けさせるよう進言するが、
「そんなことをしたら、私のゴジラをこうやってナデナデすることが出来なくなっちゃうでしょ」
と言って取り合わない。
 その時、部屋の照明が突然消える。すぐにキムタクと紀香は暗視ゴーグルを降ろして周囲を警戒するが、なんと警備している警官全員がキムタクと紀香に襲いかかり、その隙にゴジラ像は盗まれてしまう。まだ暗いままの室内に、マダムぴーすの叫び声が響く。
「私のゴジラはどこ~? ゴジラはどこなの~? ゴジラ~~~」

 すうーっと場面変わって、暗い夜の海。
 船から、ドラム缶が次々に海へと捨てられている。そのドラム缶には、放射性廃棄物をであることを示す表示がついている。
「おい、本当にこんな所に捨てて大丈夫なのか」
 ドラム缶を海に投棄する作業を行っている男が不安そうに言う。
「大丈夫だって、ここは深いし、潮の流れもないし…」
「だけど、放射性廃棄物なんだろ、これ。もしドラム缶がさびて、中の放射能が漏れ出したら」
「100年間は保つように出来てるんだよ、このドラム缶は。万一、低レベル廃棄物が漏れたところで、海水で薄められちまえば、どうってことないんだよ」
 海中へ沈んでいくドラム缶。海底には、以前から捨てられたと思われる大量のドラム缶が無造作に散乱している。
 その海底に、ズーン、ズーンという低い海底地響きが伝わってくる。
 海底に、ゴジラのシルエットが現れる。
 ゴジラの巨大な足が、海底に散らばるドラム缶の上へ踏み降ろされる。ドラム缶は潰れ、泡とともに中身が海面へと浮き上がっていく。
 海面、船が水平線へと消えていく手前に、ドラム缶の中身がゴポッと浮き上がる。

 海底で、ゴジラが巨体をうねらせて咆吼する。メインテーマ音楽とともに、タイトルが被さる。

 場面変わって、警察の事務所内部。
 キムタクと紀香が、佐野さんと東さんに、ゴジラ宝石像の件で責められている。そのとき、佐野さんの携帯が鳴る。佐野さん、声を低くして意味深な応答。
「おい、二人とも仕事だ」
 佐野さんに促されて、キムタクと紀香はポケットモバイルを取り出す。
「○○廃棄物処分場? 何ですか、これは」
「いいから早く現場へ向かえ。情報は、逐次転送する」
「今回も特命任務ですか?」
「当然だろう。身分がばれないよう、ちゃんと支度して行けよ」
 ○○廃棄物処分場に密かに侵入したキムタクと紀香は、処分場にするために削り取られていた山の地中から、遺跡が掘り出されていることを発見する。遺跡は優美な神殿風で、その中心には何か動物を形取ったような巨大な石像が鎮座している。そしてその石像の額の部分には、宝石らしいものが埋め込まれている。
「あれが本当に宝石なら、“ゴジラの涙”どころの騒ぎじゃないね」
 キムタクが双眼鏡を覗きながら呟く。
「ここは私有地で、処分場として開発中とは言っても、完成した処分場の経営は土地の所有者である企業がそのまま行うことになっているわ」
 紀香は、ポケットモバイルから情報を読み出している。
「企業って、どこ?」
「…幸福産業よ」
「幸福産業?! ハハッ、なるほどね…俺達が呼ばれるワケだ」

 場面変わって、その幸福産業の重役達が集う会議室。薄暗く、煙草の煙で空気が濁っている。
 社長と思われる男の背後には、秘書の操作するパソコン画面を表示するプロジェクターの画面が投影されている。
「…というわけで、今回発見された遺跡を中心にして、リゾート感覚の会員制高級レジャーパークを建設する。よって、大至急、廃棄物処分場の代替地を決定して、そちらも早いところ工事に取りかからねばならん。候補地は、この3つだ」
「しかし社長、この候補地はどれも環境アセスメントによって却下されたもので…」
「何が環境アセスメントだ。そんなものはクソ食らえだ。役員を金で買収しろ」
「お言葉を返すようですが、アセスの担当役員は環境保護団体の者でして…」
「バカモノ! それなら暴力団でも何でも使って脅せば済むことだろう。この遺跡が我々にどれほどの利益をもたらすか考えてもみろ。直接の利益だけではない、我が社に文化的なイメージをもたらすシンボルとしても、絶大な効果を生み出すだろう」
社長は、赤く燃える葉巻の先から空気を大きく吸い込み、そしてゆっくりと煙を吐き出した。
「手段を選ぶな。ただし、ことが表沙汰になったら何にもならん。いいな、結果が全てだ」

 しかし、社長秘書の操作するパソコンは、既に遥か遠くの電脳ネットワークから侵入を受けていた。いずこかも知れぬ一室の中で、ゆったりとくつろいでいる男と女。
「面白い獲物が見つかりましたよ…」吾郎が呟く。
「あら、このゴジラくんよりも面白そうなものなのかしら?」ゴジラ宝石像をナデナデしながら、マキコが視線を流す…。

 一方、こちらは○○廃棄物処分場に張り込んでいるキムタクと紀香。キムタクが遠隔操作式の監視カメラをカモフラージュ付きで設置している横で、紀香は、動物を形取ったような巨大な石像を双眼鏡で監視している。既に額の部分に足場が組まれ、宝石を取り外す工事が行われている。
「まだ宝石は外されていないのか?」
「もうそろそろ外れそうね…あっ、今、外れたみたい…アッ?」
石像の額の部分から人の握り拳ほどもある宝石が取り外されたとき、その宝石から二つの光の粒が飛び出したように、紀香には見えた。宝石は、車へと持ち込まれ運び去られていく。
 状況連絡や監視カメラ一式の設置を終えたキムタクと紀香が現場を後にしようとした、そのとき。
「“聖なる石”を返して下さい」
 その声にビックリしたキムタクと紀香が周囲を見回すと、草の影から、コロポックルのような二人の若い男性(演ずるはキンキキッズ)が現れた。身長は15cm程度。
「ね…ねぇ、見えてる?アレ」 「あ? ああ、見えてる」
 驚きを隠せないキムタクと紀香。
「お願いです、“聖なる石”を返して下さい」
 キムタクと紀香は、とにもかくにも小キンキキッズをホテルへ連れて帰り、話を聞くことに。

 小キンキキッズの話によると、○○廃棄物処分場の遺跡は太古に繁栄した先住人類の神殿で、動物を形取ったような巨大な石像には、彼らの守護獣ガルーラが封印されているという。先住民族は彼ら独自の文明を築き上げて繁栄したが、科学の暴走によりオゾン層を破壊してしまい、絶滅の危機に瀕した。彼らは地中に逃れ、自らの魂と守護獣ガルーラを神殿の中に封じ込め、オゾン層の回復する日まで眠りにつくことにしたのだと。現在でも、彼らの基準では、オゾン層はまだ回復していないのだ…。
「“聖なる石”は、神殿全体のエネルギーをコントロールしています。あれがないと、神殿を包んでいる大地の自然エネルギーの力場のバランスが乱れ、神殿は崩壊してしまいます。それに…」
「それに?」
「それに、自然エネルギーのバランスの乱れは、他の生命体にも気付かれます。あるものはバランスの乱れを恐れて逃げ出し、あるものはバランスの乱れを憎んでやって来るでしょう」
「そういえば、遺跡の周りには鳥が一羽もいなかったわね。でも、自然界のバランスの乱れを憎んでわざわざやって来る生き物なんか、いるの?」
「はい、います。遥か昔、先住民族が自然のバランスを大きく乱したときにも、その生物はやって来ました。ガルーラは、その生物を迎え撃つための、私たちの守護獣だったのです」
「その生物って…」
「あなた方が、ゴジラと呼んでいる生命体です」

 その夜、小キンキキッズの言葉通り、ゴジラが日本に上陸する。上陸が全く予知されていなかったため、上陸地点の市民はゴジラの出現に全く気付かない。
 家の中でTVを見ながら夕食を食べていて、停電になる。「何だよ、停電かよー」
 ドーン、ドーンという地鳴りと、テーブルの上の味噌汁に生じる波紋を見て、「地震…じゃないな」
 ますます地鳴りと振動が大きくなり、消防車の音が聞こえてきたので外に出てみると、遠くで火災が発生しているのが見える。地鳴りはどんどん大きくなる。
「どうなっているんだ…ガス爆発が連続して起きてんのか?」
 車の群が、まるで暴走族のような感じの滅茶苦茶な走りで家の前の道路を通り過ぎていく。不安になって携帯で友達に電話をしようとするが全然繋がらない。その間にもどんどん揺れが大きくなる。背後から巨大な獣の咆吼が聞こえ来たのでビックリして振り向くと、見上げた月夜の夜空に浮かび上がる、ゴジラの巨大なシルエット。
 スクランブル出動した防衛隊戦闘機部隊を放射火炎で撃ち落とすと、ゴジラは彷徨うような感じで海へと引き返していく…。

 小キンキキッズの言葉を信じ、彼らと一緒に“聖なる石”の在処を探るキムタクと紀香。
 一方、吾郎とマキコも、ハッキングした情報から“聖なる石”の存在を知り、その在処を探っていた。
 彼らは、幸福産業の関係者と小競り合いを繰り広げているうちに、“聖なる石”が幸福産業の本社ビルに運び込まれていることを突き止め、そこへ向かう。
 さらに、再び上陸したゴジラも、“聖なる石”を追うように幸福産業の本社ビルへと向かう。
 幸福産業の本社ビルの内部で、幸福産業重役とそのお抱えの暴力団、キムタク&紀香コンビ、吾郎&マキココンビが“聖なる石”の争奪戦を繰り広げる。
 そうしている間に、ゴジラが防衛隊の迎撃網を突破して幸福産業の本社ビルに迫っていく。
 結局“聖なる石”は吾郎&マキココンビの手に落ちる。ゴジラがすぐそこまで迫ったビルの屋上から、キムタク&紀香コンビを後目にヘリコプターで脱出する吾郎とマキコ。
 ビルの屋上に取り残されたキムタクと紀香、ゴジラが迫ってくる、危ない!
「動かずにじっとして、視線を合わせなきゃ大丈夫だ」
「本当なんでしょうね?!」
 屋上で、マネキン人形のように固まったまま、迫ってくるゴジラから視線を逸らし続けるキムタクと紀香。
 紀香の旨ポケットからゴジラを見ている小キンキキッズが
「あのー、ゴジラがどんどんこっちに近付いてきますけど」
「あー、もうすぐそこまで来てますけど」
 こらえきれずに、ゴジラの方を見てしまうキムタクと紀香。ゴジラとバッチリ目が合ってしまう。
「うわーーーっっっ」 「きゃああーーっっ」
 大慌てで走り出しながら、懐から何かを取り出すキムタク。紀香も走りながら「何よ!この嘘つきっ!」
 キムタクは懐から取り出した超小型ワイヤーロケットを屋上の柵にセットして隣のビルの中腹に打ち込み、ポケットから小型滑車を取り出して取っ手を伸ばし、ワイヤーにセット。
「おら、抱きつけ、早く!」
 紀香を抱きつかせたキムタクは、ゴジラの巨体を横目で見ながらワイヤーを滑車で滑り降りていく。ビルの中腹に着くと、素早く隣のビルの低い階を狙って2発目の超小型ワイヤーロケットを発射し、降下していく。
 しかし、ゴジラも巨大な身をかがめ、遅れながらも鼻先でキムタク達を追う。ビルの2階のベランダに降り立ったキムタクと紀香、まだまだピーンチ!
 その時、地上から車のクラクションが! 見下ろせば、東さんが、スポーツカーの運転席から身を乗り出して手招きしている。
 ゴジラによって崩されるビルから間一髪で脱出、東さんの運転するスポーツカーに乗り込むキムタクと紀香。すぐ傍の高速道路に入ってとばすが、ゴジラは追ってくる。キムタクたちを乗せたスポーツカーが走行している高速道路は、まるでドミノを倒すようにして後ろからゴジラによって次々と崩れされていく。
 傾き、波打つ高速道路を、東さんは超絶テクニックで走り抜けていく。
 差が縮まらないことに業を煮やしたのか、ゴジラが放射火炎を吐く体勢に入る。そして、巨体が大きく一呼吸した後、放射火炎が高速道路の上を舐めるように迸っていく! 
 しかし、キムタクたちを乗せたスポーツカーは高速道路のカーブを走り抜け、直線的な放射火炎からギリギリのところで逃れるのだった。歩を止めたゴジラの姿が、ビルの背後に隠れて見えなくなる。
「はぁ~」「助かった~」ヘナヘナと座席にへたり込むキムタクと紀香。
「スリル満点だったわね」汗びっしょりながらも、何故かイキイキとしている東さん。
「ありがとうございます」助手席でへたり込む紀香の胸ポケットから小キンキキッズが身を乗り出す。
「な、何なの! このおチビさん達は!?」
「あ、後で説明しますから、前、前向いて運転して下さい」

 場面変わって、小高い丘の上の公園に停車しているスポーツカー。東さんと小キンキキッズが何やら話している横で、キムタクと紀香はポケットモバイルを使って情報収集。
「ゴジラは海に戻り、消息不明になったようです」
「今度は一体どこから上陸するつもりなんだろう? 今日みたいに“聖なる石”に惹かれるのか、それとも神殿のある○○廃棄物処分場を目指すのか…」
 ハッと振り返る小キンキキッズ。見つめ合い、何かを覚悟した様子の二人。
「ガルーラを復活させます」
「何だよ、“聖なる石”がないと復活させられないんじゃなかったのか?」
「“聖なる石”がないと、完全な復活は絶対に不可能です。でも、不完全なガルーラとしてなら、復活させられるかも知れません…」
 夕焼けに染まる公園の池の蓮の葉の上で、ガルーラ復活の歌を歌い、舞い踊る小キンキキッズ。
 ○○廃棄物処分場の巨大な石像が振動を始める。石像に足場を組んで作業していた作業員達が、慌てて避難を始める。石像の表面が割れ、中から二頭の恐竜型の怪獣が現れた。
 それを映し出す監視カメラからの映像を、ポケットモバイルで見ている東さん達。
「双子、なの?」
「いいえ、ガルーラは本来一体の筈です。不完全な復活なので、二つに別れてしまったのでしょう」
二頭のガルーラはすぐに地中へと潜り、姿を消した。
「どこ行っちゃったの?」
「不完全でも、ガルーラはガルーラです。神殿を守るため、ゴジラに闘いを挑みます」
 その時、東さんの携帯が鳴った。応答する東さんの表情が明るくなる。
「“聖なる石”の在処が分かったわよ!」 「えっ、ホントですか?」 「今の電話、誰からです?」
「信頼していいわ。課長からよ」
一行は、吾郎とマキコの潜伏先と思われる地点へ向かう。

 夜になって一行は潜伏先付近に到着するが、本格的な捜査は明日ということに。
 しかし、テレパシーで“聖なる石”の所在を感じ取った小キンキキッズは、黙って単独行動をとり、吾郎とマキコの潜伏先に侵入する。だが、吾郎の仕掛けたトラップに引っかかって囚われの身に。小キンキキッズはマキコに対して“聖なる石”を返すよう説得するが、それに応じるようなマキコではなかった。それどころか…
「商談が成立しましたよ。すぐに出発する必要があります…」吾郎が呟く。
「あら早いのね。君たち、早速貰い手が決まったわよ、良かったわねー」マキコは騒ぎ立てる小キンキキッズを無視して、出発の準備を始める。

 翌朝、まだ暗い夜明け、ゴジラは三度日本に上陸する。
 付近の住民が逃げまどう中、地中から二頭のガルーラが出現し、ゴジラに闘いを挑む。
 二頭のガルーラはゴジラよりも一回り小さく、スピードと跳躍力を生かした広角立体戦法(プロレスで言うところの空中殺法)の連携プレーでゴジラと互角の戦いを繰り広げる。
 ちょうどそこへ、取引現場へ向かっていたマキコ達のヘリコプターが通りかかる。
「なにアレ、ゴジラじゃないの!?」(マキコ)
「別の二頭の怪獣と闘っているようですね」(吾郎)
「ガルーラ!」(小キンキキッズ)
 ガルーラは小キンキキッズや“聖なる石”の接近を感知して、闘いに集中できなくなり、その隙を突かれてゴジラの放射火炎を喰らってしまう。ダメージの大きい二頭のガルーラは、小キンキキッズの指示に従うようにして地中へ逃れる。ゴジラは、神殿のある○○廃棄物処分場を目指す。
 小キンキキッズの取引(名画と交換)現場に姿を現したマキコ達。無事取引終了かと思われたが、取引の主は変装した佐野さんだった。キムタク達も現れて完全に包囲。マキコ達よりも一足早く佐野さんが現場を押さえていたのだ。取っ組み合いの末、マキコは紀香に、吾郎はキムタクによって手錠で拘束される(手錠で互いに繋がった状態)。
 小キンキキッズは自由の身に、そして“聖なる石”も彼らに返された。
 自分たちをゴジラのいる所へ連れて行って欲しいという小キンキキッズの願いを、キムタクと紀香は引き受ける。
 ゴジラを前にして、小キンキキッズがガルーラを呼び、二頭のガルーラが地中から現れる。小キンキキッズが“聖なる石”を吸収し、“生きる宝石”のようになる。その美しさに、感激するマキコ。(マキコは紀香と、吾郎はキムタクと手錠によって繋がっているので一緒に付いてきている)。
「僕たちをガルーラの所へまで運んで下さい」
「…でも、あなた達、ゴジラに負けたら死んじゃうんでしょ?」
「心配しないで下さい。例え勝てなくても、真ガルーラにはゴジラを封印する力があります」
 キムタク&吾郎、紀香&マキコがそれぞれ小キンキキッズを一人ずつガルーラの元へ運ぶと、小キンキキッズはガルーラと合体、更にガルーラ同士が合体してゴジラ並の大きさの真ガルーラに変貌した。
 ゴジラと真ガルーラの闘いが始まる。
 その時、佐野から連絡が入る。付近のホテルに客が閉じこめられた状態になっているというのだ。そのホテルへ急行するキムタク達だが、警備システムが誤作動して外部からの侵入が不可能な状態になっていた。キムタクと紀香ではどうすることもできない。
「この手錠さえなかったら、この程度の警備システムなんかすぐに解除出来るんだけどなー」
 マキコと吾郎が不敵に微笑む。
 ゴジラと真ガルーラは、一進一退の攻防を続けながら、客が閉じこめられたビルに近付いてくる。
 マキコと吾郎は手錠を外され、その代わりに拳銃を突きつけられながらも警備システムの解除を進める。ホテルの中では、窓から垣間見えるゴジラと真ガルーラの凄まじい闘いによって、客が半パニック状態になっている。
 放射火炎攻撃を受けて大地に倒れ伏した真ガルーラに、ゴジラが近付く。そのとき、真ガルーラを中心にして大地に亀裂が走り、地割れが発生。溶岩も吹き出してまるで火山の火口のようになる。真ガルーラは跳び起きてゴジラに組み付き、逃れることを許さない。
「これが真ガルーラの、ゴジラを封印する力か…」
 ホテルから客を無事脱出させ、キムタクと紀香がゴジラと真ガルーラの闘いに注意を向けてしまったその瞬間、マキコと吾郎はまんまと逃走に成功する。
 真ガルーラに組み付かれたゴジラは、マグマや流れ込んできたビルとともに、火口のような大地の裂け目に吸い込まれて姿を消す。
 時を同じくして、○○廃棄物処分場の神殿遺跡も地中へと沈んでいくのだった。

 後日。
 海上での低レベル核廃棄物の不法投棄の現場を押さえ、作業員を次々と拘束するキムタクと紀香、その他の警官達。キムタクが海を見つめてポツリと呟く。
「俺達が人間が海を汚すから、ゴジラが怒るのも当然かも知れないな…」
「そうね…、ゴジラも本来は、海に棲む聖なる怪獣なのかも知れないわね」
朝焼けが昇る水平線を見つめる紀香が、そっとキムタクに寄り添う。二人の後ろ姿と、美しい朝焼け…

 さてさて、親子連れで楽しく観ることができる「空想怪獣活劇」になっていたでしょうか?
 どーですか、お客さん!

『仮面ライダー響鬼』 3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える その2

  裁鬼と弾鬼は3人目の鬼ではない可能性大!

 ほげーさんのブログにおいて、十二之巻に登場した鬼ファイルから「弾鬼は、音撃鼓・御影盤を使用する」という情報を読み取ったという記述があった。
 私も先ほど録画を再生して、それを確認できた。つまり、弾鬼は響鬼と同様、太鼓の使い手。
 ついでに裁鬼の部分もスローで確認したところ、「音撃鳴・つむじ風」らしき文字が読み取れた。これが正しければ、裁鬼は威吹鬼と同様、ラッパの使い手ということになる。
 そうなると、私の考え(『仮面ライダー響鬼』3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える)としては、裁鬼と弾鬼は3人目の鬼ではないということになる。

 特に裁鬼は「威吹鬼のNGデザイン」のような印象を受けたが、どうだろう。
 個人的には、響鬼と弾鬼がタッグを組んで音撃(一体の魔化魍の右側面と左側面から同時にドンドコドンドコ)するところを観てみたい気もする。
 もちろん、一番観てみたいのは、飯田圭織が演じる弦の使い手“麗鬼”である! 本名は、鬼名の命名法から逆算して「廉野さん」とか?

『東京原発』

『東京原発』
  2005年(4月17日~)のWOWOWで観た映画:1本目
  映画を観た日:2005年4月17日(日)

 ちょっとだけ期待して観たのだが、ハズレだった。
 まず、映画として失敗している。
 「東京に原発を誘致する真の目的は、実はそれによって日本全体に脱原発の世論を起こすため」という“オチ”に相当する部分が、映画の途中で明かされてしまう。推理小説において真犯人が明かされたのも同然で、ここで、この映画は事実上終わっている。
 そこへ「東京に原発を誘致する」というテーマとは全く関連のない「核ジャック」の話が付け足される。この核ジャックの件は作りが余りにも稚拙で、リアリティの欠片も無い。子供番組でも、もう少しマシなパターンが出てくるのではないかと思えるほどの酷さだ。
 この繋ぎの失敗は致命的で、多少見応えのあった前半部分での貯金が、これで根こそぎ持っていかれてしまった感じである。

 そして、前半の「原発に関する議論」の部分でも失敗している。多少見応えがあったのは、飽くまでも役者の芝居やその演出であって、議論の内容自体が充実していたわけではないのだ。
 とにかく、肝心の原発プランに説得力が乏しい。原発誘致で電気料金を安くするとか言っている割には、原発の発電出力を明らかにしない。こういう話は「どれだけの発電出力があれば、どれだけ電気料金が下げられるのか」という試算が明示されなければ納得できない。しかし、知事の説明にはそういった具体性が全くないのだ。第一、既に日本各地に原発は実在するのだから、その所在県の電気料金が格安になっているという話が出てこなければ不自然ではないか。
 また、東京都民でなくても、東京湾に面した火力発電所が実在することを知っている人は多いだろう。新宿中央公園に原発を一基造っただけで莫大な経済効果があるのなら、この既設の火力発電所にも同等(冷却水を東京湾から得ているので、新宿中央公園の原発よりも遥かに低コストで運転できている)の経済効果がなければいけない。さあ、実際はどうなのか?
 廃熱を利用するという話が出ていたが、温排水を(温度を保ったまま)遠距離まで引き回せないことなどは素人でも気が付くだろう。「熱エネルギーは、そのままでは遠距離へ伝送し難いから、電気エネルギーに転換している」ということは、常識だと思うが。

 この映画が、ツッコミ前提のお笑い映画ならこれでも良いかも知れないが、そういう作風にはなっていない。「東京に原発を誘致したら、本当に大きな経済効果があるのか」という根本的な疑問を残して、物語は一般的な「反原発」論へと向かっていくのだが、この部分も普通に見れば真面目にやっているとしか見えない。内容的にはボケをかましていると受け取れる部分が多々あるのだが、雰囲気的にはそう捉えにくい。

 わざわざレンタル屋で借りなくて良かったなと思ってしまう、そんな失敗作であった。

『仮面ライダー響鬼』 十ニ之巻

『仮面ライダー響鬼』 十ニ之巻

【 観る前に思ったこと 】

 「みどりは子持ち」だと思っていたのだが、張られたトラックバックを廻って読んでいるうちに、それが勘違いであることに気付いた。それがどなたのブログだったのかは失念してしまったが、この場を借りて感謝の意を表します。どうもありがとうございました。
 前回、DA(ディスクアニマル)が悪用される可能性が示唆された。DAは鉄人28号同様「善いも悪いもリモコン次第」なのだ。今後、DAを操る能力を持った敵が現れて、DAが鬼や人を襲うといった場面もあるかもしれない(“黒マントの人”が有力候補?)。
 そう言えば前回、響鬼はDAを使わないで童子たちと戦った。これは響鬼にしては珍しい。変身ポーズを童子たちに真似されて、ベテランの響鬼も頭に血が上ったというところか。今回は、新DAたちの初陣となるだろう。
 遂にモッチーとあきらの顔合わせが実現。条件反射的に三角関係を想像してしまう。でも、何となく二人が親友になりそうな予感。生い立ちが全く異なっているであろう少女同士が、次第に友情を深めていく物語を観てみたい。
 モッチーは、猛士にならないどころか猛士という存在自体に気付かない(何か隠してるでしょ?と疑う程度)まま物語を終えると思っていたのだが、もうちょっと深く関わっていきそうな気配。
 音角を操作する明日夢。以前、素のまま(全くの素人の状態)でDAの再生音に何かを感じ取っていたような描写があったが、音角に対しては? 音撃戦士としての素質が垣間見られるのか? ヒビキや“黒マントの人”の秘密より、明日夢の秘密が開くことに期待。

【十ニ之巻の感想 】

 響鬼をワンサイドでKOしながら、止めを刺しに行かない童子たち。以前、音角を奪ったときもそうだったが、童子たちは鬼に対する対応が甘い。童子たちは魔化魍を育てて里に出すことを最大限に優先しているため、例え相手が天敵といえる鬼であっても、一時的に排除できればそれ以上は関わろうとしない習性のようだ。
 ヒビキやイブキが普段から腰に付けているディスクが薄いことには前から気が付いていたが、それは演技上の都合によるもの(かさ張るし、見た目も不自然だから)だと思っていた。ところが、今回、わざわざ「0番のディスク」という説明がなされた。この説明がむしろ不自然で、そこまでこだわる必要はないというのが正直な実感である。
 研究所と言うより、博物館のような「たちばな」の地下。期待していた、“明日夢が音角に特別な反応を示す”という描写は無し。
 魔化魍の出現回数は、平年で年100匹程度とのこと。今年は、その倍かそれ以上か。以前も書いたが、一回魔化魍が出現すると数人は犠牲者(行方不明者)が出ているので、そろそろ警察が動いたりマスコミが騒ぎ出さないと不自然。猛士が警察やマスコミのトップにも入り込んでいるという設定なら、それも描写するか台詞に出す必要がある。
 鬼のファイルが登場。鬼の名前は、本名の頭文字(苗字)を元に命名されているようだ。(盲導犬の命名パターンに近いのでは…という予想は外れた)
 ドーピングで強くなった童子たちは、戦いが長引いたため、時間切れでアウトとなる。ただし、これは響鬼の作戦に嵌められてというより、既に里へ向かっていた魔化魍から響鬼を遠ざけておくための捨て身の行動だったように見えた。
 今回の魔化魍は、いつもよりCG少な目の分、比較的絵的には自然な感じだった。でも、響鬼のドンドコは、相変わらずイマイチ。

【小学一年生の心で学び直したこと】

 万引きの件を、ずっと心に留めていた明日夢。やはり人間には、誤魔化して済ませてはいけないことがある。それは嘘と同じで、一つやってしまうと、次も、その次もやってしまい、どんどんダメになっていく。「これだけは守る」という自分なりの一線というものを決めて、日々生きていきたい。

【 次回予告を観て思ったこと 】

 次回で1クールが終了。新しい展開になるようだ。敵がパワーアップするのか、複数化するのか?
 威吹鬼が、鎧化した童子たちを相手にした時、どうなるのかとかも見てみたいのだが。

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 『響鬼』に関して以下のコラムを書きましたので、こちらも読んでいただけたら幸いです。

4/13 up 新しいディスクアニマルを、ネタばれ無しで考える
4/10 up 『仮面ライダー響鬼』3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える
4/3 up 『仮面ライダー響鬼』ハリウッド映画化計画! を考える
3/28 up ディスクアニマルを買った! そして他人に見せた!

マルコ・アントニオ・バレラ VS ムゾンケ・ファナ 他3試合

WOWOW『Excite Mach』
          2005年4月11日 20:00~ 放送分


       イバン・エルナンデス VS フェルナンド・モンティエル

 完全にアップライト・スタイルのモンティエル。エルナンデスは、背中を少し丸めて、ややクラウチング気味。
 1ラウンドは、モンティエルの防御の良さが目立つ。勘が良くてスウェーでパンチを躱せる上に、普段は両腕ともオン・ガード・ポジションに戻している。勘の良い選手は得てして普段のガードが甘いものだが、モンティエルは「守るときはキッチリと守る」という感じだ。
 2ラウンドに入ると、今度はモンティエルの攻撃面の良さが目立つ。前へ前へと出てくるエルナンデスを捌きながら、単発ながらもクリーンヒットを入れる。
 3ラウンドは、常に上体を左右に振りながら前進を続けるエルナンデスに対し、モンティエルはボディワークをほとんど使わずフットワークとガードで対処する。両者ともリング内を動き回っているわけだが、そこから“動と静”という印象を受ける。“静”のモンティエルが行っているボディワークは、カウンターを返す際のヘッドスリップといった、最小限で瞬間的なものだ。
 4ラウンドから両者互角の攻防が続くが、その均衡は、6ラウンド半ばでエルナンデスがダウンしたことによって崩れた。7ラウンドに入ると、モンティエルは落ち着いて仕留めにかかる。ボディブローで王座を奪ったエルナンデスが、この回、ボディブローで王座を奪われてしまった。

 モンティエルのパンチからは、「強さ」というより「硬さ」が伝わってくる。サンドバックを大きく揺らすようなパンチではなく、命中した個所のみを局所的に凹ませるようなパンチ。そんなイメージだ。
 モンティエルは、WBCのS・フライ級では4位にランキングされている。WBCの同階級王者は日本の川嶋であるが、両者のボクシングの完成度にはかなりの開きがあるように見えた。
モンティエルの防御技術やカウンターテクニックに対し、川嶋が取れる有効な術があるとは思えない。もしもモンティエルに挑戦されたら、川嶋は果たして何ラウンドまでもつのだろうか?


       マルコ・アントニオ・バレラ VS ムゾンケ・ファナ

 前試合のモラレス戦においては、体格面での不利が指摘されたバレラ。しかし、この試合ではむしろバレラの方が体格面で勝っていた。骨格が、骨の太さが違うのだ。ファナにリーチで劣るように見えるが、肩幅が広いため、実際にはそうではない。
 ファナは、1ラウンド開始直後に見せたサイドステップに非凡なものがあったが、そのフットワークを生かすことなく2ラウンドで沈んだ。
 KOを宣告されたダウンシーン、ファナは派手な倒れ方をした割にはすぐに頭を起こして、ローブローを受けたことを両手でレフリーにアピールしていた(小泉さんが「両手が痙攣していた」と解説していたのはジョークか?)。このことから、ファナのダメージはカウント無しのKOを宣告されるほど深刻なものではなかったと思う。また、ダウンに至った連打の1発目であるバレラの左ボディフックは、ファナのベルトラインの下を叩いており、これが厳密にはローブローであることも認めなければならない。
 しかし、ローブローのアピールをするにしても、ファナは少なくとも上半身を起こして行うべきだった。頭を起こしただけでは、自分に深刻なダメージがないことを証明できていない。あるいは、アピールはしているものの、戦闘本能的には戦意を喪失していたのかもしれない。


       ビセンテ・エスコベド VS ホセ・ロドリゲス
       アーロン・ガルシア VS ブライアン・ガルシア

 オリンピック代表だったというエスコベドはともかく、ガルシア同士の一戦は「本場アメリカでも前座はこんなものか」といった印象。それでもおそらく、東洋と比べたらレベルは高いのだろうけれど。

新しいディスクアニマルを、ネタばれ無しで考える

 新しいディスクアニマルを、ネタばれ無しで考える


 『仮面ライダー響鬼』に登場するディスクアニマルは、鬼(ライダー)のサポートメカである。
 パッと見は『ヤッターマン』(タイムボカンシリーズ)のゾロメカを連想させるが、仮面ライダーシリーズにもサポートメカは登場している。とりあえず私が思い出すのは、V3のホッパーとスーパー1のレーダーアイ(レーダーハンドから飛び立つ小型偵察機)。両者とも優れた索敵能力があり、レーダーアイは攻撃能力も有する。
 また、ライダーシリーズではないが、『仮面ライダーX』とほぼ同時期に放映された等身大実写ヒーローもの『電人ザボーガー』では、ザボーガー自身が陸海空のサポートメカを内蔵していた。
 これらが、ディスクアニマルの先輩格と言って良いだろう。
 では前振りはこのくらいにして、私が登場して欲しいと考えている、新型のディスクアニマルたちを紹介しよう。

【フクロウ型】
 夜間行動能力に特化したディスクアニマル。
これは、夜行性の魔化魍が登場して欲しいという私の希望と、その際にタカやワシが夜間に使用されると絵的に不自然になるという懸念が合わさって生まれたもの。
 闇夜に飛び立つ、フクロウ型ディスクアニマル。これは絵になるよねぇ。

【カメレオン型】
 待ち伏せ型で、策敵能力に特化したディスクアニマル。
 他のディスクアニマルには無い、完璧なステルス能力と遥かに広範囲・高機能の索敵能力を有する。その反面、機動力が低いため、移動の際は原則として他のディスクアニマルに運搬してもらい、現着後もほぼ定点観測に徹する。
 攻撃力は低くて戦闘には向かないが、連続稼働時間は他のディスクアニマルの数倍あり、1週間単位の定点観測に最適である。
 動きはスローモーだが、結構カワイイ。

【エリマキトカゲ型】
 水陸両用の高機動型ディスクアニマル。
 高速で2足走行することが可能で、湖面を走って渡るという芸当さえこなす。
 今の若い人にはピンとこないかもしれないが、エリマキトカゲはかつて日本で一世を風靡したキャラクターなのである。あの動きのユニークさを、ディスクアニマルで再現して欲しい。

【カエル型】
 水陸両用のディスクアニマル。
 カメレオン型ほどではないが、ステルス能力を持つ。攻撃力はヘビやカニに劣るが、その分機動力と索敵能力では勝る。
 劇中でピョンピョン跳ねる動きが絶対カワイイ!という点と、玩具化されたら置物(インテリア)として買いたいという点から、登場を希望。

【モグラ型】
 地中用ディスクアニマル。
 私は“地中に潜む魔化魍”が登場して欲しいと思っている。当然、その際に活躍するディスクアニマルも必要となる。で、モグラ型。
 鳴き声は「チチューン(チュチューン)」。ライダーをサポートするモグラといったら、それしかないでしょ!


 さて、思いつくまま登場して欲しい新型ディスクアニマルを挙げてみた。ただし、むやみに新型を登場させて欲しいと思っているわけではない。いずれの場合も、その登場に必然性があり、起用に説得力があることも同時に望んでいるのだ。
 私は以前、『カクレンジャー』において新キャラクター=新商品が異様としか思えない勢いで次々にリリースされるのを見たとき、嫌悪感を覚えた。「さあ買え、さあ買え」というスポンサーの声が、映像の裏から聞こえてくるような気がしたのだ。
 『ガイファード』のような例外を除くと、特撮ドラマには玩具展開が付き物である。とはいえ、人は商品を買うためにドラマを見るわけではない。特撮ドラマは、カタログ番組ではないのだ。

 「タカ→ワシ」、「オオカミ→ライオン」が、単なる「性能の向上による同型機種の交代」だとしたら、ちょっと悲しい。人には、道具に愛着を持つという精神文化がある。ましてや、ディスクアニマルは動物を模したキャラクターなのだから…。

 臨機応変・適材適所で“相棒”を選び、共に戦う鬼たち。その“相棒”として、私が観たいと思っているディスクアニマルたちが登場したら、もう最高なんですけど!

『フライト・オブ・フェニックス』

『フライト・オブ・フェニックス』
  2005年の映画館で観た映画:6本目
  映画を観た日:2005年4月9日(土)


 4月にして漸く6本目。年に24本以上観るのが目標なので、まだ予定のペースを下回っている。
 この映画は、私にしては珍しく“衝動買い”っぽく入った映画だ。『いぬのえいが』と同日に観る映画を何にしようか迷っていた時期に、TVCMで偶然この作品を知り「あ、コレでいいや」的に観ることを決めた。
 今になって思えば、『ナショナル・トレジャー』を観た後、ああいったアメリカ中心的のコテコテ大作系洋画は観たくないという気持ちが作用して『アビエイター』を敬遠し、その結果の落としどころとしてこの作品を選んだのは、むしろ必然だったのかも知れない。

 この作品は20世紀フォックス提供の映画ではあるが、いわゆるハリウッド大作ではない。有名な俳優は出演していないし、巨額の予算も投じられていない(もちろん邦画一般よりは高額な製作費だろうけれども)。
 映画の舞台は一貫して殺風景な砂漠。美男美女が登場するわけでもない。そしてストーリーも淡々と進むという、地味な映画である。しかしそれ故、自然な造りに仕上がっている。ヒーロー、ヒロインが派手に活躍し、どんでん返しの大逆転が起こるばかりが映画ではないのだ。
 ごく普通の人間が、突然困難な状況に陥ったとき、どう対処するのか。そこには英雄などいない。皆が普通の人間だ。ごく普通の人間が大半を占める観客にとって、自分の身に置き換え易いシチュエーションである。主題も、ただ生きてそこから脱出するというだけ。国家も宗教も絡まないシンプルかつ普遍的なテーマである故、日本人である私にも普通に感情移入できた。
 飛行機墜落にまつわるシーンを除くと、CGを意識させる絵がほとんどなかったことも良かった点として挙げておこう。

 サバイバル映画としては物足りない。映像そのものは自然だったが、劇中の暑さ対策その他はリアルさに欠けていた。しかし、この作品はリアルさにこだわったサバイバルものではなく、飛行機を主軸にした、変り種の脱出劇なのだ。
 双胴機が登場する以外はケレン味が一切ない、こんな映画も撮れるところが、アメリカ映画界の強さなのかも知れない。

『いぬのえいが』

『いぬのえいが』
  2005年の映画館で観た映画:5本目
  映画を観た日:2005年4月9日(土)


 前売り券を買ったものの、ずるずると日程がずれ込んで、公開終了が迫ってきていた。
 この日は初回である10時30分の回を見るため、ちょっと早すぎるなと思いつつ9時42分に『シネスイッチ銀座』に到着。すると、そこには既に長蛇の列が! さすが愛犬家王国ニッポン! 犬映画人気は大したものだ…のわけはないと思って係員に尋ねたところ、やはり『コーラス』(この日が初日)の列だった。その列を横切って私は3階(シネスイッチ2)へ向かう。
 案の定、私が一番乗り。売店の正面で立ったまま待つことになる。
 視界を遮る物がないので、売店のマペット(もちろん犬)と目が合ってしまったのがマズかった。ここ数年間は買わずに済ませてきたマペットを、映画のパンフと一緒に買う破目に。映画の前売り券より高い買い物してどうするんだ、全く。席について袋から出してみたら、思ったより可愛くない上、肉球の処理も紙を張っただけという雑な作り。やはりマペットは良く吟味して買わなければ駄目だ。

 そんなわけで、犬のマペットは失敗だったのだが、映画の方は十分に楽しめた。その最大の理由は、私が柴犬好きだからである。この映画はオムニバス形式だが、基本的には柴犬が主人公なのだ。
 「犬といったら、やっぱり日本犬、それも柴犬でしょう!」という私にとっては、『クイール』よりも感情移入が出来て、何度も何度もポロポロポロポロ泣いてしまった。
 特に柴犬好きでなくても、飼っていた犬と離れ離れになったり、飼っていた犬が死んだ経験のある人なら、まず間違いなく泣けると思う。
私の場合、特に悲しいシーンでなくても、飼っていた犬のことを思い出して「ああ、かまって欲しそうにしていたとき、もっと可愛がってやればよかったなぁ」などの後悔の気持ちが湧いてきて、目頭が熱くなった。かまってやりたくても、今はもういないのだ。
 純粋に映画として評価しても、まずまずの出来になっていると思う。犬好きの彼女に無理やり付き合わされた彼氏etcに配慮したのか、犬好きではない人にも楽しめる造りになっている。オムニバス形式なので、その辺は上手くバランスを整えてあるといった感じだ。

 現在の日本の飼い犬事情を考えると、主にドッグフードの改良によって犬の寿命が延びているため、犬を飼うには相当の覚悟が必要となっている。犬も人間同様、高齢になるとボケたり、寝たきりになるのだ。
 私の飼っていた犬も晩年はボケてしまい、小屋の中で自分のウンチまみれになったりして大変だった。犬の世話は、想像するよりもはるかに大変なのである。また、病気や怪我も多くなり、保険の効かない犬の治療費はバカにならない金額になる。「餌と朝晩の散歩さえやっておけば大丈夫」なんて思ったら大間違いなのだ。
 
 それでもやっぱり、犬を好きだという気持ちは変わらない。今は無理だけれど、会社を定年退職したら、犬を飼いたい。そんな思いを巡らさせる映画だった。

『仮面ライダー響鬼』 3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える

仮面ライダー“麗鬼”を演じる飯田圭織が
 「あなたも、これで変身」
  とか言って化粧品のCMに出演する?!
       音撃地雷で魔化魍を包囲せよ!


 3人目の鬼(ライダー)は、こんなキャラであって欲しい!と妄想をかます前に、いちおう普通の予想もサラッとやっておこう。まず、
(1)玩具販売展開の面から考えると、太鼓、ラッパの使い手ではない。
(2)今までの話の流れからすると、弦の使い手である。

 次に弦の使い手に関しては、
(3)水中戦用の鬼ではない(イッタンモメンを威吹鬼が担当したことから、水中戦用の鬼はいない)
(4)空中戦用の鬼ではない(空を飛べる鬼はいない、同上)
(5)組討戦用の鬼ではない(バケガニを斬鬼が担当したことから)
(6)硬い外殻を持つ魔化魍に対して有効な攻撃方法を持っている(同上)

 ここからは推測の要素が大きくなるが、
(7)太鼓の使い手が組討戦&短い棍棒(打撃)、ラッパの使い手が遠距離戦&銃(射撃)であることから、弦の使い手は中間距離戦&剣(斬撃)ではないか?
(8)玩具化のことを考えると、弦楽器ではあるものの、本当の弦は使わない(PL法対策)のではないか?
(9)前作でカリスの玩具に弓が含まれていたことから、今回は弓に似た形の弦楽器(ハープなど)は使用されないのではないか?(クウガの後、アギトには剣はあったが弓はなかった)
(10)楽器の形状の自由度が大きいことから、弦楽器はエレキギターではないか?
 剣の刃の部分がギターの柄になって弦が表示され、そこには音程(音色)を調節する機能がある(玩具の場合はスイッチが付く)。剣の柄(取っ手)の部分に円パーツをはめ込み、この部分を弾く動作で音が出る。
(11)ヒビキが炎の属性、イブキが風の属性であることから、3人目の鬼は雷か氷の属性ではないか?
(12)ヒビキもイブキも変身の際のエフェクトが移動車両の名称になっていることから、3人目もそうなるのではないか? 例えば、電撃に包まれて変身する場合は、移動車両の名前も“稲妻”。氷に包まれて変身するなら“氷河”

 個人的には、カミナリ様みたいな、黄色い鬼を希望! 全身から放電しながら変身し、衣類が弾け散る! 変身後は、ある程度離れた位置から、音撃で斬る(音撃斬)!
 ベベーンベベーンと金属的な音が放たれるたびに、硬い外殻を持った魔化魍の体がザクッザクッと切り刻まれる。まるで南斗聖拳の遠隔版! しかし、ラッパと比べるとかなり接近しなければ効果が出ない。だから中間距離タイプであり、水中や空中にいる相手とは戦えない。
 普通の予想としては、こんなところである。

 ここで私が本当に言いたいのは、「女性の鬼(ライダー)が観たい!」ということである。
そしてその女性ライダーとは、日本一の美人・飯田圭織が演じる“麗鬼”なのだ!!
 当然ながら、変身前の役名は“レイキ”である。

 もう、ずっと前からの夢なのである。TV版でレギュラーの女性ライダーを観るのが。
 ベルトは本来、男性よりも女性の方が似合うし、ファッション的な自由度が大きい。女性の方が腰がよりクビレており、位置も高いことがその理由だ。
 ヒビキやイブキは、この腰の位置がネックになって、変身前に鬼ベルトを外に出しづらい。しかし、女性ならヘソ出し(腹出し)ルックがOKであるため、変身前に鬼ベルトを露出させることが可能だ。(変身の時にベルトが露出している、これはライダーの重要な要件であろう!)
 普段から腹出しファッションで、鬼ベルトも堂々と露出させているスタイル抜群の美人!
 かおりん(飯田圭織)の長い脚が、鬼ベルトによって更に長く見える! カッコイイ! 絶対カッコイイ!
(もちろん、ヒビキやイブキ同様、ディスクアニマルを鬼ベルトにぶら下げている)

 そしてしかも、鬼に変身する際には衣類を失うのである。美女が変身するとき一時的に裸になるといったら、これはもうハニーフラッシュなのである。
 かおりんが、放電現象に身を包みつつ、プチ・ハニーフラッシュな感じで変身する!
 もう全国のオヤジ族は、日曜の朝8時に自然に目が覚める覚める!
 全国のお母さんやOL族も、かおりんの素晴らし過ぎるプロポーションを観て、向上心を燃え上がらせること請け合い!
 そういえば関東圏では一時期、平成ライダーのCMに化粧品メーカーが入っていたような記憶がある。仮面ライダー麗鬼を演じる飯田圭織が、「私は、これで変身」とか、「あなたも、これで変身」とか言って化粧品のCMに出演したら、効果は倍増どころの騒ぎではないだろう。
 そもそも、イケメンライダー目当てで平成ライダーを観ることが既に市民権を得ている状況の今日、「仮面ライダーが化粧品メーカーとタイアップ」というのも自然な流れである。朝のニュースやワイドショーでも話題にもなり、平成ライダー人気の底辺拡大に貢献するだろう。

 かおりんを推す理由は、ミーハー要素からだけではない。
 かおりんは、ハイキックが出来るのである。
(やっているのを見たわけではないが、股割に近い柔軟体操を問題なくこなしていたので、まず大丈夫)
 細川さんや渋江さんがハイキック出来ますか? 
 平成ライダーシリーズの課題の1つとして、変身前のライダーのアクションの弱さが指摘されて久しい。吹き替え無しでハイキックをビシバシ決められる変身前のライダーを観たい! かおりんなら、それを実現させることが出来るのだ。
 年齢的にも、ヒビキより下でイブキより上、香須実と同世代。人間関係(ドラマ)的にも、実に面白くなりそうである。(関係ないけど、同じモー娘。出身者でも、中沢裕ちゃんはヒビキと同世代になっちゃうのね)

 妄想ここまで。実際には、モー娘。を卒業したとはいえ、歌手活動をメインにしているかおりんが仮面ライダーにレギュラー出演する可能性は低い。でも、あいぼん(加護亜依)みたいに普通のドラマに出演していた例はあるし、何より細川さんが“ヒビキ”を演じちゃうんだから、可能性がゼロというわけでもないとも思う。
 ここで、少し現実路線に戻って、3人目の鬼に関する希望論を追記しておこう。
 ちなみに、名前は私にちなんで“震鬼(シンキ)”。初バトル時の回のサブタイトルは「震わす鬼」。

(13)普段から和服(上着だけでもOK)を着ている。せっかく“和”のイメージのライダーなので、日常のファッションも和風に。
(14)和服を着た戦士なので、時代劇の侍みたいな調子で喋る。「拙者、○○でござる」のような感じ。これをやると、表面的にはほぼ自動的に3枚目キャラ(天然ボケ)になってしまうけれど、それで良し。『響鬼』においては、“鬼は~ボケ、副(サポート側)は~ツッコミ”というパターンを貫く。
 ただし、表面的言動はボケだが、本分は分析・知略タイプ。趣味も、囲碁・将棋。
(15)鬼に変身した際の戦い方も、囲碁・将棋系というか、陰陽師系。
 音撃斬に持ち込む前段階として、音撃地雷というアイテムを使用する。
 魔化魍の周囲に、複数の遠隔操作可能な音撃兵器を配置し、その効果が最大になるように、魔化魍を誘導する。将棋でいうところ“詰め”を連想させる戦法。
 魔化魍を最適位置に誘導することに成功したら、音撃地雷を作動させて音撃結界を生成する。音撃結界に包まれた魔化魍は動きを封じられる(このとき魔化魍が震える)ので、そこへある程度接近して音撃斬を放ち、フィニッシュ。

 和風デザインのエレキギターを三味線の如く爪弾く“鬼”が観られたら、もう最高なんですけど!

『仮面ライダー響鬼』 十一之巻

『仮面ライダー響鬼』 十一之巻

【 観る前に思ったこと 】

 遂に幹部クラス登場か!?
 戦闘員レベルだった妖姫と怪童子の着ぐるみのクオリティが、普通の怪人レベルになってる? 同時に強さも戦闘員レベルから怪人レベルにアップ?(着ぐるみの予算に比例して強くなるのか?)
 前回、鬼が2人がかりで魔化魍1体と戦ったのだから、今度は魔化魍が2体がかりで1人の鬼と戦って欲しい。一度作ったCGは使い回しが効く(着ぐるみみたいに劣化しない)し、再生怪人ならぬ同種魔化魍が何種類か同時に登場するとか。あるいはモスラの幼虫のように、双子の魔化魍でも良い。
 新登場人物として、美人がまた一人登場! オヤジ族には嬉しい限りだ!
 でも、ヒビキと同級生なら、元モー娘。の中澤沢裕子の方が自然な気がする。裕ちゃんだったら、「おい、ヒビキ」とタメグチで会話しても違和感ないし。(むしろちょっとリアルすぎるか?)

【十一之巻の感想 】

 桜までCGCGな『響鬼』。まあ、これはしょうがないというか慣れるしかない。
 予告に出ていた、幹部風のキャラが登場。イメージ的に洋風なのがイマイチ。『クウガ』で算盤を持ち歩いていたキャラよりも、魔法使いっぽい感じ。
 今日のイブキは「ふうぅ」を定着させて出番終了。あきらは、入学式どうしたの? てっきり、明日夢と同じ高校に入学したと思っていたのだが。
 またまた臨時出動のヒビキ。上着が薄手になってきたが、設定上は、常にバチを背中(柔道で言う後帯)に装着しているはず。夏場も、薄手の上着を着用し続けるのだろうか。
 期待の美人新キャラが登場…と思ったら、私この人の写真集持ってるぞ!? 後でOPチェックしたら、梅宮万沙子さんだったので間違いない。そう言えば、神戸みゆきさんのデビュー当時の写真集も持ってるし、私が写真集を買った美人は仮面ライダーに出演する運命にあるのか?(『555』に出演してデルタにちょっとだけ変身した美人の写真集も以前から持っていた)
 今回も、世も末な「ヒビキ合成だー」があった。姫役の女優さんがメジャーになったら、今回の「大口合成」の映像を引っ張り出されて冷やかされるんだろうなと思うと、一寸悲しくなった。
 「いろんなところが開いちゃってるみたい」の場面で、日菜佳の胸元か脇か帯(お腹)か太股側面が「開いちゃってる」ことを一瞬期待してしまったことは、認めたくないものだ。オヤジ故の過ちというものを。
 ヒビキたちが猛士の家庭を訪問しているシーンは、役者の芝居が自然で良かった。こういう何気ないシーンの積み重ねが、作品のクオリティを高めていく。
 今回から、妖姫と怪童子も装着変身? でも「敵が強くなったと」いうより、「響鬼が弱くなった」と感じたのは、パワータイプの響鬼が簡単に吹っ飛ばされてしまったからだろう。
 たちばなの建て屋は、忍者屋敷と言うよりサンダーバード司令室。サンダーバードの場合、あの通路もちゃんとした設定がなされているのだが、たちばなはどうか?

【小学一年生の心で学び直したこと】

 今度、万引きを見つけたら、どうしよう? そんな伏線を感じさせるシーンがあった。やはり、店員に知らせるのが妥当な措置だと思う。
 ぶつかって来た人の荷物を運んであげて、プチ人助けをした明日夢に拍手。
 ちなみに、私は昨日電車で席をお年寄りに譲りました。明日夢が、電車で席を譲るシーンが出ると良いな。

【 次回予告を観て思ったこと 】

 遂にモッチーとあきらの顔合わせが実現。条件反射的に三角関係を想像してしまう。
 音角を操作する明日夢。以前、素のまま(全くの素人の状態)でディスクの再生音に反応していたような描写があったが、音角に対しては? 音撃戦士としての素質が垣間見られるのか? ヒビキや幹部クラスの秘密より、そっちに期待。

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 『響鬼』に関するコラムを書きましたので、よろしければご一読ください。

仮面ライダー響鬼』3人目の鬼を、ネタばれ無しで考える
『仮面ライダー響鬼』ハリウッド映画化計画! を考える

バーナード・ホプキンス VS ハワード・イーストマン 他2試合

WOWOW『Excite Mach』
             2005年4月4日 20:00~ 放送分


    バーナード・ホプキンス VS ハワード・イーストマン

 4団体統一チャンピオン。
 それは、現在のプロボクシングにおける最高の地位。
 そして、「チャンピオンは(各階級に)1人だけ」という「最強の証明」本来の在り方の具現。
 主要統括団体(メジャータイトル認定団体)が4つ存在している現在、その階級における唯一人のチャンピオン、即ち真の王者であることを証明するためには、その4つベルトを全て束ねる必要がある。
 現時点でそれを実現しているのは、全階級を通して唯一人、ミドル級王者のバーナード・ホプキンスだけだ。
 圧倒的な地位。頂点が1つしかないという状態は実に分かり易い。
 しかし、今のホプキンスの強さが圧倒的かというと、そうではない。分かり易い強さかというと、そうではない。ホプキンスの強さは、分かり難い強さなのだ。少なくとも、デラホーヤをKOして4団体統一チャンピオンとなった前回の試合と、その王座を防衛した今回の試合に関してはそうである。

 ホプキンスの強さを端的に言うと「相手の不意を突く強打」である。
 その最たる例が、紹介映像で何度も使われていた「トリニダードを倒した右フック」なのかも知れない。左アッパーを派手にミスブローしたところに左フックを合わされ、普通だったら体勢を大きく崩してもおかしくないところなのに、ガードしていた右腕で即反撃の強打を打ち込んで倒してしまう。神技とはまでは言わないが、人間技を超えた“超人技”である。トリニダードも、まさかあの状態・タイミングで強打の反撃が飛んで来るとは思わなかっただろう。
 状況こそ違え、デラホーヤ戦も同様だ。解説の小泉さんも言っていたが、普通ならクリンチになる流れ・距離でのレバー打ち。前のめりに倒れたデラホーヤがリング上でのたうち回り始めて、観客はようやくボディブローが入っていたことを理解できたのだ。

 WBCの公式挑戦者であるハワード・イーストマン。高いKO率を誇り、ホプキンスの仕上がり具合によってはあるいは…と思われた。しかし、不惑を迎えたチャンピオンは、いつも通りに仕上げてリングに上がり、いつも以上に老獪に戦い抜いた。
 手数は少ないものの、相手から受ける有効打は、更に少ない。
 圧倒的な強さを見せることなく、12ラウンドのうち過半数を支配して試合を終え、結果として王座を守る。イーストマンは、ホプキンスのペースを崩すことが出来ず、キャリア2敗目を喫した。


    ジャーメイン・テイラー VS ダニエル・エデュアルド

 ホプキンスの牙城を崩せるのは誰か?
 期待されているのが、新鋭のジャーメイン・テイラーだ。シドニー五輪組ということで、やや遅咲きの感もあるが、正統派のボクサーファイターでKO率も高い。減量苦と背中合わせではあるが、体格・リーチに恵まれている点も大きい。
 この試合でも、エデュアルドとは階級が違うのではないかと思えるほどの体格差があった。1ラウンドはジャブの数が少なく、その体格差を有効に使えなかったが、2ラウンドに入ると本格的にエンジンがかかる。
 左ジャブの回転を上げてきたテイラーに対し、差し合いでは勝負にならないと判断したエデュアルドは、3ラウンドに入ると飛び込みざまの逆ワンツーなどを交えて打ち合いに持ち込む。しかし、テイラーは真っ直ぐだけではなくフックや左右のアッパーを織り交ぜた攻撃で対抗し、主導権を渡さない。
 事実上試合を決めたのは、エデュアルドのジャブの戻りに合わせたテイラーの左フック。
 このときエデュアルドは教科書通りに右のガードを上げていたのだが、ナックルが綺麗に返ったこれまた教科書通りのテイラーの左フックは、そのガードを弾き飛ばしてテンプルを打ち抜いた。
 強引な一打であったが、エデュアルドの体に本来の力が残っていないことを見抜いた上でのものであったのなら、大したものだ。この勢いで、ホプキンスに挑戦して欲しい。


    ジュニア・ウィッター VS ラブモア・ヌドゥ

 Sライト級に、また一人面白い選手が浮上して来た。変則的なファイター、ウィッターである。
 ユナニマス・デシジョンながらポイント差の小さい判定勝利ではあったが、試合後の両選手の表情は、そのポイント差以上に勝敗の明暗が浮かび上がっていた。
 5年前はディフェンシブなボクサーだったとのことだが、今なら主要4団体のどのチャンピオンと戦っても面白い試合になりそうだ。ウィッターには、くれぐれも欧州で取りこぼして挑戦権を失ったりすることのないよう、頑張ってもらいたい。

映画『ゴジラ200X 対怪獣民間部隊、出動』企画案

映画『ゴジラ200X 対怪獣民間部隊、出動』企画案

 (1999年11月22日(月)頃に書いたものに後日加筆修正したもの)


1.作品コンセプト 「夢の対決! ゴジラ VS サンダーバード」

 もしもゴジラが出現して被害が出たとき、その救助活動に軍隊ではなく、国際救助隊サンダーバードのような、スーパーメカを持った民間部隊が活躍したとしたら?
 もしもゴジラを倒すため、軍隊ではなく、国際救助隊サンダーバードのような、スーパーメカを持った民間部隊が立ち向かったとしたら?
 この映画のコンセプトは、そんな夢の対決「ゴジラ VS サンダーバード」を思い付いたところからスタートしています。その考えを一歩押し進め、サンダーバードのような大富豪一族による民間部隊ではなく、日本人なら誰でも参加できる可能性があり、しかも現実味のある「政府主導の民間部隊」という設定にしてみました。
 この結果、「自分もゴジラに立ち向かう組織の一員になれるかも知れない」という気持ちになれる、「子供から大人まで楽しめる、陽性の大衆娯楽作品」が生まれます。
 物語の舞台は、現代の日本プラスαの世界。ゴジラは過去1回だけ日本に上陸したことがあり、近海で目撃されるのは未確認情報も合わせると2年に1回ぐらい。上陸しそうで上陸しない、そして絶対に上陸して欲しくない、日本の周囲をうろつく超特大の台風といったイメージです。『ゴジラ2000』と似ていますが、アレとはまた全く別の世界です。


2.登場人物 「君たちが、ゴジラに立ち向かう民間部隊のメンバーだ!」

 キャラクターは個性的かつバランスの取れた構成です。キャスティングには、ジャニーズ系の人気俳優を起用し、ティーンエイジャー向け雑誌やTVのワイドショーなどのメディアによる話題作り、および映画の宣伝を狙います。( )内はキャスティングです。

佐藤(香取慎吾)…
 主人公。ごく普通の運送会社に勤務するトラックの運転手だが、その運転テクニックは天才的。その天才的トラック運転技術を買われ、特殊車両・流星号の運転手として、対ゴジラ民間部隊チームに召集される。
 競馬が趣味で、流星号の命名者。お調子者だが、心の芯は太い。根の明るい熱血漢。

星野(山咲千里)…
 対ゴジラ民間部隊チームのリーダーで、美人でセクシーな女性自衛官。特殊大型輸送機行機・富嶽からチーム全体を指揮する。冷静沈着にして大胆な性格。

山本(佐野史郎)…
 従軍カメラマンなどを経験し、世界的に有名になりつつあるカメラマン。カメラだけではなくあらゆる情報機器に精通しており、情報収集の天才。
 情報担当として流星号に乗り込む。社交性は豊か。一見、自己中心的かつ打算的だが、戦場での命の恩人の写真を肌身離さず持っているなど、情の深い一面もある。

中村(高島政伸)…
 放射線医学に関して日本のトップクラスである医師。ゴジラのアマチュア研究家でもあり、ゴジラの生態に関する論文を発表したこともある。医師兼ゴジラ分析家として流星号に乗り込む。
 電子機器一般にも詳しく、情報処理能力にも長けていることから、普段はナビゲーションや富嶽その他との連絡など、雑務全般をこなす。臆病だが、優しい人。涙もろい。

武田(稲垣吾郎)…
 特殊戦闘機・烈風の、開発当初からのテストパイロットで、民間人。技量は日本の中でもトップクラスであり、航空業界では有名人。
 クールな性格だが、何故か自衛隊や警察に憎しみに近い感情を抱いている。心に壁を造るタイプで、佐藤をはじめとするチームのメンバーとも最初は全くうち解ける様子がなかったが、共に戦ううちに次第に心を開いていく。実は、佐藤と同様、大の競馬ファン。

岩瀬(菅野美穂)…
 女性警察官。警察内の特殊部隊SATに所属するエリート。原子力関連設備内でのテロの対応を専門としている。元オリンピックの射撃競技の銀メダリスト。
 流星号その他の機体は、本来全て彼女の所属する警察の部隊に配備されるはずのものであった。エリート意識が強く、寄せ集めの民間人でチームが構成されることに当初は反発する。
 チームの副リーダーで、流星号のチームのリーダーとして同機に乗り込む。普段はロボットアームや武器の操作を担当するが、本職はあくまでも現場への単身突入。


3.登場メカ 「これが、ゴジラに立ち向かう“日本版サンダーバード”だ!」

 対ゴジラ民間部隊チームが使用するメカは、スーパーマシンではあっても、サンダーバードのマシンと同様、十分なリアリティを持つものです。その意味で、平成シリーズのスーパーメカとは全く性格が異なります。現に実在していても不思議ではない、そういった“存在感”のあるメカなのです。
 なお、これらの対ゴジラ用メカは、開発はほぼ終了しているものの、発注元である政府にはまだ引き渡されておらず、全てまだ民間の所属です。

流星号 (耐熱耐放射線装甲作業車)…
 原発事故などの原子力災害の現場で作業するために、政府と民間企業が共同で開発した特殊車両。基本的には、大型トラック(トレーラー)に、3基の作業用ロボットアームが付いたもの。
 対ゴジラ用に、耐放射火焔シールドおよび高機動アウトリガー(安定脚)が装備され、ゴジラの放射火焔の直撃にもある程度耐えられる。普段は、本体よりも更に耐熱耐放射線能力に優れた、シェルターと呼ばれる自走式外殻型プラットフォームに収納されている。

富嶽 (垂直離発着式大型輸送機)…
 流星号同様、原子力災害用に開発された機体。流星号をシェルターごと現場に輸送するのが主な役目。流星号を降ろした後は、現場上空で移動司令室として指揮を執ったり、情報収集を行う。
 垂直方向に90度変向するティルトローターを4基、水平方向に90度変向するジンバルローターを2基装備している。試作機ゆえにオーバースペックで造られており、ホバークラフトのように、地表すれすれを飛行することも可能。
 本来は非武装だが、対ゴジラ用に、機体の前後左右に各1機ずつ30mm機関砲を装備し、ガンシップ化している。頑丈なティルトローター機であるので、ゴジラの拡散火焔放射による衝撃波を受けても体勢を立て直すことが可能。ただし、放射火焔の直撃には耐えられないので、いざという時はその高機動性を生かしてビル街に逃げ込む(ビルを盾にする)。

烈風 (耐熱耐放射線装甲偵察機)…
 富嶽に先んじて原子力災害現場に上空に到着し、目標に出来るだけ肉薄して現場上空を何度も通過、詳しいデータを収集することを目的として開発された。
 爆発による爆風を受けても耐えられるように設計されているため、ゴジラの拡散火焔放射による衝撃波にも耐えられる。しかし、放射火焔の直撃には耐えられないため、ゴジラを攻撃する際は、その高速を生かした一撃離脱戦法をとる。
 本来は非武装だが、対ゴジラ用に超高価なシールドタイプの映像追尾式ミサイルと、通常の機関砲を装備している。

Dスーツ (耐熱耐放射線防護服)…
 原力災害現場でも一定時間活動できるように設計された防護服。
 体にフィットした宇宙服のような感じ。装着者の被爆量や生体データをなどを測定するセンサーを内蔵し、そのデータをリアルタイムで常時無線送信している。
 出動時は、チーム全員が着用。試作品であるため、隊員ごとに色やデザインが少しずつ異なる。


4.怪獣 「初めて実現! ゴジラと雷竜(四脚巨大恐竜)の怪獣バトル」

 この映画では、「ゴジラと対ゴジラ民間部隊の闘い」が“主”であり、それに対して「ゴジラ対敵怪獣」は“従”となります。
 しかし、怪獣対決を決して軽く扱うわけではなく、短い時間で密度の高い、いわばハイクオリティで贅沢な映像を狙い、「一度見たら一生忘れられない」ような、「絵になる怪獣映像」を創り出します。
 それはズバリ、「ゴジラ 対 雷竜(四脚巨大恐竜)」という、今まで一度も映像化されていない怪獣バトルです。

ゴジラ …
 基本的には昭和のゴジラのイメージで、放射火焔は“光線”ではなく“高熱の息”。こめため、このゴジラの放射火焔は鏡で反射されるような性質もないし、高層ビルを一撃で貫通するような威力もない。
 だだし、戦闘における知能は比較的高く、対空技として“拡散放射火焔”による衝撃波・電磁波攻撃を使う。
 日本近海を自分の縄張りだと意識しているため、日本近海にやって来る巨大生物に対しては、無条件で襲いかかる。

メガザウルス …
 膝を付かないタイプの四つ足怪獣。ゴジラ同様、「海棲爬虫類から陸上獣類に進化する過程にあった、中間型の生物」。
 ブラキオサウルスに似た体型をしている。ただし、肉食を含む雑食性であり、頭部・首・肩・背中・尾など身体の各部には大小様々な棘や装甲板があり、かなり戦闘的な姿をしている。
 飛び道具は一切持たないが、尻尾の先端には頭部と同程度の大きさの瘤があり、そこから棘を出したり戻したりすることが出来る。この部分は赤熱化することが出来、強力な武器となる。
 体のサイズは、その長い首と尾を含めると、ゴジラよりも約二回り大きい。
 北海の海底で生き延びていたが、核廃棄物の影響で方向感覚が狂い、南下。日本に上陸してしまう。


4.ストーリー 「核となるドラマは、常にゴジラを見上げながら進む!」

 いきなり、ニュース画面。
「昨日、北海道の神威岬沖100キロの海上で、漁船・○○丸により、ゴジラと思われる生物が目撃されました。その際、家庭用ビデオカメラで、ゴジラの背鰭と思われる突起物が、海面上を移動する様子が撮影されております」
 ビデオの映像。暗くて粒子の粗い画面ながら、ゴジラの背鰭がV字状の波を立てて海面を進んでいるのが映っている。
 早朝、運送会社の詰め所。TVの前に何人かが集まっている。詰め所のメンバーの中で一番若い青年(佐藤)は、少し離れたところでコンビニのサンドイッチをパクつきながら、スポーツ新聞を読んでいる。一面は、ゴジラ目撃のニュースだが、佐藤は競馬の記事を熱心に読んでいる。
 資材を積んだ大型トラック(トレーラー)を運転している青年、佐藤。入り組んだ道を、巧みな運転技術でギリギリに、しかしスイスイと進んでいく。
「雀ちゃん、ゴメンね」佐藤がそう呟いた1、2秒後、トレーラーに積んであった資材の上部が街路樹の枝をパシッとかすり、枝にとまっていた雀が驚いて飛び立つ。
 車のラジオから、臨時ニュースが流れる。
「ロシア海軍が海洋上で核弾頭を解体処理中、核弾頭が誤って爆発するという大事故があった模様です。この事故により…」
眉をひそめる佐藤…。
 ロシア海軍の洋上原爆暴発事故により、その海域で生活していたジュラ紀の末裔、メガザウルスが出現する。メガザウルスは、原爆暴発事故のずっと以前、冷戦時代当初から続けられてきた核廃棄物の海中投棄により、ゴジラ同様、怪獣化していた。
 今回の事故による本格的な放射能汚染により、安住の地を追われたメガザウルスは、北方領土へと移動し、ゴジラと遭遇する。縄張り意識からゴジラとメガザウルスは戦いを始めるが、メガザウルスの体当たりを受けて、メガザウルスもろともゴジラは海中へ転落。行方が分からなくなる。

 その一週間後、メガザウルスは東京湾から、ゴジラは大阪湾から上陸する。航空自衛隊がスクランブル出動するが、ゴジラもメガザウルスも体温が低く、天然のECM能力があるため誘導兵器は誤爆しまくる。ホーミング無しのロケット弾として命中したミサイルも、大した効果は上げられない。
 さらにゴジラは、上空に向けて“拡散放射火焔”をぐるっと薙払うように吐くことにより、上空一帯に高熱による衝撃波と大気のプラズマ化による電磁波を発生させ、接近する戦闘機を空中分解させてしまう。
遅れてやって来た戦闘ヘリ部隊は、放射火焔に次々と撃ち落とされる。
 メガザウルスは飛び道具こそないものの、体の頑丈さはゴジラ以上。また、見かけによらぬ驚異的な機動力と首・尾のリーチで戦闘ヘリを何機か叩き落とす。
 ゴジラもメガザウルスも、自衛隊の攻撃が収まると暴れるのをやめ、周囲を見回した後、何かを探しに行くような感じで海へと戻って行った。

 翌日、佐藤は会社の社長から呼び出され、自分が日本政府から特別召集を受けたことを知らされる。
「どうして俺が?」
 いやいやながらも社長命令で召集に応じた佐藤は、国会議事堂内の一室へ案内される。そこで佐藤は、自分以外にも民間人が召集されていることを知る。
 大型スクリーンを背に、美人自衛官・星野の説明が始まった。それによると、昨日の戦闘から、政府は以下の結論を出したという。
 (1)ゴジラ、メガザウルスには現行の誘導兵器が使用できず、ゴジラに至っては衝撃波により戦闘機が接近することすら出来ない。
 (2)ゴジラに対しての戦闘は自衛隊の消耗が激しすぎるため、今後自衛隊の戦力はメガザウルスに集中させる。
 (3)ゴジラは日本に接近したメガザウルスに対してテリトリー意識を持っていると考えられ、日本に上陸したのもそれが大きな要因になっていると推測される。このため、メガザウルスを日本から遠ざければ、ゴジラもまたそれを追って日本から離れていく可能性が大きい。

「ゴジラに対しても、自衛隊は攻撃を続けるべきじゃないの? あきらめが良すぎるんじゃない?」
と、佐藤。星野は冷静に切り返す。
「あなたの肉親がゴジラと闘う部隊にいるとしても、同じ発言が出来ますか? 昨日の戦闘では、実戦に参加した隊員の実に90%が殉職しました。このような作戦は、政府からも認可されません。それに、いたずらに戦力を二分しては、メガザウルスを撃退することすら出来なくなり、最悪の結果を招く恐れもあります」
「じゃあ、ゴジラが日本に上陸しても、放っておくわけ?」
「そうではありません。今度ゴジラが日本に上陸したときは、あなた方の出番です」
「お、俺達に戦えって言うのか?」
「闘うのではなく、調査をしてもらうのです。ゴジラも生物である以上、何か弱点があるはずです。あなた方は、ゴジラに接近して調査を行い、その弱点を探るのです」
「ちょっとちょっと冗談じゃないよ、衝撃波のために戦闘機すら接近できないって、アンタさっき自分でそう説明したじゃない?! まさか、最寄りのJRから歩いて接近するとか言うわけ?」
「…実物をお見せした方が早いでしょう。ヘリで工場まで移動します。こちらへ…」
 そして、一行がヘリで到着した工場の内部には、富嶽を始めとする対ゴジラ用の特殊マシンが、ズラリとその勇姿を並べていた。思わず、息を呑む佐藤たち一行。 
 マシンとメンバーの紹介が一通り終わった後、既に参加が決定している女性警察官・岩瀬以外のメンバーに、今回の仕事の契約書が配られる。佐藤は、報酬が1億円であることを知ると、他の項目はろくに読まずに、その場で全ての書類にサインしてしまう…。

 翌日、昨日召集を受けたメンバーは全員再集結する。全員、作戦参加を了承したのだ。早速その日から、泊まり込みでの訓練がスタートする。
 数日後、最終訓練の開始直前に、ゴジラが名古屋港に出現したとの連絡が入る。実際の作戦同様フル装備のチームは、星野リーダーの判断でそのまま現場へと向かう。
 烈風がゴジラの注意を引きつけている間に、富嶽から降下した流星号はゴジラに接近していく。星野リーダーの指示に従い、流星号はゴジラにかなり肉迫した距離を保ちながら、壊れていない道路を選んでゴジラの周囲をぐるっと一周するように走行し、データを取得することに成功する。
 作戦は、とりあえず第一段階が終了だ。しかし、その直後、ゴジラの気まぐれで帰る道が塞がれてしまい、障害物除去のためやむなく使った武器による誘爆で、流星号はゴジラの注意を引いてしまう。逃げる流星号を追いかけ始めるゴジラ。
 ゴジラとの距離がだんだんと詰まり、さらにそれ以上のペースでゴジラから放射される放射線のレベルがどんどん上昇していく。そして遂に、流星号車内の隊員たちのDスーツが、被爆警告音を発し始める。
「おい、何だよこの音?!」
「私たちは今、被爆しているんです!」
「ひっ、被爆ぅぅ?! 俺達、何重にもシールドされているんじゃなかったの?!」
「流星号のシールド、車体、Dスーツの遮蔽を通過して、放射線が私たちの肉体まで到達してしまっているんです!」
「そんなぁ! 被爆したら、死んじゃうじゃんかよ!」
「このまま被爆し続ければ、その可能性もあります」
そんなことを言っている間にも、ゴジラはどんどん流星号に迫ってくる。車内のガイガーカウンターが、バリバリと大きな音を立てて鳴り響く。隊員のDスーツから送られてくる被爆のデータ(医師・中村の座席のモニター画面に表示されている)も、限界ライン目指してぐんぐん上昇していく…。
 結局、烈風の援護、佐藤の超絶運転テクニック、シェルターを囮に使うなどの機転、富嶽の決死の回収によってチーム全員が無事帰還することが出来たが、流星号のメンバーは全員年間許容被爆量の限界ギリギリまで被爆してしまう。
 しかも、命懸けで持ち帰ったはずのデータは、逃走時に車体に受けた衝撃や車内電気系統のトラブル、または放射線により、そのほとんどが失われていた。(富嶽と流星号のデータリンクは、ゴジラの発する電磁波や、ビル街に遮られていたため出来ていなかった)
 佐藤はそれでも「これで1億円もらってお役ご免」と思っていたが、契約書を見直すと、なんと「年間許容被爆量の3倍まで被爆するまで作戦参加は続行される」と明記してある。それでもゴネる佐藤に、星野リーダーは無報酬を条件に佐藤の契約解除を許可する。
 しかし、佐藤以外のメンバーは全員、契約通りこのまま作戦参加を継続するという。ただ一人、荷物をまとめて施設から出ていく佐藤。

 翌日の夜。会社の寮に帰っていた佐藤は、メガザウルスとゴジラが別々の方角から再び日本に接近中であることを、TVニュースで知る。
「俺にはもう関係ないの! ゴジラが来たら、みんなと一緒に避難すればいいの! それが一番!」
 TVのスイッチを切り、ベッドに潜り込む佐藤。
 …ゴジラに追いかけられている流星号が、放射火焔の煽りを受けて転倒する。車内にメンバーが閉じこめられたままの流星号が、ゴジラによって踏み潰されていく。潰れていく車内で断末魔の叫びを上げるかつての仲間達…
 佐藤は布団をはねのけて跳び起きる。佐藤の夢だったのだ。それでも、慌ててTVのスイッチを入れると、上陸するメガザウルスを迎撃すべく、自衛隊が総力を挙げて部隊を展開させているニュースが報道されている。佐藤は大急ぎで身支度を始める。
 遂にメガザウルスが清水に上陸した。ほぼ同時刻、ゴジラが浜名湖から出現する。
 自衛隊は、メガザウルスに対して総力戦を仕掛ける。メガザウルスと自衛隊の戦いの火蓋が切って落とされた!
 一方、調査チームでは、まず烈風が発進。続いて、修理の遅れていた流星号を積み込んだ富嶽が、格納庫から姿を現す。
 その時、大型トラックが猛スピードで格納庫の前に進入して来て、真正面でタイヤを鳴らして急停車。運転席から降りてきたのは、佐藤だ。片手に持った競馬新聞振りながら、富嶽に向かって大声を張り上げる。
「競馬でまた外しちゃったー! やっぱ、1億円はもらっとかないとー! やりかけた仕事だしぃー!」
 富嶽のコクピットから、思わず苦笑する星野リーダー。
 富嶽のTVカメラ映像で佐藤の様子を確認していた流星号のメンバーも、ニヤニヤ笑いながら視線を交わす。女性警官・岩瀬が、星野リーダーに連絡する。
「○○巡査部長が、急に腹痛になったそうです。誰か、代わりの運転手は手配できませんか」
「了解。10分以内に代わりの運転手をそちらへ向かわせます」
 Dスーツに着替えた佐藤、流星号の操縦席入り口で代理の運転手と敬礼を交わして、交代。そして、富嶽はゴジラを目指す。「富嶽、発進します!」
 再びゴジラと肉迫した流星号は、リアルタイムでゴジラから得られたデータを分析。その結果、ゴジラの背鰭の付け根は皮膚が薄いのではないかという推測がなされる。もしそうなら、脊椎にも近いため、急所である可能性がある。
 今度は富嶽と流星号が囮になり、烈風の映像追尾ミサイルによるピンポイント攻撃に全てをかけることになった。
 富嶽がゴジラ攻撃によって故障が発生、不時着に至るも、作戦は何とか成功し、烈風の発射したミサイルは全弾命中! ゴジラの背鰭の付け根から火柱が何本も上がり、ゴジラの動きが止まった…!
 しかし、それはほんの僅かな時間の間だけだった。ゴジラは何事もなかったかのように、周囲を見回すと、メガザウルスのいる方向へと進み始める。
「ダメか…」落胆するチームのメンバー。星野リーダーは、自衛隊本部に、調査チームの作戦の失敗を告げる。このままでは、間もなくゴジラはメガザウルスと自衛隊の戦闘現場に到達してしまう。
「結局、俺達は何の役にも立たなかったのか…」
 無力感がメンバーの間に漂い始めたとき、カメラマン・山本が静かに言った。
「救助に行こう。メガザウルスだけならともかく、ゴジラまで来たとなると、自衛隊同士での救出活動は困難を極めるだろう。私は、自衛隊の救出活動に協力したい。もちろん、他のメンバーに強制など出来ない。流星号の運転は、私が担当してもいい」
「なーに言ってんの、俺以外に流星号の運転が出来る奴なんて、いるわけないでしょ?」
 佐藤を含め、メンバー全員が救出活動に協力することに賛成し、自衛隊からも了承される。富嶽の故障個所はメンバー総出で短時間のうちに修理され、流星号を収容した富嶽は再び飛び立つ。
 ゴジラとメガザウルスは再び相まみえ、自衛隊など眼中にないがごとく、怪獣同士の一騎打ちを展開する。
 調査チームは、二頭の怪獣が暴れ回る現場に取り残されて立ち往生している車両や負傷者を、ピストン輸送で救出していく。

 ゴジラとメガザウルスの戦いは一進一退の互角の展開が続いていたが、遂にゴジラの放射火焔がメガザウルスの腹部に命中し、メガザウルスは海へと逃げていく。
 ゴジラもまた、戦いのダメージが大きいためか、テリトリーを守ることが出来て満足したためか、海へとその巨体を沈めていく。
 人々は、ただその後ろ姿を見送るしかなかった…。

                        《 終 》


5.補足(忘れちゃいけない、特撮映画には必要! お色気シーン)

 ちなみに、お色気シーンは三つ程。
(1)泊まり込み訓練期間中の1カットで、個室で制服からパジャマ?に着替える女性警官・岩瀬。
(2)佐藤がチームをいったん辞めた直後の場面で、女性自衛官・星野と女性警官・岩瀬の、シャワー室での2ショット。
 星野が、「なぜ彼(佐藤のこと)を引き留めなかったの?」と岩瀬に尋ねたりする。
(3)泊まり込み訓練期間中の1カットで、個室で爆睡(寝坊)している佐藤を、女性警官・岩瀬が起こしに来るシーン。女性警官が布団をひっぺがすと、佐藤は、全裸。

『仮面ライダー響鬼』ハリウッド映画化計画! を考える

『仮面ライダー響鬼』がハリウッドで映画化されるとしたら?!

【コンセプト】

 平成ライダーシリーズは、大人(子供の頃にライダーを見ていた世代)も楽しめる作りにはなっているものの、子供のためのTV番組である。ハリウッド映画とは、あまりにも隔たりが大きい。
 しかし一方で、『スパイダーマン』や『バットマン』といったコミック・ヒーローが大作レベルでハリウッドで映画化されて、世界中で公開されている現実がある。『ラストサムライ』といった日本を題材(舞台)にしたハリウッド映画も作られた。こちらも大作に属すると思われる。
 ヒーロー題材大作、ニッポン題材大作。
 それならば、『仮面ライダー響鬼』がハリウッドで映画化されてもいいじゃないかぁ!と単純に考えても、それを100%有り得ないと断言することはできまい。『スターウォーズ』シリーズの後釜として、20世紀フォックスが『ドラゴンボール』の実写での映画化権取得しているという例もある。
 ここでは、現時点のTV番組『仮面ライダー響鬼』の不満点を解消するための方便として、“ハリウッドで映画化”という方法論を使ってみよう。ただ無前提に妄想しても取り留めがないので、“ハリウッドで映画化”という条件の元で(枷をはめて)仮想してみようというわけだ。
 
 その昔、『強殖装甲ガイバー』という日本の特撮系漫画がハリウッドで実写映画化されたことがあるが、あれはハリウッドはハリウッドでもマイナー路線であった。そうではなく、メジャー路線で『仮面ライダー響鬼』がハリウッド映画化されるというコンセプトで考えてみたい。
 かと言って、ゴジラのハリウッド版である『GODZILLA』のような全くの別物になってしまっては(それはそれで面白いのだが)、現時点の自分自身が感情移入できない。
 飽くまでも、現在のTV版『響鬼』の枠組みを残しつつ、ハリウッド版『響鬼』を考えてみる。


【キャスティング】

 ハリウッド映画だから、ヒーローのヒビキはアメリカ人(細川さんごめんなさい)。『エボリューションズ』では3枚目を、『バレッドモンク』では2枚目?を演じたショーン・ウィリアム・スコットあたりが良いのでは。アクションもそこそこ出来て、ギャラもまだ安そう。
 TV版『響鬼』の本当の?主役は明日夢であるが、この観客目線の主人公も、アメリカ人にする必要があると思う。アメリカ人から見た場合、映画『仮面ライダー響鬼』は異国を舞台にした、しかも現実離れした物語である。その世界にスムーズに感情移入するには、自分たちと同じ目線で世界を見つめ、同じ立場で語って(独白=ナレーション)くれるキャラクターが一番適切だろう。
 明日夢というキャラクターを消してしまうというわけではない。明日夢は明日夢として登場するが、TV版の明日夢的なポジション(スタート時点で周囲の状況が良く分かってない立場)に、アメリカ人女優が演じるヒロインが入るとか、そういうことだ。
ここはズバリ、幼い頃に離れ離れになっていたヒビキの妹という役どころにしてしまおう(あらすじに関しては後述する)。
 そのついでと言っては何だが、イブキ役の渋江さんはそのままで、設定を帰国子女にしてはどうだろうか。台詞がちょっとタドタドしくて活舌が今ひとつ(「じゃあ、シツドウ(出動)します」とか)なのは、そのためだとすれば都合が良い。
 主役以外は基本的にはTV版のままで良いと思うが、ストーリーによっては、別途新キャラが必要になってくるだろう。
 あと、姫はTV版のままでもOKでも、童子はマッチョじゃないと多分アメリカ人観客が納得しない。マッチョが女性の声で喋る…うーむ、微妙微妙。
 映画『仮面ライダー響鬼』に製作費50億円を投じたとしても、日本国内でペイする可能性なんかほとんど無い(『もののけ姫』や『千と千尋』並みの動員が見込めるのなら話は別だが)。だから、この辺はアメリカ人観客の嗜好に合わせるしかない。


【鬼】

 変身すると着ている服が燃えちゃうとか、戦闘スーツを着用するのではなく肉体そのものが変化してしまうという点は、変えたくない。
そのためには、着ぐるみはもっとリアルにしなければならない。当然、頭部だけ変身解除したときの、首(鬼の体と人間の頭部の継ぎ目)の特殊メイクは欠かせない。
 TV版だと、バットマンみたいに「戦闘スーツを着ているだけ」のように見えてしまう。金をかけたら、どこまで本物の“鬼と化した肉体”のように見えるのか? グロテスクになってしまうのか、それとも全く新しいカッコ良さが生まれるのか? ぜひ見てみたい。
 肩から胸にかけてのアーマーのような部分も、骨(外骨格)のようなもので肉体の一部とする。この部分が傷付けば、それは鬼にとって負傷したことになる。この辺は、徹底したい。
(余談が、本作のライダーは『デビルマン』に一脈通じるものがある。去年実写映画化されたアレは酷かったが…。永井豪さん、よくあんな低予算映画を許可したねぇ…)


【魔化魍】

 『ジュラシックパークIII』が、あのCGやロボットのクオリティを製作費50億円で実現したらしいが、それは多分1作目・2作目での蓄積があってこその話だと思う。あるいは、映像メディアやエンターテインメント産業全体に、恐竜という素材自体に対するCGやロボットのノウハウの蓄積があったとも考えられる。
 しかし魔化魍となると、そうはいかない。原則として、全て一から作らなければならない。現実的に考えると『マトリックス』のイカみたいな奴の映像クオリティが妥当な線ではないだろうか。つまり「酷くはないが、CGであることがハッキリと分かる」レベルである。
 また、凄いリアルなデッカイ蜘蛛とか蟹とかは、CGで実現できたとしても却って嘘っぽくなると思う。ファンタジーな舞台ならそれでも大丈夫だろうが、『響鬼』の舞台は基本的には現代の日本である。時代劇版『響鬼』にしたいとは思わないので、ここは魔化魍の設定を大きく変えてしまおう。
 TV版の魔化魍は、音撃でしか止めを刺せないが基本的には動物同様の存在である。これを「CG丸出しのCG」で描くから興醒めする。
 これに対し、最初から“電脳化妖怪”あるいは“電子的に再現された物の怪”であるといった設定ならば、『マトリックス』のイカみたいな奴の映像クオリティでも問題はなくなる。コンピュータ内でコード化された魑魅魍魎を、特殊な装置で実体化させたものであるから、CG的なビジュアルであることがむしろ自然に感じられる。デザインも、クモやカニそのまんまではなく、オブジェ化した要素を含んでいる。それが“魔化魍”なのだ。
 また、アメリカ人には銃器(火器)信仰みたいな思想があって、映画に出てくるモンスターでも、通常の銃やミサイルで退治できてしまうというのが標準規格になっている。
 魔化魍には物理的な攻撃が効かない、つまり銃やミサイルでは倒せない存在なのだと納得させるためにも、魔化魍が電脳モンスターだとする設定が有効となる。魔化魍は実体を持っていても本質はプログラムなのだ。生物ではないから殺せない、機械ではないから壊せない。
 つまり、ドラキュラや狼男のような「特殊な方法を用いなければ倒せないキャラクター」としての地位を、新キャラクターである魔化魍に与えることができるのである。


【音撃】

 魔化魍を破壊できる音撃は、“音波の姿を借りたプログラム”である。
 本質がプログラム体である魔化魍は、外部から強制的に“破壊コード(魔化魍を破壊するためのプログラム)”を入力・実行しない限り倒せない。そのためには、“破壊コード”を音波の形にする必要がある(あるいは、破壊コードを生成・出力する際、副産物的に音波が発生する)。それが“音撃”という設定だ。
 音撃に用いる太鼓やラッパは、対魔化魍用の“音波コンピュータ”というわけである。
 この“音波コンピュータ”は、人間の脳や筋肉から生じる生体波動を入力しなければ機能しない(魔化魍の生成と原理は同じ)。それも、特殊かつ強力なものが必要だ。
 そういった生体波動は、肉体と精神を極限まで鍛えぬいた者にしか発生させることが出来ない。
 また、その過程において生じる特殊な脳波や神経電流は、発生源である人間の肉体そのものをも変容させる。
 かくして、音撃戦士は“鬼”となる。鬼にならなければ、“音撃”できないのだ。


【戦闘シーン】

 TV版の響鬼の音撃は、ひたすらドンドコやってるだけで単調である。どうも絵にならず、基本的にはカッコ悪い。
 バケガニを退治したときは、片腕を負傷しているetcのピンチな状態があったので「頑張ってドンドコするんだ!」みたいな感情移入が出来たが、本来カッコ悪いものを状況を利用してカッコ良く見せようとしても、やはり所詮誤魔化しに過ぎない。
 基本的に「パッと見て、カッコイイ」か、「パッと見て、凄い」と思える映像でなくてはダメなのだ。よって、ハリウッド版では、こう変えたい。

(1)まず、ベルトに太鼓を付けたまま、バチを手にして魔化魍と近接格闘する。
その際、魔化魍の体の「音撃入力ポイント(特定の個所に、数箇所しか存在しない)」に取り付いたときに、バチでドン(あるいはドンドンと2回)ベルトの太鼓を叩く。これは、敵の体に「音によるマーキング」を施しているのである。もちろん、映像的にも「その部分に音波が張り付いた」という特殊表現を行う。
 このマーキング時には響鬼に隙が出来やすいので、魔化魍の攻撃を受けることも多い。つまり、「響鬼がピンチ!」の時間帯である。

(2)「音によるマーキング」が終わったら、魔化魍から一旦離れ、広い間合いを取ってベルトから太鼓を外す。太鼓は普通の太鼓のサイズになって、宙に浮かぶ。

(3)その太鼓を響鬼がドンドドンドンドンドン位に叩くと、宙に浮かんだ太鼓は魔化魍めがけて飛んでいき、音によるマーキングを行ったポイントに張り付こうとする。(太鼓はディスクアニマルの上位装置といったイメージ)

(4)響鬼も太鼓を追いかけるようにして魔化魍に向かう。ここからが「響鬼が反撃開始!」の時間帯である。

(5)響鬼は、魔化魍の体のマーキングポイントに張り付いた太鼓をバチで思いっきり叩く(一打か二打)。叩かれた太鼓は、響鬼の動きに合わせて次のマーキングポイントへ素早く移動する。
 響鬼は魔化魍の攻撃をかわしながら素早くマーキングポイントを音撃して回り、魔化魍には徐々にダメージが蓄積していく。

(6)響鬼が、最後にトドメの音撃連打を叩き込む(連打といっても時間にして3秒間くらい)。
このトドメの音撃連打のシーンでは、響鬼は全身から焔を噴き出して(あるいは口から鬼火を吐きまくりながら)猛り狂うように集中連打する。トドメの連打は、『北斗の神』でケンシロウが「あたたたたあッ」と秘孔を突くイメージ。
 ここで重要なのは、フィニッシュは仁王立ちで連打すること。これが、極めの絵になる。

(7)巨大な魔化魍がオオオォ~ンと全身を震わせて爆発霧散。物理的な爆発ではなく、プログラム体が内部から崩壊してバラバラになり、さらに音波に転換されて飛散消滅するというイメージ。

 相手にやられてやられて、それを耐え切った後に、一気に反撃に転じるという王道パターン。(場合によっては、耐え切れずにそのまま敗退するのも有り)
 魔化魍のマーキングポイントを音撃して回るシーンでは、宙返りして逆立ち状態で音撃するとか、着地して即一撃してまたすぐジャンプするとか、動きにバリエーションとメリハリを付けることが出来る。
 で、最後は「怒涛の仁王立ち3秒連打」でフィニッシュ! 気分壮快!


【ストーリー展開】

 キャスティングの項で書いた通り、ヒーローのヒビキはアメリカ人、その実の妹(とりあえず、ジョディとしておこう)がヒロインである。ただし、ヒビキの妹:ジョディは、キャラクターポジションとしてはTV版の明日夢とほぼ同じである。これが前提。
 それでは、軽くストーリーを説明してみよう。

 アメリカのごく普通の都市で、ごく普通に独身OL生活を送っているジョディ。ジョディの普通ではない点といえば、彼女の父と兄が18年前に行方不明になっているということだった。
 ある日ジョディは、その兄が日本にいるらしいという情報を得る。ジョディがお守りにしている音角と、まったく同じものを身に付けている30歳前後のアメリカ人らしき男性が、日本の屋久島にいたというのだ(ジョディと兄は、幼い頃に父から音角を一つずつお守りとして貰っていた)。
 その2日後、ジョディは屋久島の土を踏んでいた。
 身振り手振りで島の人々から情報を集め、兄らしい人物を探して島の奥へと踏み込んでいくジョディ。しかし道に迷った挙句、ジョディは奇怪な男女(童子と姫)に襲われる。そこへ現れたのは、兄の面影が残る、30歳前後のアメリカ人らしき男性。彼は、ジョディが持っているものとそっくりの音角をポケットから取り出す。「兄さん!」とジョディが叫びそうになった瞬間、彼女の見ている前で、その男性の全身から炎が噴き出した。
 気合と共に炎の中から姿を現したのは、異形の戦士“鬼”であった。
「オニ…!」ジョディの脳裏に、幼い頃の記憶(父に見せてもらった異形の戦士の絵)が蘇る。
 その鬼はジョディを守り、童子と姫を倒す。戦いを終えると、鬼の頭部だけが人間の形に戻る。確かに17年前に行方不明になった兄の面影がある。
 鬼の体を持つ男性は、ジョディの問いかけには応えず「俺は…ヒビキ」とだけ言って森の奥へと姿を消す。しかしジョディは、彼が自分の兄であるという思いを強くするのだった。

 ジョディは“兄”の足取りを追って東京へ。
 手がかりを失い、当てどもなく下町を歩くジョディ。しかし、彼女の耳を「ヒビキ」という単語が掠めた。はっと振り向いた視線の先には、学生服を着た少年がいた。その少年は、確かに「ヒビキ」という単語を口にしている。興奮したジョディは少年に駆け寄り、英語で一気にまくし立てる。ビックリした少年は、半ば反射的に逃げ出してしまう。
 一旦は少年に逃げられたジョディだが、電車の中で偶然その少年を見つける。ジョディも今度は落ち着いて、片言の日本語を交えて少年に話し掛ける。「ヒビキ」という言葉にハッキリとした反応を示した少年に対し、ジョディは自分が身に付けている音角を見せる。目を丸くして驚く少年。その少年もまた、音角に似たものを持っていた。
「あー、まいねーむいず、あすむ。“ひびき”いず、まいますたー」

 明日夢の自宅。窓に明かりが灯っている。
 明日夢の母が、仕事を終えて家に帰って来た。玄関に、見慣れない靴がある。
「ただいまー、明日夢ぅー、お客さん、いらしてるの~?」
居間では、辞書を片手にした明日夢と、辞書を片手にした金髪碧眼の若い女性が、互いに辞書を覗き合っていた。
「ががが、外人さん?」明日夢の母、ちょっと固まる。
 何やかんやで、ジョディは明日夢の家に泊まることになった。
 ベッドの上で目を瞑っても、ジョディの頭の中には記憶と疑問が巡り続ける。
  ヒビキと名乗ったあの男性は、兄さんなのか? それとも別人なのか?
  彼が“オニ”に姿を変えることが出来るのは、何故なのか?
  自分を襲ったモンスターの正体は何なのか?
  父さんは? 父さんのくれた“オニ”のお守りの意味は?
 今は、ヒビキを自分の師だと言う少年・明日夢だけが頼りである…。

…とまあ、こんな感じで話は進んでいく。
 ジョディは、現時点のTV版の明日夢ほどではないものの、ドジでおっちょこちょいで怖がり(日本のことがほとんど分からないので仕方のない面もある)なキャラクター。
 明日夢は、一応正式にヒビキの弟子(見習い段階の弟子)になっており、四苦八苦しながらもディスクアニマルを扱えるレベルになっている。
 ジョディが“ダメキャラ”を演じてくれるので、明日夢はジョディとヒビキの間を取り持つ役割を演じることになる。しかし、明日夢はとてもじゃないが頼りになる存在とは言えず、場合によっては“二人揃ってダメキャラ”状態になる。
「こんな少年に任せて大丈夫なんだろうか?」という危なっかしさが、見ている側に適度な緊張感と期待感をもたらすというわけだ。

 ヒビキに関しては、始めの段階では「12歳のときには日本にいた。それ以前の記憶は無い」と言ってジョディを突き放すが、実は…という展開。
 この映画では、魔化魍は人為的に生み出されているという設定である。ジョディの父は18年前、息子を連れて来日し、魔化魍を人為的に生み出そうとする組織に関わっていた。
 父はその組織に囚われたが、猛士との連携で息子を逃すことには成功。息子はそのまま猛士に保護される。父の救出を誓った彼は、その後の厳しい修行の末、“響鬼”の名前を得たのだ。

 基本的には「一人のアメリカ人が、日本の裏社会・闇世界(東洋の神秘)を垣間見てしまう」といった感じの作り。普通だったら深みに嵌らないうちに逃げ帰るところだが、生き別れになった兄と父がそこに深く関わっているものだから、退くわけにはいかない。
 しかも、妙にキュートな普通の少年(明日夢のこと)が、その裏の世界と表の世界を自由に行き来している。フツーのアメリカ人が見たら、嘘とホントの境界線が分からなくなるような、そんな不思議な感覚。

 こんなハリウッド映画『仮面ライダー響鬼』が観られたら、もう最高なんですけど!

『仮面ライダー響鬼』 十之巻

『仮面ライダー響鬼』 十之巻

【 観る前に思ったこと 】

 あきらが姫達に対して「あんた達のような人殺しは許さない」と言っているが、魔化魍は「人喰い」であって「人殺し」ではない。生存の為に人間を捕食しているだけである。人間だって生存の為に他の動物を捕食しているのだから、魔化魍の行為も自然全体では許される行為だ。
 人を襲うという理由だけで熊や鮫を絶滅させて良い筈はない。この辺りのロジックを、どう処理していくのだろうか。
 鬼が随分昔から活動しているようなのに、今日まで魔化魍が絶滅していないのは何故か? 鬼は魔化魍の数を調整するために「間引き」をしているだけで、実は魔化魍を保護しているのだという設定だったら面白い。
 早くもダブルライダー共闘! 久し振りに明確な先輩後輩関係にあるライダー(『剣』もそのはずだったんだけど…)なので、世代的にはちょっと嬉しい。イブキが変身前する前にラッパを携えているのも、ちょっと嬉しい。どうせならイチローみたいに背負っていてくれ。

【十之巻の感想 】

 タンデムしているイブキとあすか。そのバイクの後姿を見て「そう言えば、テントその他のキャンプ道具はどうやって運んでいるんだろう?」と思っていると…
 とんでもないCG&合成で大岩がゴトンゴトン~!!
「うわぁああああああーーー!! ヒビキ合成だーーーーー!!」
初っ端から見てはいけないものを見てしまった感じ爆発。今後、こういう世も末な映像を見せられたら、TVの前で「ヒビキ合成だー!!」と叫んで忘れることにしよう。
 あきらが童子と姫と対峙する場面で、あきらに対する巨乳疑惑が深まった。以前から、あきらは“巨乳顔”だと思っていたが、どうやら本物のようだ。
 明日夢がイイトコナシなのはいつも通りだとして、今回はあきらもいいところ無し。出来れば、珍しく?凹んでいるあきらと、毎度の如くヘタレている明日夢が出会う場面が欲しかったところ。
 初っ端は酷かったVFXが、CM直後からは予想外の頑張りを見せる。
 廃屋の隣に何気なく佇む大岩は、自然な感じで素晴らしい。CMから一気に本編へと引き込んでくれた。これ以降、オトロシのVFXは、TV作品にしては合格のレベルをほぼ保っていた。
 イブキのピンチに颯爽と登場するヒビキ。ここは、二人同時に蹴飛ばしていたことが不明確な絵だったのが惜しかった。キック命中時、細川さんの顔が映ってないのも不満。
 香須実さんが「(建屋の)中に入るの?!」と叫んだとき、続けて「変身してから中に入って!」とか余計なことを言うのではないかと思ってヒヤッとした。
 ちなみに、「鬼は、敵を視野に入れていないと変身できない(または変身に時間がかかる)」と私は勝手に思っている。敵を目の前にして、変身シーンを決める二人の勇姿に大満足。
 だけど、響鬼のドンドコは、相変わらずカッコ良くない。せっかく仁王立ちバージョンになったのに、この「キマッってない」加減は何なの? 今回はアングルもリズムも悪かった。
 顔出し威吹鬼の渋江さんのフルショットが初登場。渋江さんがスリムであるため、変身中の威吹鬼とシルエットが同じ印象なのが嬉しい。当たり前だけど、マスターメタリア(メタリアと合体したエンディミオンのこと)より似合っててカッコイイ!

【小学一年生の心で学び直したこと】

 力には力、暴力には暴力で対抗することが、必ずしも正しいことではない。幾ら鍛えていても、相手が銃を持っていたら、どうするのか。こちらも銃を持つのか。アメリカ社会がまさに直面している問題だ。
 日本の“武”の概念は、相手の暴力に対抗するものではなく、自らが生み出す暴力を制御するものである。“武”という文字には“戈(ほこ、矛のこと)”を“止”めるという意味が込められている。暴力を止めるのは、「外なる力」ではなく「内なる心」なのだと思いたい。

【 次回予告を観て思ったこと 】

 遂に幹部クラス登場か!?
 そして美人がまた一人登場! オヤジ族には嬉しい限りだ!

『ナショナル・トレジャー』

『ナショナル・トレジャー』
  2005年の映画館で観た映画:4本目
  映画を観た日:2005年4月1日(金)

 この日は料金1000円の「映画の日」だったので、『ローレライ』とハシゴして観た。朝イチで『ローレライ』のチケットを購入した際に、13時30分からの『ナショナルトレジャー』のチケットも購入。仕事では抜かることがあっても、こういうところでは抜かりはない。

 この映画は推理小説系というか、RPG系というか、パズル系というか、とにかくそっち系の作品である。テーマとか人間ドラマとかは基本的にはどうでもよくて、とにかく一つ問題を解いて次のイベントへ進むこと自体が主題の、言うなればスゴロク映画。
 アクション映画は好きだが、こういう徒歩ラリー(オリエンテーリング)みたいな形式は好きではない。ただし役者は好みが揃っているし、映像のクオリティは申し分ないので、それなりに満足は出来た。『タイムライン』を観たときと似たような満足度である。
 ヒロインのダイアン・クルーガーは、「どっかで観たことのある美人だなぁ」と思っていたら、『トロイ』の王妃役を演じた女優だった。キーラ・ナイトリィと同様、バタ臭くないスッキリ系の美人で、今後も要チェックである。
 この映画で日本初登場となったライリー・プールも、イイ味を出していた。ハリウッド映画では、三枚目的なキャラは黒人俳優が演じることが多いような印象があるのだが、このライリー・プールがそのポジションにおけるホワイト・ホープとなるのかどうか。

 テーマ云々は関係ない映画だと書いたが、この作品を観て、アメリカ人は自国の歴史にコンプレックスを抱いているのだと感じた。
 アメリカには元々先住民(かつてインディアンと呼ばれていた民族)が住んでいたのにも関わらず、イギリスが植民地化を進め、彼らから土地を騙し取り、乗っ取ってしまった。
 だから、アメリカには大した歴史がない。歴史がないから遺産もない。この映画で主人公たちが苦労して見つけ出したお宝も、全部外国の文化遺産であった。まさに、略奪の積み重ねそのものである。文化遺産といえば自国のものが当たり前だという認識を持つ国の人間が見たら、嘲笑しつつ皮肉の一つも言いたくなるところだ。

 アメリカ人は、「自分の国には、何かスゴイ物が存在して欲しい」と思っている。
 アメリカ人は、「自分の国が誕生したことに、何かスゴイ歴史が絡んでいて欲しい」と思っている。
 アメリカ人は、「自分たちが侵略者の子孫ではなく、汚れのない開拓者の子孫だ」と思いたがっている。
 そんな気がしてならない。同時に、それらは全て、劣等感の裏返しであると。

 この映画では独立宣言書が非常に重要なアイテムとして描かれているが、日本にはそういったアイテムは存在しない。最初から独立している国には、独立宣言書など必要ないからだ。あるいは、独立しているという自覚さえ持っていないのかもしれない。
 日本人は、自分たちが先祖代々この土地に住んできたということを、体のどこかで覚えている。その“感覚”は、「独立宣言」という“概念”に勝る。考えるまでもなく、我々は「ここにいてよい」のだ。

 現在の日本人の遺伝子を調査した結果から、日本人は、極東の人種の混血集団だということが分っている。我々には、肌の色こそ同じだが種類の異なる幾つかの民族が、互いの存在を許して共存してきた長い歴史があるのだ。
 そんな自分のルーツを、ふと思い起こさせるような映画でもあった。

『ローレライ』

『ローレライ』
  2005年の映画館で観た映画:3本目
  映画を観た日:2005年4月1日(金)

 今年は1本目、2本目と観た映画が続けて期待外れ(しかも邦画)だった。3本目も邦画で、しかも期待せずにはいられない樋口監督の映画である。ここで裏切られるようなことがあったら、もうこの手の邦画を今年は観ないでおこうと思っていた。
 しかし、それは杞憂に終わった。気が付けば、『ローレライ』を観終わったその足で、『戦国自衛隊1549』の前売り券を買っている自分がいた。邦画に絶望しないで済んだということだ。

 この映画のコンセプトである「第2次大戦のファンタジー化」は、危険な要素を孕んでいる。一時期粗製濫造された“架空戦記もの”が、その悪しき例である。
 端的に言えば、後出しジャンケン式に第2次大戦の戦史をいじくり回し、史実では開発に失敗している兵器をじゃんじゃん登場させ、「こうすれば日本は勝っていた」という話をこしらえるというものだ。“架空戦記もの”というジャンル自体には問題はないと思うが、当時の日本の情勢を無視したシミュレーションは単なるご都合主義でしかないし、「日本の戦勝、即ち良きこと」という安直な発想は、日本が史実において行った侵略行為すら美化しかねない。

 『ローレライ』は、日本が戦争に勝利する話ではないし、史実では負けていた戦いを引っくり返す話でもない。史実には存在しなかった「(無条件降伏の拒否を受けての)東京への原爆投下」というアメリカの作戦を、史実には存在しなかった日本の部隊が、史実には存在しなかったドイツ兵器を使って阻止するという、いわば三重の虚構を描いた作品である。
 つまり、この映画は最初から史実には存在しない対象を題材にすることにより、純粋な意味においての「第2次大戦のファンタジー化」に成功しているのだ。これが、従来の“架空戦記もの”とは一線を画している点である。これまでは所詮「史実では負けていた戦いに勝つから面白い」のであり、「始めに敗北という史実ありき」で成り立っている「史実依存型エンターテインメント」であった。そこから脱却し、『ローレライ』は虚構それ自体のみで成立する、本来のエンターテインメントになっているのだ。

 しかも、登場する架空兵器は虚構性が相当に高い。それを、原作の福井晴敏は「俺は恥じることなく“ガンダム”をやる」という明確な意思の元で創り出した。監督の樋口真嗣は、それをケレン味たっぷりかつ絶妙のバランスを保って映像化した。
 これは、かなり画期的なことである。本来こういう作品は、アニメ等では日本が得意としている日本のお家芸的分野だ。しかし今回その得意分野で、邦画が久し振りに成功したのである。(『ジュブナイル』以来か?)
 ティム・バートン監督の『シザーハンズ』や『ビッグフィッシュ』といった映画を始め、「現実世界のファンタジー化」に成功した例は存在する。しかし、戦争ドラマでそれをやった例は、おそらくかつて存在しないのではあるまいか。もし過去あったとしても、今後そう簡単には出てきそうにない。ハリウッドが戦争ドラマをファンタジー化しようとすると『スターウォーズ』になる。『ガンダム』にはならないのだ。

 CGは決してクオリティが高いとは言えないものの、作品全体を通して統一性・調和性があり、個人的には許容の範囲であった。潜水艦内の映像も、邦画にありがちなチャチさは感じられず、リアリティを感じられた。セットの表面的な完成度もさることながら、分解可能な構造にしたことによって、カメラワークの自由度が得られた点が大きかったのだと思う。
 特筆すべきは“水”の表現を、どうにか克服したことである。
日本の特撮系映画は、円谷監督作品も含めて、“水”の表現にはことごとく失敗してきた。こと“水”に関しては、「模型をプールに浮かべただけ」あるいは「着ぐるみがプールでバチャバチャやってるだけ」といった、撮影風景バレバレで興醒めする低レベルな映像のオンパレード。とにかく過去の作品は、波や水飛沫を見た瞬間、ミニチュアの出来が良くても直感的に「あ、小さいな」とガックリさせられてきた。今回、これを感じなくて済んだことは大きい。

 劇中、文字通り紅一点であるパウラは、とても美しく撮れていた。現実感ギリギリの特殊スーツ姿、綾波レイを思わせるアンダースーツ姿、そして変装して甲板に出たときの帽子を被った姿と、この映画の中では唯一変化に富んだキャラクターであり、そのどれもが魅力的だった。
 彼女に感情移入してしまい、パウラが死に至るかもしれない苦しみを目前にして「(あなたと)一緒なら、耐えられる」と健気に言った場面では(それが予告フィルムでネタばれしているにもかかわらず!)、思わず涙してしまった。

 この映画のベストショットは、最後の戦いを前にして、伊507からN式が切り離されるシーン。これから死地に赴こうとする親が、未来を託して子供を産み落とす姿をイメージさせる映像であり、ストーリーの展開と完全に一致している。切断されたケーブルがN式から伸びている様子は、まるで臍の緒を付けたままの赤ん坊のようだ。その中にいるのが、若い男女のペアであるというのも象徴的である。

 作品全体を見渡せば、『U-571』の下手なパクリとしか思えないような無駄なシーンもあったりするが、概ね良作と言える。映画館に足を運んで良かったと思えたし、DVDが販売されたら必ず購入するだろう。
 樋口・福井のコンビが、これからも良い作品を生み出してくれることを願ってやまない。

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震電

震電

 写真撮影時40歳。
 いい歳して云々といった決まり文句は私には通用しない。たった一度の人生、他人に迷惑をかけない範囲で楽しみます。